Interview

映画『Diner ダイナー』玉城ティナ、蜷川実花監督作の新ミューズとしての覚悟

映画『Diner ダイナー』玉城ティナ、蜷川実花監督作の新ミューズとしての覚悟

蜷川実花監督にとって、3作目にして初の男性主人公で、初のバイオレンスアクションという挑戦作『Diner ダイナー』のヒロインを務める玉城ティナ。彼女が演じるのは、元殺し屋の天才シェフ・ボンベロ(藤原竜也)や全身傷だらけのスキン(窪田正孝)、見た目は子供だが残忍なキッド(本郷奏多)など、強烈なキャラクターが集結する殺し屋専用のダイナーに売られ、ウェイトレスとして働くことになった平凡な女、カナコ。蜷川監督が「彼女となら心中してもいい」というコメントを残すほどの絶対的な信頼を置かれている彼女に、蜷川作品の新たなミューズに選ばれた心境から話を聞いた。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 荻原大志


自分の力を出しきらせる、蜷川さんの言葉の強さに惹かれた。

玉城ティナ エンタメステーションインタビュー

まず、蜷川監督の最新作『Diner ダイナー』のヒロインとしてのオファーを受けた時の心境から聞かせてください。

蜷川監督はその時代の女の子像を象徴する作品を撮る方だなと思っていたので、今、この2019年に新しい映画のヒロインとして私を選んでいただけたことは光栄だなと感じました。もちろん、歴代のヒロインはすごい方々ばかりなので、そこに加わるのは覚悟がいりますし、私にできるのかという不安もあったんですけど、蜷川監督が私を選んでくれたことが素直に嬉しかったです。蜷川作品の一員になれるということにすごく興奮しました。

ファッションシューティングでは以前からお仕事をされてますよね。

デビュー直後の14歳くらいの頃から、ずっと撮ってもらっていました。だから、フォトグラファーとモデルという形では何度もご一緒したことはあるんですけど、映像作品で、1ヶ月半という時間を蜷川さんと一緒に過ごせることは、私にとって、とても貴重な経験でした。

蜷川さんは「彼女となら心中してもいい」っていう言葉を残してますよね。

蜷川監督との対談でも、何回か蜷川さんの口から直接、聞く機会があって。その言葉を聞くたびにすごく責任感が湧くというか……。プライベートでもそんなに強い言葉をかけられたことがないので。自分の力を出しきらせる、蜷川さんの言葉の強さに惹かれましたし、撮影が始まる前にそんな風に言っていただけてホッとしたっていうのもありました。撮影中はもちろん、今も自分の大事な場所にある言葉になっています。現場ではシーンに入る前に監督がハグしてくれたことがあって。その重みを受け止めて、ちゃんと返さないとなと思っていたし、クランクアップの時は、私も蜷川監督も泣いてしまって。そういう風に監督と信頼関係を築けて、この映画を作れたということをすごく誇りに思っています。

玉城ティナ エンタメステーションインタビュー

少し話は戻りますが、脚本を受け取った時はどう感じました?

最初に原作を読んだんですけど、これまでに読んだことのないジャンルの小説だったので、すごく衝撃を受けました。残酷な描写がある一方で、相反するようで通じる部分のある食事がクローズアップされていて。食べることと生きること、それに命を軽く扱う殺し屋たち……。極限状態になっている人間の心理描写も含めて、どこか別世界に行ったような感覚を受けました。その上で、今回の映画版『Diner ダイナー』は、原作の良さを引き継いだまま、新しく再構築したものだと思っていて。そこでその発言をするんだ! っていう気の強さだったり、挑戦的な態度は強さみたいなものは引き継いでいってたんですけど、映画の方がより弱さを感じると思うんですね。そこは台本を読んで、自分なりに新たなカナコ像を作っていきました。

役作りはどのようにされたんですか?

答えは全部脚本の中にあると思ったので、何回も読み直しました。

映画『Diner ダイナー』

蜷川さんは当て書きした部分もあるとおっしゃってました。

二人で話す時間を設けていただいて、私のパーソナルな部分も話しましたし、私とカナコのキャラクターを蜷川さんの頭の中で混ぜてもらって。ただ、出来上がった時に、「私、こんなに寂しそうかな」って思いました(笑)。

あはは。具体的にはどこか使われてるなって思うところはあります?

それは秘密です(笑)。映画を観て、どこかな? って探してみてください。基本的には、14歳から仕事をしていて、今に至る過程をいろいろとお話しました。

では、心情的にご自身で重なると思う部分はありますか?

カナコほど塞ぎ込むことはなかったけど、少なからず卑屈になってしまう部分は持っていて。例えば<誰にも必要とされていないんじゃないか?>って考えてしまったり、どうしても他人任せにしてしまう時期というのは、私だけではなく、誰しも経験があるんじゃないかと思います。

映画『Diner ダイナー』

幼少期に母親に捨てられたことから自分の存在理由を疑い続けてきたカナコは、ボンベロに「きちんと自分と向き合え」と叱責され、自分の居場所や本当に自分がやりたいことを見つけていきますよね。

うん、うん。私も常に悩んでるタイプではあるんですけど、カナコとしてこの作品に携われたということが1つの存在理由で、居場所でもあったのかなって思います。そうやって、作品ごとに居場所が見つかって、また転々としていく役者という仕事が面白いなと思っていて。カナコのように、自分の人生を誰かのせいにしたり、自分自身を誰かに託したくなることはあると思うけど、カナコは他人任せのようで、ダイナーに入ったことで自ら環境を変えていった。この作品を通して、自分を変えられるのは自分だけなんだっていうメッセージも伝わるといいなと思います。

殺されてもいいくらいの気持ちで頑張りたいと思った。

玉城ティナ エンタメステーションインタビュー

ボンベロ役の藤原さんとの共演はいかがでした?

最初は、藤原さんをはじめ、この濃いキャラクターたちの中でやっていけるのかというプレッシャーや心細さがあったんですけど、途中で、それはカナコの気持ちと同じだと気づいて。だから、私自身もカナコと同じく、このダイナーに迷い込んだような気持ちで役柄を全うできたらと思ってました。不安とか興奮を隠すことなく、自分の感情に嘘をつかずに最後までやり切れたなと思います。

特に大変だったシーンはありますか?

水をかぶったり、吊るされたり、突き飛ばされたり、いろいろあったんですけど(笑)、それは大変だとは感じてなくて。蜷川さんが心中してもいいって仰るなら、私は殺されてもいいくらいの気持ちで頑張りたいと思ってましたし、殺し屋たちに私自身も殺されないように、キャラクターとしてその場に居られるように心がけました。ただ、心理的には、初めてダイナーに連れてこられて、ボンベロを見上げた時は恐怖を感じました。突きつけられるところでは素で泣きそうになりましたね(笑)。

映画『Diner ダイナー』

あははははは。カナコは基本、ずっと受けの芝居でもありますよね。

そうですね。そこは難しかったかもしれないです。ただ、カナコは“圧”では完全に負けてるので、その時の気持ちを忠実に表すようにしてました。経験豊富なキャスト陣の中で追い詰められている気持ちはカナコと一緒だったと思います。でも、私、あまり引きずらないんですよね。家に帰ったら、ぐっすり寝てました。「よかった、適当な性格で」って思いました(笑)。

(笑)。強烈なキャラクターの中で印象に残っているのは?

どの方も忘れられないくらい強烈でしたね。メイクや衣装も、そのキャラクター付の重要な役割を果たしていたし、どれも皆さんに似合ってましたよね。本郷さんのキットなんて、そのまんまっていうくらいのマッチ具合でしたし、武田さんも毎回、パンプアップして撮影に挑まれてました。控え室が近かったので、武田さんの「フー!フー!」っていう声が聞こえていたのを覚えてます(笑)。でも、一番はボンペロかな。衣装やメイクは一番シンプルなのに、藤原さんの力でボンベロに近づいていく。カナコとしても、玉城ティナとしても圧倒されましたし、好きなキャラクターです。

映画『Diner ダイナー』

犬の菊千代との関係性も良かったですよね。

撮影中は常に緊張していたり、力が入っている状態だったんですけど、それがなくなるのは唯一、菊千代のシーンでした。あんなに怖くて絶対的なボンベロが菊千代の前では気が緩むし、カナコと菊千代の関係性を作っていくのも楽しかったです。現場にはぬいぐるみしかなかったので、実際に映像が完成して、あんなに菊千代が立派に戦っている姿を見て、本当に嬉しく思いました。

カナコのウェイトレス姿はどうでしたか?

実はコルセットがすごいキツくて。衣装合わせのときは、これで1ヶ月半大丈夫かな? って思ってたんですけど、徐々に着慣れていきました。私の体に合わせて作ってもらっているので愛着も湧きました。1つ1つ分かれているので、自分がカスタマイズされている気分になるんですよね、キャミソールを着て、コルセットをつけて、スカートを履いて、カチューシャやラウンドネックを着けてって、1つ1つを装備していくうちにカナコになっていく過程が面白いなと思いました。

映画『Diner ダイナー』

ちなみに、ウェイトレスの適性は?

重いものが持てないので、無理ですね(笑)。絶対にこぼしますし、ご迷惑をおかけすることになると思います(苦笑)。

劇中にはたくさんの料理が登場してます。

毎日、食材が変わっていて。ごく当たり前にそこにあるんですけど、全く見たこともないような色彩で統一された食材が当たり前にある世界に自分がいることが、どこか不思議な感じもしました。劇中ではハンバーガーが1つのキーワードになっているんですけど、見たこともないようなアレンジやトッピングがされていて、いろんなバリエーションのハンバーガーが作られて。しかも、見た目だけじゃなく、味も美味しいんですよ。……あと、全然関係ないけど、ナポリタンがめちゃめちゃ美味しかったです。深夜で疲れてたからか、カットがかかってからも、ずっと食べてました(笑)。

玉城ティナ エンタメステーションインタビュー

(笑)。カナコは料理で命拾いをしますが、玉城さんは料理はされますか?

たまにします。ただ、得意料理とかはなくて。ネットでレシピを探して、その通り作るだけです(笑)。基本的には和食が多いかな。逆にパスタとかは、茹ですぎてふにゃふにゃになっちゃうんです(笑)。煮物とかの方が、ほうっておけるので楽です。あと、最近、新玉ねぎが季節だったので、新玉ねぎをさっぱり食べるっていうことに凝ってました。お味噌汁に入れても美味しいし、豚肉で巻いて、焼いてあげて。ちょっと酸味をつけて、マスタードで食べるのも美味しかったです。

では、玉城さんにとって食べることは?

一番と言ってもいいくらい大事ですね。何かを感じる力というか、五感の全ては、美味しいものを食べてるほうが鈍らない気がします。自分でお店探すのも、友達と情報交換するのも好きですし、自分で作るのも好き。好き嫌いもひとつもないんです。自炊は減量しないといけない時にしかしなかったりするけど(笑)、食に対する興味があるっていうことも大切かなと思います。

最後に、劇中に出てくる「スキンのスフレ」のように、玉城さんにとって「これを食べるために生きてる」という食べ物を教えてください。

沖縄の実家に帰って出される沖縄料理かな。豚肉料理とか、角煮とかソーミンチャンプルーとか。自分で作るよりも、人に作ってもらう料理が美味しいって感じます。


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玉城ティナ

1997年、沖縄県生まれ。主な出演作に『PとJK』(17)、『ドルメンX』(18)、『わたしに××しなさい!』(18)、『ういらぶ。』がある。2019年は、本作のほか、映画『チワワちゃん』に出演。映画『惡の華』(9月27日公開)、『地獄少女』(秋公開予定)の公開が控える。

オフィシャルサイト
http://tina-official.com/

オフィシャルTwitter
@tina_tamashiro

オフィシャルInstagram
@tinapouty

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映画『Diner ダイナー』

7月5日(金)全国ロードショー

映画『Diner ダイナー』

【STORY】
ようこそ、殺し屋専用の食堂<ダイナー>へ――
そこは、命がゴミのように扱われる、殺し屋専用の食堂<ダイナー>。店主は、元殺し屋で天才シェフのボンベロ。「俺は、ここの王だ。砂糖の一粒までが俺に従う。」日給30万の怪しいアルバイトに手を出して売られたオオバカナコは、ウェイトレスとしてボンベロに買われてしまう。次々と店にやってくる殺し屋たち。オーダーは極上の料理か、殺し合いか…店主、ウェイトレス、殺し屋たち。新たな殺し合いが今、始まる――!

原作:平山夢明『ダイナー』(ポプラ社「ポプラ文庫」)
出演:藤原竜也 窪田正孝 本郷奏多/武田真治 斎藤 工 佐藤江梨子 金子ノブアキ 小栗 旬/土屋アンナ/真矢ミキ/奥田瑛二
監督:蜷川実花
脚本:後藤ひろひと 杉山嘉一 蜷川実花
音楽:大沢伸一
配給:ワーナー・ブラザース映画

©2019 映画「Diner ダイナー」製作委員会

オフィシャルサイト
diner-movie.jp

『DINER ダイナー』コミック