Interview

今すぐクローゼットを整理したくなる!『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』

今すぐクローゼットを整理したくなる!『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』

今朝もクローゼットの扉を開けてため息をつく。洋服がみちみちに詰め込まれているのに「着るものがない!」。靴もバッグもたくさんあるのに、本当に愛するひとつが見つからない。

そんなとき、意識を大きく変えてくれるのがこの一冊。大人の女性から絶大な支持を得る磯部安伽の初の著書『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』だ。サブタイトルにもある通り「ベーシック服で1年を賢く着回す29のメソッド」が、多くの写真とフランクな文章で分かりやすく記されている。

そして同時に、彼女は、洋服そのものを提案しながら、おしゃれの感度を上げる方法だけでなく、自分自身と向き合う大切さも教えてくれる。「着るものが変われば意識が変わる」と。

この本を読み終えたとき、清々しい読後感とともに、クローゼットを今すぐに整理したい! という衝動にかられるのは、私だけではないはず。おしゃれでありたい、心地よく生きたい、そう思うすべての大人の女性に、ぜひとも届いて欲しい一冊だ。

スマートクローゼットの極意からこの夏のちょい足しアイテムまで、おしゃれを手に入れる方法を全2回でお届けします!

取材・文 / 斉藤ユカ
撮影 / 宇壽山貴久子

私、今まで散々無駄な物を買って、死ぬほど失敗しているんです。

本書に掲載されている洋服も靴も小物も、すべて磯部さんの私物。スタイリングも、モデルも、ご本人なんですよね。提案されていることが信じられる一冊です!

ありがとうございます。自分が持っている服から見出しを考えていったんです。手持ちのものでしか物語は作れないですから。

ただ、モデルとしては、ちょっと……。いつもお仕事をしているファッション誌「Marisol」で私服を特集したページを作るとき誌面に出ることもあるんですが、私は基本的に裏方。いつもはモデルにあれこれ動きを指示しているのに、自分でやるとなるとさっぱり体が動きません(笑)。

巻末にもお仕事の内容を記されていますが、ファッションエディターというのは、“ファッションのページを作る人”という認識でいいですか?

そうですね。雑誌の編集部からの依頼を受けて、特集ページなどを作ります。私はもともと編集部出身なんです。集英社に契約社員で入って、最初は「COSMOPOLITAN JAPAN」という読み物メインの雑誌編集部に配属されました。その後「Marisol」編集部に異動してファッションのページを作るようになったんです。フリーランスになったのは2013年ですね。

“スマートクローゼット”とは、磯部さんの実際のクローゼットのことなんですよね?

そうなんです。私、基本的にきれい好きで、散らかっていたりモノがあふれていたりすると、頭がゴチャゴチャしてしまうんです。それはクローゼットもそうですし、デスクもかなりきれいだと思います。キッチンも食器棚もそう。ですが、モノが少ないというわけではないんです。ミニマリストでは全然ない(笑)。

ある程度モノがあって、それがきちんと整えられているというのが好きなんです。だから今回も、ミニマムクローゼットとか、ミニマムワードローブといったタイトル案も出たんですが、私はミニマリストではないので、あえてスマートクローゼットにしました。

確かに、自分が好きなものしかなくて、それがきれいに整えられていたら、そんなに幸せなことはありません。とはいえ、クローゼットをスマートに保つためには、新しいものを買ったらやはり何かを手放すことも必要ですか?

私は買い足しをしたら、必ず何かを処分します。処分する予定があるから買い足せる、というほうが近いかな。今日持っているバッグは先週買ったばかりなんですが、これを買うのに、1つ処分しましたね。我が家のクローゼットは8割ぐらいに収まっています。

私、今まで散々無駄な物を買って、死ぬほど失敗しているんです。それは物を大事にしないということでもあるし、ファッションに対してのリスペクトもない。なにより、適当に買ったものはすぐに飽きちゃうんですよね。そういう自分自身のこともすごくイヤで。だったら最初から買うものはじっくり吟味しよう、と。せっかく買った物は、やっぱり長く愛してあげたいじゃないですか。

ずばり、繋ぎの彼氏ならいらない! という感覚に近いですね(笑)。

そうそうそうそう(笑)。なんでもそうですね。Tシャツ1枚にしても、適当に付き合いたくないんです。とことん愛したい。

年をとると、個性なんて隠しても滲み出てきちゃうんですよ。

本書を読んでいると、ファッションの提案の向こうにライフスタイルへの提言が見えます。

結局そうなんです。ファッションは生活の一部ですから。価値観がある上で生活があって、衣服が必要なわけですから、ファッションにはその人の考え方が出る。私は、清潔感があって、シックで品のある人が好きなんですが、そういう人になるためには、やはり生活から整えなくては、と。

ベーシックな服を着てこそ個性がにじみ出るというのも、磯部さんのファッションの考え方の主軸にありますよね。それで思い出したことがあるんです。私は色柄デザインてんこ盛りの派手な格好ばかりしていた10代の終わりに、ある人に「普通の服を着るとみんなと同じに見えちゃう程度の個性だから、君は服に頼るんだよね」と言われて傷ついたことがあって。

わぁ、それ、私もです! 私も10代の頃、ギラギラでした(笑)。中学生なのに派手色のスーツを着ていたり。名古屋という育った土地柄や、通っていた学校の校風もあったんですが、個性がないから、鎧じゃないけど強烈な印象の服を着て、自分は人と違うんだということをアピールしたかったんですよね。

でもね、年をとると、個性なんて隠しても滲み出てきちゃうんですよ。だったらベーシックな服を着て個性を生かそうと。個性的な服など必要としない自己を確立した大人でありたいという気持ちもあるんです。

ベーシック服、着こなしの幅が本当に広くて、おしゃれをするのが楽しくなりそうです。

実はベーシック服がないと、おしゃれってチャレンジしにくいんです。今日、私はとてもシンプルなセットアップに白Tシャツですが、パイソン柄のスリッパみたいなサンダルを履いています。これ、ファッション業界ではすごく流行っているんですよ。基本がベーシックだったら、この柄もののスリッパでもいいんですよね。しかもZARAで買ったのでお安い!

なるほど、流行りものはファストファッションブランドで。

流行りものが得意なショップは、いち早く店頭に並びますし、バリエーションも多いですからキャッチアップしやすいですね。

磯部さんは夏にTシャツ3枚を着回すことも提案されていますが、今日のTシャツも素敵です!

ありがとうございます。シンプルな白Tなんですけど、ちょっとツヤ感のある今ドキの大人Tシャツですよね。

差し支えなければ、お値段をうかがっても?

1万円ぐらいです。スタイリングがウェブなどに掲載されると、よく「Tシャツにそんなに出せない!」とお叱りを受けることもあるんですが、Tシャツだからこそ1万円出していただきたいんです。大人のTシャツはちゃんと吟味しないと、部屋着かパジャマに見えてしまいますから。

ひと夏に数枚買うところを、1枚にしたらいいんです。自信を持って着られる、着れば気合いの入る1枚をぜひ手に入れていただきたいです。

磯部安伽が選んだこの夏のちょい足しアイテム!

まずは撮影でも着用したパイソンのスリッパサンダル。ZARAで購入しました。
今シーズンはパイソン小物が大流行中。
ベーシックコーデに1点取り入れるだけで、一気に今年らしさが漂います。
ちょっとクセのある個性派サンダルもトレンドの兆しなので、スリッパサンダルにもトライしてみるのもいいと思います。
意外に歩きやすいですし、コーディネートにこなれ感を演出するのにぴったりのアイテムです。

後編はこちら
「着るものがない」は卒業! あなたのクローゼットが生まれ変わる『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』

「着るものがない」は卒業! あなたのクローゼットが生まれ変わる『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット』

2019.04.29

磯部安伽( いそべ・やすこ)

ファッションエディター。『Marisol』『LEE』『eclat』などの女性誌を中心に活躍。センスと実用性を追求した丁寧なページ作りで、モデルやスタイリストから絶大な信頼を集める。また、ベーシック服で提案する私服コーディネート特集も大反響を呼んでいる。

Instagram@yasukoisobe

関連書籍

『ファッションエディター磯部安伽のスマートクローゼット
 ベーシック服で1年を賢く着回す29のメソッド』

磯部安伽(著)
KADOKAWA

有名モデルやスタイリストから絶大な信頼を集める、ファッションエディター磯部安伽のスタイルブックがついに誕生! 私服特集も大人気な著者のおしゃれのポリシーは、最小限のベーシック服で、季節を上手につなげて着回していくこと。本書ではそれを“スマートクローゼット”と名付け、手持ちの服をスマートに活用し、ワードローブをスマートに保つメソッドを公開。春夏秋冬オール私服のコーディネートで、1年中スマートなおしゃれを手に入れるテクニックを紹介します。この1冊で、あなたのクローゼットが生まれ変わる!