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新作『チョコボの不思議なダンジョン』やり込み要素&アビリティ制作秘話に注目!

新作『チョコボの不思議なダンジョン』やり込み要素&アビリティ制作秘話に注目!

ダンジョンRPG『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』は、『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』を12年ぶりにリメイクしたシリーズ最新作。前回に引き続き、本作の魅力に再度触れながら、ディレクターの前田明彦さんから伺った本邦初公開の制作秘話を紹介したいと思います! なお、本稿の画面写真はNintendo Switch版を使用しています。

文 / 忍者増田


「友だち150人できるかな?」のバディシステム

本作『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ!』(以下、『エブリバディ!』)を含む『不思議のダンジョン』シリーズの魅力といえばやはり、ダンジョン内で力尽きると冒険の大部分がリセットされてしまうという、半端ない緊張感が挙げられると思います。『エブリバディ!』においては、主人公チョコボのレベルがリセットされることはありませんが、それでもシビアなゲームには違いありません。だからこそ必死でダンジョンの最下層まで潜ってボスを倒し、命からがら地上に戻ってきたときに、ほかのゲームでは得難い安堵と歓喜を味わうことができるのです。そのときいいアイテムの入手に成功していたら、喜びも倍増ですね。

▲モンスターに囲まれたときのスリルは、筆舌に尽くしがたい。そうなったときを踏まえて準備をしておくことも大切だ

もうひとつの魅力が、長く遊べることだと思います。入るたびにダンジョンの形が変わるというのも長く遊べる理由のひとつですが、それ以外にもさまざまなやり込み的要素が散りばめられているのがニクいところ……。本作が、むしろ“クリアしてからが本番”だと言われる所以ですね。
前回少しだけ触れましたが、そんな『エブリバディ!』ならではのやり込み的要素が、バディと呼ばれる150近くの登場人物とモンスターを仲間入りさせること。バディは、チョコボとともにダンジョン内で敵と戦ってくれる心強い味方。登場人物はストーリーを進めることで、モンスターは戦闘で得るバディポイントを貯めることで仲間にできます。特有のアビリティがそれぞれ異なるので、いろいろとバディを入れ替えて冒険したくなること請け合いです。
ここで大切なのが、バディの強さにはチョコボのレベルや装備品が影響するということ。つまり、チョコボのレベルを上げ装備品もいいものを身につければ、バディも強くなり冒険も楽になるのです。本作はチョコボが死んでもレベルはそのままキープされますから、冒険すればするだけチョコボとバディのユニットは強くなっていき、努力が実を結ぶシステムとなっています。バディのいない前作『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』(以下、『時忘れの迷宮』)以上にチョコボの育成が楽しく、冒険の重要なポイントとなってくるでしょう。
ちなみに、筆者が現在お気に入りのバディは鉄巨人。その巨体から繰り出される一撃は与ダメージが高いうえに、力強く素早いモーションを見ているだけでもスカッとします。攻撃回数が2ターンに1回なのが残念ではありますが、そんなことを差っ引いても、コイツのまさに剛腕って感じのモーションが好きなので連れ歩く頻度は高いです。戦闘では、こういったバディそれぞれのモーションにも注目。あと、ボスキャラが力尽きてガクッと崩れ落ちる動きも、なんか艶っぽくて好きだな。

▲バディのアビリティを上手く使えば、こんな大ダメージを与えることも可能!

▲仲間にしたバディの図鑑を眺めているのも楽しい。ちなみにコイツは鉄巨人。有無を言わさぬ強烈な一撃が頼もしい

▲“2人でプレイ”でバディを友だちに動かしてもらえば、戦闘はかなり有利になる

物語そっちのけでハマる合成と試練のダンジョン

筆者が今もっともハマっている本作のやり込み的要素が、装備品の強化です。特に面白いのが“合成”ですね。武器や防具には、“印”と呼ばれる特殊効果を持つものが存在します。特定のモンスターに強かったり、歩行時のHP回復量がアップしたりなど、印にはいろいろな効果があります。たとえば、攻撃力が高い武器と攻撃力は低いけど印を持つ武器があったとします。この場合、攻撃力が高い武器をベースにふたつの武器を合成させれば、攻撃力は高いままで印の効果を付加したマルチな武器になるのです。

▲装備品はフレイアの鍛冶屋やダンジョンショップの鍛冶屋で鍛えたり、合成したりすることができる

筆者などは、ストーリーの進行そっちのけでアイテム合成に躍起になってしまうこともしばしば。でも、これって歓迎すべき寄り道ですよね。合成に合成を重ねた結果、筆者がチョコボに装備させている現在の武器は、“アイテムのドロップ率アップ”、“たまにブライン状態にする”、“敵に与えるダメージアップ”、“雷属性で攻撃”、“精霊の敵に大ダメージ”、“不死の敵に大ダメージ”という6つの能力を備えたスーパーウェポンと化しています。印はほかにもさまざまな効果があり、自分でカスタマイズして独自の装備品を作れるのが楽しいです。攻撃力の高い武器に、前方3方向に同時攻撃できる印をつけたりするのも面白いですよ。モンスターハウスのトラップなどで敵に囲まれたときにグンと生存率が上がるし、経験値をたくさん稼いでピンチを一気にチャンスに変えられます。なお、印をつけられるスロット数は最大7つで、アイテムにより上限は違います。ダンジョン内で拾うアイテムはスロット数がランダムですが、ハリーの店やダンジョンショップで購入するアイテムはスロット数がMAXになっていることをつけ加えておきましょう。
こんなことができちゃうから、攻撃力や防御力は低くても印を持つ装備品は無闇に捨てられません。いい装備品をたくさん拾ってしまったときは、そのダンジョンをクリアして無事に地上まで運ぶべく、緊張感がより高まります。ダンジョンから脱出できる“テレポの羽”を持っていたら、すぐに脱出してしまうこともありますけどね。数歩の冒険が命取りになることがあるし、無理してダンジョンクリアを目指すよりも、拾った装備品を持ち帰ってサッサと合成しちゃおう……と。このあたりはプレイヤーの性格が出るのが面白いですね。
そうして苦労して作り上げたスーパーアイテムですが、ノーマルモードでは、装備さえしていれば死んでもなくなることはありません。でもハードモードでは、死んだらアイテムはすべて没収されてしまいスリルが半端ないです。ちなみに筆者がプレイしているのはノーマルモードです、はい……。

▲ひとつの武器にこれだけの付加効果があれば、戦闘もそれだけ楽になる

『エブリバディ!』では、“ノーマルダンジョン”と“試練のダンジョン”という、大きく分けて2種類のダンジョンが登場します。前者はクリアすることでストーリーが進行するダンジョン。後者は特別な条件が設定されているダンジョンです。この試練のダンジョンのルールがユニークというかえげつないというか、これまたつい寄り道したくなるから困りもの。ずっと視界が悪いまま冒険しなきゃいけなかったり、フロアの敵をすべて倒さないと階下に行けなかったりなど、さまざまなルールのダンジョンが用意されています。たとえば、“ずっとHP1”という条件が設定されたダンジョンだと、敵に攻撃されたらもうその時点でアウトなので、接触を避けながら最下層を目指さねばなりません。ワナを踏んでしまってもお腹が減って餓死してもアウトなので、ドキドキです。一見、ホントにクリアできるんだろうかと疑ってしまいますが、ここでチョコボのジョブが重要になってくるわけです。シーフには“警戒”という、敵とワナとアイテムの位置が丸見えでマップをオープンにするアビリティがあります。それともうひとつ、寝ている敵を起こさずに歩ける“忍び足”というアビリティを駆使すれば、意外と簡単に最下層までたどり着くことが可能。全然クリアできなかった試練のダンジョンが、相性のいいジョブを見つけたことでクリアできたときの喜びは格別です。思わず、「こんな手があったのか!」と手の平をグーで叩く古いリアクションをしてしまうほど……。

▲HP1のチョコボが試練のダンジョンにて、忍び足を使っておっかなびっくり寝ている敵をやり過ごすの図

▲左右から敵に挟み撃ちされてしまうこんな一本道ダンジョンでも、切り抜けかたはある

ノーマルダンジョンも試練のダンジョンもクリアしたダンジョンはいつでも再挑戦できますが、試練のダンジョンにはやり込み要素が導入されています。というか、筆者が勝手にそう捉えているだけかもしれませんが……。教会から試練のダンジョンにリトライするときに、今までにそのダンジョンをクリアしたジョブの顔アイコンが表示されます。こんなことをされてしまうと、全部のジョブでダンジョンをクリアしてみたくなるのは筆者だけでしょうか? ますますストーリーをそっちのけにして寄り道してしまい、うれしい悲鳴状態です。いや、ストーリーをクリアしてからゆっくりやればいいんですが、つい、ね……。

▲教会の試練の鏡では、該当のダンジョンをクリアしたジョブがアイコン表示される

▲初代以来の果てのない無限ダンジョンが出現! 何階まで進めるかチャレンジ!

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