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中河内雅貴、本西彩希帆、和田雅成ら出演。ミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇が桜咲き舞い散るなかついに開幕

中河内雅貴、本西彩希帆、和田雅成ら出演。ミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇が桜咲き舞い散るなかついに開幕

ミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇が4月5日(金)より東京・日本青年館ホールにて開幕した。
幕末を舞台に、新選組と出会う少女・雪村千鶴の数奇な運命を視点として、隊士たちの生き様や千鶴と由縁のある鬼の者たちの選択を追う物語。原作の熱さと切なさを殺陣・ダンス・歌で表現した芝居が多くのファンの心を掴んでいる人気シリーズ作品である。
ゲネプロ前の初日囲み会見には風間千景 役の中河内雅貴、雪村千鶴 役の本西彩希帆、土方歳三 役の和田雅成、沖田総司 役の山﨑晶吾、斎藤 一 役の赤澤 燈の5名が登壇して熱い意気込みを語った。会見でのコメントとゲネプロでの熱演をレポートする。

取材・文・撮影 / 片桐ユウ

皆がそれぞれの信念を持って生きているところが最大の魅力

2012年の初演から2017年までライブを含めた10作品を上演したミュージカル『薄桜鬼』。シリーズ累計100万本を超える人気ゲーム『薄桜鬼』を原作として、多くの人気若手俳優を育ててきた2.5次元ミュージカルを代表する長期シリーズだ。
2018年4月からはミュージカル『薄桜鬼 志譚』として演出に西田大輔を迎え、新しいスタートを切った。脚本は毛利亘宏が続投。その新生第1弾を飾った「土方歳三 篇」に続き、本作がミュージカル『薄桜鬼 志譚』としては2作目となる。中河内雅貴を主演に「風間千景 篇」を描く。

公演初日、ゲネプロ前に行われた囲み会見には風間千景 役の中河内雅貴、雪村千鶴 役の本西彩希帆、土方歳三 役の和田雅成、沖田総司 役の山﨑晶吾、斎藤 一 役の赤澤 燈の5名が登壇した。

公演への意気込みを聞かれた中河内雅貴は、1年前に上演された「土方歳三 篇」を振り返り、「前回は和田雅成演じる土方を陰ながらサポートしつつ、サポートされつつだったのですが、今回はなにせ分量が多くて……(苦笑)」と主演の苦労を告白。それでも「限られたスケジュールのなか僕たちにできることをやり、しっかり手を繋いで力を合わせながらここまできたので、あとはお客様に喜んでもらえるように、精一杯毎公演、舞台の上で生き続けるのみだなと思っています」と決意を語った。
また、見どころについては「皆がそれぞれの信念を持って生きているところが最大の魅力だと思っています。今回は今までにないような結末が待っているのではないかなと思うので、楽しみにしていて欲しいです」と答え、期待感を高めた。

続けて、本作のヒロインに憧れて芸能界に入ったという本西彩希帆は「憧れであり、目標であり、夢だったミュージカル『薄桜鬼』で大好きな雪村千鶴ちゃんを今日ここで演じられることに誇りを持って、頑張りたいと思います」と笑顔で語り、「見どころはすべてです!」と胸を張る。

前作「土方歳三 篇」で主演を務めた和田雅成は「原作を知らない方にも、舞台を観ただけでも楽しんでいただけるように作品づくりをしてきました。新選組という本当に生きた人たちを演じるので、しっかりお届けできたらと思います。誰ひとり欠けることなく公演を終えるのは簡単なようで難しいので、まずはそこを目指してしっかり頑張っていきたいと思います」と意気込む。

山﨑晶吾は「1年前にも沖田総司としてこの作品に立たせていただきましたが、初心の気持ちを忘れず、初めてこの役をやるという気持ちでイチから頑張っていこうと思っています。斬る方も斬られる方もそれぞれの人生があるので、それを観ていただいたお客様の心にも何か響くものがあればと思います」と想いを明かした。

ミュージカル『薄桜鬼』シリーズに初参加となった赤澤 燈は「続いてきた作品に途中から参加するというのもプレッシャーがあるんですけど、今回の座組は今を生きている座組だなと感じました。僕もスッと入りやすいそんな稽古場にいさせていただき、そこでしっかり稽古をしてきました。新しいモノをということで取り組んできましたが、過去のキャストさんやスタッフさんの胸を借りて、精一杯、ミュージカル『薄桜鬼』を皆様にお見せしなければと思っています」と、シリーズへのリスペクトを覗かせつつ「「風間千景 篇」ということで、もちろん風間さんの分量が多いのですが、新選組のシーンもイイトコどり的にたくさんありますので、ぜひ注目していただければと思います」と、見どころをアピール。
隣りで聞いていた和田が「コメントちゃんとしてるなあ! 僕が言ったことにしといてもらっていいですか?(笑)」と感心した様子ながらちゃっかりとユーモアを挟み、会場から笑いを起こしていた。

会見の最後は、中河内が「平成最後の月に、しかも桜が咲いて散るこの時期にぴったりな作品を主演でやらせていただけるというのは、なんとも感慨深いです。建て替え前の日本青年館で2.5次元ミュージカルに出演していまして、それから2.5次元作品というのがこんなに大きくなって……。このミュージカル『薄桜鬼』という作品が長く続く舞台になっているということも、これからの未来に意味があるんだろうな、と思っています。こうして新しい日本青年館でミュージカル『薄桜鬼 志譚』ができることを嬉しく思っていますし、これから2.5次元作品を目指す若者たちにも、どんどん高みを目指してもらいたいですし、背中をちゃんと見てもらえるように、しっかりと進んでいきたいと思っております」と、過去と未来に想いを馳せた熱いコメントで締め括った。

無骨な男たちのロマン、その中で瞬く静かで熱い恋心

この後は、ゲネプロの模様をレポートする。

幕末の時代を彩った“新選組”の隊士ではなく、彼らを俯瞰していた“鬼”の頭領である風間千景がメインとなることで、他のストーリーとはまた別角度からの魅力が光る「風間千景 篇」。

物語は、父・雪村綱道(川本裕之)の行方を探して京都にやってきた雪村千鶴(本西彩希帆)が、ふとしたキッカケで新選組の秘密を知ってしまったことから始まる。

秘密を漏らさないため、新選組と行動を共にすることになる千鶴は、土方歳三(和田雅成)の小姓として過ごすうちに新選組隊士たちと心を通わせ、やがて彼らの生きる道を見届けたいと願うようになっていく。
ただのか弱い虜ではなく、また単に勝ち気で男勝りというわけではないヒロインの魅力が、この物語の重要なポイントだ。今回は特に千鶴の血筋にフォーカスした場面が増え、彼女自身の物語も手厚くなっている。

「千鶴役に憧れて芸能界を志した」と公言してきた本西が演じる千鶴は、ひたむきで凛々しく、爽やか。己の宿命に戸惑いながらも、過酷な選択を決意するまっすぐな姿勢にハッとさせられた。
小姓として付き従う相手である土方や、会話する機会が多い藤堂平助(樋口裕太)や沖田総司(山﨑晶吾)、斎藤 一(赤澤 燈)たちとの対話シーンも、部活動の先輩・後輩を思わせるような清々しい関係性で微笑ましい。

そんな千鶴と戦いの中で出会うのが、西の鬼の頭領・風間千景(中河内雅貴)。彼女の出自を見抜いた風間は、たびたび千鶴の前に現れるようになる。

他ルート(原作ゲームではエンディングのパートナー、ミュージカルでは「○○篇」とメインになる人物)で千鶴と結ばれる相手は新選組隊士。その場合は、史実に限りなく近い道筋で行動する彼らを千鶴が追いかける、あるいは共に歩む格好となるが、「風間千景 篇」が他のルートと大きく異なるのは、千鶴が選んでいく道に風間千景という男が付き添うスタンスをとることだ。
他ルートでは自らの道を突き進む相手の背中を千鶴が見つめる構図なのに対して、「風間千景 篇」は、己の道を模索しながら歩む千鶴の背中を相手が隣に立って見守る構図となっている。

それゆえに、気高く厭世的な風間千景という鬼の頭領が、とても健気でいじらしく見える。ミュージカル『エリザベート』や『美女と野獣』など、異形のモノが恋に落ちたときのようなピュアなぎこちなさが風間にも感じられるのは、ひとえに中河内雅貴の持つ貫禄と圧倒的な存在感、そこからヒロインに惹かれていく繊細な表現力があってこそだろう。
様々な場面で千鶴の支えとなり、己が嫌われるのも厭わず刀を振るう風間千景の魅力が随所に溢れていた。

同時に、男たちのドラマも見逃せない。
昔なじみや因縁、敵味方問わず濃い間柄のふたりの会話や顛末にも焦点が当たる。グッとくる名場面が多数だ。

局長・近藤 勇(井俣太良)の投降を嘆く土方歳三の姿は、前半で愉快に描かれた新選組隊士たちの飲み会のシーンがあるからこそ、一際悲しい。
沖田総司と斎藤 一が交わすやり取り、藤堂平助と山南敬助(輝馬)が選ぶ行く末。原田左之助(水石亜飛夢)と永倉新八(岸本勇太)、鬼の不知火 匡(末野卓磨)の関係性も熱い。身を挺して土方を諭す山崎 烝(椎名鯛造)や、風間をフォローする天霧九寿(兼崎健太郎)など、縁の下的に活躍する人物にも注目だ。

前回からのキャスト、今回から参戦のキャストと入り交じっているが、それぞれ安定感とイキイキしたパフォーマンスを見せている。

一層華やかになり、見せ場の盛り上がりにも鮮やかさが増した新生“薄ミュ”。ただ中身は変わらず、不器用な男たちが描く骨太のドラマだ。 見飽きないステージングと無骨な男たちのロマン、その中で瞬く静かで熱い恋心。すべてを堪能できるミュージカルをぜひ体感して欲しい。

京都公演は京都劇場にて4月18日(木)~4月21日(日)まで上演される。会場では当日券の販売も行われる。

ミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇

東京公演:2019年4月5日(金)〜4月11日(木)日本青年館ホール
京都公演:2019年4月18日(木)〜4月21日(日)京都劇場

原作:オトメイト(アイディアファクトリー・デザインファクトリー)
演出:西田大輔
脚本:毛利亘宏

出演:
風間千景 役:中河内雅貴
雪村千鶴 役:本西彩希帆

土方歳三 役:和田雅成
沖田総司 役:山﨑晶吾
斎藤 一 役:赤澤 燈
藤堂平助 役:樋口裕太
原田左之助 役:水石亜飛夢
近藤 勇 役:井俣太良
山南敬助 役:輝馬
永倉新八 役:岸本勇太
山崎 烝 役:椎名鯛造

天霧九寿 役:兼崎健太郎
不知火 匡 役:末野卓磨
雪村綱道 役:川本裕之

アンサンブル:
菅原健志
村井 亮
細川晃弘
宮川 連
橋本征弥
前田りょうが
吉田邑樹
池田謙信
澤邊寧央
多田 滉

オフィシャルサイト
Twitter(@m_hakuoki)

©アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会

ミュージカル『薄桜鬼 志譚』風間千景 篇 Blu-ray&DVD発売決定!

発売日:2019年8月21日(水)
価格:Blu-ray ¥9,800(税別) DVD ¥8,800(税別)
発売元:マーベラス
販売元:アニメイト