future×feature  vol. 24

Interview

期待の超新人・細田佳央太、主演を務めた映画『町田くんの世界』は「間違いなく自分の基盤になり続けていく作品」

期待の超新人・細田佳央太、主演を務めた映画『町田くんの世界』は「間違いなく自分の基盤になり続けていく作品」

映画『舟を編む』で日本アカデミー賞最優秀監督賞を最年少で受賞した石井裕也監督の最新作『町田くんの世界』。俳優であれば誰もが出演を願う監督が主演に選んだのは、演技経験がほとんどない、弱冠17歳の新人である細田佳央太。岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子という主役級の俳優陣が脇を固める本作で、底抜けに純粋で、全ての人に分け隔てなく優しい町田くんを見事に演じきった細田に話を聞いた。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 荻原大志


石井裕也監督が撮影前にしてくれるグータッチが撮影に入るスイッチ

石井監督の最新作の主演に抜擢された時の率直な感想からお伺いできますか?

主演に選んでいただけたことがほんっとに嬉しかったですが、1000人を超えるたくさんの中から選んでいただけたことにプレッシャーも感じました。

脇を固めるキャストがかなり豪華ですよね。

本当にびっくりしました。石井監督に「絶対手を抜くなよ。全力でやってくれないと困るから」と言っていただいていて。だから、プレッシャーや緊張もありましたけど、それに負けてる場合じゃないなって。逆に自分から食らいついていくくらいじゃないとって感じました。

町田くんという役柄についてはどう感じましたか?

町田くんは全人類を家族だと思うくらいに、みんなにやさしくて、みんなを愛してる。そんな素敵な子いないじゃん! って思ったんですけど、石井監督から“神様のような存在”っていうキーワードを頂いて。難しかったですが、石井監督のおかげで、町田くんを演じることができたと思います。

神様を演じるのも難しいですよね。ご自身との共通項みたいなものは見つかりましたか。

町田くんは問題に対して、本当に一生懸命正面からぶつかって解決しようっていう、本当にまっすぐな子で。僕も問題を抱えた時は逃げずに自分でできるかぎり正面からぶつかっていこうって思ってるので、そこは似てるのかなって思います。

撮影までの期間はどう過ごしましたか?

石井監督にいろいろ指導していただきました。あと、ロケハンや美術の打ち合わせにも連れていってくださって。役に近づけるきっかけにもなりましたし、そういう場所に呼んでいただけたことも嬉しかったです。そこでスタッフさんのすごい熱量を感じることもできましたし、自分もそれ以上に頑張らないとって思いました。

ヒロイン・猪原さん役の関水さんはどんな存在でしたか。

リハーサルの時はお互いにいっぱいいっぱいな部分があったんですけど、撮影に入ってからは、積極的に話しかけてくださって。本当に助けていただいたと思います。

最初におっしゃっていたプレッシャーはどこかで解けましたか?

リハーサルをしていくにつれ、緊張やプレッシャーよりも、早く撮影したいっていう気持ちのほうが上回って。プレッシャーがなくなったわけではないと思うんですけど、自信も少しづつついていった部分もありますし、気にしなくはなりました。

では撮影に入った時のことは憶えていますか。

ここまで一生懸命になれたことは、今までなかったので、撮影が本当に楽しかったです。1ヵ月あっという間だったんですけど、1日1日が濃くて、今でも忘れられないです。

いま、目の前で充足も感じる満面の笑顔をされています。本当に心から楽しかったんですね。

もちろん、出来ないこともが多かったですし、石井監督の要望に応えることができないっていうのが本当に悔しくて。それでもやっぱり、できた時は嬉しかったです。演じることが楽しいっていう気持ちのほうが上回った感じですね。

監督から言われて憶えていることはありますか。

「絶対に手を抜くな」っていうのはずっと心の中にありました。一番印象に残っているのは、一日の始まりに石井監督としていたグータッチです。クランクインの時は石井監督が『よろしく』って言って拳を出してくださって。最初はびっくりして、「え、いいんですか?」みたいな(笑)。撮るぞって、毎回撮影が始まる時のスイッチにもなりました。本当に嬉しかったです。

“恋”と“大切な人”の違いはまだわからないけど、気づいたらしてるのが“恋”かな。

町田くんは恋と、他の大切な人と何が違うのかってずっと考えてきましたけど、細田さん自身はどう思います?

正直まだわからないですね(笑)。だけど、映画の中で、西野くん(太賀)が町田くんに言ってた『魔法がかかるみたいに、爆発した瞬間に恋になる』っていうセリフは、そのとおりだなって思いました。言葉にして説明はできないと思うんです。西野くんが言ったように、爆発するみたいに、気づいたら恋していたっていうものなんじゃないかな。

町田くんは猪原さんのことを考えすぎるあまり、周りが見えなくなっていきます。ご自身はそのくらい夢中になっちゃうものってあります?

作品の中に入ったら夢中になっちゃいますね。考え事をしてると、周りの人の声とかが聞こえなくなってしまうタイプ。普段の生活の中ではあんまりないですけど、作品に入ったらそうなってしまいますね。

本当に演じるのが好きなんですね。お芝居の魅力って何ですか。

やっぱり思い通りに演じられた時の喜びが大きいです。体力的にもキツいこともありますが、楽しいなって思えたことのほうが多くて。一生懸命になれたからこそ楽しいんだと思います。

撮影の中でとくに印象に残っている出来事はありますか。

バス停で、吉高さん(池松壮亮)と混乱しながらも本音をぶつけ合うシーンがすごく好きなんです。台本を読んだ時から、楽しそう! 早くやりたい! っていうふうに思ったくらい撮影を楽しみにしていて。実際に撮影した時も、ずっとニヤニヤしていたくらい本当に印象に残っています。

ほかのキャストの方々はどうでしたか。

撮影中、自分のことでいっぱいいっぱいだった僕に、太賀さんや岩田さんが『どう? 楽しい?』って声をかけてくださって、ずっと張りつめてた緊張の糸をほぐしてくださいました。嬉しかったです。

太賀さんに後ろからハグされるシーンはジンときました。

僕もです! された時は、ちょっと混乱しましたけど(笑)、その日の撮影が終わって、家に帰ってる時、<あ、やばい……>って思い出して(笑)。友情を強く感じて、普通だったら泣くんじゃないかなっていうくらい感動しました。

町田くんは家族とのシーンもありました。

お母さんがこのストーリーの中ですべてを悟ってるポジションでもあり、お父さんからは、自分が気になった本当に突き止めたい問題は、絶対に解決させたいっていう真っ直ぐさみたいなものを感じて。同級生と学校で演技するのとはまた違いました。

どんな違いを感じてましたか。

町田くんにとって、学校は普段の生活なんですけど、お父さんお母さんの言葉だけは世界が違ったのかなって。『この世界はわからないことがあるから楽しいし、美しいんだ。わからないことから目を背けちゃダメだ』っていうお父さんの言葉は自分にも刺さった台詞でした。

観客としても「考えろ」って言われてる感じがしました。

わからないことは恥ずかしいことじゃないんだよって。その台詞は本当に印象的でした。

猪原さんとの2人のシーンで印象に残ってるのは?

初めて2人で本音をぶつけ合う、河原で走ってるシーンです。楽しかったですし、2人の掛け合いのシーンでは一番印象的だなって。

関水さんもそこで自分のリミッターが外れたっておっしゃってました。

たぶんそれだけ役のことで頭がいっぱいだったんだろうなって思います。一生懸命にお互いの本音をぶつけ合ってるのが素敵だなって思ったので、そこはすごく印象に残ってますね。

2人にとっては河原だったりプールはどういう場所だととらえていましたか?

特別な場所なのかなって感じました。猪原さんだけの世界に町田くんが入っていくわけですよね。町田くんが、猪原さんの考え方も、世界も変えた、それだけの重要な場所なんです。河原も特別な世界ですよね。2人が本音ぶつけ合ったり、その2つはほかの場所とは違う、特別な世界ですよね。

そうですね。2人しか入れない秘密の空間のように見えました。もうひとつ、「なぜ恋をするのか?」っていうのもテーマについてもお伺いできますか?

難しい! 好きな人ができた瞬間、その人のためにも一生懸命になれる。誰かのために何かをする。人が一生懸命になれる理由が欲しいんですかね、どこかに。まだ、わかんないですね(笑)。

観客ひとりひとりもその答えを考えながら観ると思います。細田さん自身は完成した作品を見てどう感じましたか?

本当に素敵な作品です。自分が抱えた問題に、正面からみんながぶつかり合って、一生懸命に答えを出そうとする。そういう姿勢が本当に素敵だなって。今、僕の周りでも一生懸命になることが恥ずかしかったり、わからないことを聞くのが恥ずかしいという子が多いので。わからないことは恥ずかしいことじゃないし、一生懸命になることはダサいことじゃない。むしろ素敵なことなんだなって感じてもらえたらいいなと思います。町田くんは、周りの人の世界観すら変えてしまう影響力があると思う。町田くんを見て、少しでも、正面から向き合おうとか、人にやさしくしてみようとか、そういうふうに温かい気持ちになっていただけたら本当に嬉しいです。

主演作としてこれから公開されることに関してはどう感じてますか。

間違いなく自分の基盤になり続けていく作品ですし、役者として迷った時には戻ってこられるような作品になると思います。町田くんを機にどんどんステップアップしていけたらなって思います。

町田くんはまだご自身の中に残ってますか? 

普段意識はしないですけど、絶対に自分の心のどこかに町田くんの存在は残っていると思います。あまり意識してないところでも、もしかしたら町田くんの性格や動きが働いてたりするんじゃないかなって(笑)、残ってて欲しいなって思ってます。

今後はどう考えていますか?

この作品で学べたことが本当に多かったので、そこは今後に全部生かしていきたいです。映画でもドラマでも舞台でもできることは全部やりたいですね!

理想の役者像というのはありますか?

あんまり考えないようにしてます。尊敬とか憧れとか、目標を立てちゃうと、そこが限界になる気がしていて。その人を抜かすくらいの気持ちが目標なのかなって。あまり理想や目標は考えないようにしてますし、やりたいものもしぼらないで、いろんなことに挑戦していきたいって思ってます。

ヒロイン・猪原さん役
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2019.06.04


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細田佳央太

2001年、東京都生まれ。小学2年生の時に芸能界に入る。現在放送中のWOWOW連続ドラマW『悪党~加害者追跡調査~』に、主人公の少年期役として出演中。映画『町田くんの世界』で1000人以上の中からオーディションで主人公・町田一役に選ばれ、映画初主演を果たす。

オフィシャルサイト
http://artist.amuse.co.jp/artist/hosoda_kanata/

オフィシャルTwitter
@KanataHosoda

フォトギャラリー

映画『町田くんの世界』

6月7日(金)全国公開

監督・脚本:石井裕也
脚本:片岡 翔
音楽:河野丈洋
企画・プロデュース:北島直明
原作:安藤ゆき「町田くんの世界」(集英社マーガレットコミックス刊)
出演:細田佳央太、関水 渚、岩田剛典、高畑充希/前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子
©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

『町田くんの世界』原作

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