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『ダライアス コズミックコレクション』で振り返るシリーズの功績

『ダライアス コズミックコレクション』で振り返るシリーズの功績

BGM、ステージ演出、遊びやすさ――屈指の人気作『ダライアス外伝』

グラフィックのエフェクト機能を充実し、シンセサイザーやサンプラーのメーカーであるエンソニック社の音源チップを搭載したタイトー自社製の基板”F3システム“によって作り出された『ダライアス外伝』。専用筐体による多画面表示ではなく、一般的なビデオゲームと同じく1画面構成となったが、却ってそのことが功を奏し、対戦格闘ゲームが大ブームを巻き起こしている1994年の渦中でも、シューティングゲームというジャンルを堂々と代表するタイトルとなった。
『ダライアス』シリーズのみならず、数あるタイトー製シューティングゲームのなかで現在でも1、2を争う人気を誇る。その理由を3つ挙げるとするなら以下のとおりだ。まずは、初心者から上級者まで受け入れた幅広い難易度、F3基板が表現する美麗なグラフィックとエフェクトが効いたステージ&ボスデザインのふたつ。そして3つめが、社内サウンドチーム”ZUNTATA“で『ダライアス』シリーズの作曲を手がけた小倉久佳(OGR)氏が傾倒していた精神・心理学からイメージの発想を得たという神秘性のあるBGMだ。ゲームの進行内容とシンクロする演出によってプレイヤーの没入感を深く誘い、初代『ダライアス』でもアプローチしていた”音との親和性”を再び与えることに成功した。その最たる例として、最終ゾーンのBGM『SELF』のメロディが盛り上がりに達する瞬間、ステージの地形や背景からラスボスがドンと登場するという秀逸な演出は、これからも語り継がれていくに違いない。今回もレビューを執筆するにあたり、Nintendo Switchの携帯機モードでプレイさせていただいたが、このシーンは何度見ても鳥肌を立たせられる。

▲1画面になっただけではなく、強力な攻撃と緊急回避を兼ね備えるブラックホールボンバーの搭載や、ステージの道中に登場する中ボスを味方機にすることができるなど、現代的なシューティングゲームの要素を積極的に取り入れているのも特徴

▲『外伝』と題されているが、初代『ダライアス』のボスも登場するという開発者のリスペクトが窺えるとともに、旧来のファンにとってはニヤリとさせられるあたりも秀逸だ

『ダライアス外伝』といえば、ショットボタンに連射装置が付いているか否かで、難易度がガラッと変わるのが特徴的だ。プレイヤーからすれば圧倒的に有利な連射装置の存在は、本来であればゲームバランスを壊しかねない。『ダライアス外伝』には、登場してから速攻で撃破できるボスも何体かいるが、なかには形態変化する際にこちらからの攻撃を無力化するボスや、連射装置の搭載を前提にしているのではないかと思ってしまうほど耐久値の高いボスもいて、苦戦を強いられる。『ダライアス コズミックコレクション』ではショットに連射を割り当てることができるので、プレイの際にはぜひ調整してみてほしい。
ボス戦においては、こちらが一方的にショットを撃ってダメージを与えるだけではなくボスからの攻撃時は避けに徹し、それが止んだら攻めに転じるという、プロレスのような攻守交代が楽しめるのも『ダライアス外伝』の特筆すべき魅力ではないだろうか。

▲1画面と言えども、そのほとんどを埋め尽くすようなボスの巨大感は健在。対峙するプレイヤーにとっては緊張の一瞬だが、ゲームセンターではギャラリーの興味を惹きつけるのに十分なインパクト

▲GREAT THINGも重厚感たっぷりに登場。繰り出してくる多彩な攻撃をかいくぐり、こちらも懸命にショットを撃ち込むが、まるでびくともしないほどの堂々っぷり

多画面表示による衝撃を与えた『ダライアス』、前作を継承しつつも変化球的アプローチを試みた『ダライアスII』、偉大な前2作を超えるためのアイディアと高性能基板の表現力を発揮した『ダライアス外伝』。一連のシリーズでありながら、時代や基板性能によって、それぞれがまったく異なる顔を持っている。今作には収録されていないが、フルポリゴンで作り上げられた『Gダライアス』や、十数年ぶりに専用筐体として甦った『ダライアスバースト アナザークロニクル』など、初代『ダライアス』の誕生から30年以上の時が経ってもなお新旧ファンを驚かせてくれる。さらに『ダライアス』シリーズはアーケードだけではなく、多画面表示の『ダライアス』と『ダライアスII』をアレンジ移植したものや、スーパーファミコン用のオリジナルタイトルを生み出すなど、家庭用機にもシリーズを展開している。今回は『ダライアス コズミックコレクション』のなかから、アーケード版4タイトルを収めた通常版を紹介したが、アレンジサウンドトラックや開発者インタビュー掲載の書籍などを同梱した特装版には、家庭用のタイトルも収録されている。次回は、アーケード基板と家庭用機のスペックに大きな差があった1990年代、多画面表示の原作を家庭用機に落とし込むための努力とアイディアが詰め込まれた移植タイトルや、アーケード版に負けじと企画されたオリジナル作品の数々に注目してみたい。

フォトギャラリー

■タイトル:ダライアス コズミックコレクション
■メーカー:タイトー
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:シューティングゲーム
■対象年齢:全年齢
■発売日:発売中(2019年2月28日)
■価格:通常版 5,200円+税、特装版 16,800円+税


『ダライアス コズミックコレクション』オフィシャルサイト

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