Interview

バレーボウイズ 今を生きる「若者たち」が、「青い」青春を鮮やかに描いたミニアルバム

バレーボウイズ 今を生きる「若者たち」が、「青い」青春を鮮やかに描いたミニアルバム

京都を拠点に活動する注目のバンド、バレーボウイズが3rdミニアルバム『青い』をリリースした。京都精華大学の学園祭で2015年に結成された彼らは、郷愁を誘うメロディに乗って、青春感溢れる歌を男女混成の合唱スタイルで高らかに歌い上げるユニークな個性を発揮。その唯一無二と言っていい音楽性は従来のカテゴリーに収まらない自由な空気をたっぷり含んでいる。平成から令和に移り変わろうとする時、どこかに忘れてきた、あるいは置いてきてしまった感情や景色を鮮やかに思い出させるのも7人の若者たち=バレーボウイズ。東京のライブイベントに駆けつけたタイミングで、ヴォーカルの前田流星に話を聞いた。

取材・文 / 佐野郷子 撮影 / 沼田学


新メンバーの加入、ライブを重ねてネクスト・ステージへ。

今回の『青い』もミニアルバムになりましたね。

そうなんです。今はわりとサクッと音楽をサブスクで聴くヒトも多いから、フルアルバムでなくてもしっかりした曲なら何回も聴いてくれるだろうし、7曲入りくらいがちょうどいいんじゃないかと。プロデュースの永井(聖一)さんともそんな話になって。いずれはフルもつくりたいですけどね。

去年からの変化でいえば、ベースに新メンバーのムコさんが加入しました。

ムコが入って、今までやってきた曲をもう一度しっかり練習した上で次のステップに向けて新しい曲をできる状態になりましたね。ムコは元々ギター少年で、一人で弾き語りをやっていていたんですけど、バレーがベースを探しているとき、「僕、ベース頑張るんで入れて欲しい」と言ってくれたんですよ。

前作『なつやすみ’18猛暑』までは、作詞:作曲がネギさんでしたが、今回は作詞はネギさんですが、作曲がバレーボウイズになっているのは?

前はネギちゃんがつくった宅録音源の曲に7人の色を足してやっていました。今回はそれプラス、ネギちゃんが弾き語りでやっていた曲をバンドで探りながらアレンジした曲も多いので、みんなでつくった感がより深まってそうなりました。

左から、高山燦(Gt. /Cho.)武田啓希(Dr.)ネギ(Gt./Vo.)オオムラツヅミ(Vo.)ムコ(Ba.)前田流星(Vo.)九鬼知也(Gt. /Cho.)

今回はどういうミニアルバムにしようと思いましたか?

7曲入りなので、1曲1曲が強いものにしたいというのはありました。ネギちゃんが持って来た曲がいい意味でバラバラだったので、ここでバレーボウイズの幅を見せられたらというのもあった。リリースが春なので、「若者たち」のような春を感じる曲を選んだり。

「ひがしのまち」(album ver.)と、「タイトルコール」は再録音ですね。

前にレコーディングした時点では満足していたんですが、ライブを重ねていく中でもっと良くなっているという実感があって、アレンジを変えて今のいちばん良い状態のものを残したいと思ったんです。

今日の短いライブでも感じましたが、バレーボウイズならではのストーリー性がこのミニアルバムにもありますね。

ああ。ライブのセトリもクライマックスに持っていくような曲の並びを考えているんです。

バンドの進化を見せられた「ひとのこ」、淡い恋心が切ない「渚をドライブ」

サイケデリックなギターが印象的な1曲目の「ひとのこ」から、「おっ!」と思わせる変化を予感させますね。

「ひとのこ」から始まるアルバムにしたいというのは全員一致で決まりました。今までのバレーボウイズとは何か違う、進化したなと思わせたかったし、ギターの二人や僕が普段から好きで聴いている音楽を取り入れることがここでできました。

ステージでは九鬼さんと高山さんのギターの間に3人のヴォーカルが並んでいる絵が面白い。

そうなんですよ。ギターの二人がけっこう離れてる。他の曲もそうですが、二人のギターが曲の雰囲気を決めることが多くて、元々のネギちゃんの音源をどんなバンドサウンドにしたらいいかというイメージを共有するところに、より時間をかけるようになりました。

〈野山駆け回る 兎追って〉〈町のガヤガヤを 遠く離れ〉という歌詞は、皆さんが暮らす京都郊外の環境を連想させますが?

ああ、僕らが住んでるところも山の近くだったりするし、さすがに兎や狐は出ませんけど(笑)、動物たちがキャンプファイヤーをしているような童謡っぽい歌詞が生まれてくるのかもしれないですね。エンジニアの葛西(俊彦)さんにもそれを話して、山の残響音のような音を意識してもらったりしました。

リードトラック「渚をドライブ」は、淡い恋心が切ないフォークロック。

これもけっこう前の曲で一度ライブでやったときはメローなゆっくりしたアレンジだったんですが、なかなか固まらなくて寝かしていたんです。再チャレンジするときに原曲を聞き直してみたら、原曲に戻した方がハマった。今の僕達やからこそ、その判断ができたんやと思います。

ノスタルジックなフォーク風のメロディーと歌詞をユニゾンで歌うとそこに不思議な新しさが生まれる。

僕らはずっとこのスタイルで歌ってきているので、ヒトから言われてハッとするんですよ。けっこう斬新なことやっているんかなって。この歌詞はネギちゃんの憧れが入っているのかな? ネギちゃんはクルマの運転をしないから、ドライブしているカップルを想像して書いたんだと思います。

1 2 >