Interview

池田エライザ&清水尋也、極限状態で演じた映画『貞子』の撮影現場とは

池田エライザ&清水尋也、極限状態で演じた映画『貞子』の撮影現場とは

心理カウンセラーとして総合病院に勤める秋川茉優。ある日、彼女のもとに、記憶を失った少女が警察に付き添われ入院してくる。自分の名前すら言えないその少女は、1週間前に公営団地で起きた放火事件の生き残りで、犯人の母親が秘かに育ててきた子どもだった。少女が来てからというもの、茉優は不気味な出来事を次々と目の当たりにする。一方、茉優の弟で動画クリエイターの和真は、アクセス数を稼ぐため肝試し映像の撮影を計画。放火があった団地に忍びこんで焼け焦げた部屋で自撮りを決行するが、それを最後に消息を絶ってしまう。必死で弟を探す茉優が、ネットに拡散された動画を再生すると、その背後には髪の長い女が写り込んでいて──。

©2019「貞子」製作委員会

日本ホラー史上に輝く“最恐”金字塔、『リング』シリーズ。5月24日公開の『貞子』は、その待望の最新作だ。1998年の第1作を手がけ、その後アメリカ進出も果たした中田秀夫監督が、ハリウッド版『ザ・リング2』以来14年ぶりにシリーズに復帰。「呪いのビデオ」という従来の設定を、今回は「撮ったら呪われる」というアイデアにアップデートさせ、SNS時代の最新ホラーを創りあげた。
恐怖だけでなく、人の絆と繋がりというテーマにも踏み込んだ本作。ヒロインの秋川茉優を演じた池田エライザと、その弟・和真役の清水尋也に、作品への思いや撮影時のエピソードについて語ってもらった。

取材・文 / 大谷隆之 撮影 / 荻原大志


ホラー要素はあるんだけど、私にはむしろヒューマンドラマに思えた(池田エライザ)

お二人は本作が初共演ですね。互いの第一印象はいかがでした?

清水 たしか撮影初日だったと思うんですけど、池田さんからいきなり「清水くんって天才なんですよね?」って言われたんですよ。

池田 あははは(笑)。そうだっけ?

清水 それで僕、「やばい! 今回はもう絶対ムリ!」ってプレッシャーがすごかったですね。

池田 まわりの役者さんたちから、いろいろ話を伺ってたんです。「清水くんの芝居はすごくいいよ」って。だから、共演できるのが純粋に楽しみで。たぶん冗談っぽい感じで「えーと、天才の方ですよね?」みたいなニュアンスのことを言っちゃったんだと思う(笑)。

清水 後で考えれば、本気じゃないってわかるんですけど。最初のまだ、それを読み解けるだけの親密さがなかったので、恥ずかしいけど真っ直ぐ受け取ってしまいました(笑)。だけどシーンを重ねていくうちに少しずつ距離を縮めていけたかなという実感はありました。

池田 撮影前半は別々の撮影が多くて、お互いに人見知りな期間もあったよね。でも物語が進むにつれて、みっちりと共演するシーンも増えて。茉優と和真の姉弟の絆も見えてくるので。それに合わせて段々、って感じかな。

清水 終盤はほとんど連日、一緒にスタジオに籠もってましたもんね。そこで空き時間にいろんな話をして、やっと打ち解けていけた気がします。

池田 あと、私自身も18歳くらいの弟がいるのも大きかったと思う。ちょっと清水くんと似ているところもあって……。

清水 そうなんだ! どういうところが…?

池田 若干抜けてるところとか(笑)。だから、あまり気張らず接しやすかったというか、弟とイメージを重ねて演じやすかった部分はあったと思います。

日本を代表するホラー・シリーズの最新作。出演オファーを受けたときは、率直にどう思われましたか?

池田 最初は事務所から、台本と一緒に「こういうお話が来ていますが、どうしますか?」と連絡をもらいました。そういう場合、なるべくその日のうちに読むようにしてるんですけど、今回の『貞子』は怖すぎて。どうしても台本を開けなかった。2、3日は尻込みしてました。

清水 もしかして、ホラー苦手なの?

池田 うん。特に『リング』は、小さい頃に洗礼は受けてるので。貞子が出てこないように、テレビに布を掛けていたくらい怖い(笑)。でも、勇気を出して読んでみたら、もちろんホラー要素はあるんだけど、私にはむしろヒューマンドラマに思えたというか。例えば人の報われない想いだったり。ずっと一緒に生きてきた姉弟の歯車がズレてしまう感じとかがすごく丁寧に描かれていて。怖かったけれど、主人公のメンタルを演じてみたいなと思ったんです。

清水 プライベートではあまり、ホラー映画は観ないですか?

池田 ダメですね。子どもの頃、ホラーゲームはやってましたけど。そういうときも兄弟と4人、ソファーの上で毛布をシェアして。一番上のお兄ちゃんが「お化け出るよ!」って言ったら、すかさず毛布のなかに隠れてました。

清水 …今度観に行きましょう! 面白そうなのがあったら誘いますね(笑)。

池田 絶対ヤダ。やめた方がいいよ。たぶんギャーって叫んで、二人とも映画館を追い出されちゃうから。あ、でも『貞子』を観てくださる方はぜひ劇場で悲鳴を上げていただきたいです(笑)。清水くんはホラー、大丈夫なの?

清水 僕は平気ですね。虫だけは絶対に無理だけど(笑)、それ以外は大丈夫。ホラーに出演するのは初めてだったので、すごくワクワクしました。新しいことに挑戦できるのは、いつだって嬉しいです!

池田 今回は虫も出てこないしね。

清水 そうですね。脚本に虫が出てきたら、たぶんやってなかったかも…(笑)。

池田 でも、ロケ場所だった伊豆大島の洞窟にはいっぱいいたよ。フナムシが山ほど。ウジャウジャウジャーって。

清水 やめて! 俺、フナムシが一番ダメなの!

池田 あははは(笑)。いつも大体、こんな感じの会話なんです。

©2019「貞子」製作委員会

出演の依頼を受ける前、お二人は『リング』シリーズにどんなイメージを抱いていましたか?

池田 私たちの世代には多いと思うんですけど、貞子の背景とか、なぜ彼女がああなってしまったかという因縁は知らず、とにかくホラーのアイコンとして恐れてました。お話ししたように、夜はテレビに布を掛けてたくらい。

清水 それは貞子対策として?

池田 うん。貞子が出てきたら困るじゃん。あと、ザーッていうノイズも嫌。理屈じゃなく子どもの頃からの刷り込みで……って、なんで笑ってるの?

清水 いや、かわいいなと(笑)。よく出演できましたね。

池田 ほんと、頑張ったよね、私(笑)。それくらい、茉優と和真の絆だったり、貞子とお母さんの哀しい関係であったり、今回の物語に心を動かされたんだと思います。必死で弟を救おうとする茉優の姿にも惚れてましたし。

清水 僕も同じで、『リング』には“ホラー部門日本代表”みたいなイメージがありましたね。例えばお化けや悪霊的なものを想像してみてって言われたら、パッと頭に浮かぶのはやっぱり、貞子のビジュアルだと思う。

池田 でしょ。清水くんもテレビに布、掛けなさいね。

1 2 >