Interview

恒松祐里、映画『凪待ち』で共演した主演・香取慎吾の飾らない姿に感銘。「自然体でいることの大切さを学んだ」

恒松祐里、映画『凪待ち』で共演した主演・香取慎吾の飾らない姿に感銘。「自然体でいることの大切さを学んだ」

映画『凶悪』『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』など、日本映画界をけん引する白石和彌監督が、香取慎吾とタッグを組んだヒューマンサスペンス『凪待ち』がいよいよ6月28日(金)に全国公開される。

ギャンブルにハマりふらふらと生きてきた男・郁男(香取慎吾)が、恋人の亜弓(西田尚美)と、その娘の美波(恒松祐里)と共に、亜弓の故郷である宮城県石巻で再出発をはかるが、ある夜、亜弓が何者かに殺される……。

エンタメステーションでは、美波役を演じた恒松祐里に取材。今年は本作公開後も『いちごの唄』『アイネクライネナハトムジーク』『殺さない彼と死なない彼女』『酔うと化け物になる父がつらい』と注目作が続き、勢いに乗る恒松が、「人としてかっこいい」と感じた香取慎吾の姿について語ってくれた。

取材・文・撮影 / 望月ふみ


すごくパワーに満ちていて、居心地がよかったです。

映画『凪待ち』 恒松祐里 エンタメステーションインタビュー

白石監督とは、以前、雑誌の企画でお仕事しているそうですね。

白石監督がストーリーを考えて、それに合わせて服を着て写真を撮るというものでした。写真とともにストーリーが書いてあるので、写真だけれど、お芝居のような気持ちを作りながら撮っていったんです。

そのとき監督が素晴らしい才能だと思われて、今回に繋がったと。

有難いことです。今回の美波に関しては、「脚本で読んでいただいた通りです。明るさも持っている役なので、等身大の恒松さんで演じてください」と言われました。

美波をどんな女の子だと感じましたか?

撮影をしたとき、私は19歳だったのですが、美波は15歳の高校1年生で、考えていることや言動に思春期ならではのところがあると思いました。突発的だったりするところに、幼さも感じました。でも自分自身もそうした時期があったなと思い出しながら演じました。

映画『凪待ち』恒松祐里

白石監督の映画の現場はいかがでしたか?

すごく楽しくて熱量に溢れていました。監督は楽しみながら笑顔で作品を撮っていくんです。「今のいいっすね~」「あ、それ採用で」みたいな感じで。スタッフさんも監督の熱量に押されて負けじとああしようこうしようと色んな声が飛び交っていって、すごくパワーに満ちていて、居心地がよかったです。カメラワークとの相性を粘るということはありましたが、基本的にスムーズに進んでいきました。

香取さんは、ロケ先でも自然体。隣のお家でご飯を食べてきちゃう!

映画『凪待ち』恒松祐里 映画『凪待ち』 恒松祐里 エンタメステーションインタビュー

香取慎吾さんとの共演でした。

リハーサル期間などはなかったので、石巻でのロケのためにみんなで泊まったホテルのロビーで初めてお会いしました。そのときはご挨拶程度だったので、あとは現場に入ってからでした。

香取さんの演じた郁男は普段の香取さんとは全く違い、笑わずに追い込まれていく役ですが、現場での香取さんはいかがでしたか?

私も本編を観てビックリしたんです。「こんなに怖い表情をされていたんだ!」って。郁男は美波の前ではどちらかというと普段の香取さんに近い、優しい表情でいたので、私は香取さんというか、郁男が苦悩していたり、眉間にしわを寄せているところはあまり見ていなかったんです。香取さんも美波とのシーンは心安らげる場所だったとおっしゃっていて。なので私とのシーンでは、カメラの外の普段の香取さんはもちろん、常に優しくて楽しかったです。

映画『凪待ち』香取慎吾

カメラの外ではどんなお話を?

ちょうど香取さんがルーブル美術館で個展をされるときだったこともあり、美術のお話をたくさんしました。絵を描いてらっしゃるときの心境などを話してくださって。あと現場でも紙とペンを持っていらして、絵を描いてたんです。なんだろうと思ってのぞき込んで、「ヒマワリですか?」と聞いたら、「いや、何を書いているのか、自分でも分からないんだけど。ヒマワリに見える?」って優しく返してくださいました。

近づきがたいといった雰囲気は。

全然なかったです。スタッフさんにも分け隔てなく、すごく自然体に接していました。それこそ、キャスト、スタッフどころか、地元の方にもそうでした。石巻での家の撮影をしていたときに、近くに住んでらっしゃる方のお家に行って、「夜ご飯、うに食べてきた~」とか言って戻ってこられたり(笑)。

映画『凪待ち』恒松祐里 映画『凪待ち』 恒松祐里 エンタメステーションインタビュー

香取さん、おひとりで?

おひとりです(笑)。空き時間にお話して仲良くなっていたみたいで、「おじゃましま~っす」って入っていっちゃうんです(笑)。香取さんと一緒にお仕事をさせていただいて、人として自然体でいることの大切さをとても感じましたし、飾らない、かっこつけない、ありのままの自分でいるということのすごさを感じました。かっこいいです。

本作で恒松さんが新しく挑戦できたと感じたところを教えてください。

お母さんのお葬式のシーンです。西田尚美さんともすごく仲良くさせていただいたのですが、お葬式の場面では、きっと悲しくて泣くんだろうと思ってたんです。でも実際には楽しいことを思い出して泣けてきたんです。昔から感情を出すお芝居があまり得意ではなかったのですが、最近『虹色デイズ』という作品で感情を吐き出すコツをつかめてきていました。でもコントロールできていない状態だったのですが、『凪待ち』では、感情を出しつつ、コントロールもできていたと思います。それが挑戦というか、成長だったかなと思います。

映画『凪待ち』

最後に完成作をご覧になった感想を教えてください。

1回目は自分のお芝居が気になってしまったので、2回観ました。すごく人間くさい映画だなと思います。白石監督が描く、人間のいい面も悪い面も出ていて、みんながキャラクター化していなくて、ちゃんと生きている。特に香取さん演じる郁男がどん底に落ちていく姿には……魅了されました。

想像以上に落ちていきますよね。

そうなんです。しかも体の大きな香取さんが演じるので、ゴロゴロゴロ!って感じで。表情もすごく響きましたし、吉澤 健さんが演じるおじいちゃんとの絆には、本当にグッとくるものがありました。ひとりの男の姿をすごく丁寧に描いていて、とても心に残る作品だと思います。

メイク / 横山雷志郎
スタイリスト / 杉浦 優
Dress / 45,000円(Mhairi)


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恒松祐里

1998年、東京都生まれ。主な出演作にTVドラマ『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(15/CX)『もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜』(18/NTV)『覚悟はいいかそこの女子。』(18/MBS)、映画『くちびるに歌を』(15)『散歩する侵略者』(17)『虹色デイズ』(18)などがある。2019年は、本作のほか、TVドラマ『都立水商! 〜令和〜』(MBS)に出演中。出演映画『いちごの唄』(7月5日公開)『アイネクライネナハトムジーク』(9月20日公開) 『殺さない彼と死なない彼女』(今秋公開予定)『酔うと化け物になる父がつらい』(19年公開予定)の公開が控えている。

オフィシャルサイト
http://artist.amuse.co.jp/artist/tsunematsu_yuri/

オフィシャルTwitter
@Yuri_Tsunematsu

オフィシャルInstagram
@yuri_tune

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映画『凪待ち』

6月28日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー

映画『凪待ち』

【STORY】
毎日をふらふらと無為に過ごしていた郁男は、恋人の亜弓とその娘・美波と共に彼女の故郷、石巻で再出発しようとする。少しずつ平穏を取り戻しつつあるかのように見えた暮らしだったが、小さな綻びが積み重なり、やがて取り返しのつかないことが起きてしまう―。ある夜、亜弓から激しく罵られた郁男は、亜弓を車から下ろしてしまう。そのあと、亜弓は何者かに殺害された。恋人を殺された挙句、同僚からも疑われる郁男。次々と襲い掛かる絶望的な状況を変えるために、郁男はギャンブルに手をだしてしまう。

主演:香取慎吾、恒松祐里、西田尚美、吉澤 健、音尾琢真、リリー・フランキー
監督:白石和彌
脚本:加藤正人
製作:キノシタ・マネージメント
配給:キノフィルムズ
©2018「凪待ち」FILM PARTNERS

オフィシャルサイト
http://nagimachi.com/