『機動戦士ガンダム』40周年特集  vol. 2

Interview

OP&EDはなんと7曲…『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』が主題歌にこだわる理由、そして新たなサブタイトルの意味とは?

OP&EDはなんと7曲…『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』が主題歌にこだわる理由、そして新たなサブタイトルの意味とは?

<『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』谷口 理プロデューサーインタビュー・後編>
『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザインやアニメーションディレクターを務めた安彦良和によるコミック作品『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』。2015年からOVAとして全6話のアニメ化を経て、現在はこれを全13話のTVアニメシリーズに再構成した『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』がNHK総合で放送中だ。

本作の谷口 理プロデューサーへのインタビュー・後編となる今回は、OP&ED主題歌をはじめとする音楽周りの話題を中心にお届けする。主題歌の音楽プロデューサーとして参加したLUNA SEAのSUGIZOとの関わりなど、たっぷりと語ってもらった。

取材・文 / えびさわなち

前編はこちら

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』TVアニメ化で唯一変更された“重要なセリフ”とは? プロデューサーが明かす「全13話版」再編集の現場

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』TVアニメ化で唯一変更された“重要なセリフ”とは? プロデューサーが明かす「全13話版」再編集の現場

2019.06.05


サブタイトル「前夜 赤い彗星」のアイデアはSUGIZOから!

今回のTVシリーズには、「前夜 赤い彗星」というサブタイトルがつけられています。

いろいろと候補は挙がっていたんですが、どれもピンとこなくて。今回主題歌のプロデュースをお願いしたLUNA SEAのSUGIZOさんに相談したんです。

今回、SUGIZOさんにOP&EDの主題歌をお願いしようということで、直接いろいろとやりとりをさせてもらっていて。ちょうどOP&ED曲のストリングスをレコーディングしているときだったか、「サブタイトルをつけようと思っているんですけど、候補がこれだけあってもピンとこないんです」という話をしたんです。

例えば、(『機動戦士ガンダム』)「逆襲のシャア」とか、(『機動戦士ガンダム0080』)「ポケットの中の戦争」とか。あれくらい散文的で心に残りそうなフレーズが出てこないんです、とお話をしたんですね。そうしたら「ちょっと僕、考えてもいいですか?」って。実はそう言ってくださると思ったので相談したんですけど(笑)。それでSUGIZOさんから「赤い彗星 前夜」ってアイデアをいただいたんです。ただ、すべてをSUGIZOさん頼みというわけにもいかないので(フレーズを)逆にして、「前夜 赤い彗星」にしました。

僕もそんなにボキャブラリーのあるほうでもないので、悩んだときにはいろいろな人に相談するんですよね。OVA版の第4話のサブタイトルが「運命の前夜」だったんですが、あれは福井晴敏さん(『機動戦士ガンダム UC』のストーリーや『機動戦士ガンダムNT』の脚本を担当)に相談したりしました。最終的には『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の脚本を担当した隅沢克之さんにいくつかアイデアをもらいその中から決めたんです。そういう感じで、今回も人の手を借りました(笑)。

しかしなぜその相談相手がSUGIZOさんだったんですか?

ミュージシャンで歌詞も書かれていますし、メールをやりとりさせていただいていても、端々に印象的な言葉があったりしたので。僕らでは絶対に出ない言葉やフレーズを出せるんじゃないかっていう思いもあって、畑が違う方に相談したかったんです。

TVシリーズのために全7曲の主題歌を制作。音楽を柱とした新たな挑戦

そのSUGIZOさんを今回の主題歌で大々的に起用されたのはどういった流れだったんでしょうか。

はじめにTVシリーズをやるときに、今回は編集版に近いので、OVAで同じものを観ていた人にどうやってテレビで観せるか考えたんですよね。さらにNHKで放送されるということで、かなり幅広い方に観ていただけるだろうと思い、何かもうひとつ柱が必要だなと。

でも映像はいじりようがないですし、新規カットをめちゃめちゃ増やしているわけでもないので、それなら音楽を変えて観せていくしかないのかなと、当時のサンライズの社長の宮河さん(宮河恭夫。現:株式会社バンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長)に相談していまして。「音楽を柱にしたいんですが、誰がいいですかね」という話をしていたんですが、宮河さんがSUGIZOさんと仲が良くて「ちょっと相談してもらえないですか」ってお願いをしたんです。

SUGIZOさんがガンダムを大好きなことは聞いていましたし、以前にガンダムのコンピレーションアルバムにも参加していただいていることもあって、声を掛けていただきました。その話のなかでたくさん曲を作っていただいて、放送期間中にガンガン主題歌を変えていっちゃおう、ということも企画して。

こちらとしては、元々ある映像を編集する作業だったので、新たな映像を作る余力があった。そこで、4話に1回くらいOP&EDを変えていくように曲を作ってもらいましょうかと提案したんです。そうしたらSUGIZOさんから「いろんなアーティストを入れていっていいですか?」っていうお話があって、今回の形に徐々になっていった感じですね。アーティストの選定も含めてSUGIZOさんにお任せしました。

それが現在放送されているOP&ED主題歌なんですね。

そうなんです。それで最初のエンディングでは「めぐりあい」(『劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』主題歌)のカバーをGLIM SPANKYさんにお願いしました。2曲目はオープニングにLUNA SEAの新曲で、エンディングは水曜日のカンパネラのコムアイさんに「水の星へ愛をこめて」(TVアニメ『機動戦士Ζガンダム』後期オープニングテーマ)をカバーしてもらっています。

オープニングはLUNA SEAさんに第3弾まで作っていただいており、今後エンディングは、BiSHのアイナ・ジ・エンドさんやmiwaさんの楽曲も予定しています。つまり計7曲作ることになって、もちろん映像も全部変えます。『機動戦士ガンダム』40周年ということで、音楽フェスなどいろいろと展開していくときに、このコンテンツが柱になるだろうなということを、小形尚弘(『機動戦士ガンダムNT』プロデューサー)とも話して、この形になっていきました。だからもしかすると、この先もカバーが続くかもしれません。SUGIZOさんで。そういった音楽の切り口はあると思いますし、それを勝手に想像しています。

1 2 >
vol.1
vol.2
vol.3