モリコメンド 一本釣り  vol. 124

Column

kolme 新曲「Up all night」をドロップ。世界を視野に、進化し続けるセルフプロデュース型ユニット

kolme 新曲「Up all night」をドロップ。世界を視野に、進化し続けるセルフプロデュース型ユニット

全世界が注目しているBillie Eilishに象徴されるように、現代の女性アーティストにとって、“セルフプロデュース”というワードはきわめて重要だ。楽曲制作、ダンスパフォーマンス、ステージングからファッション、発言まで、そのアーティスト自身がどんな動機を持ち、どのような表現に向かおうとしているのかが明確に伝わらないと、SNSネイティブであるリスナーにはおそらく響かない。少しでも“作られている感”“やらされている感”が出てしまうと、(特に女性リスナーは)心が離れていまうのではないだろうか。

RUUNA、MIMORI、KOUMIによるkolmeは、メンバー自身がクリエイト、発信できる(日本では)かなりレアなユニットだ。作詞をメンバー全員、作曲は主にMINORI、振り付けは主にKOUMIが担当。リーダーであるRUUNAは、グループ全体をまとめ、牽引する役割を担っている。2014年に仙台発のガールズDorothy Little Happyの派生グループ“callme”として活動をスタートさせた3人は、2015年に1stシングル「To Shine」でメジャーデビュー。エレクトロ〜ハウスミュージックを融合させたトラック、鮮烈なピアノのフレーズを活かしたアレンジ、切なさと華やかさを同時に放つメロディがひとつになったこの曲は、ダンス・ボーカル・グループとしての魅力を示すと同時に、クリエイターとしての3人のポテンシャルの高さを感じさせた。(モンドリアンルックに身を包んだメンバーのパフォーマンスを軸にしたMVも秀逸だった)

同年10月に1stアルバム『Who is callme?』、翌年には『This is callme』発売と順調に活動を重ねていた彼女たちの転機は、2018年7月にフランスで開催された「JapanEXPO」への出演。結成当初から海外でのライブ活動を視野に入れていた3人にとってまさに念願のステージだったわけだが、日本のカルチャーをリスペクトする現地のオーディエンスにアピールできたことは、彼女たちに確かな手ごたえを与えると同時に、海外進出へのモチベーションを大きく上げたはずだ。

実際、初の海外ライブの後、彼女たちの状況は少しずつ動き始める。まずはユニット・ネームを“kolme”に改名(読み方は“コールミー”のまま)。“kolme”はフィンランド語で“3”の意味を持つ数詞で、メンバーの“KO”UMI、“RU”UNA、“MI”MORIの頭文字の読みを活かした名称。改名を発表した際にRUUNAは「今後、海外進出を見据えた改名になります。完全に前向きな改名です」と明言。海外への意思を新ためて示した。

2019年1月には改名後、初めてのフルアルバム『Hello kolme』をリリース。音楽サブスクリプションサービスで先行配信された「Why not me」「The liar」「Tie me down」を含む本作は、最新鋭のダンスミュージックに独創的なアイデアを加え、ワールドワイドに通じるポップへの昇華した充実作。それを象徴する曲に一つが、「No need to rush」。レゲエ、R&B、ハウスなどが混ざり合うエキゾチックなトラック、しなやかなグルーヴを生み出すメロディとハーモニー、英語詞のリリックを含め、kolmeの新たな表現を体感できるナンバーと言えるだろう。

2019年に入ってからもまったく活動のペースは落ちず、刺激的な作品を発表し続けている。まず3月には代表曲の一つである「Hello No Buddy」の日本語バージョン、英語バージョンと、Aiobahn、DE DE MOUSEなど5名のクリエイターのリミックスを収めた「Hello No Buddy Remix」をリリース。さらに4月には“新生活”をテーマにした「Brand new days」、“頑張った自分をしっかり褒めて新しい空気を入れて考え直してみない?”というメッセージが伝わる「Deep breath」を配信リリースした。

6月17日には今年3曲目の新曲「Up all night」をドロップ。“変わることを恐れないで / 過去の私に Goodbye”というラインから始まるこの曲は、エレクトロの進化型とも言えるフロアライクなサウンドとフェミニンな雰囲気のメロディを軸にしたナンバー。ダンスミュージックとしての高い機能と幅広い層のリスナーに響くポップネスのバランスはまさにkolomeの真骨頂であり、その音楽性が継続的に進化していることを告げる楽曲だと思う。

今年2月にフランス南部マルセイユ(Marseille)で開催された「Japan Expo Sud 」に出演、2度目の海外公演を成功させたkolmeはこの夏、全国ツアー「Super Ultra kolme tour 2019」を開催。今年リリースされた新曲を中心にした今回のツアーで彼女たちは、さらにアップデートされたサウンド、ボーカル、ラップ、パフォーマンス、ファッションをしっかりとプレゼンしてくれるはず。“日本発・完全セルフプロデュース型ガールズユニット”として世界を視野に入れている3人の新たなアクションをぜひ体感してほしい。

文 / 森朋之

その他のkolmeの作品はこちらへ。

オフィシャルサイト
https://avex.jp/kolme/

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