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UVERworld ついに“男祭り”の呪いにとどめを刺す時がきた。東京ドームで6 vs 45,000の男性限定ライヴに挑む、彼らの心中を探る

UVERworld ついに“男祭り”の呪いにとどめを刺す時がきた。東京ドームで6 vs 45,000の男性限定ライヴに挑む、彼らの心中を探る

UVERworldがまたしても前代未聞の大一番に挑もうとしている。大一番とはそう、すでに大々的に報じられたとおり、来たる12月20日に東京ドームにて開催される“男祭り”のことだ。東京ドームでの男性限定ライヴ開催は史上初、さらに“男祭り”としても彼らが2017年に打ち立てた2万3千人(さいたまスーパーアリーナ)という日本記録を約2倍に上回る規模で自ら塗り替えることとなる。前人未到のこの“男祭り”に懸ける彼らの想いがただならぬものであることは4月11日に東京都港区の大本山 増上寺にて行なわれた開催告知イベントにも明らかだった。

取材・文 / 本間夕子 撮影 / 田中和子(Caps)

あえて告知イベントという形を取るところにUVERworldというチームの“らしさ”と本気が秘められている

ファンクラブ会員から抽選で招待された約400人の男性Crew(※UVERworldファンの呼称)の目の前で増上寺に投映された“00:00:00:00”の数字は、4月1日から先立って開設されていた特設サイト上のカウントダウンがこの瞬間を指していたものだったこと、直後に切り替わった“253:00:00:00”とそこからの新たなカウントダウンは東京ドーム本番開始時刻を目指したものであることを暗喩。「NO.1」が流れると同時に色とりどりのライトが寺を縁取り、過去の“男祭り”映像がプロジェクションマッピングによって次々に大殿と呼ばれる寺の本堂に映し出されていく。夕闇にそびえる東京タワーと三日月をバックにして展開される豪華な映像演出、増上寺という場が持つ厳かな雰囲気と否応なしに高まる熱気が混じり合った独特のムードの中、ついに現われた“東京ドーム男祭り開催”の文字のなんと力強いことか。そうして大殿の扉の向こうからメンバー6人が登場と相成ったわけだが、この一連の流れを追うだけでもバンドのみならずスタッフの尋常ではない熱量、チーム一丸となって東京ドームの“男祭り”に臨まんとするタフな意志が感じ取れるというものだ。その後もプロの司会者を擁してのメンバーのトークタイム、成功祈願の祈祷にフォトセッションと盛りだくさんの内容でイベントが進められたのも、そうした意志によるものに違いない。今のUVERworldであれば普通にWEB上などで告知しただけでも充分話題にはなるだろう。なのに、あえて告知イベントという形を取り、手間も時間も(おそらく)莫大な予算も費やすところにUVERworldというチームの“らしさ”と本気が秘められている。

「もうその呪縛から逃れたいです。ケリをつけるっていう意味で」(TAKUYA∞)

ここでUVERworldの“男祭り”の歴史を振り返ってみよう。初めて彼らが“男祭り”を行なったのは2011年11月1日のこと。地元・滋賀県のライヴハウス、B-FLATにて230人からのスタートだった。“男祭り”の開催自体はその1年前、2010年11月27日に初の東京ドーム単独公演を敢行した直後くらいから考えるようになっていたという。メジャーデビューから数年は女性からの支持が圧倒的に強く、ファンの9割を女性が占めていたUVERworldだが、当初から年齢や性別、国籍を問わずアウトプットしているつもりだった彼らたちにとっては、それは少なからぬジレンマだったらしい。そのジレンマから脱却すべく、ダイレクトに男性にもしっかりメッセージを放ち、届けられるような場として設けられたのが“男祭り”だ。初回はソールドアウトしたものの、翌年7月、Zepp Nambaでの2回目は数百枚のチケットを残す結果となってしまった。しかし、そうした現実から目を逸らすことなく、また、へこたれてしまうこともなく彼らは前を向き続ける。例えチケットは売れ残っても、確実にその数は増えていた。その証拠に2013年は2月のZepp DiverCity(TOKYO)を筆頭に、SHIBUYA-AX、ついには日本武道館を次々にソールドアウトさせ毎回大成功を収めるようになっていく。そうして先述の通り、2017年にはついに2万3千人を動員したさいたまスーパーアリーナ公演にて日本記録を樹立するまでに至ったのだ。オールスタンディングのアリーナ席では男同士、ガチンコでぶつかり合い、エンディングでは隣り合った者同士が全員肩を組み、スタンド席も一体となって大合唱で揺れる。そんな感動的な光景を生み出したさいたまスーパーアリーナの“男祭り”を当時のインタビューでTAKUYA∞はこう振り返っている。

「あの空間は想像を遥かに超えてましたね。自信にもつながったし、あれができるUVERworldに対して誇りも感じたし。思うことはいっぱいありました。230人から始まった男祭りがここまで来れたっていう恐ろしさと……もっと言えば9割が女の子のファンだったデビュー当時から11〜12年後にこんな景色になってると思ってなかった。想像以上の世界に行けるんだなって自分でも思い知らされたし、やればなんでもできるんやなって思いました。でも、やっぱり最終目標としてはドームでやりたいんですよね。数年前の武道館で掲げた目標、“いつかドームで”っていうあの想いは必ず叶えて、次に進みたい」
(ツアードキュメントブック『UVERworld ARENA TOUR 2016-2017 THE DOCUMENT~Decision~』/DVD用インタビューより抜粋・編集/未収録分含む)

この言葉にもあるように、2013年の日本武道館で初めて“男祭りを東京ドームでやりたい”と言ったUVERworld。それから4年近くが経って、夢は目標になった。さいたまスーパーアリーナ後も“男祭り”は、“男祭りvs女祭り”として横浜アリーナを男性Crewと女性Crewで二分するという同会場では初となる異色のスタイルで開催されたり(2017年12月21日)、日本武道館での“女祭り”から横浜アリーナに移動して“男祭り”を行なうというUVERworld史上初の同日開催という試みがなされるなど(2018年12月21日)、斬新な切り口で進化を続けてきたのだ。

「ここで感じたものをしっかり胸に持って、女の子を笑顔にさせてあげられるような、そんな男になっていこうぜ。そういう会だろ? “男祭り”って。じゃなきゃ意味ねぇよ。男だけでワーッと盛り上がって楽しかったね、じゃ意味がないんだよ。俺はこの男祭りへの想いと呪いにとどめを刺したい。挑戦したいんだよ。言ったじゃん? 昔、武道館でやったときに“いつか東京ドームでやろう”って。マジでチャレンジしようと思ってるからさ。そこでしっかりとこの想いにとどめを刺したいんだよ」

これは2018年12月21日、横浜アリーナのステージからTAKUYA∞が男性Crewたちに呼びかけた言葉だ。ここではっきりとTAKUYA∞は“東京ドーム”と口にした。このときの気持ちを改めて聞いたインタビューで彼はこう語ってくれた。

「男祭りって僕の中で呪いなんですよね、ハッキリ言って。デビュー当時、ずっと女の子しかファンがいなくて、男の人たちにはわりと“チャラいバンド”“ナヨっとしたアイドルバンド”みたいに思われてるっていう意識もあったし、そういう声も聞こえてきましたしね。そういうところで、自分たちの音楽は老若男女、年齢、国籍関係なく届くはずだと思ってやってきたものが違った形になっていってるのが悔しくて始めた“男祭り”でもあるんですけど。でも、もうその呪縛から逃れたいです。ケリをつけるっていう意味で。“男祭り”をやるって鎧みたいなものですよね、世間に対する。“じゃあオマエにこれができるのか”みたいに体現してきた、自分たちなりの証明の仕方で。ずいぶんもう認知もされてきたし、女の子にもやきもち焼かれちゃうし、だったら東京ドームっていう、僕の中でいちばんカッコいい箱で“男祭り”の呪いにしっかりケリをつけたいな、と」
(ツアードキュメントブック『UVERworld ARENA TOUR 2018 THE DOCUMENT〜TO EDEN〜』/DVD用インタビューより抜粋・編集未収録分含む) 

「まずは第一弾ということで(“男祭り”を)発表させていただきましたけど、まだまだ発表したいことはたくさんあります」(克哉)

UVERworldは今年、バンド結成19年、メジャーデビュー14年を迎える。その道のりはけっして順風満帆でも、穏やかで平坦なものでもなかった。時に厳しく逆風が吹きつけたことも、五里霧中の迷宮に彷徨い込んだことだって1回や2回じゃない。それでもメンバー6人の結束は揺らぐことなく、ひたすらに己の信じる道を邁進して、辿り着いた今だ。どんな些細なこともないがしろにせず、自分たちで考え、自分たちで決めて、ひとつひとつをつかみ取ってきた彼らでなければ東京ドームでの“男祭り”が実現することはなかっただろう。徳川将軍家の菩提寺となりながら火災や戦災に幾度となく遭っては苦難を乗り越えてきた歴史を持つ増上寺が告知イベントの会場となったのも、そうした不屈の佇まいが彼らの生き様にも重なったからかもしれない。

ところで告知イベントの最後にリーダーの克哉は「まずは第一弾ということで(“男祭り”を)発表させていただきましたけど、まだまだ発表したいことはたくさんあります」と意味深な発言を残した。たしかに発表されたのは12月20日のみ、毎年恒例で行なわれているTAKUYA∞の生誕祭(12月21日)などについては触れられていない。どうやらこの8ヵ月間のうちにも続々と嬉しいニュースが届けられそうだ。2019年もUVERworldの一挙手一投足を我々は追いかけていく。

UVERworld 男祭り in TOKYO DOME〜KING’S PARADE 2019 FINAL〜

2019年12月20日(金)東京ドーム

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UVERworld(ウーバーワールド)

TAKUYA∞(vocal,programming)、克哉(guitar)、信人(bass)、誠果(sax,manipulator)、彰(guitar)、真太郎(drums)。
滋賀県出身。バンド名は“自分たちの世界を超えて広がる”というドイツ語を変形させたUVERとworldから名付けられた。2005年にアニメ『BLEACH』主題歌「D-tecnoLife」でデビュー。2008年に発表された12thシングル「儚くも永久のカナシ」で初のシングルウィークリーランキング1位を獲得。さらに同年末には日本武道館、大阪城ホールでの単独公演、2010年には初の東京ドーム公演を実現。2012年からはアリーナツアーも敢行。2014年3月、サポートメンバーだった誠果がメンバーとして加入し6人編成に。2017年8月2日に約3年ぶりとなる9thアルバム『TYCOON』を、2018年7月には『ALL TIME BEST』をリリースしている。

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