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校條拳太朗やTAKA[CUBERS]が軍服姿で活躍。2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第8幕『TSUKINO EMPIRE -Unleash your mind.-』開幕

校條拳太朗やTAKA[CUBERS]が軍服姿で活躍。2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第8幕『TSUKINO EMPIRE -Unleash your mind.-』開幕

2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第8幕『TSUKINO EMPIRE -Unleash your mind.-』が、3月27日(水)より舞浜アンフィシアターにて上演中。この通称「ツキステ。」は、1年の各月を特徴付けたキャラクターたちが、それぞれの月をイメージした楽曲の披露とその世界観の物語を演じる、CDシリーズから始まりアニメやゲームなど様々なメディアで展開される『ツキウタ。』を原作とした舞台だ。今作は、2015年の『アニメイトガールズフェスティバル2015』で架空舞台として上演された「ツキノ帝国」の舞台化となる。
兄弟にしてライバルである、ツキノ芸能プロダクション所属のアイドルユニットである、関東出身の「Six Gravity」(シックスグラビティー:通称グラビ)と関西出身の「Procellarum」(プロセラルム:通称プロセラ)、さらに、2.5次元ダンスライブ「S.Q.S」(スケアステージ:通称スケステ)から「SolidS」(ソリッズ)や「QUELL」(クヴェル)のメンバーをゲストに迎え、壮大かつディープな人間模様を描くスペースオペラ。そんなゲネプロの模様をレポートしよう。

取材・文・撮影 / 竹下力

新たな時代が始まるワクワクに満ちた舞台

ひとつの時代が終わり、新たな時代が始まるワクワクに満ちた舞台。折しも、新元号に変わり、時代が再び大きく変わろうとしている今、「ツキステ。」第8幕『TSUKINO EMPIRE -Unleash your mind.-』に、自分のことを、社会のことを、時代のことを、改めて深く考えさせられた。私とて“平成”から新しい時代の変転まで生きてきたことへの“安堵”を感じている。それは言い換えれば、まぎれもなく明日は新しい“希望”に満ちているということ。本作はそう教えてくれる。

舞台は人類最後の楽園と呼ばれる「テール」という惑星。そこへ突如現れた、未知の機械を搭載した数多の戦艦が攻撃を仕掛けてくる。人類はそれを「彼ら」と名付け戦うが、追い詰められる一方だった。その防衛にあたるのが、第一艦隊=Six Gravity、第二艦隊=Procellarum、第四艦隊=SolidS&QUELL。人類の目の前に“絶望”が見えたとき、「彼ら」の中にいた人類との共存を望む「反逆者」たちが、自らの心と力を「リング」に託して「テール」に住む「適合者」にそれを預ける。そうして「彼ら」(帝国の軍部ではUMAという)VS人類の壮絶なる戦いが始まる。そんな矢先、ツキノ帝国の皇帝在位の記念式典が催されようとしていた……。

「ツキステ。」でお馴染みの当番制は本作でも踏襲されており、誰が物語を引っ張っていくのか、あるいは誰がストーリーをかき回すのかも見どころのひとつだ。前作では師走 駆(輝山 立)や如月 恋(横尾瑠尉)などの年少組が当番だったが、今作は年長組が中心。第一艦隊(Six Gravity)の艦隊長であり中将の睦月 始(校條拳太朗)、同じく第一艦隊の大佐、弥生 春(松田 岳)、第二艦隊(Procellarum)の艦隊長中将であり、ツキノ帝国第2皇子でもある霜月 隼(TAKA[CUBERS])、第二艦隊大佐、文月 海(土井一海)が活躍する。この睦月・弥生ペア、霜月・文月ペアのそれぞれの友情を中心にストーリーが描かれていく。

土井一海が演じる文月 海は、霜月に絶対的な忠誠を誓いながらも、どこかノンシャランな彼を諭し、時には勇気づけるという明るい性格のキャラクターで、観ていて微笑ましかった。また、とある理由で右目に眼帯を付け、睦月に因縁めいた想いを抱えながら部下となった弥生 春 役の松田 岳は、弥生の睦月に対する秘めた熱情を表情や仕草から手に取るように繊細に描きだし見事な芝居を見せた。

睦月 始と霜月 隼、彼らはつねに表裏をなしている。ともに性格の違うアイドルユニット(今作でいえば艦隊)のリーダーであり、表と裏、入口と出口、生と死、そんな狭間で揺れ動きながら交錯し、互いに励まし合い、自己を肯定し、お互いを受け入れながら自らを律してストイックに生きていく。霜月 役のTAKA[CUBERS]は、睦月に惹かれながらももどかしい想いを抱えている心理の揺れ動きを、淀みのない台詞回しで巧みに表現した。校條拳太朗は、「彼ら」との戦績も抜群で一目置かれながら、どこか謎めいている、クールで癖のある睦月を演じきった。

注目したいのは彼らだけではない。本作は、アンサンブル、バックダンサーを含め、48名が紡ぐ群像劇であり、同時に、そんな群衆から自己を己の手で確立しようとする社会劇としても見ることができることだ。社会の中で埋没してしまいそうな自己が、どうやって這い上がって困難な“世界”と対峙していくか。もちろん、一人芝居も二人芝居も素敵だけれど、大所帯のカンパニーにしかできない、“自己”と向き合うべき“世界”という構図が出来上がり、ストーリーのわかりやすさもあって見事なコントラストを描いていた。

原作・脚本のふじわら(ムービック)は、スペースオペラという意匠を借りながら、社会の移り変わり、時代の変遷の重みを表現し、シリアスではあるけれど、“春”らしくどこか清々しさも感じさせるよう本作を仕上げていた。不変の努力で、時には社会を俯瞰し、恐れも知らず社会の内部まで潜り込んで掴み取った、ふじわらなりの骨太な説得力のある答えを我々に提示してくれた。

演出の野元準也(Planet Kids Entertainment)は、舞台の奥にわずかな装置をいくつか配置し、それ以外は素舞台のシンプルなセットと会話の応酬のみで見せていくというスリリングな演出を見せた。劇場の舞浜アンフィシアターの特徴である、真ん中の大きな“セリ”(舞台の床をくりぬいてそこに昇降装置を施した仕掛け)とプロジェクションマッピングを効果的に使いながら、宇宙と「テール」、人類と「彼ら」、社会と自己、自己と他者という二項対立をくっきりと浮かび上がらせつつ、最後には観客の胸に何かを残す、ドラマチックで文学性も感じさせる舞台に仕上げていた。

なにより、Six Gravity、Procellarumの12人が歌った今作のオリジナルソング「TSUKINO EMPIRE-Unleash your mind.-」(作詞・作曲:じょん)が、カンパニーが表現しようとしていた“希望”を饒舌に伝えてくれると思う。新しい時代の始まりに“希望”を持たなければ、何も始まらないことを訴えかけてくる爽快な物語で、本当に気持ちの良い第1幕だった。いつの時代でも、どんなにつらくとも“希望”だけは失われてはならない、そんな想いを胸に届けてくれる大切な経験ができるはずだ。

観客を大いに楽しませてくれる、たまらないライブ

「ツキウタ。」といえば、第1幕は芝居パート、第2幕はライブパートと分かれている。どちらもエンターテインメント性が高いので、お芝居だけ、あるいはライブだけでも楽しめるほど充実しているのが特徴だ。今作では、1幕は社会劇のような少し重厚な舞台。2幕は春に似合うほっこりするライブとなっていた。

本作の2幕は、ソロ曲中心かデュエット曲中心のどちらかのセットリストが採用されているが、ゲネプロではソロ曲中心のセットだった。どちらも観たいところだったが、ソロ曲中心のライブでは、各曲の個性と、それに合わせたキャラクターの個性が火花を散らした見事な出来栄えとなっていた。

ライブは、ダンサンブルなSix Gravityの「GRAVITIC-LOVE」からキックオフ。そこから、思わずサビを口ずさんでしまうポップなナンバー、Procellarumの「LOLV -Lots of Love-」と続いて、ソロ曲になだれ込む。途中には今回のゲストである、QUELLのメンバーとのゲームコーナーもあり、観客を大いに楽しませてくれるはず。ハイスピードなビートでかますキレキレなナンバーのSix Gravity&Procellarumの「ツキノウタ。」で大円団を迎え、ファンにとってはたまらない、そうでない人にとってもたまらないダンスライブだった。

公演は、3月31日(日)まで、舞浜アンフィシアターにて上演される。

2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第8幕『TSUKINO EMPIRE -Unleash your mind.-』

2019年3月27日(水)~3月31日(日)舞浜アンフィシアター

原作・脚本:ふじわら(ムービック)
演出:野元準也(Planet Kids Entertainment)

出演:
<第一艦隊(Six Gravity)>
睦月 始 役:校條拳太朗
卯月 新 役:竹中凌平
師走 駆 役:輝山 立
弥生 春 役:松田 岳
皐月 葵 役:上仁 樹
如月 恋 役:横尾瑠尉

<第二艦隊(Procellarum)>
霜月 隼 役:TAKA(CUBERS)
葉月 陽 役:鷲尾修斗
水無月 涙 役:佐藤友咲
文月 海 役:土井一海
長月 夜 役:秋葉友佑
神無月 郁 役:三山凌輝

<第四艦隊(SolidS&QUELL)>
篁志 季 役:日向野祥
奥井 翼 役:瀬戸啓太
世良里津花 役:阿部快征
村瀬 大 役:小林 涼
和泉柊羽 役:田中稔彦
堀宮英知 役:中尾拳也
久我壱星 役:山中健太
久我壱流 役:山中翔太

舞台オリジナルキャラクター:
石田周作
磯野 大
栗田学武
鈴木翔音
中澤隆範
三谷謙太

アンサンブル:
隈本秋生 米村秀人 岡田 涼 橋本悠平 武田一成 遠藤佑哉 伊藤春斗 龍 安部光希
泊 太貴 田中純平 寺﨑太志 澤田 遊 西村尚恭 須藤達也 新谷登夢

バックダンサー:
松木里功 池口祐太 TAIKI だいき 矢内康洋 高村大波

主催:ツキステ。TE製作委員会
(ムービック/アルテメイト/Planet Kids Entertainment)

オフィシャルサイト

©TSUKIPRO TE

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