Interview

財木琢磨&古田一紀が箏の生演奏に挑戦する舞台『この音とまれ!』。絶賛特訓中の今の腕前を聞いてみた──

財木琢磨&古田一紀が箏の生演奏に挑戦する舞台『この音とまれ!』。絶賛特訓中の今の腕前を聞いてみた──

『ジャンプSQ.』(集英社)にて連載中、今年4月よりTVアニメも放送がスタートした、廃部寸前だった高校の箏曲部を舞台にした青春ストーリー『この音とまれ!』が8月に舞台化を迎える。この物語で高校1年生の主人公・久遠 愛(くどお ちか)を財木琢磨が、高校2年生の箏曲部の部長・倉田武蔵(くらた たけぞう)を古田一紀が演じる。
ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンで手塚国光と越前リョーマという役柄で一緒に舞台に立って以来の共演となるふたり。さらに今作で注目を集めるのが、劇中でキャストが披露する箏(こと)の生演奏。「苦戦しているけど楽しい」と言う、その箏の稽古について、また自身の部活動の経験について話を聞いた。撮影時、古田が「めちゃくちゃ盛れてる!」とテンションが上がっていた撮り下ろし写真とともに、ふたりの会話を楽しんで欲しい。

取材・文 / 能一ナオ 撮影 / 冨田望


みんなが同じレベルに立つ作業をしないといけない

まず、原作を読んだ印象から教えてください。

財木琢磨 今までこういった音楽をモチーフにした漫画を読んだことがなかったんですけど、すごく絵もキレイでお話も面白くて、1巻から惹き込まれました。姉もめちゃくちゃ面白いと言っていて、両親も全巻買ってハマっていると言っていました(笑)。

古田一紀 読んだらとても好きな作品になったので、だからこそ頑張らないといけないな、と改めて今、思っています。

舞台『この音とまれ!』財木琢磨 エンタメステーションインタビュー

財木琢磨

演じられるキャラクターが、久遠 愛、倉田武蔵に決まったと聞いて、どう感じられましたか?

財木 率直に(古田と)またこうやって共演できるというのが嬉しいです。ミュージカル『テニスの王子様』では、部長と天才ルーキーという関係だったんですが、今回はメガネも一紀がかけていたり、あのときとは配役が逆のような感じで。僕らも嬉しいですし、あの当時のファンも今回の関係性を面白いと感じてくれているだろうな、と思っています。

古田 自分が武蔵に決まったときに、やっぱり愛が誰かというのはとても気になっていたところで。全然知らない人だったらどうしようと思っていたので、ホッとしました。

舞台『この音とまれ!』古田一紀 エンタメステーションインタビュー

古田一紀

今作では愛が後輩で、武蔵は先輩の部長。その配役についてはどう思いましたか?

財木 どうなんだろうな……実際にやってみないと想像がつかないので、稽古の初日が楽しみです。芝居のことに関しては、どう思っているかなど素直に言い合える関係性なので、ありがたいです。

古田 部長という立ち位置でお芝居をすることは初めてではないので、そこへの不安はないです。ただ、登場人物の学生組の中では僕が1学年上なんですけど、実際は、みんな年上なんですよね。だから、どう見えるんだろうなって。やっぱり中高生の頃の1学年上の先輩ってすごい先輩に感じるじゃないですか。どうやったらそれが不自然じゃなく見えるのかなとは考えています。

財木 部活の中で“仲間”という感じでみんなひとつの目標を目指してやっているので、そういった見せ方の差も大事ですけど、同時に一体感も大事にしていかなければいけないと思っています。それこそ、みんなで箏の稽古をやっているので、芝居でもそうですけど、楽器を練習するところでも仲が深まると思うので、早く個人の差を埋めていって、みんなが同じレベルに立つ作業をしないといけないな、と思っています。とにかくやることがたくさんありますね。

舞台『この音とまれ!』財木琢磨 古田一紀 エンタメステーションインタビュー

音が重なった瞬間を見つけると、本当に楽しい

すでに箏の稽古に入っていて、公式サイトにも動画がアップされていますね。

古田 2月の下旬くらいに稽古に入って、5月は結構やりましたね。

実際に箏に触れてみていかがですか?

財木 僕は今回が初めてで。そもそも楽譜も読めないレベルだったので、もうちょっと音楽の基礎知識を学んでおけばよかったなと思いました(笑)。でも、稽古は楽しいです。家でひとりで練習するのと先生のところに行って練習するのとでは全然違って、ギュッと濃い練習ができるので、純粋にすごく楽しい。指とか痛かったりもするんですけど、それもどうでも良くなるくらい楽しいと感じています。今でさえこれだけ楽しいので、もっと弾けるようになったら、どれくらい楽しいんだろう、と思いますね。

古田 僕は中学と大学で箏の授業があったので、初めてではなかったんですけど、基本的なことしかやっていなかったので、もう違う楽器を弾いているような感覚で。最初は本当に「これはできない」と思いました。あまりにもできなかったんで「この舞台出演の話がなくなるんじゃないか」と思ったくらい(笑)。ただ、稽古を続けていたら結構できるようになってきました。

古田さんご自身が「全然できない」と思っていた頃、周りや講師の方からはなんと言われましたか?

古田 「覚えるのが早い」とは言われました。でも、自分的には全然ダメで(苦笑)。

財木 一緒に練習をしていますけど、僕から見たら全然できているし、僕は一紀の音を聴くようにしていますね。同じようなメロディーを弾いている箇所もあるので、一紀の音を聴いてテンポやリズムを覚えていこうと思って。僕、メトロノームの聴き方とかもわからないから、リズムの合わせ方がわからないんですよ(笑)。だから、自分のスピードやテンポでしか練習できていないので、早く合奏して、まだまだ練習を重ねないといけないな、と思っています。

舞台『この音とまれ!』財木琢磨 古田一紀 エンタメステーションインタビュー

舞台上で生演奏はすごいですよね。今回キャストさんが実際に演奏すると知ってビックリしました。

古田 本当にかぶせなしの生演奏ですから。

「龍星群」という楽曲も難しいですよね……?

財木古田 難しいです。

古田 初心者でも演奏できるギリギリのラインの曲だと思うんですよね。めちゃくちゃ頑張って練習すればできるようになるけど、頑張らなければ絶対にできない。そんなレベルの難しさがあって。頑張ればきっとできるということを練習していて感じます。

財木 まだ全員での合奏はできていないんですけど、ひとりでやっているより、何人かで音が重なった瞬間を見つけると、やっていて本当に楽しいし、曲を演奏していることへの興奮があります。改めて「龍星群」がすごく良い曲だなと感じます。

舞台『この音とまれ!』財木琢磨 古田一紀 エンタメステーションインタビュー

現段階で合わせてみて、みなさんと音は合いますか?

財木 これが、合わない!(笑)今はまだ、一紀とかできる組との差ができているんですよね。自分もできてると思って、いざ演奏に入ってみると「おやおや?」みたいな(笑)。

古田 もちろん、みんなができるところはできているんです。けれど、一番練習しないといけない難しいところを落としているというか……簡単なところはみんなできるんですよ、簡単だからこそみんな練習もするし。でも、難しいところはクリアできないから何度も練習をしたくなくなってしまう。だからなかなかうまくならない。

武蔵とは違いますが、部長っぽいご意見です(笑)。

古田 僕は、どんな役のときもこの立ち位置です(笑)。

財木 一紀スタイルですね。懐かしいな~(笑)。

古田 本当に早く全員で音を合わせたいですね。

財木 はい! 頑張ってついていきます(笑)。

古田 合うと本当に楽しいんですよ。「ここは一緒に合わせよう」とか「ここはテンポを誰についていく」とか曲中の合うポイントを全員で共有できるようになると、もっと楽しいと思うんです。道のりはまだまだですが、早くできるようになりたいなと思います。

「これだけ練習したんだから余裕だろ!」と思って臨みたい

練習時間は限られていますし、本番はきっと緊張しますよね……。

古田 怖いですね。絶対に緊張するじゃないですか。だから、本番になったときに、たとえ芝居は緊張したとしても、箏の演奏だけは「これだけ練習したんだから余裕だろ!」と思って臨みたいんです。先生の前で弾いていてもわかったんですけど、箏ってちょっと緊張するだけで全然音が出なくなるんですね。だからそのためにも、早い段階で完成させて、余裕をもって本番に挑めるようにしたいんですけど……。

特に箏は指で弦を弾くので、手の震えなどの影響が大きそうです。

古田 そうですね。音が出ないというか、音が転ぶんです。

財木 肩にグッと力が入ってもダメですね。先生からは弾くときに力はいらないと言われましたから。

古田 やっぱり演奏をきちんとやり遂げたいという気持ちが強いので、自分の尻も周りの尻もぶっ叩きながら、間に合うようにみんなでつくり上げたいです。

財木 一紀がどれだけ周りを叩くかも見モノです(笑)。

古田 ケツを叩くって、やっぱり自分ができていないと言えないじゃないですか。自分もまだ完璧にはほど遠いんですけど、ちょっと先んじている身として、引っ張っていくということではなくて、このくらいやらないとダメなんだよ、というのを自分から見せられたらいいですね。

財木さんは、お尻を叩かれる身としてはいかがですか?

財木 僕はそうされるほうが身が入るタイプかも(笑)。なかなか自分自身を追い込んで厳しい環境に持っていくって難しいじゃないですか。自分ではこれくらいやっているから十分だろうなと思っていても、人から見たら不十分なこともあって。そうやって人に気づかされたり、助けられることも多いので、とにかく頑張ります(笑)。

舞台『この音とまれ!』財木琢磨 古田一紀 エンタメステーションインタビュー

今作をきっかけに、箏に興味を持つようになりましたか?

財木 最初に「龍星群」を聴いたときの印象は、音がいっぱいありすぎて、正直すごさがわからなかったんです。ただ、自分で弾いてみて、音もちゃんと聴こえるようになってきて、箏のカッコよさだったり、龍をモチーフにしてつくられているという箏の歴史や、それこそ、僕の地元の久留米が箏が盛んだという話も聞いて、知れば知るほど面白いなと思っています。

古田 僕は箏の音色が好きで、「龍星群」だけじゃなく、『この音とまれ!』の他の楽曲も移動中などに聴きますね。音楽として素敵だなと思うから。その中で、自分でやれるかと言われたらまだ難しいですけど、「久遠」は好きですね。

1 2 >