Interview

玉城裕規&丘山晴己。新たに加わるふたりが物語を濃密に描き出す──「錆色のアーマ」 -繋ぐ-

玉城裕規&丘山晴己。新たに加わるふたりが物語を濃密に描き出す──「錆色のアーマ」 -繋ぐ-

“逆2.5次元”舞台が2019年の演劇界に旋風を巻き起こすかもしれない。その筆頭に挙げられるのが、「錆色のアーマ」だ。本作は漫画、アニメ、ゲームなど2次元の原作を3次元の舞台にする2.5次元作品とは異なり、舞台を原作に漫画やアニメなどにメディアミックスを図っていく新しい試みに挑戦している。
そして、その新作「錆色のアーマ」-繋ぐ-が、6月6日(木)に天王洲 銀河劇場より上演される。脚本は、舞台『Messiah メサイア』シリーズなどを手がけた高殿 円、演出・上演台本は初演に続き元吉庸泰、振付は『Club SLAZY』シリーズでも知られる當間里美、音楽は漫画家でもありロックバンド“感傷ベクトル”としても活動する田口囁一が担当 。“本能寺の変”から帰還した“アーマ”という武器を操る最強の傭兵集団である雑賀衆(さいかしゅう)の孫一(まごいち)たちと、信長の地盤を継ぐ羽柴秀吉の裏で暗躍する賀茂在昌(かもありまさ)など、歴史上の人物とフィクションが複雑に交錯する物語。
初演同様、どのような新しい物語が生まれるのか期待が高まる。そこで、本作から新たに出演する羽柴秀勝 役の玉城裕規と賀茂在昌 役の丘山晴己に話を聞く。取材当日が初対面というふたりだが息の合ったコンビネーションで、今作に挑む心境から役づくりのことまで真摯に答えてくれた──。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 冨田望


このカンパニーで生み出したものが、様々なメディアに繋がっていく

今作「-繋ぐ-」も前作以上にインパクトのあるビジュアルに仕上がっていますね。まずはビジュアル撮影を終えた感想から聞かせてください。

丘山晴己 前回のビジュアルも見事な出来栄えでしたが、メイクと衣裳の力で「こんな世界観になるんだろうな」とすぐに理解できるほど、完成度が高いビジュアルになったと思います。僕は衣裳やメイクから役をつくり始めるタイプなので、役づくりのヒントと楽しみをさっそくもらいました。

玉城裕規 衣裳もメイクも以前からお世話になって信頼しているチームなので、何の不安もなくビジュアル撮影に臨むことができました。ただ、ビジュアルは予想外でしたね(笑)。僕が想像しているはるか上を行くというか……いい意味で裏切られて、そのおかげで自分の役どころを掴めたような気がします。実際に衣裳を着て本番を迎えるのがワクワクしますね。

玉城裕規

このシリーズは“逆2.5次元プロジェクト”と言われ、舞台を原作としてメディアミックスを図っていきますが、今年からは月刊コミックジーンにてコミカライズも始まりました。今作のような新しい試みについてはどう思われますか。

丘山 今の時代だからこそできる斬新な企画だと思います。海外ではあまり例のないことだとも思いますし、日本特有の“2.5次元舞台”がきっかけとなって、漫画やアニメに繋がる。そんなプロジェクトに関われるのは嬉しいことですね。

玉城 舞台からいろいろなメディアに派生していくのは、僕自身も初めての経験ですし、演出家、制作、僕ら役者も含め、このカンパニーで生み出したものが具現化され、様々なメディアに繋がっていくのは素直に喜ばしいです。

丘山晴己

そんな無限の可能性を秘めた「錆色のアーマ」が持つ魅力をどう感じていますか。

丘山 玉城さんがおっしゃったように、漫画やアニメからキャラクターを役者に落とし込んでいくのではなく、自分がつくり上げるキャラクターが漫画やアニメになるわけですから、僕らの好きなように演じていいんだよね?(笑)

玉城 あはは。丘山さんがおっしゃるように、自由に演じられることは嬉しいですよね。ただそのぶん、役者自身が多くの熱量を出さなければいけないので、ラクをすることはできないとは思っています。

丘山 まだまだ未知数ですが、こういった作品は、これからの演劇にとって大きな可能性を秘めていると思います。

ストーリーのしっかりした脚本

では、今作の脚本を読まれた感想を聞かせてください。

丘山 とてもストーリーのしっかりした脚本で、ビジュアル撮影でなんとなく想像した喋り口調とも似ていたので、稽古を積み重ねてどんなキャラクターになっていくのか楽しみですね。稽古だけでなく本番でもいろいろ挑戦したいなと思っていますが、まずは台詞を身体に落とし込みたいと思います。

玉城 『Messiah メサイア』シリーズで一緒になった高殿さんは、改めて幅の広い作品が書ける方だと感心するほど、「錆色のアーマ」でも独特な世界観をつくっていらっしゃいます。織田信長を含め実在の人物が登場しながらも、オリジナルストーリーで、脚本に個性がある。そのぶん、ひとりひとりの役者も自分の個性を最大限に発揮しなければいけないでしょうから、やりがいのある作品になると思います。

普段、脚本を読んで、本読みの稽古に入るまでに心がけていることは何かありますか。

丘山 僕はまず台詞を口に慣れさせることを心がけています。台詞を発することをスムーズにしてからお芝居を入れていくので。僕、“朝の映画活動”をしていて……。

玉城 何? “朝の映画活動”って?(笑)

丘山 毎朝、映画をひとつでもいいから観るようにしているんです。そこから役のインスピレーションを得たり、発声の仕方を考えたりして、役づくりの参考にしています。今日も一作品観てからここに来ましたね。映画自体も好きなので、映画も楽しんで、さらに役づくりもできるというダブルで美味しい、“ウィンウィン”のシチュエーションをつくれたらと思ってやっています(笑)。

玉城 僕は、あまり心がけていることはないんですよ。どちらかと言うと、読み合わせが終わってから、実際に立って身体を動かして稽古をしないと役づくりができないタイプかもしれないですね。

丘山 そうなんだね。

演出・元吉庸泰さんについての印象を教えてください。

玉城 直接、演出をしていただいた経験はないのですが、辻 仁成さん原作の舞台『海峡の光』(14)に出演したときに、元吉さんは演出助手をしていらっしゃって、いつもニコニコしているのが印象的でしたね。

丘山 玉城さんの話を聞いて、ご一緒するのが今から楽しみになりました(笑)。

玉城 演出助手と演出の役割は違うので一概には言えないかもしれませんが、実際に演出を受けたことのある(黒氷 役)平田裕一郎くんに話を聞くと、やはり「ものすごく優しい」そうです。だから稽古が楽しみですね。けど、すごく怒られたらどうしよう(笑)。

丘山 いやぁ〜怒られたくないな(笑)。この歳で怒られると結構ヘコむよね?

玉城 そう(笑)。しかも僕ら、このビジュアルで「ごめんなさい」って言うんですよ。

一同 (爆笑)。

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