Interview

綾野ましろが目指す「音楽で誰かの居場所を作る」こと、とは?

綾野ましろが目指す「音楽で誰かの居場所を作る」こと、とは?

 聴き手の心にまっすぐ突き刺さる透明で力強い歌声。それこそが綾野ましろというアニソン・アーティストの最大の魅力と言っていいだろう。 ついに完成した待望の1stアルバム『WHITE PLACE』でも、そんな歌声を存分に披露。鋭利なアップ・チューンからヒリヒリするようなバラード、そしてシングルでは見られなかった明るくてカラフルなポップ・ソングまでを縦横無尽に歌い上げている。 TVアニメ『Fate / stay night』のオープニングテーマに起用されてヒットした「ideal white」をはじめ、これまでの4枚のシングルを含む全15曲(ボーナス・トラック含む)入り。デビューから現在までの歩みを凝縮した、まるでベスト盤のような側面もある充実の1stアルバムだ。

取材・文 / 大野貴史 撮影 / 荻原大志


出身が北海道の洞爺湖町。現在は札幌在住。どうして東京で暮らさないんですか? 行ったり来たりするのは大変でしょう?

綾野 住む場所に関して、そこまで大きなこだわりがあるわけじゃないんですよ。この街は暮らしやすいとか、ここは暮らしづらいとか、そういうのを私は感じないほうなので。もちろん北海道が自分に合ってるから離れないっていうのはありますけど、だからといって東京が合わないわけではないんです。ただ、ひとつだけ北海道にい続けることを意識するようになった出来事がありまして。ライブ活動をしながらデビューする道を探してた頃のことなんですけど。東京に来て、いろいろな人にお会いしている中で、ある方から「北海道で暮らしながらメジャーと契約して音楽活動をやっていくなんて無理だよ」って言われたんです。なかなかデビューが決まらなくて、やっぱり東京に出ていったほうがいいのかな、とか自分でも迷ってた時期だったんですけど、そう言われたら、なんとなく北海道のことをディスられてるように感じてしまって。

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なるほど。で、その言葉に対する反骨精神のようなものが…。

綾野 そうなんです! その方に「無理だよ」って言われたから、じゃあ私がやってみせる、みたいな気持ちになったっていうか。そういう天の邪鬼なところがあるんです(笑)。それがきっかけで北海道から音楽を発信していくんだっていう覚悟を決めました。そしたら、そのあとすぐにプロデューサーの安田史生さんと出会うことができて。そこから流れが変わったんですよ。だから「北海道で暮らしてたらデビューは無理だよ」って言われたことが、ひとつの大きなきっかけになりました。

内に秘めた性格の強さが感じられるエピソードですね。

綾野 ですよね。私、意外と反骨精神があるみたいです(笑)。

そんな綾野さんが音楽をはじめた、その根底にある想いを教えてもらえますか?

綾野 小学校も中学校もクラスメイトが7人しかいなかったんです。しかも全員が幼なじみ。だから、それぞれの家族のことにまで介入するくらい仲がよくて(笑)。7人のうちの誰かが、ある音楽やミュージシャンを好きになると、その音楽を全員が好きになっちゃうような、そういう環境で育ったんです。でも、そんなふうに仲がいいからこそケンカをすることもあって。そのことで、すごく悩んだりもしました。自分の殻に閉じこもってた時期もありますし……。そういうときに音楽が救いになったんです。音楽が私の居場所になってくれたんですよ。小さい頃から歌手になりたいとは思ってたんですけど、その頃から本気で目指そうっていう気持ちになりました。私も音楽で誰かの居場所を作ることができたらいいな、とか。歌で誰かの心の中に明かりを灯せるような存在になれたらいいな、とか。そう考えるようになったんです。そういった想いはアルバム・タイトル『WHITE PLACE』にも込めました。

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今の発言を象徴するようなタイトルですね。

綾野 アルバムの中の1曲でもいいから、それを聴いて下さった方が心を許せる楽曲があればいいな、と思ってるんです。私が「誰かの居場所を作りたい」って言うのは、そういうことなんですよ。ライブだったりイベントだったり、そういうものも“PLACE”ではありますけど、それだけじゃなくて私そのものを、この綾野ましろ自体を“PLACE”だと考えてくれたらうれしいんですよね。

メジャー・デビューから2年を経ての待望の1stアルバムですね。

綾野 フル・アルバムを作るっていうのが夢のひとつだったんです。ようやく叶いました。制作期間が、ちょうど4枚目のシングル「Lotus Pain」をリリースして、そのイベントをやってる時期と重なってて。だからファンの方の存在の大きさを感じながら作ることができました。これまでのシングル曲が全部入ってますし、それから自分で詞を書いた新曲もいくつか入ってますし。いろいろな曲調、いろいろなシチュエーションや世界観の楽曲を収録することができました。

新曲のひとつが7曲目の「misty way」。聴いていたら他の楽曲に比べて綾野さん自身の姿が、よりリアルに浮かんできました。

綾野 そうなんですよ。等身大の自分の言葉を使おうって心掛けながら歌詞を書いたんです。アニソンの場合は、その曲の世界に入り込んで演じるように詞を書いたり歌ったりすることが重要だったりもするんですけど、この「misty way」は寄り添う物語っていうのがなくて。だから自分の内面が前に出ているなあって私も思います。

アイデンティティを模索する主人公を描いたミディアム・テンポのロック・チューン。“居場所を教えて”という一節もありますね。

綾野 イメージとしては……これが私の初ライブなんです、この日のために心を込めて作った曲です、どうか聴いて下さい、みたいな。そういう状況を思い浮かべながら書きました(笑)。誰かに対して優しくなるためには、まず自分を大切にしなきゃいけないっていうか。自分に自信を持つ。自分自身を許す。それが大切だと思ってて。そういうことを、かわいらしく表現しました。“わたしが好きなわたしになれる そんな魔法があれば…”って。

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次の「labradorite」も、かなり意外でした。

綾野 ここまでポップな曲調は初挑戦ですからね。

歌詞も明るくて前向き。笑顔で歌っている姿が想像できます。

綾野 「ideal white」や「vanilla sky」と同じmeg rockさんが詞を書いてくださったんです。メグちゃんとはプライベートでも仲よくさせてもらっているので、きっと私の人柄もよく知ってくれていて。それでこういう、まだたどたどしくはあるけれど、みんなのことを引っぱっていきたい、という詞を書いてくれたんだと思います。曲調も歌詞も、これまでにないタイプなので歌うのは難しかったんですけど、でも大好きな曲です。

12曲目の「憧憬」も強く印象に残りました。こちらは逆に、これまでの綾野ましろさんのイメージどおりのハードでアッパーな楽曲。

綾野 3曲目の「スパイラルガーデン」なんかもそうなんですけど、こういうダークな世界観が多いですからね。だから「labradorite」のような突き抜けて明るいものは本当に珍しい(笑)。自分の中にいる、もうひとりの自分との対話。そういうイメージで書きました。

サビの“今は まだ癒せない この痛みたち 抱きしめて進むから”というフレーズ。それが綾野さんが歌い描く世界観の全体を表現しているように感じました。

綾野 境遇的にはすごく不幸ではあるんだけれど、でもめげずに戦っていこう。そんな強い意志を歌うことが多いですからね。ライブでは、この「憧憬」のような曲で盛り上がれたらいいですね。ネガティヴな気持ちや負の要素、鬱憤みたいなものを、みんなでライブ会場で発散することって重要だと思ってるんです。

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10月から11月にかけて大阪、東京、北海道で、このアルバムを引っさげてのワンマン・ライブがありますね。

綾野 盛り上がるところでは、とことん盛り上がって。世界観に浸ってもらいたいところは、しっかり見せて。そういうメリハリの効いたステージにしたいと思ってます。そういえば私のライブを通じーーンの方同士が繋がったりもしてるらしいんですよ。友達になったり。連絡を取り合って一緒に会場まで行ったり。そういう話を聞くと、すごくうれしいですね。私も友達がほしいです(笑)。

フォトギャラリー

 

リリース情報

【初回限定盤A】

【初回限定盤A】

【初回限定盤B】

【初回限定盤B】

【通常盤】

【通常盤】

1st album
『WHITE PLACE』

■初回生産限定盤A(CD+BD) BVCL-748~9 ¥4,000+税
■初回生産限定盤B(CD+DVD) BVCL-750~1 ¥3,800+税
初回生産限定盤のみの特典:ドイツ撮りおろし24ページフォトブック付き
■通常盤(CD) BVCL-752 ¥3,000+税

【収録曲】 Disc-1(CD)
01. white arise ~overture~
02. ideal white
03. スパイラルガーデン
04. Lotus Pain
05. 刹那クロニクル ~album version~
06. shinkiro
07. misty way
08. labradorite
09. vanilla sky
10. Delusion
11. focus light
12. 憧憬
13. infinity beyond
14. 春想の街
15. (bonus track) Believe

Disc-2(BD/DVD)※初回生産限定盤A、Bのみ
2015年11月3日渋谷O-WESTで行われた1stワンマンライブの映像を収録
01.opening
02.ideal white
03.pledge of stars
04.燐光
05.刹那クロニクル
06.infinity beyond
07.vanilla sky
08.ハーフムーンフラワー

ライブ情報

綾野ましろ One-man Live 2016 WHITE PLACE

10月16日(日) 大阪 梅田Zeela 16:30 開場 / 17:00 開演
11月03日(木・祝) 東京 恵比寿 LIQUIDROOM 16:15 開場/ 17:00 開演
11月12日(土) 札幌 cube garden 16:30 開場/ 17:00 開演

綾野ましろ

北海道洞爺湖町出身・札幌在住の女性シンガー綾野ましろ。 まっすぐな意思を感じる透明感ある歌声で、聴く人の心が求める理想の歌とメッセージを届ける。
2014年放送のTVアニメ「Fate/stay night」オープニングテーマ「ideal white」(アイディール ホワイト)で10月22日にデビュー。 iTunesポップチャート2位 アニメチャート1位、オリコンデイリーランキング6位を記録。全世界47カ国で配信中。 サウンド・プロデュースにtoku (GARNiDELiA)を迎え制作された2nd single「vanilla sky」(4月29日発売)が、2015年4月放送スタートのTVアニメ「ガンスリンガー ストラトス」オープニングテーマに抜擢された。 その後、シンガポール・ロサンゼルス・ドイツでのJ-POPカルチャーフェスに出演。さらにPC版ゲーム「ガンスリンガー ストラトス リローデッド」テーマソング3rd single「infinity beyond」(8月19日発売)をリリースし、10月11月に地元北海道と東京での初のワンマンライブを開催、即日完売させ大成功をおさめる。
今年1月13日にはデビュー前に制作された音源と初のワンマンライブの音源を収録した綾野ましろの原点を表現したコンセプトアルバム「early days」をリリース。リード曲「春想の街」は、ミュージックビデオは出身地である洞爺湖で撮影され、「北海道庁クールHOKKAIDO公認ソング」に起用された。4月には札幌・東京で2nd ワンマンライブの開催。8月3日に発売した4th「Lotus Pain」が、TVアニメ「D.Gray-man HALLOW」エンディングテーマに抜擢。10月5日(水)には、1st album「WHITE PLACE」をリリース!そして、10・11月には、大阪・東京・札幌でのワンマンライブが決定している。

オフィシャルサイト http://www.ayanomashiro.com/