Interview

佐奈宏紀が「全力でぶつかっていく」と使命感を持って挑む舞台「銀牙 -流れ星 銀-」~絆編~

佐奈宏紀が「全力でぶつかっていく」と使命感を持って挑む舞台「銀牙 -流れ星 銀-」~絆編~

1983~1987年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)に連載された、高橋よしひろによる不朽の名作漫画「銀牙 -流れ星 銀-」が舞台化! 舞台「銀牙 -流れ星 銀-」~絆編~として7月に上演される。
主人公は秋田犬・銀。男気溢れる仲間たちと共に凶暴な殺人熊・赤カブトへ戦いを挑んでいく雄々しいドラマだ。劇団鹿殺しの丸尾丸一郎が脚本・演出を担当。実力に定評のある注目の若手俳優たちが集結して、犬に“おとこ”とルビを振る、熱い世界を体現する。
そこで、主人公の銀を演じる佐奈宏紀にインタビュー。気迫が伝わる“犬(おとこ)”らしい姿がインパクト大のビジュアル撮影でのエピソードや、本作への意気込み、また作品をキッカケに深く考えたという“死と生”への向き合い方……様々な想いを語ってもらった。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 冨田望


あの漫画の中からこのデザインを連想した発想がすごい

迫力溢れるビジュアルが公開されました。まずは撮影の感想からお聞かせください。

関節がおかしくなりそうになりましたね(笑)。「獣になろう!」というテーマで、振付の辻本(知彦)さんが撮影時から来てくださって「こんなポーズはどうだろう?」「あんなポーズをしてみよう!」と、いろいろなポージングを提案してくださったんです。見ていると「それ、めっちゃカッコいい!」と思うので僕もそれをやろうとしたんですけど、無理なんですよ! 股がもう……力士の修行状態になりました(笑)。でも、僕だけじゃなくてほかのキャストさんもキツイポーズをされていたようなので、舞台「銀牙」への通過儀礼として良い経験になったのではないかと思います(笑)。

ポージングからハード! メイクやウィッグにもこだわりがうかがえました。

銀の耳の角度を決めるだけでも40分くらいかかりましたね。ビジュアル撮影の中でベストな位置を探していたので。スタッフさん全員で綿密に取り組んでくださって、納得のいく調整をしていただいたものになりました。

犬のキャラクターを人間が演じる作品ということで、原作の格好を忠実に具現化していく他2.5次元作品とはまた別のテイストを感じます。

そうなんです。だから、衣裳にも驚きました。あの漫画の中からこのデザインを連想した発想がすごい! ちゃんとキャラクターの雰囲気があって、素敵な衣裳だなと思いました。銀の特徴であるマロ眉も「ここにくるんだ!」と思いましたね(笑)。最初は原作のマロ眉どおりに大きめのサイズだったんですけど、全体のバランスを考えた結果、この大きさになりました。ほかのキャラクターたちにもそれぞれのこだわりポイントがあるので、お客様も見ていて楽しいと思います。

佐奈さんご自身が撮影時にこだわった点はどのあたりですか?

いかに人間離れしたスタイルを取れるか、ということは自分の中で追い込みながらやりました。「股関節は痛いけど……これはもう、やるしかない!」と。これからいろいろと写真が使われると思うので、どの写真がセレクトされていくのか、僕としても楽しみです。なるべく良い股割りの写真が選ばれるといいな(笑)。

そうですね(笑)。原作漫画「銀牙 -流れ星 銀-」のことを佐奈さんはご存知だったとお聞きしましたが、どのようなキッカケでしょうか?

親が好きだったので、家に漫画が置いてあったんです。でも手に取ってはいたのですが、すごく小さい頃だったので、どちらかというと記憶が強いのはアニメのほうですね。それを観て「犬が喋っている!」と思った覚えがあります(笑)。当時は細かい描写が理解できていなかったので、犬が熊と戦う熱い物語という印象だけだったのですが、あらためて漫画を読み返してみると「重たい……!」と驚きました。今だからこそ、悲しい場面や設定の重さを感じ取れています。戦いに敗れて死んでいったり、一生の傷を負ったり……。銀も生まれながらに熊と戦うという使命を背負っている過酷なキャラクターですし。

「なりたい」というモチベーションで銀に近づいていけたら

今まで佐奈さんが演じてこられた役柄とは、また違う新しい面を持ったキャラクターのように思います。

これだけ自分の弱さを見せないキャラクターは初めてかもしれないです。今まではどこか弱さが垣間見えるキャラが多かったのですが、銀はみんなの道しるべになる、ザ・リーダーの資質を持っている。みんながこうなりたいと願うような、お手本的な主人公。「強すぎだろ、メンタル!」とは思いますけど(笑)。

どのような部分に“強すぎメンタル”を感じますか?

いやもう、随所に。特に何かが起こったあとの切り替え的な部分ですかね。「そんなしんどいことが起こったら、僕だったらもう進めないよ。ムリだよー!」となってしまう(苦笑)。でも僕の中にも「銀のようになりたい!」という気持ちはあるので、その「なりたい」というモチベーションで銀に近づいていけたらと思います。銀が持っている、自分を追い込むスタイルは、僕自身とも似通った部分かなと感じられるので、そのあたりを取っかかりにしていけたらなと。大変な役づくりになりそうですけど。

“生きる・死ぬ”がリアルに出てくる舞台になる

犬たちの死闘を描くドラマを丸尾丸一郎さんの脚本・演出で。大きな期待が寄せられている作品ですが、どのような世界観の舞台になりそうだと想像されていますか?

現段階ではまったくわかりません!(笑)でも、みんなで一緒に考えて創り上げていくものになるだろうなと思いますし、一番のテーマとして“生きる・死ぬ”がリアルに出てくる舞台になると思います。この間、丸尾さんと初めてお会いしたのですが、すごく情熱を感じたんです。劇団鹿殺しのコメント動画なども拝見して、お芝居や作品づくりに対する熱がすごくある方だと思いました。生死に関するドラマはそういった情熱がないとやっていけないと思うので、そこがマッチしたらきっと良い作品になると思います!

丸尾さんとお会いしたのは対談などの機会ですか?

いえ、衣裳合わせのときにチェックにいらしていたんです。ご挨拶をさせていただく程度だったのですが、そのときから情熱がものすごくて。目玉が飛び出すんじゃないかってくらいの勢いで僕らのヘアメイクをジッと見つめられて、スタッフさんに「アイメイク、もう少し濃くしてもらっていいですか?」とか、すごく細かいところまで見てくださっていました。丸尾さんはビジュアルまで含めてひとつの作品だと考えてくださっているんだなと感じましたし、お稽古場でもいろいろ話し合いながらつくっていけるのではないかなと思っています。

1 2 >