平成スポーツ 勝手にプレイバック!  vol. 1

Column

名言! 迷言? で振り返る平成オリンピック史

名言! 迷言? で振り返る平成オリンピック史

およそ30年間の平成の時代に行われたオリンピックは、夏季が7回、冬季が8回の合計15回を数える。改めて振り返ると、どの大会にも思い出深い名場面があった。そのシーンが鮮やかに甦るのが、選手やその周辺の人々が語った名言の数々だ。ただし、その中には迷言や失言の類も含まれるのだが……。平成が終わり、令和の時代が始まろうとするいま、改めて平成オリンピックの“スポーツ名言(迷言)”を振り返ってみたい。

<14歳の少女がまさかの金メダル獲得>

名言!
「いままで生きてきた中で、一番幸せです」岩崎恭子

平成4年/1992年 バルセロナ

平成に入って最初の夏季五輪となったバルセロナ大会。競泳女子平泳ぎ200メートルで当時14歳になったばかりの少女が、世界の頂点に。未だオリンピック競泳史上最年少の金メダリストが放った第一声は、たちまち日本中の話題となった。

<このシューズならこけません!?>

迷言?
「こけちゃいました」谷口浩美

平成4年/1992年 バルセロナ

前年の世界陸上で金メダル獲得。優勝候補として臨んだ男子マラソンだったが、22キロ過ぎの給水所で足を踏まれ転倒。靴も脱げてしまう大アクシデント。それでもなんとか追い上げ8位に入った。レース後、さばさばした笑顔で語った言葉が多くの人の印象に残った。

<女子マラソンのレジェンドが勢ぞろい!>

名言!
「自分で自分をほめたいと思います」有森裕子

平成8年/1996年 アトランタ

銀メダルだったバルセロナ五輪以降のスランプや故障を乗り越え、見事に女子マラソンで3位に入賞。2大会連続メダル獲得の快挙を成し遂げた直後の言葉。「メダルの色は銅ですが……」を結んだこの言葉は多くの人々に感動を呼び、その年の流行語となった。

迷言?
「髪が乱れていたので……」里谷多英

平成10年/1998年 長野

フリースタイルスキー女子モーグルで日本人女子として冬季五輪史上初の金メダルを獲得。ところが優勝直後シャンパン一気飲みパフォーマンスが物議を醸し、さらに表彰式の際に脱帽しなかったなどと妙な理由で問題となった際の発言。マナーや礼儀問題はスポーツの祭典に時に微妙な影を落とす。

<北島康介引退会見より。あの名言に衝撃の事実が!>

名言!
「チョー気持ちいい」北島康介

平成16年/2004年 アテネ

男子100メートル平泳ぎで金メダルを獲得した北島が、直後のインタビューで語った言葉。その年の流行語大賞を受賞したが、後の引退会見でこの発言が涙をこらえるためだったことを披露した(動画の14分20秒ぐらいから)。2008年北京大会の「なんも言えねぇ」も流行語大賞にノミネートされている。

名言!
「トリノの女神は荒川静香選手にキスをしました」NHK刈谷富士雄アナウンサー

平成18年/2006年 トリノ

アテネ五輪・体操男子団体総合での「伸身の新月面が描く放物線は栄光への架け橋だ!」の名実況で知られる刈谷アナ。2年後のトリノ五輪女子フィギュアの実況でもこのセリフが飛び出した。ただしタイミング的にいまひとつだったのか、あまり知られていない。

<4年後のソチでもメダルの壁は破れず>

名言!
「私はなんでこんなに一段一段なんだろう」上村愛子

平成22年/2010年 バンクーバー

前述の里谷と同じ女子モーグルで長野7位、ソルトレークシティ6位、トリノ5位、そしてバンクーバーで4位。どうしてもメダルの壁が破れずに「支えてくれた人にメダルを持ってありがとうと言いたかった。それができなくて……」に続けていった言葉。

<今やスノーボード界のレジェンド的存在>

迷言?
「反省してまーす」國母和宏

平成22年/2010年 バンクーバー

当時すでに世界的スノーボーダーだった國母が五輪会場に腰パン、裾だしファッションで登場すると避難が殺到。開会式への出席を自粛するハメになり、その謝罪会見で「チッ、うっせーな」の呟きをマイクが拾ってしまい、続けて出た言葉。しかし今では多くのスノーボーダーからリスペクトされる存在でもある。

名言!
「康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」松田丈志

平成24年/2012年 ロンドン

競泳400mメドレーリレー。一時は米国を抑えて先頭を泳いでいたほどの見事なレースで銀メダル獲得。そのレース直後のインタビューでのコメント。水泳チームの中で北島康介にメダルがなく、カッコよすぎる発言として大きな話題に。流行語大賞にもノミネートされた。

迷言?
「お騒がせしてすいません……」荒井広宙

平成28年/2016年 リオ

陸上男子50キロ競歩。3位でゴールした荒井だったが、妨害行為があったとして一度は失格になってしまう。しかし日本陸連が抗議した後、結局は異議が認められて銅メダル獲得。「お騒がせしてすいません。(相手に)当たらなければ良かったんですが……。」と安堵の表情で振り返った。

<コーチとは何語で通じているんだ?>

名言!?
「そだねー」カーリング女子日本代表

平成29年/2018年 平昌

もはや名言でもなんでもない単なる相づちが話題を呼んで、この年の流行語大賞を受賞。それだけ日本中の注目を集めたということか。ちなみに「もぐもぐタイム」で食べていたとして全国的に有名になったチーズケーキ「赤いサイロ」は現在も大人気。

<カール・ルイスの世界新記録!>

【番外編】

名言!!
「ヘイ、カール……カールッ!」長嶋茂雄

平成3年/1991年 世界陸上東京大会

すでにオリンピックですらないけれど、懐かしの旧国立競技場の映像とともにお送りしたのは当時人類史上初の9秒86で100mを走り抜けたカール・ルイス。それ以上にもはや伝説となっているのが、この後「ヘイ、カール!」とスタンドから叫び、握手を交わしてしまうという離れ業をやってのけた長嶋茂雄さん(レポーターだった)。この後のインタビューでも最初の言葉が「See you again.」だった。さすがレジェンドは言うことが違う。

はてさて令和の時代はどんな名言! 迷言が飛び出すか? そんなわけで、次の東京五輪までSee you again.

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