Interview

「メンタルが豆腐」という木津つばさがミュージカル『アルスラーン戦記』で真の役者へと飛翔する

「メンタルが豆腐」という木津つばさがミュージカル『アルスラーン戦記』で真の役者へと飛翔する

1986年に刊行がスタートした田中芳樹(『銀河英雄伝説』『創竜伝』)の同名の歴史ファンタジー小説を、『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』などを手がける人気漫画家・荒川 弘により漫画化し、2015年から2016年にはTVアニメとして放送された『アルスラーン戦記』がミュージカル化され、9月5日(木)よりCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演される。
架空の王国パルスを舞台に、王太子アルスラーンをはじめとする英雄たちの戦いの軌跡を描いた大作の主演に抜擢されたのは、数々の舞台に出演する傍ら、ダンスボーカルグループ・XOX(キスハグキス)のメンバーとしても活動する木津つばさ。原作の魅力や今作にかける想いを聞いた。

取材・文 / 能一ナオ 撮影 / 岩田えり


人に助けられ周りに生かされている

原作の魅力について聞かせてください。

原作は尊敬する荒川先生が漫画として描かれているということもあって、舞台化される前から存じ上げていて。とにかく世界観が大好きです。今作に出演するにあたって再度読み返して、14歳の少年がいろんな人の助けを借りて奮闘していく姿が、「自分と似ているな」と感じました。人に助けられ周りに生かされている生き方を描いているところが、『アルスラーン戦記』の魅力だと思います。

ミュージカル『アルスラーン戦記』木津つばさ エンタメステーションインタビュー

木津さん自身も人から生かされている、と感じる部分はありますか?

そうですね。舞台上でお芝居をしていても、みんなが手助けしてくれることで「ひとりではないな」と思いますし、「本当に自分ひとりでは生きることができない」と感じることがたくさんあります。

アルスラーン 役に決まったときの気持ちを教えてください。

主演ということで、これまで座組みの真ん中に立った経験がそれほどないですし、初めての挑戦がたくさんあるなかこの作品に携わらせていただくのは「ありがたいな」と思う反面、皆さんから期待されているぶん、いつも以上に自分だけでなく、『アルスラーン戦記』の魅力も出さないといけないので、期待と重圧が一気に押し寄せてきました。

ミュージカル『アルスラーン戦記』木津つばさ エンタメステーションインタビュー

観てくれる人たちに感動を与えられるように

周りからの反響はありましたか?

同世代の俳優仲間から「え! 『アルスラーン戦記』やるの!?」と言われました(笑)。僕らはちょうど『鋼の錬金術師』の世代なんです。『アルスラーン戦記』も漫画やアニメを僕らの世代はみんな観ているから、普段の僕を知っている人からすると「お前に“アルスラーン”ができるの?」という反応が返ってきたので、そこを乗り越えて、観てくれる人たちに感動を与えられるように頑張りたいです。

木津さんを知っている人からすると、アルスラーン 役は意外に思われたんですね。

そうだと思います。僕のことを知っている人は、意外に思うかもしれませんね(笑)。普段の僕は人見知りで、なかなか上手に喋ることができないので、「座長になって人を動かすことができるのか?」とも言われましたね(笑)。たしかにそのとおりでもあるので……もうすでに緊張しています。正直やばいです(笑)。ミュージカル作品に出演したことはありますが、今回は主演で、おそらく歌をたくさん歌いますからね。

ミュージカル『アルスラーン戦記』木津つばさ エンタメステーションインタビュー

アルスラーンの心情を歌い上げることになると思います。

僕はメンタルが豆腐なんです(笑)。でも、ダリューン 役の加藤 将くんが鋼のメンタルと言われているので、お互いを支え合いながらお芝居ができればいいな(笑)。

もちろんミュージカル特有の楽曲やダンスになると思いますが、舞台以外ではXOXのメンバーとして歌いながら踊っていますね。

そのときは木津つばさであって、舞台に立つのと感覚が違います。演じているときは、僕は役に没入するタイプなので、また新しい自分になるというか……。観てくださるお客様には新しい自分をお見せできると思うので、楽しみにしていただきたいです。

原作で好きな登場人物はいますか?

ここはアルスラーンで!(笑)それから、僕は鷹のアズライールも好きなんですよ。でも、先ほどのビジュアル撮影で剥製の鷹が用意されていて間近で見たら怖かったので、今から“推し変”するかもしれませんね(笑)。それからダリューンも好きですね。アルスラーンとダリューンとの関わり方も魅力のひとつだと思います。アルスラーンには人を魅了する力があって、きちんと感情や心で会話ができる子だと思うので、そこを大切にしていきたいと思います。

ミュージカル『アルスラーン戦記』木津つばさ エンタメステーションインタビュー

ミュージカル化で期待していること、楽しみな部分は?

馬ですね!

馬を挙げるとは思いませんでした(笑)。

漫画やアニメでは歌うシーンはないので、どんな歌になるのかわからないのですが、歌やダンス、殺陣と融合したお芝居の中でどういう作品になるのか楽しみ。とはいえ、どうしても“馬”になってしまいますね(笑)。舞台上に馬をどうやって登場させるのか、期待してください。

たしかに、原作では馬に乗っているシーンは多いですね。

基本的に馬移動ですよね。アルスラーンが乗っているのは白い馬ですが、その白馬をどうやって表現するのか……僕自身も楽しみにしています。

ちなみに、乗馬のご経験はあるんですか?

小学校4年生のときにおばあちゃんと行った北海道で小さいポニーに乗せてもらった記憶はあるので、今回もポニーだとありがたいな(笑)。

自分の持っている“芝居力”を殺陣でも出したい

(笑)また、今作では歌に加えて殺陣も見せ場になると思います。

殺陣は経験があるので、泥くささだったり、アルスラーンの真面目な部分や素直な部分をアルスラーンの武器である剣から出せるように、自分の持っている“芝居力”を出したいと思います。

普段からどのように役づくりをされているのですか。

僕はどの役を演じるときも、いただいた役の感情を今まで生きてきた人生の中から探すんです。21年間生きている中から、例えばめちゃくちゃダサい役であれば、「ダサかったのはどんなときだっけ?」と思い返して、そこから汲み取って演じています。おそらく今回は子供の頃の気持ちや、大人の気持ちを交互に行き来している役になると思います。舞台では、まだ成長途中のアルスラーンがどんどん進化していくと思うので、最初はちっぽけに見えても、最後は大きな背中を見せられたら嬉しいです。

ミュージカル『アルスラーン戦記』木津つばさ エンタメステーションインタビュー

今回、共演が楽しみなキャストはいらっしゃいますか?

みなさん初めましての方が多いので、そのぶん、どの方も共演が楽しみです。それでも、やはりヒルメス 役の伊万里 有さんですね。というのも、最初に発表されたオフィシャルのコメントでも「僕の名前を何回出してるんだ!」って(笑)。

伊万里 有 コメント
『アルスラーン戦記』が決まったとき、まず「木津つばさ」がいると聞いて一番嬉しかったような気がします。自分が決まったというよりも「木津つばさ」がいる喜びが大きかったですね。皆さま、「木津つばさ」は、可愛い子です。その可愛い子を叩き潰す気持ちでいきます。(笑)そしてヒルメスとして、彼の過去をしっかり背負って舞台に立とうと思います。

(笑)。仲の良さが伝わってきます。

WEBドラマで1回共演させていただいて、撮影は2日間だけで、その撮影と打ち上げでお会いしたぐらい。そして、今回のビジュアル撮影を含め、伊万里さんにお会いするのは4回目になりますが、なのに、あのコメントで(笑)。

そうなんですか!? すごく交流があって仲が良いのかな、と思いました(笑)。

僕もビックリです。伊万里さんもビックリしているぐらいで……コメントが出たときに連絡が来て、「俺、めっちゃつばさのこと好きみたいやん」、「僕も驚きましたよ」という会話をしました(笑)。

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