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新作『チョコボの不思議なダンジョン』新ジョブ&バディで1000回遊べるRPG

新作『チョコボの不思議なダンジョン』新ジョブ&バディで1000回遊べるRPG

先月発売された『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』は、『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズとしては、前作の発売から10年以上が経過して登場した最新作。今回は、本作の魅力と新要素について紹介しようと思います。ちなみに、筆者がこの記事でプレイしているソフトはNintendo Switch版であり、画面写真も同機種のものを使用していることを最初にお伝えしておきます。

文 / 忍者増田


時忘れの街にて不思議なダンジョンに挑む

『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』(以下、『エブリバディ!』)は、2007年にWii用に発売されたダンジョンRPG『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』(以下、『時忘れの迷宮』)をリメイクした作品です。つまり完全新作というわけではありませんが、後述するように今作ならではの新要素が盛り込まれています。

もともと『不思議の(本作は“不思議な”)ダンジョン』シリーズといえば、『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』が最初に登場し、その後も『不思議のダンジョン2 風来のシレン』や『ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊』など、さまざまなキャラクターを主役としたアレンジ版が登場しています。本作は、『ファイナルファンタジー』シリーズの人気キャラクター“チョコボ”を主人公に据えたシリーズの最新作というわけですね。

▲『ファイナルファンタジー』シリーズのマスコットであるチョコボが、さまざまな能力を駆使してモンスターに立ち向かう

トレジャーハンターのチョコボとシドはある日、忘れることによって幸せになれると信じられている“時忘れの街”に迷い込んでしまいます。時計塔の鐘が鳴り響くたび、人々が記憶をなくしてしまうそんな街に、ラファエロという謎の男の子が出現。それからというもの、街の人々の記憶によって作り出された迷宮が出現するようになり、チョコボは人々の記憶を取り戻すべく、不思議なダンジョンへと挑むことに……。チョコボがダンジョンをクリアするたびに人々の記憶は戻り、物語が進行していきます。そして、最初は赤ん坊だったラファエロが言葉をしゃべり出し、どういうわけか急激に成長していくのです。はたして彼の正体は……?

▲不思議な男の子ラファエロが現れてから、街の人々の記憶が迷宮となって出現するようになる

▲記憶をなくした人物の頭上にあるどす黒い“記憶の渦”に入ると、ダンジョンに挑むことができる

▲チョコボがダンジョンをクリアすると、人々は記憶を取り戻していく

変化するダンジョンと死に対するシビアさが魅力

本作『エブリバディ!』もこれまでのシリーズのシステムや魅力を継承しています。ダンジョン内の行動はターン制となっていて、チョコボが1ターン行動すると同時にモンスターも1ターンぶん行動します。チョコボが動かなければモンスターも動かないので、あわてずにじっくり考えてから行動できるわけですね。戦闘にリアルタイムな要素がないので(一部の作品に例外あり)、反射神経を要するゲームが苦手な人も安心。

“つねに変化するダンジョン”も本シリーズの大きな特徴です。同じダンジョンに入っても、そのつどフロアの形が変化します。モンスターの出現場所や落ちているアイテム、ワナの位置なども変化するので潜るたびに攻略法が変わり、毎回新鮮な気持ちでダンジョンに挑むことができるのです。本シリーズが“1000回遊べるRPG”と言われる所以ですね。なお、こういったシステムはコンピューターRPG『ローグ』が原型とされているので、『不思議のダンジョン』シリーズは“ローグライク系”と称されることも多いです。

▲戦闘はターン制。相手が眠っているスキに攻撃!

ダンジョン内で力尽きてしまったらアイテムや所持金が没収されたりなど、大きなペナルティーを受けるシビアさもほかのゲームにはない本シリーズの特徴なのですが、『エブリバディ!』ではこのあたりは少しやさしめに設定することもできます。最初にゲームの難易度として“ノーマル”を選べば、力尽きても装備していないアイテムとギル(所持金)だけが没収されるというルールが適用されます。つまり装備してさえいれば、死んでもそのアイテムはなくなることはないのです。

こういった難易度調整がありながらも、『エブリバディ!』がスリリングな作品であることには違いありません。いい武器を複数手に入れて、地上に戻ってそれらを合成して強力な武器を作ろうとしていた矢先に死んでしまい、装備していない武器を失ってしまえば……やはり、「あーーーっ!」ってデカい声を出しちゃいますから。いやぁ、いいですよね、この緊張感。『不思議のダンジョン』シリーズは、死んだときに世界一声を出してしまうゲームではないでしょうか。

▲シリーズ名物、モンスターハウスも健在。一種のトラップである敵だらけの部屋だが、切り抜けられればアイテム大量獲得のチャンスでもある

ここで、「そんなのヌルい!」と思った人は、ぜひ“ハード”でプレイしてみましょう。死んだときの所持アイテム全没収のほかにも、モンスターがより強かったり、歩数におけるHP回復の割合が低かったりなど、ノーマルに比べてさまざまな点で難易度が高くなっていますので、よりシビアでスリリングな展開を味わえます。しかも、ハードでクリアしたからといって特別なご褒美があるわけでもないストイックさ! ちなみに一度難易度を設定したら、ゲーム途中で変えることは不可能ですのでご注意を。また、ダンジョンを出ても主人公のレベルが1に戻らず継続されるのは『ポケモン不思議のダンジョン』シリーズと同様ですが、コレはゲームとしての性質の違いですね。死んでアイテムが没収されても、得た経験値やレベルだけは無駄にならず、冒険すればするだけチョコボは強くなっていきます。ダンジョンを出るとレベル1に戻る『トルネコの大冒険』シリーズや『風来のシレン』シリーズに比べて主人公育成感が強く、よりRPG色が強い作品と言えるでしょう。

▲チョコボがレベルアップ! ダンジョン内で得た経験値は死んでもムダにはならない

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