Interview

神木隆之介演じる滝川が飛ばされた理由とは? 日曜劇場『集団左遷!!』では描かれない裏設定を語る

神木隆之介演じる滝川が飛ばされた理由とは? 日曜劇場『集団左遷!!』では描かれない裏設定を語る

『ちいさな巨人』『陸王』『下町ロケット』などなど、多くの名作を送り出してきたTBS系列のドラマ枠日曜劇場。その最新作となる、銀行を舞台にした『集団左遷!!』がスタートした。福山雅治が日曜劇場初主演を飾り、香川照之と『龍馬伝』以来9年ぶりとなるタッグを組むことも話題のドラマだ。そこでキャストに名を連ねているのが、ドラマ・映画と第一線で活躍し続けている神木隆之介。

廃店が決定している「蒲田支店」に支店長として配属された片岡(福山)が、集められたダメ社員らと共に理不尽に立ち向かう姿を描く本作で、神木は出世コースから外れ、蒲田支店に飛ばされた元エリートの滝川に扮している。

演じる滝川について、そして実は本格共演はこれが初めてという福山や、現場の盛り上げ役・香川の印象、さらには視聴者への“応援歌”といえる本作に絡めて、神木自身の気分を上げる“やる気スイッチ”についても聞いた。

取材・文 / 望月ふみ 撮影 / 増永彩子


エリートだった滝川が左遷されたのは「自業自得」

初回から展開が早くて驚きました。

毎話、毎話、尋常じゃないくらい問題ばかりが起きるんです。軽いジャブなんて、本部は打ってくれません。

今撮影のほうは?(3月下旬取材時)

4話の撮影をしています。現場のチーム感はすごくあります。ただドラマ内の蒲田支店のチーム感は…、僕と副支店長の真山(香川)さんはチームという感じじゃないんです。みなさん、滝川くんは一番最初に片岡さんに落とされるんじゃないの? なんて思っているかもしれませんが、そんな僕は緩くないですよ。落ちません!

蒲田支店のお話が出ましたが、銀行員役です。

今まで演じたことのない役です。作業は現場で教えてもらっていますが、スーツは疲れます(笑)。普段は舞台挨拶で着るくらいで、一日中着ることはほとんどないので、スーツも革靴もネクタイも苦しいです(笑)。福山さんはすごいです! スーツを着ていても、片岡さんのテンションなので、さすがです。

蒲田支店にはダメ社員が集められているとのことで、滝川もダメ社員だと。でももともとはエリートだったんですよね?

そうです。エリートです! もともとは出世街道を歩んでいたのですが、裏設定があって。滝川には上司の娘さんという婚約者がいたのですが、酔っぱらって浮気をしてしまい、飛ばされたという設定です。自業自得です(笑)。

そうな裏設定が! それはドラマには?

出てこないです。あくまでも裏設定で、脚本を読んでいる限り、そこまで設定は気にしなくていいのかなと思っています。今回、原作は敢えて読んでいないのですが、原作での滝川は女たらしのキャラクターで、女を落とせるなら営業先も落とせるだろうというスタンスらしいですが、ドラマの脚本では女たらしではなく、頭の切れる、理論的なキャラクターで、人が気づかない穴だったりにすぐ気づける優秀な人。なので、あまりバックボーンは気にせず、大まかに自分がヘマをしたから飛ばされたんだという意識だけ持っています。

見ている側としても、エリートだったんだけど、何かやっちゃったんだなというくらいで。

そうですね(笑)。ただ、何もバックボーンを知らないと、なんで飛ばされたのだろうという疑問も沸くと思うので、どことなく集団には向いていない人なのだろうなという空気感は出すようにしています。

物語が進むにつれて、滝川も変わっていくんでしょうか。

彼の性格はそのまま、変わらないと思います。でも片岡さんのパワーって、すごい影響力があるので、少なからず滝川も影響されるとは思います。彼が片岡さんのどこを認めていくのかを見てもらいたいです。最初は全部認めてないのですが、ここは認めざるをえないなという部分が見えてくる。だから片岡さんに対しての反応は若干変わってくるかなと思います。滝川も実は熱い人間ですし、いいキャラクターなので、そういうところを徐々に見せていけたらと思います。

誰も敵わない! 福山雅治と香川照之は“最強のふたり”

福山さんとは、がっつり組むのは初めてだとか。

そうなんです。毎日かっこいいです。

あはは。

本当に毎日かっこいいんです。リーダー気質の方なので、統率力もすごいです。片岡さんという役にも引っ張る力がありますが、本人に引っ張る力がなかったら説得力がないと思います。でも本人がもともとそうした力を持っているので。「さすがましゃ兄!」と思います。

でも今回はみんなが思う福山さんのイメージとは違う面も出ています。

確かに泥臭くてかっこつけていない福山さんが見られると思います。ただ、現場にいる福山さんは、みなさんのイメージ通りです。いや、それ以上、本当にかっこいいです! ステキな人なんだろうなと、みなさん思っていらっしゃると思いますが、それ以上にステキです!!

あはは。香川さんも、演じる真山は別として、現場での盛り上げ役だとよく聞きます。

まさにムードメーカーです。誰も敵わないです。ただただ話したいから話すというわけはなく、何か意図があって、こうやってここを盛り上げようと思ってお話されているんですよね。全部把握されているんです。本当に頭の切れる、恐ろしい方です(笑)。みんなが疲れてバラバラになりかけるときというのも当然あるのですが、そういうときに、ビシっと、改めて僕らに目標と活力を与えてくださるので、現場の士気はまったく落ちることがありません。蒲田支店には最強のふたりがいます!

“やる気スイッチ”は音楽。自分を奮い立たせることができるのは、結局、自分自身。

先輩のお話を伺いましたが、神木さんも大変なキャリアがあります。

ありがとうございます。

これまでもずっと長いキャリアについて言われてきたかと思いますが、年齢も追いついてきたというか、もうすぐ26歳です。自分自身変わってきていると感じることはありますか?

あまりないです。心は高校生だと思っています(笑)。ただ最近、変わってきたのは、青信号の点滅で走らなくなったことです。そんな焦る必要もないと思い、次の青信号で渡っています。

大人の余裕ですか?

25歳の余裕ですかね。せめてもの(笑)。

少し前に、芸能生活40年になる42歳で俳優業を引退しようかなと発言されてニュースになりました。

別に大したことは言ってないのですが、ニュースになってしまいましたね。

お仕事を続けるとはお話されてましたしね。

そうですね。

でも、42歳までと意識すると、1年1年がより大切になってくるのでは?

今まで通り、楽しくいければいいなと思っています。マネージャーさんに10年後はどうなっていたい? と目標を聞かれたりすることもありますが、僕は先のことをあまり考えられない人間で、分からないと答えています。とにかく今頑張る。42歳と出したのは、40年っていう分かりやすい区切りだったからです。その辺で違うことやってもいいのでは? という感じです。

神木さんは、楽しく仕事をやっていきたいといつもお話されています。でも蒲田支店の社員じゃないですが、大変なときもあるかと。そういうときのやる気スイッチは?

音楽を聴きます。ONE OK ROCKさんとかが多いです。音楽を聴くとテンションが上がります。みなさんそうだと思いますが、仕事って、やる気がないときでもやらなくてはいけないですし、結局するなら頑張ったほうがいいけれど、なかなかうまくできない。そういうとき、いかに自分を調子に乗せられるか。「あ、行けるかもしれない、行けちゃう? できちゃう?」って自分に思いこませるのが大事だと思います。

落ちるところまで落ちてしまう時もありますが。

そういうときもあります。でもそういうときも音楽でモチベーションを上げたり、もしくはわざと弱音を言って、「大丈夫だよ」と言ってもらうオーラをバリバリ出して応援してもらいます。応援してもらいたいときは、もう言ってしまいます。マネージャーさんでも親でも友達でも、言える人に。お前なら出来ると励ましてもらって、「あ、俺、できちゃう?」というところへ持っていく。結局、励ましてもらっても、本当に自分を奮い立たせることができるのは自分です。

頑張れと背中を押してくれるという意味では、日曜劇場もそうした枠というイメージが強いです。

そうですね。見ていると本当に励まされると思います。「張ろうかな、頑張るって意外と悪くないな、頑張ったら何かあるかもしれないな」と思える。光を与えてくれる作品かなと思います。ぜひぜひ泥臭い福山さんを見ていただいて、元気をもらっていただければと思います。

神木隆之介

1993年、埼玉県生まれ。ドラマ・映画を中心に様々な話題作で主演を演じるほか、アニメーション映画での声の出演としても定評があり、様々なフィールドで活躍する。2019年は、主演映画『フォルトゥナの瞳』が公開。ドラマでは、TBS日曜劇場『集団左遷‼』のほか、NHK大河ドラマ『いだてん』に出演中。映画『屍人荘の殺人』(2019)、『LastLetter』(2020年)の公開も控える。

オフィシャルサイト
http://artist.amuse.co.jp/artist/kamiki_ryunosuke/

オフィシャルTwitter
@kamiki_official

フォトギャラリー

日曜劇場『集団左遷!!』

よる9時~10時19分

原作:江波戸哲夫「新装版 銀行支店長」「集団左遷」(講談社文庫)
脚本:いずみ吉紘
プロデュース:飯田和孝
演出:平川雄一朗、田中健太、韓 哲
制作著作:TBS

【CAST】
片岡 洋:福山雅治
真山 徹:香川照之
滝川晃司:神木隆之介
木田美恵子:中村アン
平正樹:井之脇 海
花沢浩平:高橋和也
横溝厚男:迫田孝也
三宅庄司:増田修一朗
宮田学:谷口翔太
藤枝薫:橋本真実
鮫島正義:小手伸也
藤田秀樹:市村正親
青島憲二(チンタオ):赤堀雅秋
鈴木将之(パチ):パパイヤ鈴木
宿利雅史:酒向 芳
南口優:橋爪 淳
郷田成道:津嘉山正種
片岡かおり:八木亜希子
真山有里:西田尚美
梅原 尊:尾美としのり
横山輝生:三上博史
©TBS

オフィシャルサイト
https://www.tbs.co.jp/shudan-sasen/

『新装版 銀行支店長』

『集団左遷』