Interview

Maison book girl 第2章の幕開けという新作。少しずつ変化していく4人の世界をインタビューから紐解く

Maison book girl 第2章の幕開けという新作。少しずつ変化していく4人の世界をインタビューから紐解く

Maison book girl(通称ブクガ)がニューシングル「SOUP」をリリースした。
昨年11月21日に通算3枚目となるメジャー2ndアルバム『yume』をリリースし、“hiru”“yoru”“yume”というコンセプトの異なる3タイプのワンマンライブ「Solitude HOTEL 6F」を開催。インストを含むアルバム収録曲全21曲を披露した“yoru”公演ではニューシングルのリリース情報が発表され、終演後のロビーのスクリーンには、波打ち際に打ち上げられた鯨と海辺の工場の写真が投影されていた。メジャー2ndアルバム『yume』から4ヶ月ぶりとなるニューシングルの1曲目のタイトルは「鯨工場」。夢の中で本を開き、首のない鳥の声を聞いていた少女の物語の続きは——。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 荻原大志

外にいる人に問いかけてるか。私たちがライブをやる上では歌いやすいというか。聴いて欲しいって思って歌えるし、誰かのためにっていう思いが入ってるなって思います(コショージ)

アルバム『yume』に収録されていた「夢」から始まって、「夢」で終わった「Solitude HOTEL 6F  yume」のラストからお伺いできればと思います。

コショージ 最初の「夢」と最後の「夢」は全く違う歌詞に変わってるっていう終わりかたをしてて。次に繋がっていたんですけど。

井上 (プロデューサーである)サクライさんの頭の中にはもう「鯨工場」のイメージがあって作った歌詞だったと思います。

全部繋がってるんですよね。

コショージ そうなんですよ。またかよ!  また次週か!? っていうのをずっとやってて(笑)。聴いてくれてる人たちは大変だと思うんですけど。

MVにはライブでもかぶっていたペストマスクの人が登場してます。

井上 撮影は過酷でしたね。冬の海。寒いなんてもんじゃなかった。

矢川 海と工場で撮ってて。海辺を歩いたり、雨に降られながら台に登ったり。

コショージ  向こう側にいる救いたい人に手を伸ばしたり、曲の言いたいことと合ってるMVになってて。曲の意味と合ってるという意味では、今までにはあまりなかった感じですね。あと、泣いてるし。

井上 泣いた? 私も2回くらい泣いた。

和田 泣いてないです。

矢川 私も泣くシーンはなかったんですけど、関係ないところで泣きそうになりました。私のシーンの時だけ雨と風が強くて。

井上 雨女なんだよね、絶対。

矢川 コショージが出ると雨が止んで。

コショージ  あはははは。葵の時だけめっちゃ雨降ってて。撮影が終わって、葵が帰ってきて、「次、コショージです」って言ったら止むっていう。

和田 「濡れ鼠になった」って言いながら帰ってきて。

矢川 海辺でびしゃびしゃになりながら、一人だけ手を真っ赤にして震えながら撮ってました。

井上 ……かわいそうだね。

「cloudy irony」から時が経って、今のブクガに沿った、新しい軽い部分の見せ方ができる曲だなって思いました(矢川)

(笑)改めて、「鯨工場」を最初に受け取った時はどう感じました?

矢川 曲調は「cloudy irony」っぽいんですけど、歌詞が珍しくストレートなところもあったりしてて。「cloudy irony」から時が経って、今のブクガに沿った、新しい軽い部分の見せ方ができる曲だなって思いました。

井上 すごく爽やかで聴きやすいなって思いました。タイトルの時点で、今までとちょっと違うなって感じてたんですけど、曲調もブクガではあるけど、今までにないというか。また新しい扉を開いた感じがしました。

コショージ こういう曲を歌いたかったなっていう曲がきたって思いました。「Solitude HOTEL 6F  yume」の時にフラグとしてあった詞の世界観ではあるんですけど、外に向いてて。今までの世界観は内にこもってるような、なんなら自分のために歌っているような感じの曲が多かったと思うんですよ。でも、この曲は、まだ誰かに歌ってるまではいけてないかもしれないけど、外にいる人に問いかけてるか。私たちがライブをやる上では歌いやすいというか。聴いて欲しいって思って歌えるし、誰かのためにっていう思いが入ってるなって思います。

和田 結構、びっくりしました。今までやってた歌詞の世界観を前提として、全然違うことをやろうとしているなって感じで。これからブクガがどうなっていくのかっていうのを含めて、変わったなっていうのは強く感じました。

今後、この次にできる曲は、一体何を歌うんだろうって、今はわからない状態なんですよね。そこの不安や期待を、この曲を聴いて感じたんですよね(和田)

「変わったな」って感じたのはどんな部分ですか? 

和田 今までは、私の生活とは別の世界の話を“依代”的な感覚で歌ってる感覚だったんですけど、今回はサクライさんも「Maison book girlのことを歌っている」って言ってて。今までやってきたことは私とは別のことだったけど、今までやってきたこと自体を歌い始めた。今後、この次にできる曲は、一体何を歌うんだろうって、今はわからない状態なんですよね。そこの不安や期待を、この曲を聴いて感じたんですよね。それは多分、今まで応援してくれてたファンの人たちも一緒だなと思って。これはブクガの曲を聴いてて、今までになかった感覚だなっていうのを感じました。

井上 アートワークも鮮やかな青だし、ずっと影だったり。顔が隠れてたジャケットにも私たち4人が入ってるし。まだ絵ではあるけど(笑)。

矢川 歌詞の最初に<僕らの唄はどこに届いてるんだろう。>って言ってて。それは、私たちがずっと思ってきたことで。いろんな人に知ってもらいたくて活動してるわけじゃないですか。それを素直に言っちゃえるんだって思いました。

夢から醒めたんですかね?

コショージ  現実の話ですよね、きっと。でも、<夢の中のあの話、本当は何処かで続いていた。>とも歌ってて。

井上 <本の家の少女たち、気付かないまま>って言ってるから、まだ続いてる感じもある。

矢川 そもそも、<鯨波の街>ってどこなんだろう? みたいな。あはははは。

(笑)前作には「レインコートと首の無い鳥」という曲もありましたが、この曲には<首だけの鳥><体だけ無い鳥>が出てきてます。

矢川 首の無い鳥の片割れかな〜。「あ、ここにあったんだ?」って。

井上 テトリスみたいにくっついた?

矢川 あはははは。

和田 今までは首の無い鳥しか出てこない世界だったけど、新たな視点で、首だけの鳥が見えてきたね、広がったねっていう風に私は捉えてるかな。

コショージ ブクガの世界とブクガじゃない世界があって。……あ、わかったわかった。首の無い鳥は私たちの世界にいたんだけど、首だけの鳥はうちらの世界にいない鳥なんですね。だから、そっちの世界に行こうとしてます。首の無い鳥が頭を求めて。「もののけ姫」のシシ神様(ディダラぼボッチ)みたいに。たぶん、首の無い鳥はブクガの象徴なんです。

2曲目の「長い夜が明けて」には<首だけの鳥>と<首のない鳥>の両方が出てきてますよね。首を見つけたのかな?

井上 だから、ジャケットの絵にも4人の顔がちゃんと描かれてるのかな。

矢川 今までは塗りつぶされてたもんね。

では、歌入れはどんな思いで臨みました?

矢川 「鯨工場」はそんなに苦戦することなく、わりとさらっと思うように歌えたんですけど、2曲目の「長い夜が明けて」が難しくて。

和田 めちゃめちゃ難しかった。

矢川 難しいっていう顔をしてると、サクライさんに「いけるいける」って言われて。追われながらもなんとか頑張ってやって。私たちの声が入って、すごくカッコよくなってたので、よかったなって思いました。

和田 私たち自身の声でこの曲が歌われてるっていうのが重要になると思うんですけど、滑舌が悪くて。いつも言われるんですけど、今回は特に気をつけました。今までの私の感覚としては、歌詞よりも音色とかリズムに興味がいってたんですけど、これから特に言葉を伝えるっていうことを意識していかないといけないなって思ってました。

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