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櫻井圭登&北川尚弥らが縦横無尽に駆け巡る。ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊単独公演『Caribbean Groove』ゲネプロレポート

櫻井圭登&北川尚弥らが縦横無尽に駆け巡る。ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊単独公演『Caribbean Groove』ゲネプロレポート

アニメ作品として2015年にスタートした「スタミュ」。そのアニメを原作に、2017年から舞台化されてきたミュージカル「スタミュ」シリーズ。今回、レポートをお届けするミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊単独公演『Caribbean Groove』は、スピンオフ公演第3弾であり、星谷悠太(杉江大志)が所属する team 鳳のライバル、team 柊の辰己琉唯 役の櫻井圭登、申渡栄吾 役の北川尚弥、戌峰誠士郎 役の丹澤誠二、虎石和泉 役の高野 洸、卯川 晶 役の星元裕月の5名にスポットを当て、2018年4月に上演したレビュー公演を経ての新作本編公演となる。
初日の公演の直前に行われたゲネプロのレポートと、その後に発表されたオフィシャルコメントをお届けする。

取材・文・撮影 / 西森路代


骨太なメッセージも歌とダンスも楽しめる

大人気アニメ「スタミュ」を原作としたミュージカル「スタミュ」は、2017年4月から上演されてきた大人気シリーズで、今回は、そのスピンオフの第3弾。team柊メンバー5人が作中の劇作である『Caribbean Groove』という演目を演じる劇中劇となっている。

そもそも「スタミュ」は、音楽芸能分野の名門校・綾薙学園の生徒たちの日々を描く作品で、そこにはteam鳳とteam柊というふたつのグループがライバルとして切磋琢磨している。
本作は、そんなteam柊のメンバーである辰己琉唯(櫻井圭登)、申渡栄吾(北川尚弥)、戌峰誠士郎(丹澤誠二)、虎石和泉(高野 洸)、卯川 晶(星元裕月)が、綾薙学園の生徒としてミュージカル公演を行うという劇中劇を演じた作品となっている。
よって、彼らは『Caribbean Groove』の中でも学園でのキャラクターを背負ったような役で登場しているのも面白いのだ。

今回の『Caribbean Groove』の物語を説明する前に、team柊での彼らの性質を簡単にまとめてみよう。

辰己琉唯は、チームのリーダーで儚げな印象もあるものの、芸の道に対しては厳しい目線を持つ。イメージカラーはミント。
申渡栄吾は、チームの参謀的なポジションで、分析力がある。不器用だが、陰ながらの努力でそれを克服している。イメージカラーはバニラ。
戌峰誠士郎は、ムードメーカーで明るく人懐っこく、天然。体格も大きく、中学時代のあだ名はレトリバー。イメージカラーはマンゴー。
虎石和泉は、チーム一のチャラ男。女好きでストライクゾーンも広い。見かけによらず涙もろい一面も。イメージカラーはセサミ。
卯川 晶は、女の子に間違えられるくらい可憐な見た目なのに、口を開くと辛辣な小悪魔キャラ。イメージカラーはストロベリー。

5人のことを紹介したのは、この『Caribbean Groove』でも、彼らのキャラクターに実にピッタリな役を演じているからである。

さて、ここで初めてこの『Caribbean Groove』の物語について説明しよう。舞台は、海賊黄金時代。ブラッディ・ロジャーと呼ばれる血染めの海賊たちがおり、彼らは5人全員がリーダーで、クリス、アルベール、ジョバンニ、ティエラ、アンリというメンバーで成り立っていた。
しかし、このブラッディ・ロジャーの成り立ちには、ある平和な国の王がとある軍に攻められるという悲しい出来事が絡んでおり、息子たちの命は助けたいとうことで彼らを船に乗せたことが発端となっていた。

それから13年。クリスは、その当時のことを覚えておらず、少し無鉄砲なところもあるがすくすくと成長していた。彼よりも年上のアルベールは、いつでも落ち着いた様子で、クリスのことを補佐していた。
女の子のように可憐で、5人の中ではいつも子供扱いされてしまうアンリのそばには、いつもジョバンニがいて、そっと見守っていた。生粋の海の男で、女ったらしで、港に帰ればいつも待っている女のいるティエラもいて、5人は、いつも共に戦っているのだった。

こうして物語のあらすじやキャラクター紹介を見てもわかるとおり、team柊の参謀的な存在である申渡栄吾が演じるアルベールは、どこか一歩引いたところから、ブラッディ・ロジャー全体を見守る包容力を感じさせたし、チームのリーダーでどこか儚げなところも感じさせる辰巳が演じるクリスは、リーダーならではの華を感じさせるところがある。また、チームのムードメーカーで大男の戌峰は、ここでもアンリとでこぼこコンビで、いなくてはならない存在だし、チーム一のチャラ男の虎石演じるティエラは、5人の中では一匹狼で、そしてワイルドで港には女が待っていて、キザなのに、嫌味がない。そして、チーム一の小悪魔キャラの卯川演じるアンリもまた、ここでも小悪魔のように可憐な末っ子キャラを演じている。

この5人のキャラクター、関係性は、歌でも生かされる。クリスとアルベール、ジョバンニとアンリにはデュエット曲があり、それが序盤と後半で二度歌われることがあるのだが、物語が変化するにつれ、そのふたりで歌う意味合いが強く伝わってくるし、二度目ということで、こちらの耳馴染みもよくなっているため、音楽としてもよりぐっとくる。

またこの物語は、骨太なメッセージもこめられたものになっている。平和を奪い、人々を不幸にする政治は自らの手でもって終わらせるべきだという、革命も描かれているし、そんな激動の中でのブラッディ・ロジャーの面々たちの苦悩も描かれている。それと同時に、ミュージカルとしても、非常に華やかで歌やダンスがストーリーと直結していて自然に入り込める。

そんな壮大なストーリーにも負けないのが、舞浜アンフィシアターのセットではないだろうか。
後方から大きな海賊船に乗ってブラッディ・ロジャーたちが旗を掲げながら競り出てくる登場シーンには鳥肌が立つし、その海賊船のセットを使いながらの大人数での立ち回り、そして、ブラッディ・ロジャーたちの個性が十分に伝わる殺陣が、ひとりひとりに焦点があてられたかと思うと、円形になった舞台が回転し、ひとりひとりをじっくりと見ることもできる。

また、その回転する円の真ん中は、上下するようになっており、そこからも大きなセットが飛び出てきたり、人々がそこからハケたり。非常に贅沢で充実した舞台経験のできる空間を実現させていた。

物語の終焉後には、team柊のメンバーたちが、クリス、アルベール、ジョバンニ、ティエラ、アンリというキャラクターをまとったままで、衣裳を変えて登場。レビューステージを繰り広げるのも見逃せない。しかも、そのときには、それぞれのメンバーが客席まで降り、観客は近くで顔を見ながら一緒に盛り上がれるスタイルになっている。ミュージカルの中で、それぞれの心情を表現するために歌っていたのとはまた違う、お客さんに直接伝え、コミュニケーションし、魅せるための歌とダンスを、2度にわたって楽しめるのも、この作品の醍醐味であると感じた。

アトラクションのようなミュージカル。あっという間の2時間のショーです

ここからは、演出の吉谷光太郎と、キャストのコメントをお届けする。

演出:吉谷光太郎
舞浜アンフィシアターだからこそできる、空間と機構をフルに使ったアトラクションのようなミュージカルです。
楽しい楽曲に包まれた物語がジェットコースターのように進みます。
そこにメインチームの歌とダンス、プロダンサーたちによるダンス、またアンサンブルが脇を固めるパフォーマンスで彩ります。アクションシーンも豊富で、ラストにはレビューショーも。あっという間の2時間のショーです。
難しい物語ではありませんので、誰でも楽しめる内容です。
ミュージカル「スタミュ」イチから絆を紡いできたteam柊メンバーだからこそできる息のあったパフォーマンスをぜひお楽しみください。

辰己琉唯 役:櫻井圭登 いろんな形に変わるセットで、景色も変わる。お客さんからの見え方も違ってくると思うので、そこをぜひ、毎シーン注目していただけたらな、と思います。
また、新曲は全体的に見て欲しいですね。それぞれペアで歌う曲も多いので、キャラクターの心情や感情も含めて。気持ちを込めながら歌っているので、その点も注目していただきたいです。
今回苦労した点は、やはり、歌です。ミュージカルとして、歌のクオリティを上げないと。前回よりも物語を深く掘り下げた内容なので、繊細に伝えないといけないことがたくさん増えて、それを歌の中でどう伝えるか、とすごく悩みました。

申渡栄吾 役:北川尚弥
前回よりもお話が深く掘り下げられていて、アトラクションのような演出になっています。芝居だけでなく、景色、演出など全体が見どころです。
ミュージカル「スタミュ」の本編とは違った一面を楽しんでいただけると思います。
キャラクター的にも掘り下げられているぶん、芝居を詰めていく機会があり、アルベールの心情であったり、葛藤している部分を表現するのが大変でした。あとは、自分が出ていないシーンでも物語が進んでいくので、そこの自分の心情や周りとの関係性を繋げていくのが、今回は大変でした。また、キャストが増えたぶん、殺陣などやることが増え、前回よりもスケールアップしたと感じました。体力的にも、こんなに疲れるのか!と(笑)。

戌峰誠士郎 役:丹澤誠二
オリジナルキャラが増えたことで、今まで見えていなかった伏線も描かれていて、より深く物語を楽しんでいただけると思います。
自分の見どころとしては、“ジョバンニ”はシリアスなシーンがあるので、今までは見えなかった“戌峰誠士郎”と違った一面を見ていただければと思います。

虎石和泉 役:高野 洸
前回の単独レビュー公演を経て、今回の本公演『Caribbean Groove』が完成しました。
セットの動きとか照明とか、舞浜アンフィシアターならではの迫力があって、ずっと絵が変わっていって、見飽きないと思います。
前回に比べ、お芝居の要素が増えて、取り組み方もそうですし、より繊細になるイメージがあるので、気持ちを上げていけたらと思います。新曲も増えて、僕らも新しいものをやるって気持ちでいるので、ドキドキしています。

卯川晶 役:星元裕月
舞浜アンフィシアターは普通の劇場と勝手が違うのでいろいろなことに気をつけなきゃいけないですが、それも楽しみながらやらせてもらっています。
アンリというキャラクターは若くて、13歳の役をやることはなかなかないので、アンリとの向き合い方を毎日考えながら過ごしてきました。アンリとアンリが大好きなブラッディロジャーの活躍を楽しんでいただければと思います。

ミュージカル「スタミュ」スピンオフ team柊単独公演『Caribbean Groove』

2019年5月30日(木)~6月2日(日)舞浜アンフィシアター

STORY
時は海賊黄金時代。
カリブ海にたなびく、真紅の海賊旗。
そのシンボルマークに因み、
彼らの通り名は“ブラッディ・ロジャー”
5人のリーダーが率いる、血染めの海賊。
そんな彼らには、誰にも知られていない秘密があった。

原作:ひなた凛
脚本:ハラダサヤカ
演出:吉谷光太郎
振付:ただこ、Jungo、U-SK
制作:パルコ、ポリゴンマジック
主催:ミュージカル「スタミュ」製作委員会

出演:

辰己琉唯 役:櫻井圭登
申渡栄吾 役:北川尚弥
戌峰誠士郎 役:丹澤誠二
虎石和泉 役:高野 洸
卯川 晶 役:星元裕月
ジョルジュ 役:春山 翔
アモルテ 役:森山晶之
ピエール 役:澤邊寧央


Jungo、U-SK、yuichimen、Que、YUTAROU、akira


仲田祥司、池田謙信、五十嵐胤人

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@star_mumu)