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西武鉄道が大集結。ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』~すべての路は所沢へ通ず~ 出発進行!

西武鉄道が大集結。ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』~すべての路は所沢へ通ず~ 出発進行!

5月9日(木)品川プリンスホテル クラブeXにて、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』~すべての路は所沢へ通ず~が発車した。
脚本・演出・作詞を川尻恵太(SUGARBOY)が担当。原作コミック「青春鉄道」の知識と持ち味を存分に活かしたショート・ショート形式のミュージカルに仕立て、2015年の初演から好評を博している。今回はシリーズ4作目にして初のスピンオフ公演。西武池袋線 役のKIMERUを中心に、西武鉄道の擬人化キャラクターたちが所狭しと走り回る!
初日直前に行われたゲネプロと囲み取材の模様をレポートする。

取材・文・撮影(メインほか) / 片桐ユウ


僕たちとお客様とで愛のセッションができたら

原作は青春(あおはる)による鉄道路線の擬人化コミック「青春鉄道」。鉄道のトリビアがふんだんに織り込まれたコメディ作品だ。 2015年11月からミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』として舞台化されてきており、今回は“鉄ミュ”シリーズ初となる西武鉄道をメインとしたスピンオフ公演となる。

撮影 / 片桐ユウ

囲み取材には、西武池袋線 役のKIMERU、西武安比奈線 役の渡辺コウジ、西武新宿線 役の橋本汰斗、西武秩父線 役の滝口幸広、西武西武園線 役の馬場良馬、西武国分寺線 役の木村 敦、西武狭山線 役の岩城直弥、西武有楽町線 役の土方柚希(橋本 星とのWキャスト)、秩父鉄道 役の森山栄治が登壇した。

撮影 / 片桐ユウ

まずは意気込みを聞かれたKIMERUが「初のスピンオフに、我が西武グループが選ばれたことを嬉しく思っています。同じ制服に金髪なので、よりキャラクターを出して誰が誰だかわかるように頑張りたいです。これまでのシリーズでは西武グループは自分だけだったり少人数だったりしたので、今回はそのときの気持ちも残しつつ、より素晴らしい西武グループを見せられるように頑張ります」とコメント。

撮影 / 片桐ユウ

渡辺コウジは、自身が演じる西武安比奈線がすでに廃線になっていることに言及しつつ「この作品で甦らせて、生き生きとした姿をお見せできたらと思います」と意気込み。続けて「西武の歴史を見ることができるいい機会になっていると思いますし、ドラマチックに楽しんでいただけるんじゃないかと思います」と、作品の魅力を語った。

橋本汰斗は、同役で出演していたシリーズ2作目を振り返り「当時は3人で会場を“万歳”に巻き込んでいたのですが、今回はこれだけの人数がいるので、前回よりも何倍も万歳を巻き起こせたらなと思います!」と微笑む。

滝口幸広は「顔合わせのときに(演出の)川尻さんとKIMERUさんが“ヤバイ世界観をつくる”とおっしゃっていて、そのときは“何を言ってるんだろうな?”と思っていたんですが、稽古が始まってその意味がわかってきました」と苦笑い。「本音を言うと、一刻も早く抜け出したいです!」と宣言して世界観のヤバさをアピールしつつ、「それくらいヤバイ世界に皆さんを巻き込んでいけたらなと思っています」と呼びかけた。

馬場良馬は「僕が演じる西武西武園線はすごくヒーローに憧れているという役です。僕自身もはるか昔に地球を守っていた時代もありましたので、そのときの経験を存分に活かして、皆様に西武グループの世界観に浸っていただきたく思います」と、会場の笑いを誘っていた。

木村 敦は「お客様に、いい意味で“すごいものを観たな”と思ってもらえるような、そんな作品にしたいと思います。鉄道の話でもありますが、人間味のあるお芝居もありますので、ぜひ共感していただけたらなと思います。そして僕たち西武グループのグループ感を見ていただきたいです。ぜひ“万歳”をやっていただけたらと思っています!」と、キャラクターの温かみやカンパニーについてコメントした。

岩城直弥は「僕は埼玉県出身なので、昔から西武鉄道を使って愛し続けてきました。今回、そのキャラクターを演じるとあって不思議な縁を感じています。緊張もしていますが、我々には会長が付いているので、会長を信じ西武グループを信じ、最後までやりきりたいと思います!」と勢いよく宣言。

土方柚希は「僕は舞台が初めてなので緊張していますが、西武グループのみんなと楽しく盛り上げてやっていくので、みんな応援してください!」と愛らしく意気込んだ。

森山栄治は初演、3作目と出演してきたメンバー。「KIMERUも言っていましたが、初のスピンオフです。これを成功させて5作目、6作目、そしてライブだったりとか、新しい試みにチャレンジできるように頑張っていきたいと思います」と、シリーズ愛を覗かせた。

その後、各キャストから見どころが語られたが、様々なボケとツッコミが飛び交う混乱の渦に。作品の面白さを語り尽くせないといった様子で、気合いのほどがうかがえた。

その中で全員が口にしていたのが「客席参加型」「一体となって“万歳”してもらう」というポイント。木村が「逆に参加しないほうが恥ずかしいと思ってもらえるぐらいの空間を西武グループでつくっていきたい」と話したとおり、劇中では会場の全員が行うことが前提の“万歳”コールがあるので、覚悟のうえでご乗車いただきたい。

囲み取材の最後は、KIMERUが「今回のテーマは“愛”。西武グループをつくった会長との愛がそれぞれにあって、いろんな愛が見られるので、ぜひ楽しんでいただけたらと思います。そして会長がつくってくださった品川プリンスホテルの中にある劇場でやるということがとても感慨深いです。劇中でもめちゃくちゃ品川プリンスホテルを推します! 皆さんに楽しんでいただいて、声出してストレス発散して、僕たちとお客様とで愛のセッションができたらなと思います!」と締め括った。

乗車した観客も、いつの間にか両手を挙げて万歳

この後はゲネプロの模様をレポートする。

舞台は前作と同じ、品川プリンスホテル クラブeXの円形ステージ。端に線路が描かれており、背景にはスクリーンと路線図、各線の名前がズラリと並んでいる。

レオライナーこと西武山口線(回替わりゲスト、ゲネプロには高橋優太が出演)による前説のあと、物語がスタート。これまでのシリーズ同様、細かいエピソードをオムニバス形式で乗り継いでいく。各線を紹介していくミュージカルナンバーも“西武線バージョン”として健在だ。

撮影 / 片桐ユウ

囲み取材にてキャストも口にしていた格好についてだが、たしかに一見は、同じ金髪と同じ制服姿に見える。しかしよく見れば裾の長さやフォルムにそれぞれのこだわりが感じられ、髪型にも個性が出ている。何より西武全線、強烈な言動をするのでキャラクターを混合してしまうことはないだろう。

西武グループという“ご当地”感のあるネタが多く、その周辺の歴史を知っている、あるいは鉄道に詳しいファンならば「ニヤリ」とするような台詞や設定を、随所に見つけることができそうだ。それらに詳しくなくとも、演じている彼らの熱量と濃いキャラクター性で、普遍的なドラマとしても楽しめる。

現在廃止されている西武朝比奈線を愛たっぷりに演じる渡辺コウジと、そんな西武朝比奈線を気にかける西武新宿線 役の橋本汰斗、ヒーロー愛ゆえに数々の変身ポーズをキメまくる西武西武園線を演じる馬場良馬をはじめ、愉快な各線が起こす騒動によって、ステージには終始笑いが溢れている。

メンバーも若手俳優の中では中堅と言うべきか、キャリアを積んだ安定感のあるキャストが多いため、力ずくで盛り上げるところと芝居で見せるパート、うまくメリハリを付けていて小気味が良い。
特筆したいのが、西武池袋線を演じるKIMERUのパワフルさだ。歌唱力は言うまでもなく、周囲に指示を出すときのキリリとした立ち振る舞いから一変して見せる、乙女な表情は必見。

西武グループの創設者である「会長」への愛をほとばしらせる西武池袋線をはじめ、会長に向かって万歳を繰り返す彼らの勢いに飲み込まれるように、この劇場に乗車した観客も、いつの間にか両手を挙げて万歳してしまっていることだろう。

実際の車内で「会長、万歳!!」とは叫べないが、ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』の西武線となら一緒に思いきり愛を叫べる。擬人化作品ならではの体験をぜひ味わってみては。

本公演は5月19日(日)まで品川プリンスホテル クラブeXにて運行中。同作のBlu-ray/DVDは9月4日(水)に発売予定だ。

ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』~すべての路は所沢へ通ず~

2019年5月9日(木)~5月19日(日)品川プリンスホテル クラブeX

原作:『青春鉄道(あおはるてつどう)』(KADOKAWA / コミックウォーカー、Comic BRIDGE連載中)
原作者:青春(あおはる)
脚本・演出・作詞:川尻恵太 (SUGARBOY)
音楽:あらいふとし+ミヤジマジュン
振付:EBATO

出演:
西武池袋線 役:KIMERU
西武安比奈線 役:渡辺コウジ
西武新宿線 役:橋本汰斗
西武秩父線 役:滝口幸広
西武西武園線 役:馬場良馬
西武国分寺線 役:木村 敦
西武狭山線 役:岩城直弥
西武有楽町線 役:橋本 星
西武有楽町線 役:土方柚希
秩父鉄道 役:森山栄治

アンサンブル:
福井大輔
齋藤健心
伊藤智則
大野紘幸

西武山口線(レオライナー)役 回替わりゲスト:
永山たかし
高橋優太
瀬戸祐介
稲垣成弥
岩 義人
田中涼星

主催:ミュージカル『青春鉄道』製作委員会(マーベラス/ネルケプランニング/KADOKAWA)

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@aoharu_musical)

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