Interview

鳥越裕貴&多和田任益が舞台『文豪ストレイドッグス 三社鼎立(さんしゃていりつ)』の溢れるチーム愛を語る

鳥越裕貴&多和田任益が舞台『文豪ストレイドッグス 三社鼎立(さんしゃていりつ)』の溢れるチーム愛を語る

架空の都市「ヨコハマ」で繰り広げられる異能力アクションバトル漫画の舞台化第三弾、舞台『文豪ストレイドッグス 三社鼎立(さんしゃていりつ)』が6月8日(土)の岩手公演より開幕する。
「文豪ストレイドッグス」は2013年より「ヤングエース」にて連載を開始し、TVアニメや小説版も人気の話題作。舞台化は、演出・中屋敷法仁、作・御笠ノ忠次のタッグによって2017年12月に上演され、全席完売の大ヒットを記録。2018年9月には舞台「文豪ストレイドッグス 黒の時代」を上演。第一弾とはまたカラーを変えた大人の魅力溢れるステージで好評を博した。
待望の最新作は、異能力を持つ探偵集団「武装探偵社」とヨコハマの裏社会に巣食う「ポートマフィア」、そして新たに襲来した北米の異能者集団「組合(ギルド)」、この3組織の生き残りをかけた巨大な異能戦争を描く。
第一弾でも主演を務めた中島 敦 役の鳥越裕貴、第二弾「黒の時代」で太宰 治 役を一層深めた多和田任益にインタビュー。息ピッタリの対談にて、熱い意気込みや稽古場の模様、お互いに認めるそれぞれの“能力”についてなど、様々な質問に応じてもらった。

取材・文 / 片桐ユウ 撮影 / 冨田望


作品と共にカンパニーが大きくなっていることが感じられる

第三弾が決まったときのお気持ちからお聞かせください。

鳥越裕貴 またやりたいと願っていましたし、舞台「文豪ストレイドッグス」はずっと続いて欲しいと思っていたシリーズなので、嬉しかったですね。同時に「また“組織”が増えるぞ」と。ずらっと並んだキャストを見た瞬間に「わーぉ! 出るね~!!」と驚いたのが最初の気持ちです(笑)。

多和田任益 僕は「もう“組合(ギルド)編”か!」という気持ちがありました。昨年出演していた「黒の時代」をつい最近のように感じていたので、すごくスピードが早い印象を受けて。でもそのスピードに乗って、作品と共にカンパニーが大きくなっていることが感じられて嬉しかったです。そして鳥ちゃん(鳥越)と同じく、出演人数について「稽古場に入るのかな?」と思いました(笑)。

鳥越裕貴

お稽古が始まり、大人数での雰囲気はいかがですか?

鳥越 稽古初日は「武装探偵社」メンバーが相当浮かれていたので、ほかの方々がポカンとしていましたね(笑)。

多和田 「舞台「文豪ストレイドッグス」、こんな感じなん……?」って(笑)。それだけワクワク感が溢れ出ちゃっていたんです。

鳥越 大人やけど、止められへんかったな。特に橋本祥平!

多和田 間違いない。役とのギャップが一番あるのは彼だと思います(笑)。

多和田任益

中屋敷さんは、自然とレールに乗っけてくれる

第一弾のインタビューで、演出の中屋敷法仁さんも稽古場でかなり盛り上がる方だとお聞きしましたが……。

鳥越 それはもう、相変わらずですね。いつもどおりです(笑)。

多和田 今度は声を枯らさないようにしてくれるといいなと思っています。第一弾のときは「植ちゃーん!(中原中也 役・植田圭輔)」って声援を送りすぎて声が枯れちゃっていたので(笑)。稽古場では「あれ? ファンの方が入ってきたのかな?」と思ったら演出家さんだった、っていうことがままありますね(笑)。

中屋敷さんから、おふたりへのご声援は?

多和田 僕たちに対しては、さほど(笑)。

鳥越 僕らは“ストレイドッグス(野良犬)”ですから(笑)。植ちゃんへのファン感が飛び抜けてすごいんですよ。

なるほど(笑)。では中屋敷さんから今回の作品に対して、リクエストやオーダー的なものは?

鳥越 やしきさん(中屋敷)って特にそういうものはなくて。自然とレールに乗っけてくれるんです。いろいろお話しするなかで、僕ら役者を信頼してくれているのだなと思いますし、だからこそ「自分たちがやらなくては!」という気持ちにさせてくれる感じです。

多和田 うんうん。

鳥越 僕としては、今日の通し稽古で見えてくるといいな、と思っているところですね。

多和田 僕は稽古に合流してからまだ日が経っていないんですけど、稽古序盤で通しをやることには、もはや動揺しないです。やしきさんが通し稽古を早くしたがるのは有名なので(笑)。わかっている人たちはそれに合わせてやってきていますし、「黒の時代」のときには稽古開始から3日後に通しがありましたから。

鳥越 「黒の時代」で主演されていた賢志さん(織田作之助 役・谷口賢志)からも散々言われました。「アレは、おかしいぞ!」って。役者人生に相当なインパクトを受けたみたいです(笑)。

第二弾舞台の「黒の時代」、鳥越さんはご覧になりましたか?

鳥越 はい。初めて客観的に観ることができました。前々から原作の朝霧カフカさんにも「舞台に向いている作品」だと言われていたんですけど、本当にそうだなと思いましたね。そんな「黒の時代」を経ての第三弾になるので、僕らが舞台上でできることを探しつつ、どうやって積み重ねていくかだなと思っています。稽古場に入って、たわちゃん(多和田)の太宰を見て「わっ!」と思ったんですよ。「黒の時代」を経ると違うんだということを感じたので。

多和田 ホンマ!?

鳥越 ホンマ! 晃ちゃん(谷崎潤一郎 役・桑野晃輔)と「もうすっかり太宰やな!」って話していたもん。一回、苦しいことがあってからの太宰って、こうなるんだなと思った。

多和田 第一弾を一緒に駆け抜けた人たちに、そう言ってもらえると自信になる!

鳥越 ……。(手でお金のマークを示す)

多和田 え!? 何々?

鳥越 「お金、チョーダイ」ってこと(笑)。

多和田 ……じゃあ、あとでラムネあげるね(笑)。

鳥越 わーい! ブドウ糖だ!(笑)

Twitterでも、鳥越さんがお稽古場にラムネを常備されているご様子がアップされていましたね。

鳥越 ああ! 祥平にイタズラを仕掛けられたときのツイートですね(笑)。ある日、たくさんあったはずのラムネが激減していて、「あれ? 急に減ったぞ?」って不思議に思っていたら……。

多和田 「さては誰か食べたな?」と。

鳥越 「きっと輝馬(国木田独歩 役)だな!?」と思っていたんですけど(笑)。そうしたら祥平が「どうしたんスか?」って駆け寄ってきて。「いや、ラムネがないねん」って答えたら、「マジすか。それは大変ですねー!」とか話を合わせてきたかと思いきや、「あ、そうだ! 実はコッチに入れ替えておきました!」って別の容器に移し替えたラムネを取り出してくるっていう。

多和田 謎のくだり(笑)。

鳥越 そうやって、みんなからイジられています。もう、変な人ばっかりやから(笑)。

多和田 みんな、すぐ人のモノ食べるし。

鳥越 そう! ジャイアンばっかりですよ! でもお互いつまみ食いしているので、結果的にwin-winです(笑)。そんなことをやっていると、フランシス・F 役の君沢ユウキくんは多めにお菓子を持ってきてくれて「みんな食べていいよ」って。フランシス感が出ていますよね。

多和田 リッチ!(笑)

舞台「文豪ストレイドッグス」って、稽古や舞台上で紡いでいく感じが強い

そんな君沢ユウキさんをはじめ、初登場のキャラクターを演じるメンバーはいかがですか?

鳥越 ジョン・S 役の川隅美慎は第一弾から観に来てくれていて、ずっと「僕も出たい!」と言ってくれていたんです。

多和田 「黒の時代」のとき、カフカ先生から小説本にサインもらっていましたもん。

鳥越 ただのファンやん!(笑)でもその彼が第三弾で出演することになり、アンサンブルで出演していたエリザベス・マリーがルーシー・M 役になったり、第一弾でたわちゃんの代役をやっていた村松洸希くんがラヴクラフト 役に決まったり。当時は「めっちゃデカい太宰やな~」と思っていたら……。

鳥越多和田 ラヴクラフトか―!

多和田 ってなりましたね(笑)。

鳥越 そういった面から見ても、素敵な夢のある現場だなと思います。

多和田 ただし、変な人が集まる現場。

鳥越 ホンマに!

多和田 変な人が変な人を呼んじゃっている……つまりは僕たちも変な人ってことですけど(笑)。

今回の「三社鼎立」は、師弟やライバル関係、タッグを組む相手との繋がりが色濃く出るエピソードという印象です。

鳥越 敦は第一弾で芥川とバチバチやりあって、それからのお話になるので。初めて協調する場面に至るまでの部分を丁寧につくれたらいいなと思います。前回はパワーで持っていっていたところもあるんですけど、今回はちゃんと積み立てて、築き上げていけたらなと。お互いに「こうじゃないか」っていうことを稽古場で出しつつやりたいですね。

多和田 舞台「文豪ストレイドッグス」って、稽古や舞台上で紡いでいく感じが強いんです。自分でやっていてもそうですし、ほかの人のお芝居を見ていてもそう感じる。そのあたりは、やしきさんが上手なんだと思います。

鳥越 やしきさんのやり方とキャストの僕ら、拓朗さん(振付のスズキ拓朗)はじめスタッフの方々ともタッグが組まれているので、みんなでつくっているなという感が強いです。

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