Interview

永田聖一朗&小早川俊輔が前作より濃密になったストーリーで熱演を誓い合う。舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These~第二章 それぞれの星~」上演中!

永田聖一朗&小早川俊輔が前作より濃密になったストーリーで熱演を誓い合う。舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These~第二章 それぞれの星~」上演中!

5月30日(木)からZepp DiverCity(TOKYO)にて上演中の舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These~第二章 それぞれの星~」(以下、舞台銀英伝)。
第二章と銘打っている通り、前作は昨年10月に上演された舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These』で、わずか半年で続編が上演されることになるほど、演劇ファン、原作ファンともに熱い支持を得た。
原作は累計発行部数1,500万部を超える人気小説『銀河英雄伝説』シリーズ。いまから数千年後の未来、宇宙空間に存在する“銀河帝国”と“自由惑星同盟”という敵対する2つの惑星の若き軍人、ラインハルト・フォン・ローエングラム(以下、ラインハルト)とヤン・ウェンリー(以下、ヤン)を軸とした壮大なスペースドラマだ。前作の“アスターテ会戦”を経て、どんな展開をみせるのか、歴史ある“舞台銀英伝”がどんな変貌を遂げるのか楽しみで仕方がない。
そこで、前作同様、ラインハルト 役の永田聖一朗とヤン 役の小早川俊輔にインタビュー! 今作がどんな舞台になるのか、前作からどんな進化を遂げたのか、役者としてどう自らの役に向き合っていくのか、直撃した。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 岩田えり


歴史ある作品だからプレッシャーは大きかった

これはでかどうしても言いたかったんですが、前作はこれまでの“舞台「銀英伝」”の長い歴史に名前を残す傑作だったと思います。おふたりとも初出演でしたが、実際に出演していかがでしたか。

永田聖一朗 まず、そう言ってくださると嬉しいですね。わかっていることではあったのですが、歴史ある作品だからプレッシャーは大きかったです。ただ、そのときできる精一杯を尽くしたつもりで前作を作り上げました。第二章では、さらに完成度を高めたいと思います。

永田聖一朗

小早川俊輔 演出の大岩美智子さんを含め、今作のキャスト・スタッフは本当に“舞台銀英伝”を愛していることを実感しました。皆さんのサポートがあって、僕が演じるヤンの“自由惑星同盟”に関しては、役柄同士の関係の意味をしっかりと理解して、僕たちだけの空気感を積み重ねることができました。たくさんのお客様に足を運んでいただいたのも自信になりました。だから、第二章に携われることはとても嬉しいですし、セイちゃん(永田聖一朗の愛称)が言ったように、2回目だからこそ、前回より深みのある舞台になるように稽古に励んでいます。

前作を経て、永田さんが演じるラインハルトと、小早川さんが演じるヤンへの取り組み方は変わりましたか。

永田 前作は初役だったこともあって、ラインハルトのキャラクター作りをメインに、稽古場でディスカッションをしましたが、前作を経たからこそ、キャラクター作りよりも、作品全体に深みを与えられる役にしようと稽古場でいろいろなことにチャレンジしています。

小早川俊輔

小早川 原作はもちろん、アニメシリーズも新しくスタートするほど、“銀英伝”は人気で、ヤンに対して様々なイメージを持っている方がたくさんいらっしゃるので、彼の仕草や声質といったハード面だけではない部分も意識しました。その中で、他のキャストとキャラクター同士の距離感を掴んで、良好な関係性を築くことができたおかげで、役への取り組み方が自然と変わっています。ヤンは、自分の人生や軍人という存在から、惑星の平和のことを真剣に考えるようになり、第二章では彼の行動が変化していきます。なので、今作では、ヤンの変化する心境の土台を紐解いていく作業が基本になっています。

“しなくてはならない”という義務

ラインハルトもヤンも、数々の名優が演じてきた歴史ある役だと思いますが、前作を経ておふたりにとってどのような役だと改めて感じましたか。

永田 前回から強く感じているのですが、ラインハルトは誇り高くて、カリスマ性があって、その反面、20代前半の年相応の危なっかしさがあります。演じてみると僕自身の性格と真逆だということに気づいて。たとえば、宇宙を制覇して大将になろうという野心はないです(笑)。

小早川 ははは。

永田 ただ、彼の危うさのある性格は似ていると思います。

小早川 物語が進むにつれて、中心人物のヤンは、“舞台「銀英伝」”という世界の中に巻き込まれて抜け出せなくなっていきます。その世界に翻弄されるという意味では、滑稽に見えるときもあれば、共感できる部分も生まれました。ヤンは、知的で面倒臭がりで、実務的な作業に無頓着ですが、仲間の個性を自分の才能で補おうとしている性格が、人を魅了すると思っています。たとえばヤンがAということをしたいのに、それをさせてくれないBという人物がいるとしますよね。AとBが存在するだけでヤンに物語が生まれると思いますが、自分が望んで軍人になっているわけではないという想いが芽生えてから、“帝国軍”と争いを“したい”、“したくない”という葛藤だけではなくて、“しなくてはならない”という義務も生まれてくる。その複雑な心境の描くドラマが、ひとつの枠組みだけではなくて、いろいろな場所で起きていきます。

それはどのキャラクターもそうなっていくから作品の醍醐味に変わっていくのでしょうか。

小早川 そうですね。ヤンだけではなくて、いろいろな人の抱いた想いが絡み合ってぶつかるからこそ“舞台銀英伝”は面白くなると思います。前作で、キャストはそれぞれキャラクターを掴んだと思うので、役への理解も進歩していると思います。その人たちが交差するシーンが数多く描かれているので、前作よりもエネルギーの増している舞台になっています。

シュンくんは役によってプライベートさえ変わってしまう。(永田)
セイちゃんは人を受け入れるのが上手。(小早川)

ちなみに、前作からお互いの印象は変わりましたか。

永田 シュンくん(小早川俊輔の愛称)とは、何度もご一緒しているのですが、役によってプライベートさえ変わってしまう人だと改めて思って。一緒にインタビューを受けている今もそうですが、普段からヤンの雰囲気が漂っています。昨年の年末に共演した舞台『歳が暮れ・るYO 明治座大合戦祭』では、ヤンという感じではなくて、出演している役になっていました。これぞまさに“役者の鑑”です(笑)。

小早川 (笑)。今作では、まだ実際に“銀河帝国”側と稽古をせずに、稽古場で一緒に過ごす時間しかないのですが、セイちゃんは両軍の空気感を感じとって何をディスカッションしていけばいいのか察していて、人を受け入れるのが上手だと思います。今回、“銀河帝国”と“自由惑星同盟”に関しても、新たなキャラクターが登場しているので、新キャストの方は、一回できあがった座組みの空気に溶け込むのが難しいかもしれないのに、前作のキャストとの関係性をキープした上で、空いている時間にキャストと話し合いながら新しいものを作ろうと努力しているひたむきさに心を打たれます。

永田 ありがとうございます!

前作では、ジークフリード・キルヒアイス(以下、キルヒアイス)やアレックス・キャゼルヌ(以下、キャゼルヌ)といった、部下や先輩といった仲間たちも緻密に描かれていて面白かったのですが、今作ではどんなところが変わっていくのでしょうか。

永田 今回はキルヒアイスとの関係性が深掘りされ、ふたりのエピソードが数多くピックアップされて描かれます。ですから、前作よりもキルヒアイスとの関係を大切にしながら演じていきたいです。前回の加藤 将さんのキルヒアイスは、感情を露わにせず心に隠して、“銀河帝国”の人のために懸命に生きている演技に感心しました。まさにキルヒアイスそのものでしたが、普段の将さんはキルヒアイスとは違った面白い一面もあって。この間、タピオカを差し入れようとしたら、味を「黒糖の無糖にしてね」と言われて(笑)。

小早川 (笑)。

永田 「黒糖の無糖味ってなんだ?」と思いつつも、相変わらず将さんらしくて楽しい人だから接しやすいです。

小早川 米原幸佑さんが演じるキャゼルヌに関していえば、ヤンが実務的な作戦を立てる上で絶対的な信頼をおいていますし、ただの先輩と後輩を超えた間柄になっています。プライベートであれば“同盟軍”には僕を含め皮肉屋が多くて、米原さんもキャゼルヌらしく皮肉を飛ばしながらも、お互いに結果を出しあえる役者として認め合ったからこその上質な関係を作りあげています。

前作を踏まえて演出の大岩さんから言われたことはありますか。

永田 今作に限らず、「永田聖一朗としてラインハルトを演じる楽しさの意味を見つけてください」と言われています。僕としても、第二章になって、様々な人間関係が抉り出されていくので、役として舞台上でも複雑な人間模様をおみせしたいですし、今回は、戦闘をする理由が姉上であるアンネローゼ・フォン・グリューネワルト(杉本有美)のためなので、彼女のために戦っている動機をしっかりお客様に提示したいと思います。

小早川 今作では、ヤンと関わる人が多くなり、僕の出演する場数が増えました。自分が関わるキャストと台詞を交わすだけのシーン以外にも多くの見せ場があるので、実際に“同盟軍”側の稽古を見ている時間が増えましたし、同時にヤンをどうやって演じるのか深く考えています。自分の近くにいる艦隊の仲間だけではなく、前作では触れなかったローゼンリッターとも関わる部分があるので、必然的にみんなと意見を交換することも多くなりました。それによって、次のシーンに与える影響やお客様に盛り上がってもらいたいシーンを計算しながら演じることができるようになりました。そこにより彩りを持たせてくださっているのが大岩さんだと思います。それは“舞台銀英伝”の世界観を持っていらっしゃるからですし、キャラクター性を維持するために、常に共通認識をみんなに持たせてくださるので、かなり意識の統一されたカンパニーになっています。

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