Interview

特撮俳優物語:青い巨人と占い師、新生一文字を演じた「高野八誠」の真実

特撮俳優物語:青い巨人と占い師、新生一文字を演じた「高野八誠」の真実

幼少期に触れたヒーローは、たとえ大人になってもずっとヒーローのままである。

特撮ヒーローを演じた俳優。
もしも街中、ふと視線を横にすると、紛れもない変身前のあのヒーローが居たとする。2度見3度見どころではない、ギョッとするはずである…。「やべー!仮面ライダーいる!(ここでは便宜上仮面ライダーとする)」と間違いなく役名、しかも変身後のヒーロー名が浮かぶはずだ。

現実と非現実がオーバーラップする感覚。
もしも彼らに遭遇する機会があるならば、間違いなく演じたヒーローとオーバーラップしてしまう感覚に見舞われるだろう。

そんな”ヒーロー”の姿を背負うことになる特撮俳優の人生。いったいそれはどんな運命として紡がれているのだろうか…。

高野 八誠。
日本における3大特撮ヒーローである『ウルトラマン』シリーズと『仮面ライダー』シリーズ。その両方で変身し、『仮面ライダー』に至っては2作品の異なるライダーに変身。そんな俳優は高野八誠しかいない。
彼がこれまで背負ってきた人生、そしてこれから背負う人生。
そんな一人の特異な人生に少し触れてみようと思う。(敬称略)

取材・文 / 市野ルギア、柳 雄大
撮影 / 松浦文生


ヒーロー好きだけど幼少期からリアリストだった

ご出身は千葉県ということですが。小学校の頃とかはどんなお子さんだったんでしょう?

高野 住んでいたところはけっこう都会でしたけど、池でザリガニを釣ったり、とにかく外で遊んでた記憶がありますね。

けっこうアウトドアな感じだったのですね。当時、特撮だとかヒーロー物とかには触れていましたか?

高野 一応、やっぱり一通りというか。子ども時代にリアルタイムのものは観てたと思います。『ギャバン』(注1)とか、『サンバルカン』(注2)、『ダイナマン』(注3)とか。おもちゃも持ってましたし。

注1:『宇宙刑事ギャバン』。1982年~1983年にTV放送された東映メタルヒーローシリーズ第1作。

注2:『太陽戦隊サンバルカン』。1981年~1982年にTV放送された東映スーパー戦隊シリーズ第5作。

注3:『科学戦隊ダイナマン』。1983年~1984年にTV放送された東映スーパー戦隊シリーズ第7作。

仮面ライダーは特に記憶にない感じですか?

高野 ライダーと、ウルトラ(シリーズ)はあまりやってなかった時期ということもあって、観てないんですよ。逆に『ポワトリン』(注4)、『いぱねま!』(注5)とか、朝の時間帯の番組は女の子向けのものも記憶にあります。でも、そういうのは毎回楽しみに観てたんですけど、僕自身は現実派だったというか……。小っちゃい頃から『西部警察』とか、ちょっとハードな感じのほうが好きでした。あとは現実的な番組ばっかり観てましたね。「警視庁密着24時!」 みたいな番組とか。

注4:『美少女仮面ポワトリン』。1990年にTV放送された東映不思議コメディーシリーズ第11作。

注5:『魔法少女ちゅうかないぱねま!』。1989年にTV放送された東映不思議コメディーシリーズ第10作。島崎和歌子が主演を務めた作品として有名。

おお…なるほど。小っちゃい頃から特撮は作り物というか、「どうせ本物じゃないでしょ」みたいな認識があったんですかね。

高野 そういうのはあったかもしれないですね。「現実じゃないでしょ」みたいな。ただ共通して興味があったのは、自分が普段生きてて見られないもの、っていうことですね。

自分では体験できないリアリティがあるエンタメがお好きだったんですね。では、漫画とかアニメとかはいかがでしたか。

高野 ジャンプ世代なので、『ドラゴンボール』とかが全盛期でしたよね。線の太い漫画が好きでした。ギャグ漫画だと『ジャングルの王者ターちゃん』とか、『珍遊記』とか。あとはやっぱり『北斗の拳』ですかね。闘い系、武闘系が好きで。スポーツ系の漫画は、展開が追えなくなるので苦手でした。

なんだか前回の吉岡さんのお話でも、同じようなことをおっしゃられてたのが興味深いです(笑)。逆に、ご自身ではスポーツはどうでした?

高野 小学校6年ぐらいまで卓球をやってました。オリンピック選手が出るようなクラブチームに通ってて、そのときに割と中学の人とかと(練習)やったりしてたんですけど……その人たちは強かったんですよね。それで飽きちゃって(笑)。中学、高校はバスケの方にのめりこんでいきました。マイケル・ジョーダンだったり、スターがいた時代なので。そこに憧れていて。

卓球からバスケへ転向ですか…確かに当時のバスケは花形スポーツといった認識だったかもしれませんね。TVゲームはやられました?

高野 ゲームは……ファミコン世代なんですけど。小学校を卒業するまで、親に隠されてたんですよ。何かの懸賞で(ファミコンが)当たってたのを、ずっと使わせないように。

えっ、それは……当たってたのは知ってて?

高野 いや、知らなかったんです。卒業したときに、親が急に「実は当たってたんだよ」って出してきて。それで中1からファミコンにハマりだして……そこからはけっこうやりましたね。

隠されていたパターンですか(苦笑)。それで、ファミコンを入手するわけですが、当時遊んだタイトルって覚えてますか。

高野 『イー・アル・カンフー』とか『マリオ』とか、『ファイナルファイト』、『ダブルドラゴン』とか。アクションが多かったですね。けっこう飽きっぽいので、RPGとかはやらなかったです。とにかく短くクリアできるものがよかったんですよ。

アクション系がお好きなんですね。結果がわりとすぐ分かるタイプのゲーム。結構プレイするゲームのジャンルによって、その人の性格が分かる気がします。

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