LIVE SHUTTLE  vol. 335

Report

三浦大知 “至近距離でステージを観ている”という感覚。日本武道館円型ステージで披露された圧巻のステージを振り返る。

三浦大知 “至近距離でステージを観ている”という感覚。日本武道館円型ステージで披露された圧巻のステージを振り返る。

DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018-2019 ONE END
2019年2月15日 日本武道館

「DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018−2019 ONE END」、日本武道館公演(2019年2月15日)。昨年9月から12月にかけて行われた「DAICHI MIURA LIVE 2018 ONE END TOUR」の追加公演(福岡・マリンメッセ福岡、東京・日本武道館、大阪・大阪城ホールの5公演/アリーナツアーを含めた全29都市39公演は自身最多で、総動員数は12万超え)として開催されたこのツアーで三浦大知は、世界トップレベルと言っても過言ではないダンス&ボーカル、凄腕のバンドメンバー、ダンサーを交えた「パフォーマンス力、すべての観客を一瞬たりとも飽きさせないステージ構成と演出を含め、キャリアハイをさらに更新するような圧巻のエンターテインメントを見せ付けた。

会場に入ると、まず、アリーナの中央に置かれた円型のステージが目に入った。完全な円型ではなく、八角形に近い形状になっていて、少しだけ凹凸が付けられている。さらに上方から4枚の大きな布が下ろされ、ステージを4分割するように飾られていた。武道館自体も円型の会場なので、客席はステージをぐるりと囲むように設置されている。つまり、どの席からでも近い距離でパフォーマンスを直視できる状態になっているのだ。ツアーの見どころについて三浦大知は「今回のライブは見に来てくださった皆さんとの距離が近いライブになっていると思いますので皆で音楽でつながれたらと思っています」とコメントしていたが、そのコンセプトはステージ構成にもしっかりと反映されていた。もちろん会場は超満員。小学生くらいの子供から年配の方まで、幅広い年齢層のオーディエンスが“三浦大知を生で見たい!”と待ち構えている。

開演時間になり、ついにライブがスタート。まずはフードを被ったダンサー、ミュージシャンが登場。さらに大きな布に三浦の顔が映し出された瞬間、凄まじいばかりの歓声が巻き起こり、1曲目の「Be Myself」が披露される。昨年12月にリリースされたこの曲、「Be Myself」は、“自分でいること”の大切さを真っ直ぐに響かせるアッパーチューン。“Be Myself!”というフレーズを観客が一緒に叫び、早くも心地よい一体感が生まれる。「“ONE END”ツアーにようこそ!」というシャウトに導かれ、「Unlock」へ。パーカシッブなドラムを軸にしたビートに乗り、シャープにしてダイナミックなダンスを見せ付ける。日本トップレベルのダンサーとの絡みも驚くほどにしなやかで、正確。円型ステージの周囲を移動しながらパフォーマンスするため、“至近距離でステージを観ている”という感覚になれる。実際、こんなにも“近い!”と感じる武道館のライブは初めてだ。

さらにコンセプトアルバム『球体』の収録曲「硝子壜」でディープな世界を描いた後、“ワン!ツー!”という三浦自身のカウントから始まった「Inside Your Head」、“いくぞ!”というシャウトにリードされた「(RE)PLAY」。

“ベスト・オブ・三浦大知”と呼ぶべきセットリストはもちろん、ステージングも文句なく素晴らしい。センターステージが上下したり(さらに中央部分が3分割されていて、それぞれのパーツを動かし、段差を作ることもできる)、ミュージシャンの位置を変えることで、ステージの見え方は大きく変化。観客は曲によって、正面、背後、側面など、様々な角度から演者のパフォーマンスを見ることになるのだが、それぞれに異なる魅力があり、まったく飽きることがない。簡単に言うと“正面じゃなくても楽しい! どんな角度から見ても三浦大知はめちゃくちゃすごい!”ということだ。“自分たちのパフォーマンスをなるべく近い距離で、いろいろな角度から見てもらう”という、考えてみればシンプルすぎるコンセプトのステージなのだが、それを可能にしているのは言うまでもなく、三浦大知、ダンサーたちの技術の高さとフィジカルの強さ。R&B、エレクトロ、ハウス、ブレイクビーツ、ロックなどを縦横無尽に融合させたトラックを自然に乗りこなし、豊かな表現力をたたえたボーカル、そして、世界最高峰のダンスパフォーマンスによって、極上のエンターテインメントを体現させる。デビュー以来、一貫して追求してきた彼のスタイルは、このツアーによって一つの頂点に達したようにさえ思う。

「ありがとうございます! “ONE END”ツアー in 日本武道館にみなさんようこそ! 凄い景色です! こんなに集まっていただいて、本当に有難うございます! 今日は音楽でつながって、みなさんと一緒に最高のライブが作れたらと思っています!」というMCのあとは、心地よい一体感を味わえるコーナーへ。

ゴスペル風のコーラスを「Perfect Day Off」では、観客が両手を左右に振りながら大合唱。さらに「FEVER」では観客のハンドクラップがアクセントとなり、大らかなグルーヴへとつながる。音楽そのものでオーディエンスとコミュニケーションを取りたいという彼自身の意思が伝わるステージングによって、会場全体がハートウォームな雰囲気で包まれる。

ライブ中盤では、三浦大知の奥深い音楽性が実感できるシーンが続いた。バラードナンバー「ふれあうだけで 〜Always with you〜」では、ピアノと歌のシンプルなアレンジによって、“まもりたい あなたを”という切実な思いをじっくりと描き出す。そして「世界」では、ギターの弾き語りを披露。アコースティックギターを指で爪弾き、心から愛する“君”に向けた真っ直ぐで強い思いを歌い上げる。彼の歌心がじんわりと伝わり、涙を浮かべる観客も。本当に豊かな表情を持ったシンガーだと思う。

「DIVE!」「Cry & Fight」からライブはクライマックスに突入。いまやおなじみとなった“無音ダンス”(まったく音がない状態で、三浦とダンサー全員が一糸乱れぬパフォーマンスを行う。何度見てもすごい)を交えた「Black Hole」、映画「ドラゴンボール超 ブロリー」の主題歌に起用された最新曲「Blizzard」、そして、代表曲のひとつ「EXCITE」。ライブ終盤になっても動きはまったく変わらず、むしろ切れ味を増している。繰り返しになるが、映像や演出に依存せず、歌とダンスと音楽だけでこれほどまでの熱狂を生み出せるアーティストは本当に稀だと思う。

“大知”コールとともに再びステージに登場した三浦大知はまず、“みんな手を繋ぎ/明日を迎えに行こう”とメッセージするミディアムチューン「Anchor」を熱唱。さらに「みなさんがつながってくれたおかげで、最高のライブを作れたと思っています!」と感謝の気持ちを伝え、「Touch Me」へ。ソウルフルなボーカルが伸びやかに響くなか、ライブはエンディングを迎えた。

ツアー中の2月24日には、東京・国立劇場で行われた式典「天皇陛下御在位三十年記念式典」に参列し、「歌声の響」を歌唱。いまや国民的なアーティストとなった三浦大知は、今回のツアーでも最上級のエンターテインメントを体現してみせた。“ONE END”は“一端”という意味だが、直訳すれば“ひとつ”の“終わり”。キャリア最高峰と称すべきステージを作り上げた三浦大知はここから、さらなるステップアップを目指し、まったく違う次元に向かうのではないか。そんなことさえ想像してしまう、本当に素晴らしいステージだった。

文 / 森朋之

DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018-2019 ONE END
2019年2月15日 日本武道館

セットリスト

~OPENING SE~
1. Be Myself
2. Unlock
3. 硝子壜
4. Inside Your Head
5. (RE)PLAY
6. Perfect Day Off
7.FEVER
8. Can You See Our Flag Wavin’ In The Sky?
9. Breathless
10. ふれあうだけで ~Always with you~
11. 世界
12. カヴァーコーナー
13. DIVE!
14. Cry & Fight
15. 飛行船
16. Black Hole
17. Blizzard
18. EXCITE
19. music
20. Darkest Before Dawn
~ENCORE~
EC1. Anchor
EC2. Touch Me
※写真は2019年3月13日(水)大阪城ホールにて撮影されたものです。

三浦大知

1987年8月24日生まれ、沖縄県出身。
Folderのメインボーカルとして1997年にデビュー。
2005年3月にシングル「Keep It Goin’ On」でソロ・デビュー。
天性の歌声とリズム感、抜群の歌唱力と世界水準のダンスで人々を魅了し、コレオグラフやソングライティング、楽器も操るスーパーエンターテイナー。
2012年に日本武道館、2013年に横浜アリーナ、2017年には国立代々木競技場第一体育館にて単独公演を大成功させ、ライブの規模も年々拡大させている。ミュージックビデオの祭典「MTV VMAJ」では“ベストR&B賞” を2014年から2017年まで4年連続で受賞し、ヨーロッパ最大の音楽授賞式「2014 MTV EMA」では“ベスト・ジャパン・アクト”に選出されるなど国内外でそのパフォーマンスが高く評価されている。
2015年9月リリースのアルバム「FEVER」は自身最高となるオリコン週間アルバムチャートで3位を記録。その後もコンスタントにシングルをリリースし、2017年1月にリリースした「EXCITE」で自身初のオリコン週間シングルチャート1位を獲得。
2017年3月、6枚目となるオリジナルアルバム「HIT」をリリース。11月、「第50回日本有線大賞」において「有線音楽優秀賞」を受賞。合わせて「第59回輝く!日本レコード大賞」において「EXCITE」が優秀作品賞を受賞、その年「第68回NHK紅白歌合戦」にて紅白初出演を果たした。
2018年1月31日にはワンマンでは初となる大阪城ホール公演、2月14日・15日には2daysでは初となる日本武道館公演を開催。3月7日に、自身初となるベストアルバム「BEST」をリリース。

オフィシャルサイト
https://avex.jp/daichi/

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