『PIXELS』を10倍楽しく見る方法  vol. 1

Review

『PIXELS』を10倍楽しく見る方法 (その1)

『PIXELS』を10倍楽しく見る方法 (その1)

アーケードゲーム黎明期にして輝ける黄金時代だった1980年代前半。
その時代を代表する傑作ゲームの数々を今、振り返ろう !!

構成・文/ 山下達也(ジアスワークス)


パックマン(ナムコ)

作中に登場!!

世界で一番ヒットしたアーケードゲーム

 黄色い丸の一部が欠けた形状のキャラクター「パックマン」を上下左右に動かして、迷路内のドットを全て食べたらクリアという「ドットイートゲーム」の世界的大ヒット作。女性をゲームセンターに惹きつけるため、ゲームの基本コンセプトを「食べる」ことにしたほか、ボタンを使わない4方向レバーのみのシンプル操作にしたことが特徴。その狙いはあたり、ゲームセンターに多くの女性客、カップル客を呼び込んだ。2005年、ギネス・ワールド・レコーズより「最も成功したアーケードゲーム機」(発売から7年間で約30万枚のゲーム基板を販売)として認定。

 パックマンはその後シリーズ化され、横スクロールアクション『パックランド』や、3D化された(ジャンプで敵をかわせる!)『パックマニア』などの後続作品が多数リリースされている。また、Googleで「パックマン」と検索するとWebブラウザの画面上でその特別版をプレイできる。


1980年
●松田聖子が『裸足の季節』でレコードデビュー
●一億円拾得事件(後日、拾得申請日の4月25日が「拾得物の日」に制定)
●山口百恵、引退


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センチピード(ATARI)

作中に登場!!

縦横無尽に動き回る長〜いムカデを撃退せよ !!

 画面上部から降りてくるセンチピード(Centipede=ムカデ)や蜘蛛を、画面下部にいるプレイヤーが銃で撃ち倒してしていくというシューティングゲーム。画面上に多数配置されたキノコは弾丸を防ぐ障害物である反面、センチピードの進行方向を変えるという効果もあるため、これを効果的に使っていくことが高得点の秘訣となる。日本ではほとんど出回らなかったため、国内での知名度は低いが、米国ではレトロゲームの大定番という扱い。『ピクセル』作中でもブレナーら地球陣営が最初に勝利する作品として大きく描かれている。

 なお、本作を製作したATARI(アタリ)は、世界初のビデオゲーム専業メーカー(1972年設立)。テーブルテニスゲーム『ポン』や、ブロックくずしゲーム『ブレイクアウト』などのヒット作で黎明期のアーケードゲーム市場を牽引。その後、家庭用ゲーム機市場にも進出するが、そこでの失敗が元で解体されてしまうことに。

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任天堂から携帯ゲーム機
『ゲーム&ウォッチ』発売

 電卓サイズの小型携帯ゲーム機として、1980年4月28日に任天堂『ゲーム&ウォッチ』が登場。新幹線車中でビジネスマンが電卓のボタンをいじって遊んでいるようすをヒントに開発され、表示内容が固定されたセグメント式の液晶パネルと複数ボタンで単純なゲームをプレイできた(第1弾はお手玉ゲーム『ボール』)。発売後即社会現象になるほどの大ヒットを記録し、全世界でシリーズ累計販売台数4000万台を超える大ヒットに。それまで花札などテーブルゲームを中心に多彩な事業を展開していた任天堂が、家庭用ビデオゲームに事業を集中していくきっかけとなった。

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ドンキーコング(任天堂)

作中に登場!!

人気キャラ・ドンキーコングは悪役デビューだった!?

 ドンキーコングにさらわれた恋人・レディを救い出すため、マリオが鉄骨で組まれたステージを上っていくというアクションゲーム。落下してくるタルをジャンプで避け、はしごを登りながらステージ最上部のレディの元を目指す。ステージ途中に配置されているハンマーを手に入れると一定時間、タルをたたき壊せる無敵状態になったり、レディが落とした傘や靴などのアイテムを入手するとボーナス点が入るなど、当時としては凝ったギミックが多数盛りこまれていた。ステージをクリアするとどんどんタルの数と落下速度がアップしていき、飛躍的に難易度が上昇していく(『ピクセル』作中でも、アーケードゲーム世界大会決勝のブレナー少年 VS エディ戦でその激しさを見られる)。

 なお、ドンキーコングのほか、マリオも本作品で初登場。当時は特に名前は付けられていなかったが、後にマリオという名前が設定され、任天堂を代表する人気キャラクターに育っていくのはご存じの通り。

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1981年
●中国残留孤児が初来日
●ピンク・レディーが解散
●『オレたちひょうきん族』放送開始


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ギャラガ(ナムコ)

作中に登場!!

名前の由来は“ギャラクシー+蛾”

 1979年に発売されたナムコ初のシューティングゲーム『ギャラクシアン』の続編として登場。画面上部を占める敵機(昆虫をモチーフ)を全滅させると1ステージクリアとなる構成はそれまでの一般的なシューティングゲームと変わらないが、敵機がカーブを描きながら飛来したり、編隊を組んで攻撃してきたりといったシリーズ独自のフィーチャーを継承・発展。ステージ開始直後、敵が編隊を組んで登場する(撃墜チャンスだが、この時点で倒してしまうとボーナス点が入らない)など、プレイヤーをワクワクさせるさまざまな工夫を施している。

 中でも最大の特長と言えるのが、合体による自機パワーアップ。敵機ボス・ギャラガが放つトラクタービームで捕虜になった自機を救い出すことで、2発同時に弾を撃てる「デュアル・ファイター」に“成る”ことができるのだ。『ピクセル』作中でも具現化したボス・ギャラガが地球人を誘拐するのにこのトラクタービームを使っている。

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フロッガー(コナミ)

作中に登場!!

我が家にカエルのもひと苦労

 プレイヤーが操作するのは上下左右に動かせるカエル。画面最下部の土手からスタートし、制限時間内に自動車の行き交う道路を越え、危険な天敵(ワニやカワウソなど)が潜む川を渡って画面上部の巣を目指す。自動車や天敵には動きの異なるさまざまなタイプのものが存在するほか、後半の川は足場が左右に流れているため、絶妙なカエルコントロールが求められる。5つあるカエルの巣に全てのカエルを到着させるとステージクリア。道中、メスガエルを助けるとボーナス点ゲットといった要素も。
 この時代のビデオゲームの中でも特に人気の高い作品で、『パックマン』などと同様、とりわけ多くのゲーム機に移植(アレンジ作品含む)された。PlayStation、PlayStation 2、ゲームキューブ、Xbox、Wii、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドー3DSなどなど……。もちろんスマホ向けにも配信されており、無償でプレイできる。

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家庭用ゲーム機
『カセットビジョン』が大ヒット

 『ファミリーコンピュータ』登場以前の国内家庭用ゲーム機市場を征していたのがエポック社の『カセットビジョン』。1981年7月30日に発売され、2年間で約40万台を売り上げる大ヒット商品に。当時流通していた海外製の家庭用ゲーム機がどれも非常に高額だった中、1万3500円という低価格で販売されたことがヒットの秘訣と言われている(ただし後の『ファミリーコンピュータ』は1年間で何と300万台以上を販売)。
 その後のゲーム機と異なり、操作部を本体上に設置。2人プレイも可能だったが片方は左手で、もう一方は右手で操作せねばならないという問題があった。

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ディグダグ(ナムコ)

作中に登場!!

可愛らしいキャラクターがナムコ流

 アーケードゲームの主流が海外作品から国内作品に移り変わっていく中で登場した、ナムコ初期の傑作の1つ。主人公・ディグダグを操作して、地中に潜む敵キャラを全て撃破するのが目的だ(自称「戦略的穴掘りゲーム」)。敵キャラはディグダグが掘り進めた穴しか移動できないため、これを上手く利用して敵を一網打尽にすることが高得点を取るコツとなる。敵に銛を打ち込んでボタン連打で破裂させたり、追いかけてきた敵の上に大岩を落下させてペチャンコにするなど、敵キャラを倒すときにビジュアルも凝っていた。キャラクターデザインも非常に可愛らしいものが採用されており、『パックマン』以降のナムコ作品に共通する親しみやすさを備えていた。
 ちなみに主人公のディグダグの本名はホリ・タイゾウ。2000年代にヒットした堀りゲー『ミスタードリラー』の主人公であるホリ・ススムの父親という設定らしい。


1982年
●500円硬貨発行
●ソニーが世界初のCDプレイヤーを発売
●『森田一義アワー 笑っていいとも!』放送開始


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ロボトロン2084(Williams)

作中に登場!!

超能力戦士 VS ロボット兵器

 西暦2084年を舞台に、人類に反旗を翻したロボット軍に人類最後の希望である超能力戦士(遺伝子操作の結果生まれたというハードな設定)が闘いを挑むというSF作品。敵のロボット兵を倒しつつ、生き残った人類を助けていく必要がある(ただし、人類を助けてもスコアがアップするだけで、ゲームの展開には全く影響なし)。
 その最大の特長は現代ではありえないようなサイケリディックな画面。目がチカチカするような色使いやアニメーション演出がこれでもかというほど多用されており、長時間プレイするのが厳しいほどだった。ただし、操作性は2本のスティックだけで操作できる極めて単純なもの(左スティックで移動、右スティックで攻撃)。これは事故で右手が不自由になってしまった開発者が自分でもプレイできるゲームをと考えたため。ボタンを押す動作が必要なく、右スティックを傾けることでその方向に攻撃できる。

→ 続きは「その2」で!

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