Interview

二階堂ふみと大根仁監督が暴く、映画『SCOOP!』の現場

二階堂ふみと大根仁監督が暴く、映画『SCOOP!』の現場

『モテキ』『バクマン。』とヒットを飛ばし続ける大根 仁監督の最新作は、原田眞人監督が1985年に制作した『盗写1/250秒』をベースにした、スリリングでエキサイティングなエンターテインメント作『SCOOP!』だ。福山雅治演じる中年パパラッチ・都城 静と不本意ながらコンビを組まされる新人記者・行川野火に息吹を与えた若手実力派筆頭株の二階堂ふみと初顔合わせながら彼女に絶大な信頼を置く大根監督の対談をお届けする。

取材・文 / 熊谷真由子 撮影 / 三橋優美子
ヘアメイク(二階堂ふみ)/ SACHIKO(SHIMA)
スタイリスト(二階堂ふみ)/ 大島陸

この映画を観たとき、あ、これは大根監督そのものだなと思った。大根監督らしいエンターテインメントに溢れていて本当に楽しかった

かなり際どい題材ですが、脚本を読んだ印象は?

二階堂 もともとパパラッチの人にマイナスなイメージはなかったので、面白いと思いました。こういうふうに撮っているんだ、ということがわかって新しい発見がいっぱいでしたし、自分が撮られたときもこうだったのかと思ったりしていました(笑)。

実際に写真週刊誌のカメラマンの方に密着取材しながら、作っていかれたんですよね。

大根 そうですね。取材もしましたし、いろいろなスクープの舞台裏を聞きながら脚本を書いていきました。

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二階堂さんを起用されたのは?

大根 最初に福山(雅治)くんの出演が決まって、じゃあ行川野火を誰にしようかと考えていたときに、たまたま共通の知り合いがやっているフリーマーケットでふみちゃんと初めて会ったんです。「あ、二階堂ふみだ。かわいいな」と思って(笑)。その場で「そうだ、野火はふみちゃんだ」と直感的にピンときて、紹介してもらったついでに「来年、福山くんの映画やるんだけど、相手役やらない?」って聞いたら、「やります、やります」って言ってくれて。「じゃあ、明日、事務所に電話しとくね」という経緯でした。

二階堂さんはそのとき、特に内容も聞かず?

二階堂 聞いてないです。大根さんが撮る女の子はみんなかわいいので、「かわいく撮ってもらえる! やったー!」みたいな(笑)。

大根 全然違ったよね(笑)。むしろ、いつもと違う逆のアプローチをしたんですよ。例えば『モテキ』だったら、とにかく(長澤)まさみちゃんをキレイに撮ることに集中して、主役の(森山)未來は放置して勝手にやってくれみたいな感じだったんですけど、今回は逆で、とにかく福山くんをかっこよく撮って、ふみちゃんは放置というか(笑)。それはもちろん大前提として、ふみちゃんのことを100パーセント以上、信頼しているからというのがあるんですけど。役に準じてそれ以上のものを出してくれる女優さんですから。女優として本当に信頼しています。

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では、現場ではあまり演出などされていないんですか?

大根 してないよね。

二階堂 シンプルに、「ここから撮っているからこんな感じで」と言われるくらいでしたが、とてもわかりやすかったです。

大根 今、ふみちゃん、軽く言っていますけど、福山雅治は二階堂ふみがいたからちゃんとやれたという役だったと思います。というのは福山くん本人も言っていましたけど。役柄的には野火のほうが仕事ができなくて、現場を経験することによってどんどん成長していくという話ですけど、たぶん、役者として福山くんはふみちゃんの存在に包まれながらやっていたんじゃないでしょうか。

二階堂 いえ、そんな。でも福山さんのためにという気持ちでいつも現場にいました。すごく贅沢だったと思うのは、今まで見たことのない福山さんを一番間近で見られたこと。それがすごく楽しかったです。福山さんは“福山雅治”という看板を背負って、長い間ずっと真ん中に立ち続けていらっしゃいますけど、福山さんに限らず、ずっと真ん中に立ち続けていられるって普通ではいられなくなるんじゃないかと思っていたんです。でも福山さんご本人にお会いしたら、すごく普通の感覚を持っていらっしゃって、素敵な方で。だからこそずっと真ん中で立っていられる方なんだろうなと思いました。いろいろなお話を聞くことができましたし、壁がない方だったので、ご一緒していて心地良かったです。

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福山さんと二階堂さんは最初から息もぴったりだったそうですね。

大根 そうですね。わりと順撮りで進めていけたんですけど、二人が出会ってコンビが出来上がっていく過程を序盤に撮れたので、すごく楽でした。最初、(福山演じる)静は野火に対して罵声を浴びせるし、冷たいんですけど、そこでふみちゃんも福山くんに対して遠慮せず受け答えするんです。コンビが出来上がってからの関係性はやりやすいと思いますが、いがみあう関係はなかなか難しいのに、そこは遠慮せずにやり返すんだなっていうのが見ていてすごく面白くて(笑)。

二階堂 (笑)。

大根 福山くんもこれだったらもっといけるってノッてきて。いき過ぎた場合は俺がちょっと抑えるっていう。

では現場では、静と野火のやり取りはもっと丁々発止だったんですか?

大根 そういう部分もありました。「ちょっとやりすぎですよ」と言うと、福山くんは楽しそうに「すいません、ちょっと楽しくなっちゃいました」とおっしゃっていました(笑)。

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野火が最初は「この仕事サイテーっすね」と言っていたのに、仕事の楽しさを覚えてイキイキしていくときの二階堂さんの表情がとても良かったです。野火の成長物語という部分は意識していましたか?

二階堂 そのことは、クランクイン前に大根監督に言われたんですが、実はあまり意識していなくて。

大根 「成長の過程を意識してほしい」って言ったとき、「わかりました~」って言っていたのに(笑)。

二階堂 (笑)。大根さんから映画序盤15分で、観客を野火側に巻き込みたいと言われて、「わかりました~」と言ったんですけど(笑)。ひとりの男の生き様の映画だと思っていたので、野火はそこに巻き込まれ、揉まれながら、現場で必然的に、自然に成長していくというイメージだったので、自分があえて成長を意識するということではなかったんです。あと、台本を読んだとき、全体像がわからなかったんですよ。でも野火はいい意味で芯のない役なので、わからないまま入っていっていい現場だったというか、むしろわからないまま入っていくことによって、すごく動きやすくてフットワークの軽いキャラクターになると思ったんです。

大根 なるほど。

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二階堂 もともとこの役はこうと決めつけて現場に行きたくなくて、なるべく余白を作って動けるようにしておきたいんです。現場に行ってみて初めてわかることもたくさんありますし、ひとりでやるものではないですから。福山さんが圧倒的な存在感がある方ですから、そこに巻き込まれたいなという気持ちもあって、わからないまま入った現場です。これまでの現場ではわりと最後が見えながら演じていたので、こういうことは珍しいんです。だから面白いなと感じていました。あと、おっぱい大きい人がいっぱいいるなーって(笑)。

大根 あはははは(爆笑)。ちょっと分けて欲しいなぁ、みたいな?

二階堂 いいなぁって、ちょっと触っちゃいました(笑)。

大根 触ってたね(笑)。

二階堂 本当にすごくて! だから、「わぁ! すごいですね、どうですか? 肩とかやっぱりこるんですか? 何かお手入れしているんですか?」とか聞いて、楽しかったです。

大根 そうなんだ(笑)。

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