LIVE SHUTTLE  vol. 339

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ポルノグラフィティがアリーナツアーを開催。“UNFADED” =色あせない楽曲を惜しみなく披露した横アリのライヴを

ポルノグラフィティがアリーナツアーを開催。“UNFADED” =色あせない楽曲を惜しみなく披露した横アリのライヴを

メジャーデビュー20周年イヤーに突入したポルノグラフィティが、約4年ぶりとなるアリーナツアーを開催。さらに、メジャーデビューからの20年をより色濃く知ってもらうため、昨年9月にデビュー曲から最新曲まで、これまでの全楽曲の配信をスタートさせた。ツアータイトルは、彼らの全楽曲が決して色あせないということを表現するため、 “UNFADED”(色あせない)と名付けられた。昨年12月15日 静岡エコパアリーナを皮切りにスタートしたこのツアーもいよいよ終盤に。16thライブサーキット“UNFADED”から、横浜アリーナ2デイズの2日目をレポートしよう。

取材・文 / 岡本明

彼らの歴史を俯瞰で眺めるような大きな振り幅で構成されている

オープニングSEのオペラが流れる中、ステージバックに“UNFADED”の文字が浮かぶ。それをきっかけに新藤晴一の硬質なギターリフが会場に響き、岡野昭仁がパワフルなボーカルで歌い上げる「オレ、天使」でライヴは幕を開けた。
立て続けに、起伏の激しいメロディを歌いきる「A New Day」「幸せについて本気出して考えてみた」と、アッパーなナンバーの連続で冒頭から攻めの姿勢を見せつける。

「みんな、元気? 盛り上がっとる? ワシらがポルノグラフィティじゃ! まだライヴ序盤だけど、君らに押されてタガがはずれてしまった。今日はペース配分考えずにガンガンいくよ。ついてこれる? 最後まで楽しんでください!」(昭仁)

骨太なロックナンバー「東京ランドスケープ」、哀愁のメロディが胸に迫る「ジョバイロ」といった多彩なナンバーが並び、ライヴの熱気をさらに高めていく。

「CDの時代はシングルがメインだと思われていたけど、サブスクリプションの時代になって、楽曲が横並びになっている。今までの曲を掘り起こして、みんなの前で演奏したらどう聴こえるのか。今だったら響くのか、響かないのか、という答え合わせのようなツアーにしたくて、ツアータイトルを“UNFADED”にしました」(晴一)

サブスクリプションでいろいろな曲が横並びに聴ける時代だからこそ、マニアックな曲、ライヴでやっていなかった曲など、レアな曲を盛り込んだセットリストで今回のライヴを楽しんで欲しい。そんな想いが語られたあと、ゆったりとしたレゲエ調の「ヴィンテージ」、熱い想いを込めたボーカルが印象的な「前夜」、憂鬱を抱え込んだ男の葛藤を歌う「ビタースイート」など、曲ごとに異なる場面が展開されていく。ちなみに、「ビタースイート」は2002年、「前夜」は2018年のリリースなので、彼らの歴史を俯瞰で眺めるような大きな振り幅で構成されているのがわかる。

さらに、ハードなサウンドが押し寄せる「DON’T CALL ME CRAZY」、カラフルなゾンビの映像をバックにした「Zombies are standing out」と、濃厚なカラーを持った曲が続き、いちだんとスケールを増した存在感で圧倒していく。

ライヴ中盤には昭仁がひとり、アコースティックギターの弾き語りで「夕陽と星空と僕」を披露。ひと言ずつしっかりと歌詞を届けながら繊細な心情を歌っていく昭仁の歌声に、会場も静かに耳を傾けていた。 そこから晴一のインストナンバー「didgedilli」へと続く。豪快なリフに続き、色彩感溢れるギターソロで魅了。ギタリストとしての引き出しの豊富さを感じさせるプレイで、様々なフレーズを生み出していく。

そして、切ないメロディが聴き手にじわじわと迫る「カメレオン・レンズ」、クールなビートに抑制の効いたサウンドが映える「海月」、静かに佇みながらも芯の強さと孤高の美しさを感じさせる「フラワー」と、ごく最近の曲をまとめて演奏。

色あせない、色あせてはならない、そんな記憶を大切に、僕らと君らでこれからも進んでいきたい

落ち着いたタイプの曲たちをしっとりと聴かせたあとは、ガラッと空気を変えてパワフルなナンバーで後半戦に突入する。「オー!リバル」では火柱が上がり、情熱的な楽曲をさらに盛り上げる。たたみかけるようにスピーディーな「ジレンマ」でオーディエンスの鼓動を早め、明るくはじけた「パレット」でどこまでも煽っていく。そんな上昇した熱気をさらに高みに運んでいくのが「サウダージ」だ。濃度の高いメロディ、厚みのあるサウンドが強烈な陶酔感をもたらす。

そして、「ハネウマライダー」で一気に広がりを感じさせる展開に持ち込み、突き抜けていくような快感を作り上げる。観客はいっせいにタオルを回し、大きなリアクションで応える。ステージと客席が一体となり、会場全体が巨大なウネリを感じさせる壮大な光景が広がっていた。

「みんな、ありがとう。最高の時間になっています。今日みんなと最高の時間を過ごせたことは、色あせない記憶になったと思います。色あせない、色あせてはならない、そんな記憶を大切に、僕らと君らでこれからも進んでいきたいと思います」(昭仁)

本編最後は「∠RECEIVER」。ドラマチックな歌詞と力強いサウンドで、未来へ向けた手応えを確信に感じさせるエンディングとなった。

アンコールでは「今日はマニアックな曲をたくさんやったけど、アンコールにとっておきの曲があります」という昭仁の言葉に導かれると、荒ぶるロックンロールナンバー「タネウマライダー」が用意されていた。

この際どい歌詞についてメンバー紹介のときに、昭仁が「人でなしの歌詞を書いた晴一(笑)」と紹介。
「歌詞を書くときに、失敗もある(笑)。なんでこんなことを書いたのか。「ハネウマライダー」のカップリングだから「タネウマライダー」ってダジャレで思いついて。ガツンと言ってやろうと、大人たちが眉をひそめるような歌詞を書いたけど、十数年経って大人になった俺が眉をひそめとる(笑)。このアリーナツアーで思ったのは、数十年前に因島を出るときに、たくさんの人たちが俺たちの音楽で集まってくれている光景を夢見ていて、今見ているのは、そのときに見たかった光景だということです。こういう光景を見せてくれてありがとう」(晴一)

「“20年やってこれた秘訣は何ですか? ふたりの絆がそうさせるんでしょうか?”ってよく聞かれるけど。それも少しはあるのかなと思うけど、それよりなにより、皆さんがポルノを求めてくれたからここまでやってこれたんです。みんながポルノの曲が聴きたい、ライヴが見たいという声を届けてくれるから、ここまでやってこれました。本当にありがとう。皆さんの声に負けないよう、色あせないポルノグラフィティでいたいと思います。今日はどうもありがとう」(昭仁)

最後は「ライラ」。跳ねたビートにレトロな曲調、無国籍なカラーに包まれ、この日のライヴは幕を閉じた。

横浜アリーナ初日に告知されたが、ポルノグラフィティの20歳を迎えるメジャーデビュー記念日とその前日にあたる9月7日・8日に、東京ドーム・ライヴが決定。全国のファンとお祭り騒ぎがしたいという想いから、〈20th Anniversary Special LIVE “NIPPON ロマンスポルノ‘19~神vs神~”〉と銘打ち、その日その日が“神セトリ”と言ってもらえるような渾身のライヴを行うことを宣言。20周年の集大成を心おきなく披露するため、2デイズでの開催となった。彼ら、20周年イヤーの締め括りは、2日間異なるセットリストの東京ドームで、最高の時間を過ごすことができそうだ。

PORNOGRAFFITTI 16th LIVE CIRCUIT “UNFADED”
2019.3.9@横浜アリーナ

M01. オレ、天使
M02. A New Day
M03. 幸せについて本気出して考えてみた
M04. 東京ランドスケープ
M05. ジョバイロ
M06. ヴィンテージ
M07. 前夜
M08. ビタースイート
M09. DON’T CALL ME CRAZY
M10. Zombies are standing out
M11. 夕陽と星空と僕
M12. didgedilli
M13. カメレオン・レンズ
M14. 海月
M15. フラワー
M16. オー!リバル
M17. ジレンマ
M18. パレット
M19. サウダージ
M20. ハネウマライダー
M21. ∠RECEIVER
ENCORE
M22. タネウマライダー
M23. ライラ

20th Anniversary Special LIVE “NIPPON ロマンスポルノ‘19~神vs神~”

9月7日(土)・8日(日)東京ドーム

ポルノグラフィティ

岡野昭仁(vocal)、新藤晴一(guitar)。広島県因島出身。高校でバンドを結成し、1995年から大阪にてストリートライヴやイベントに精力的に出演、バンドコンテスト等でも数々の賞を受賞する。1999年に1stシングル「アポロ」でメジャーデビュー。以降、「ミュージック・アワー」「サウダージ」「アゲハ蝶」など数々のヒット作を生み出す。2018年は、ドラマ『ホリデイラブ』の主題歌「カメレオン・レンズ」、『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』主題歌「ブレス」、『Sony WALKMAN® A50シリーズ』 WEB CM ソング「Zombies are standing out」、映画『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』主題歌「フラワー」などを手がけた。12月より〈PORNOGRAFFITTI 16th LIVE CIRCUIT “UNFADED”〉を開催。

オフィシャルサイト
20th Anniversary Special LIVE “NIPPON ロマンスポルノ‘19~神vs神~”特設サイト

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