Interview

FAITH 新作での新たなトライアルとは? 地元・長野での初ワンマン、リリースツアーを前に5人の心境を訊く。

FAITH 新作での新たなトライアルとは? 地元・長野での初ワンマン、リリースツアーを前に5人の心境を訊く。

長野県伊那市発の5人組・FAITHの2nd EP『Yellow Road』は新たなトライアルを盛り込み、バンドとして一皮も二皮も剥けた会心の出来映えと言っていいだろう。地元を離れ上京したメンバーもいる中での約1年、様々な人との出会い、そこで沸き上がる思いなど、このタイミングだからこそ出てきた楽曲もあり、今作の全5曲には特別な煌めきとムードが宿っているよう。レッドブル・アスリートで弱冠18歳のMoto3ライダー・佐々木歩夢選手とコラボした「CHAMP」、地元伊那市を思い浮かべて書いた表題曲を中心に、作品全体を通して表現力により一層磨きをかけた今作の魅力について、メンバー5人に話を聞いた。

取材・文 / 荒金良介 撮影 / 持田 薫

やりたい曲の種類が増えてきたし、自分たちでもジャンルを固定せずに、ただやりたいようにやってます(アカリ)

メランソンくん以外の4人は昨年上京してもうすぐ1年を迎えるタイミングだと思うんですが、東京の生活には慣れました?

コバヤシレイ 慣れたと言えば慣れましたね。東京で過ごすのが普通になりました。けど地元に帰ると、やっぱ田舎って暮らしやすいなと思うし、自然がないと俺は生きていけないなって思いますね。

アカリドリチュラー 私はめっちゃ楽しい。実家に帰ったら落ち着くなあと思うけど、一人で住む今の生活も楽しくて。東京は便利だし、また実家とは違う楽しさがありますね。

ヤジマレイ 俺はよく自炊しているので、どれだけ低コストで一ヶ月を過ごせるのか、それを考えるの楽しいです(笑)。ただ、東京での遊び方はまだわからないですね。

アカリ 料理ばっかりしてるからだよ!

遊び方はアカリさんに教えてもらうとか?

アカリ まずは料理せずに、家にもまっすぐ帰らないこと!(笑)

全員 はははは。

荒井藤子 東京はいいところですね。前よりライヴにもよく行くようになったし、東京での暮らしは好きです。

バンドの拠点を東京に移してから、ライヴの本数もかなり増えてませんか?

アカリ そうですね。特に3月は休みの期間に入るから、めっちゃ本数が増えました。

先日TSUTAYA O-Crest(3月8日)でライヴも観たんですが、以前よりも演奏のグルーヴも高まってるし、表現力も磨かれてきて、バンドとして成長しているなと感じました。

アカリ (ガッツポーズを取る)

それは文字にしづらいですけど(笑)、今作を聴いてもバンドのスキルや表現力が格段にレベルアップしてますよね。ものすごく聴き応えのある一枚でした!

コバヤシ レコーディングを通して、バンドのグルーヴが高まったかもしれないです。

ヤジマ レコーディング中もその場でみんなの意見がポンポン出るようになったんですよ。お互いに厳しくなったし、それでみんなスキルアップしたのかなと。

コバヤシ うん、いままでの中で一番言い合えてたと思います。みんな前より普段いろんな音楽を聴くようになったから、曲に対してもイメージが沸くようになったよね。

それで今作は1曲1曲の個性や色合いがより際立ってきたんですね。作品トータルで見ても、バラエティ感は過去最高じゃないかと。

アカリ やりたい曲の種類が増えてきたし、自分たちでもジャンルを固定せずに、やりたいようにやってます。だけど、全体的にはバランスの取れた一枚になったかなと。

コバヤシ みんなひとつのジャンルを聴くタイプじゃないから、それが曲にもストレートに出てるんじゃないかな。

メランソンルカ 音楽の引き出しは増えたよね。俺は自分でコピーする音楽も増えて、そこから吸収したものも多いですね。

例えばどんな音楽をコピーして?

ルカ 洋楽の雰囲気やグルーヴ感をウチらの曲に活かしたいなと思っていて。今回はそれができたと思います。ベニー・グレブというグルーヴ系のドラマーがいるんですけど、その人のフィルを参考にしたりしてましたね。

そう言えば、今作は雰囲気を重視した曲調も入ってますよね。

アカリ 電気を消したからじゃないかな?

コバヤシ そう!レコーディングでスタジオの照明を消して真っ暗にして。録る前から雰囲気を作ってやった曲もありますね。

「Stargazer」のことですか?

コバヤシ まさにそうです!

それぞれの意見を即採用ということが多くて、これ違うんじゃね?ということが少なくなりました(ヤジマ)

この曲は夜景が似合うだろうなと、イメージが沸いてきました。

コバヤシ それは嬉しいですね。

荒井 「Stargazer」は自分的に、やったことがないことにもトライしたんですよ。それをきっかけにベースに対する興味もさらに増したし、個人でスタジオに入る回数も増えました。メンバーからこういうベースを弾いてほしいという要求をもらって、その気持ちにも応えたかったし。

アカリ 「This Is My Life」もメンバーアドリブ多めの曲なんですよ。その場でクラップやいろいろ付け足して、男子たちにもコーラスめっちゃやってもらったりして、結果いい感じに仕上がったなと。CDができた後に「こうすれば良かった!」と思うのは嫌なので、思い付いたときにやろうという気持ちは強くなりましたね。作品を出すたびに1曲1曲に込める感情は強くなってると思います。

ヤジマ レコーディングに慣れてきたことも大きいですね。以前はスタジオの空気に飲まれることも多かったけど、今回は和やかなムードでやれたし、臆せずにやりたいことをやれましたからね。あと、それぞれの意見を即採用ということが多くて、これ違うんじゃね?ということが少なくなりました。

アカリ だから、めっちゃ本気で遊んでいるような感覚で、楽しくやれましたね。

その空気感も今作の出来映えに繋がっているんですね。では、最初にどんな作風にしたいと思ってました?

コバヤシ コンセプトみたいなのは、レコーディングの途中で見えてきた感じです。「Yellow Road」を作って、それをタイトルにしようという話になってからですかね。

ヤジマ (「Yellow Road」は)前を向いている感じがしたから。

今作の中で「Yellow Road」が最初にできた曲ですか?

コバヤシ いえ。高校生の頃からあって、今回編曲して入れた曲もあるんですよ。

アカリ 去年作った曲の中だと、「Yellow Road」が一番新しい曲ですね。ちょうど1年前、4人(アカリ、ヤジマ、コバヤシ、荒井)が卒業したタイミングで、東京で初めてスタジオ練に入って、その時にできた曲なんですよ。

コバヤシ 春ぐらいか。軽いノリで作ったら、これめっちゃ良くね?って。いつも曲作りはそんな感じなんですよ。セッションして遊んでいたら、いいメロディが出てきて。「Yellow Road」はまさにそういう曲です。

「Yellow Road」はまたここから行くぞ!という強い気持ちを込めた曲ですか?

アカリ そうですね。もともとこの曲は『オズの魔法使い』のストーリーとかけてるんですよ。地元を離れて、東京で生活し始めた頃だったから、実家にいたときの生活と今の生活と比べて、帰りたい気持ちもあるけど、頑張ろうという気持ちで書いたものですね。同じ境遇の人もいるだろうから、そういう人に響けばいいなと。今年はルカが高校卒業するから、ルカが「Yellow Road」を聴いて泣いてくれたらいいと思う。

全員 ははははは。

ライヴでも既に「Yellow Road」を披露してましたけど、曲調はスケール感もありつつ、サビはキャッチーに突き抜けているし、すごくいい曲ですね。でもなぜ『オズの魔法使い』の話とかけようと?

アカリ 『オズの魔法使い』が昔から大好きで。家から離れて、一人でいるんだけど、仲間を見つけて、自分がいるべき場所に辿り着くという話だったから。自分と重なる部分が大きくて。だから、歌詞の中にもそういう言葉を入れてます。

そういう曲の作り方は初めて?

アカリ 初めてですね。意識してそうしようと思ったわけじゃないので・・・もう一度この方法で作ってといわれてもたぶん無理ですね(笑)

このタイミングじゃないとできなかった曲?

アカリ そうですね。基本的に自分が感じたことを書いているから。自分が一番欲しいものは、そもそも自分の中にあるんだってことを、歌詞の中で表現したかったんです。今回はブックレットとかMVにも和訳(意訳)を入れているので、意味を分かった上で聴いてもらえたら、もっともっと伝わるんじゃないかと。

1 2 >