Report

舞台はパリ上空、エッフェル塔でぶっ刺して倒す! 『シン・エヴァ』冒頭シーン解禁でやっぱり“考察したくなる”7つの新事実を解説

舞台はパリ上空、エッフェル塔でぶっ刺して倒す! 『シン・エヴァ』冒頭シーン解禁でやっぱり“考察したくなる”7つの新事実を解説

去る2019年7月6日、“『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦”と題されたイベントが世界9会場で同時開催。2007年からスタートした『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ、その第4作目にして最終作とされる『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が2020年の公開に向けいよいよ本格的に動き出した。

メイン会場となる「Japan Expo」開催中のパリのステージには歌手の高橋洋子、声優の緒方恵美(碇シンジ役)が登壇。その模様は東京2カ所・大阪・札幌・名古屋・博多、さらにロサンゼルス・上海をあわせ世界9会場(および各地の街頭ビジョン)に中継された。このイベントについて特筆すべきは、本編の最新映像となる“『シン・エヴァンゲリオン劇場版』AVANT1(冒頭10分40秒00コマ) 0706版”の初上映! 上映前には庵野秀明監督自身によるビデオメッセージも映し出されるなど、新作を心待ちにしてきた「エヴァ」ファンをおおいに喜ばせた。

7月6日(土)日本時間21:00。世界中がくぎ付けになった最新映像からわかった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の新事実、インプレッションをまとめてレポートする。

取材・文 / 柳 雄大


あの“冒頭6分38秒”から、今度は“10分40秒00コマ”へ

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

今回公開された新映像は2020年公開予定の『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(以下、『シン・エヴァ』)より、“冒頭10分40秒00コマ”までを解禁するというもの。これは、前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(2012年11月17日公開)が劇場公開前日の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 TV版』(「金曜ロードSHOW!」内)放送タイミングにあわせ“冒頭6分38秒 TV版”を公開した試みの延長線上にある企画といえそうだ。

劇場公開直前・直後に冒頭部を解禁するアニメ作品は近年にいくつもみられる。しかし“『シン・エヴァンゲリオン劇場版』AVANT1(冒頭10分40秒00コマ) 0706版”は10分を超える長尺に加え、まだ正式な公開日は未定という状況での超先行公開となったのが特色。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

今回は“『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦”より、イベント当日の東京・日比谷ステップ広場での映像中継の模様を取材。このうち“『シン・エヴァンゲリオン劇場版』AVANT1(冒頭10分40秒00コマ) 0706版”を含むスペシャル映像の内容から7つのトピックを紹介していきたい。

(LINE LIVE『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦のアーカイブ配信はこちら

【1】深読みしたくなる再構成「これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版」

※以下、アニメの映像については会場スクリーンを直接撮影したもので、写真の中には見辛いものも含まれますがご容赦ください。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

イベントで上映されたスペシャル映像は、10秒のカウントダウンののち、まずは「これまでのヱヴァンゲリヲン新劇場版」を振り返る映像からスタート。こちらは『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』『:破』『:Q』の3作品を約5分にまとめたものだが、庵野秀明監督みずからがイベントのために再構成した内容であり、普通のダイジェスト版以上の意味合いを感じられるものとなった。

映像のバックには、かつて旧劇場版(『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』)でも使用されたバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」(アレンジは異なるものになっている)が使われており、独特の虚しい雰囲気が漂う。『:序』『:破』『:Q』3作品のつなぎ目に、「眠っていたシンジがハッとして目を覚ます」描写を欠かさず挿入していることも意味ありげだ。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

【2】舞台はなんとフランスのパリ上空!

そして“『シン・エヴァンゲリオン劇場版』AVANT1(冒頭10分40秒00コマ) 0706版”。この映像で描かれていたストーリーは、超大ざっぱに言うとエヴァンゲリオン8号機とヴィレの面々による「ユーロネルフの復元」というミッションだ。日本ではなくヨーロッパのネルフ……そこはなんとフランス・パリ!

上映前に映された庵野監督からのビデオメッセージによれば、パリは「いつかエヴァの舞台にしたかった」場所だったのだという。今回のイベントで、メイン会場にパリの「Japan Expo」が選ばれたのもこれが最大の理由だった。

かつてパリ市街だった場所は、過去の大災害(ニアサード・インパクト?)により大地全体が真っ赤に染まっている。また映像としては、真っ赤に染まったエッフェル塔のどアップが印象的。映像の後半では、このエッフェル塔をまさかの“武器として使うシーン”もあり……エヴァ8号機パイロットのマリが「Excusez-moi, Eiffel!」(訳:失礼します、エッフェル!)とフランス語でトドメをキメるシーンは今後語り草になりそうだ。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

【3】前作からの連続性がわかりやすい世界観

エヴァと戦艦が繰り広げる激しい空中戦。何らかの任務を遂行しているとメカニカルな姿態をした謎の敵(マリいわく“使徒もどき”)が襲撃してくるという展開は前作『:Q』の冒頭映像と重なる部分だ。

また、『:Q』のラストシーンで言及された「L結界密度」という単語が再びキーワードになっているなど、内容には連続性がある。前作から経過している時間はまだ正確にはわからないが、赤木リツコがつぶやく「16年ぶりのパリ……」というセリフと、登場キャラの容姿に変化が少ないことから、2年後の世界が描かれているとみるのが自然だろう。

今作も「なんじゃこりゃ!?」と思わせるぶっとんだ導入ではあるものの、空白の14年が存在した『:破』から『:Q』の急展開に比べるとだいぶ“入りやすい”印象だ。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

【4】“歌って戦うマリ”は新劇場版の象徴?

エヴァ8号機のパイロットである真希波・マリ・イラストリアス、ヴィレに属する赤木リツコ、伊吹マヤ、北上ミドリ、葛城ミサト(現段階では声のみ)ほか、前作『:Q』に登場したキャラクターたちが引き続き登場した。

あらためて印象的だったのは、アバン(冒頭映像)の戦闘で活躍し、『:破』以降の新たなストーリー、その象徴的役割を果たし続けるマリのこと。おそらくかなり危険な戦いをしているはずだが、今回も機嫌よさげにフンフンと歌いながらの出陣。エヴァンゲリオン仮設5号機とともに初登場した『:破』から数えると、『:Q』、『シン・エヴァ』で3作連続……この繰り返しには果たしてどんな意味が隠されているだろうか。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

【5】エヴァと戦艦のメカデザインがすごすぎる

「未知の世界を見せる!」という意欲に満ちあふれるかのような奇抜なメカデザインは『シン・エヴァ』でも全開だ。

マリが「せめて人型の可動域は踏襲してほしいにゃ!」とこぼすのが、つり輪の体操のようなスタイルで立体的に空中戦を行うエヴァ8号機。これに対して、ドローンのような「航空特化タイプ」エヴァ44A(フォーツーエー)の大群、「陽電子砲装備の陸戦用後方支援型」の4444C(フォーフォーシー)、「電力供給特化型」の44B(フォーツービー)といった謎の敵勢力がうじゃうじゃと現れる。これらは特にリツコによる小難しげな説明セリフもあいまって、“エヴァンゲリオンのメカ!”感がたまらない。

そしてこちらも特徴的なのが、『:Q』に続きふわふわと空中を浮かぶ戦艦群の登場。この戦艦を垂直方向にずらして重ね敵の火力を防ぐシールドとして使うシーンは、デザイン以上にその発想がヤバすぎる……。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

【6】音楽は「ここぞ」の選曲に燃えた!

劇伴音楽に関しては、「エヴァ」の戦闘テーマ曲(原曲で言うところの「DECISIVE BATTLE」、あるいは「Spending Time in Preparation」)の新バージョンが今回の冒頭映像でも最大の見どころ/聴きどころになっている。

『:Q』の冒頭ではオリジナルにほど近いアレンジで使用されていたが、今回はイントロからジャカジャカ鳴らしまくるギターや手拍子が特徴のフラメンコ風(!?)大胆アレンジ。この曲は「エヴァ」を飛び出し、映画『シン・ゴジラ』でも複数のアレンジ版が作られた経緯があるだけに、さらに新しい引き出しを開けての再登場という感じがグッとくる。

また、上で「戦闘テーマ曲」として紹介したが、今回の“冒頭10分40秒00コマ”においては「戦闘後」のユーロネルフ復旧シーンで使われたのもポイント。かつての「第3新東京市」のように、地面から姿を現す「パリのネルフ」……これは、音楽はもちろん画としてもなかなかの衝撃映像だ。バトルよりも、建物が生えてくるシーンのほうに盛り上がりのピークを持ってくるのが今回の映像のおもしろいところであり、「パリ推し」を感じられるところでもある(笑)。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

【7】予告編・特報で流れていたシーンの回収状況は…

2018年夏に、映画館の上映前における予告映像の一環として流れた『シン・エヴァ』特報映像(“『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦”イベント会場でも流されていた)。ここに映っていたシーンは、内容としては今回の“冒頭10分40秒00コマ”に登場したエヴァ8号機のシーンとおおむね一致する。

いっぽう、『:Q』公開時のラストにあった『シン・エヴァ』の予告編では「放浪を続ける碇シンジ」「ついに発動する補完計画、ファイナルインパクト」「赤い大地を疾走するエヴァ8+2号機」といったキーワードおよび映像があり、これらについて“冒頭10分40秒00コマ”時点ではまだ触れられていない。ただし「8+2号機」に関連しそうなセリフとしては、今回の映像でラストにマリがつぶやく「2号機の新造」「8号機の改造」というワードは見逃せないところ。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』0706作戦

なお『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズでは、『:Q』の予告編として当初映されていたものと実際の本編内容がかけ離れたものだったという前例もあり、予告編の内容に該当する単語やシーンが今後の本編でそのまま出てくるかについては未知数だ。

早くも作品の冒頭映像を解禁するに至った『シン・エヴァ』だが、2020年の公開までには最短でも半年を要するだろう。シリーズでの前例という意味では、過去作品のテレビ放送にあわせ予告編や特報、冒頭映像を刷新するという可能性もあり、再び今後の動向が注目される。

エヴァンゲリオン公式サイト(https://www.evangelion.co.jp/)より

フォトギャラリー

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』

2020年公開
配給:東宝 東映 カラー