Interview

UNICORN 祝・100周年でアルバムもツアーも大真面目に。最新作から伝わる彼らの“オンリーワン度”

UNICORN 祝・100周年でアルバムもツアーも大真面目に。最新作から伝わる彼らの“オンリーワン度”

アルバム『服部』で現メンバーになって30周年、再始動して10周年、そこに川西幸一の生誕60周年を足すと“100周年”。なんちゅう足し算じゃ! しかしUNICORNは大真面目に自らの100周年を祝う。ニューアルバム『UC100V』をリリースし、50本に及ぶツアー“百が如く”に出る。おまけに「働き方改楽 なぜ俺たちは楽しいんだろう」を掲げて、世相と世代をクスリと笑わせる。
5人全員が曲を書き、全員が歌う鉄則の元、新作は「ZERO」、「大航海2020」、「気まぐれトラスティーNo.1」などの名曲が目白押し。ついでに「10Nuts」や「うなぎ4のやきとり1」、「365歩のマッチョ」などのユーモアソングも満載。自在なフォーメーションでパワフルな音楽を作り出すやり方がすっかり堂に入って、まさにオンリーワン度を上げている。
UNICORNは『UC100V』で、新たなフェイズに入ったと断言する。

取材・文 / 平山雄一

だいたいバンドで100周年をうたうバンドっていないでしょ(ABEDON)

『UC100V』は、全体的に明るいアルバムだね。

川西 バンドの雰囲気が反映されてるんですよ。

いきなり、いい発言ですねえ(笑)。

EBI いい発言(笑)。

奥田 今回は、コード的にもマイナーな曲っていうのがないから。

EBI そうだっけ?

「そうだっけ?」って(笑)。制作に入ったのはいつごろから?

ABEDON 最近のUNICORNはアルバムを1年おきに出すゆっくりしたペースになってまして。今年、アルバムを出すには去年の11、12月にレコーディングしないといけないから、逆算してスタートが決まって。

そこで、“100周年”というテーマをまず決めた?

ABEDON 決めたっていうか、テッシーくんが去年のファンクラブ・ツアーのときに、「いろんな周年を足すと、UNICORN は来年、100周年ですよ」って言ってて、それが面白いなと思って。だいたいバンドで100周年をうたうバンドっていないでしょ。

普通、100周年はありえない(笑)。

ABEDON メンバーみんな面白いこと言うんで、僕はそれをただ拾ってるだけなんで。100周年をキーワードに動くってことですね。

なるほど。そしてもう一つのテーマの“働き方改楽”は?

ABEDON 仕事も何も、ちゃんとやったほうが楽しい。ちゃんとやらないと辛い。しかもUNICORNは基本的に、「なんか楽しい」とか、「適当にやってる」とか、「遊んでる」とか、そういうふうに見えてたほうがいいでしょ(笑)。楽器を入れ替えたっていいでしょみたいな。曲も「みんなで集まってロビーで作りました」とかいうほうが、いいでしょ。そういうことよ。それが俺たちの真髄じゃない? 衣装をどうしてとか、このイメージがどうしたとかっていう、あんまり堅苦しいのはちょっとね。

それで、ただの「働こう!」じゃなくて、「働くのは、なんて楽しいんだろう」になっていった。

ABEDON そうだね。

最終的にタイトルを付けるときに、無理くり数字をグッと入れたのもあったし(笑)(手島)

『UC100V』の曲タイトルは、すべて数字がらみになってますね。

ABEDON テーマを100周年にして、みんなが数字を気にしてくれてたので、民生くんが「曲を数字しばりみたいなのにするのはどうか」って言って。曲を書くにしても、なんか理由があったほうがいいじゃないですか。そのほうが書きやすいですよ。

手島 だから数字があとから付いてることもあったんです。最終的にタイトルを付けるときに、無理くり数字をグッと入れたのもあったし(笑)。

1曲目の「10Nuts」(作:ABEDON)は?

ABEDON アルバムのオープニングに、こういう曲があるといいなと思ったんですよね。それと、氣志團万博で(山下)達郎さんのライブを見たんですけど、オープニングが達郎さんが自分で作ったSEだったんですよね。コーラスがバッチリ入っていて、雰囲気がすごくよかった。だったらUNICORNもライブの前に、コーラスがちょっと入ってるSEがあったらいいなぁと思って。それが頭の片隅にあって作った曲ですね。

っていうことは、今度の“百が如く”ツアーの1曲目はこれになるんですか?

ABEDON そうですね。オープニングっていうことで。

実際、演奏するんですか?

奥田 SEとして流すのもありだよ。

ABEDON うん、流すのもあり。

そして曲のタイトルは、苦し紛れで“10”を付けたの?(笑)

ABEDON まあ歌詞はどうでもよかったんですよ(笑)。

この曲で奥田さんは、パーカッションを担当してる。

ABEDON 今回、民生くんは他の曲でもパーカッションを入れまくってますよ。大活躍してる。こんなことを言うのも変だけど、歌を歌う人のパーカッションは、ドラマーのパーカッションとはちょっと違うよね。UNICORNは、民生くんと川西くんのパーカッションの両方を持ってるので、いいなと思う。

奥田 川西さんも歌いますけどね(笑)。

ABEDON あ、そうだね(笑)。

2曲目の「ZERO」(作:ABEDON)は?

ABEDON 曲出しのとき、みんなの出した曲を聴いたあとに、少しアッパーな曲にチャレンジしようかなと思って。中心から広がるイメージだったので、タイトルを「ZERO」にして。個人的には、生のバンドと機械のビートが行ったり来たりするのがいいなと思ってます。

手島 1曲の中で、機械のチコパカチコパカっていうのと、生ドラムが混ざってる。

この曲の奥田さんのタンバリンもナイスなんだよね。

ABEDON ナイスだね。

奥田 ……あざーす(笑)。

そしてシンセのソロが入ってる。

EBI あれはね、シンセではないです。メロディーっぽいのはベースです。

ABEDON ベースだね。EBIくんにイメージをふってね。ライブの中で、EBIくんにスポットライトが当たってベース・ソロを弾くのって、カッコいいじゃないですか。そういうライブの絵柄が頭にあった。あと、サビを歌ってるところに、テッシーくんのギターが割り込んでくるっていう。

手島 これはコーラスがないから、カッコよく弾ける。

ABEDON それも絵になるって、言ってたよね。

だったら、手島さんをワイヤーで吊っちゃえば?

奥田 また?

手島 いやいや、それはもう前にクリアしたから。

100周年だから、みんなが「昔、そういうシーンがあったなぁ」って走馬灯のように思い出したりして(笑)。

川西 あのシーンをね。

手島 一瞬吊るためでも、ずっと吊られてても値段はいっしょなので。

EBI なんの値段?(笑)

手島 セットの値段。

僕が弾かないから誰かがやるんじゃなくて、これはABEDONに弾いてもらいたいなっていう(EBI)

「大航海2020」(作:EBI)。EBIさんにしては、珍しくまともな曲ですね(笑)。

EBI なんか久々に、普通の曲ができた(笑)。

川西 EBIはわりと早い時期に曲を作ってたやん。電大ツアーの前に作ってたもんね。

手島 フフフッ。

EBI そこで笑ったらいけないでしょ(笑)。

川西 電大ツアーの途中に、もう3曲できてたじゃん。僕、そのとき1曲もできてなかったから、「マジ〜?!」って焦った。

EBI 僕、今回の曲書きはホント楽で、歌詞もできてた。

調子がよかったの?

EBI ものすごい調子がよかった。 

自分で言ってるし(笑)。この曲のベースは、ABEDONさんが弾いてる。 

ABEDON EBIくんが僕を指名してくれた。僕はEBIくんのベースとは違うアプローチをするんで。EBIくんが「自分ではできないベースを、どうしても弾いて欲しい」と。

EBI 僕が弾かないから誰かがやるんじゃなくて、これはABEDONに弾いてもらいたいなっていう。

ABEDON 僕のベースが川西くんのドラムと合わさると、いつもと違うグルーヴになる。

EBI 絶対なりますよ、人が違えば。

ABEDON で、センターでEBIくんがハンドマイクで歌えたら、ライブは面白いでしょう。

EBI この曲はギターのアンサンブルが素晴らしいなって。

手島 今回、俺が一生懸命弾いたギターが、すごい出てる。俺のギターがバーンって前に出てるのは珍しい。

奥田 俺のギター!

珍しいの?(笑)

川西 ハッハッハッハッ。

手島 いつも他の音にマスキングされるんだけど、今回、この曲だけバーンって出てる。

ABEDON エンジニアにお金、ちょっと払ってるっぽい。

手島 ないない!

EBI (笑)

「365歩のマッチョ」(作:手島いさむ)は?

手島 とりあえず“365”っていう数字を使うかどうかジャッジに迷ったけど、“12”と“52”は使いたかったです。1年間は52週間で、トランプも13が4つで52枚じゃないですか。なんか気にはなってたんで。曲を最初に作った段階では何も考えてなかったけど、追っかけコーラスで数字を入れてこうと。

最後は“366”になってますけど。

手島 うるう年のときがある。

あ、そういえばバックで「うるう年」って言ってるように聞こえたところがあった。

手島 EBIが言ってます。

ABEDON ホントはもっとフィーチャーしてたんだけど、カットした(笑)。

奥田 「うるうどし!」ってうるさかったから。

EBIABEDON うるうどし、うるうどし(笑)。

手島 連発してたからね。

川西 曲をまったく忘れてる(笑)。

奥田 うるう年の曲じゃねえし(笑)。

EBI この曲はホントすごいなと思うんですよ。今回、数字がテーマなんですけど、いちばんこの曲で数字を怒鳴ってますし。

奥田 しかもメインじゃない奴がやってるもんね。

川西 やらかしてる(笑)。

ABEDON そうだよね(笑)。

EBI もうね、聞きながらツッコミたくなるような。

川西 つっこんどったやん(笑)。

奥田 つっこんどるやないか。

EBI ハッハッハッ。

このアルバムの中で、♪腹筋割れても隠してるのさ♪っていう歌詞がいちばん好きなんですけど(笑)。

手島 そこ、悩んだんです。

川西 テッシー今、実際にジム行って、鍛えてますからね。

これってホントなんですか?

EBI いや、割れてないです。

奥田 そこでEBIが、「嘘つくなー」っていうツッコミを入れたかったんです。

手島 実際、民生が「嘘を言うてどうするんや」って言ってたから(笑)。

川西 ライブでは突っ込むでしょ?

奥田 ライブでは全員でつっこむ(笑)。

川西 「出してみいやー」って(笑)。

そして奥田さんは、マラカス!

奥田 ……あざーす。

EBI (笑)

ABEDON これ恒例なの?(笑)

奥田 いやいや。

EBI 主張してるんです。

ホテルの部屋でボソボソ歌って作った(笑)(川西)

「気まぐれトラスティーNo.1」(作:川西幸一)は?

手島 川西さんが、名古屋で焦りあげて作った。

川西 EBIはもう3曲も書いとるし、僕は1曲もできてないし。

手島 電大のライブの後に誘ったら、「EBIは3曲書いとる。今日はわしは“山ちゃん”行かんけえ」って。

(笑)

EBI うそ〜、追い込まれてたね、それは。

手島 “世界の山ちゃん”の手羽先、断られた。

川西 そのうえ旅先だからiPadしかなくて。

手島 「iPadにインストールしんさい」言うて。

川西 GarageBandをインストールするところから始めて。

ABEDON iPadで作ったの?

川西 そうよ。

ABEDON ほお〜。

川西 ホテルの部屋でボソボソ歌って作った(笑)。

奥田 それでも、すぐそれでできるのがすごい。

ABEDON なあ。

手島 いや、それしかないと、それで作るのよ。

川西 原始人みたいに言わんでよ(笑)。これは曲作ってるときに、ドラムはABEDONにやってもらおうと思って。

ABEDON あざーす! あ、ここじゃないのか(笑)。

川西 ABEDONとEBIくんのリズムの感じがいいんじゃないのかなって(笑)。

EBI この組み合わせがね。 

川西 今度から“スピードもの”のドラムは、ABEDONが全部やることになったんで(笑)。

ABEDON あざーす! えっ、そうなの?

手島 この曲は妙な緊張感があるのよ。再結成するまで10何年か会ってなかった時期もあったりして、その間にお互いいろいろやってきたことが炸裂してる。「みんな止まらずやってんのねー」って感じられて、俺としては感慨深い1曲ではある。

それを改めて10年経って感じてるんですね(笑)。

手島 やっぱりみんなちゃんと歩いてきたんだよなって。

川西 左右から民生とEBIがバンって出てきてコーラスやるとかね、ライブの見た目も考えたからね。

ライブの景色もね。

川西 そうですよ。これはテッシーが猛烈なギターソロを弾きながら、クールに「ナンバーワン!」っていう。そういうテッシーも、ライブで見てみたい。

最後の「ナンバーワン!」って言ってる人のは手島さんなんだ。

川西 マッチョですよ。“テシマッショ”。

「55」(作:奥田民生)では、ABEDONの新兵器(楽器)の“ROLI”が大活躍してる。

ABEDON 民生くんが「普通の音程じゃない、倍音みたいなのを入れて」って言って去っていったんで。

奥田 後ろにぼんやりと入れて欲しかったので。

ROLIは、最新のとても難しいシンセだと聞いてますが。

ABEDON そうですね。

ライブで使ってる人を見たことない。

ABEDON じゃあ、今回のツアーに無理やりでも持って行くか。

奥田 全部、ROLIでやるのは?

手島 「HELLO」を(笑)。

奥田 「ブルース」を(笑)。テレレテッテテレレテッテ。

川西 (笑)

ABEDON 奇跡の「ブルース」を(笑)。

「うなぎ4のやきとり1」(作:奥田民生)は?

奥田 最近、いつも同じとこでレコーディングしてて、居心地がいいんですよ。そのスタジオのロビーで、たらたらしてる感じの歌なんですけど(笑)。

手島 「In The Lobby“その2”」みたいな。

EBI そこで飯食ったりね、いろいろ。

奥田 俺、飯場大臣なんで(笑)。

そういうことか! 

俺は”百が如く”で周るいろんな地方のTシャツを作りたいのよ(奥田)

そして4月から始まる【ユニコーン100周年ツアー“百が如く”】は?

奥田 まあ、100周年というからには、

EBI おめでたいわけですから、おめでたい雰囲気で、

奥田 俺は“百が如く”で周るいろんな地方のTシャツを作りたいのよ。

川西 言ってたね。

手島 地方限定。

奥田 東京は“百が如く”って書いてあるんだけど、九州だと“百のごたる”って書いてあったり。

ABEDON 山形は“百みでな”。

川西 大阪は“百でっか”。

手島 名古屋は“百だぎゃー”。

奥田 北海道は確か“百だねー”(注:そだねーの口調で)じゃなかったっけ?(笑)

一同 (笑)

EBI 賑やかな感じがする。

奥田 一応100周年を記念した賑やかしをいろいろ考えてます。

ABEDON やっぱり“100周年”っていうのが、ある意味、嘘だから。

川西 嘘って(笑)。

ABEDON それに向かって真面目に進んでいく姿はだいたいおかしい。

川西 そうだよね(笑)。

ABEDON だからこそ、真面目にいろんなものを作っていく。その状況がやっぱり変でいいよね。UNICORNらしくて、なかなか素敵よ。

本当に素敵です!! ありがとうございました。

その他のUNICORNの作品はこちらへ。

ライブ情報

ユニコーン100周年ツアー”百が如く”

4月6日、三郷市文化会館 大ホールよりスタート!
ツアースケジュール詳細はオフィシャルサイトで。


オフィシャルサイト
http://www.unicorn.jp