Interview

青柳翔 1stアルバムをリリースした彼にとって、音楽活動とは? 劇団EXILEとは? 現在の素直な思いを訊く。

青柳翔 1stアルバムをリリースした彼にとって、音楽活動とは? 劇団EXILEとは? 現在の素直な思いを訊く。

劇団EXILEの人気俳優、青柳翔が待望の1stアルバム『Ⅳ』(フォー)をリリースした。
2006年に開催された「EXILE VOCAL BATTLE AUDITION」に参加。第2次審査で落選するも、役者としての才能を見出され、2009年に劇団EXILEの舞台「あたっくNo.1」で俳優デビュー。その後、映画『今日、恋をはじめます』やドラマ「ファーストクラス」への出演で役者として頭角を表し、『HiGH&LOW』シリーズではメインキャストを務め、劇中曲「Maria」で音楽活動をスタートさせ、2016年10月26日に1stシングル「泣いたロザリオ」でシンガーデビューを果たした。紆余曲折を経て、歌手としての夢を叶えた彼にとって、音楽とはどんな場所なのだろうか——。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 映美


歌を始めて4年目に入るっていうことと、それに、あえてラッキーナンバーじゃない「4」を選ばせてもらいました

青柳翔 エンタメステーションインタビュー

1stアルバムが完成した感想からお伺いできますか。

素直に嬉しいです。自分が歌詞を書いて歌を作っているということではなく、いろんな方が提供してくださってできたアルバムなので嬉しいですし、これからライヴでどうやってみんなを楽しませることができるかっていうことに集中したいなって思ってます。

まず、『Ⅳ』というタイトルが気になったんですが。

これまで3枚のシングルを出してきていて。このアルバムで単純に4枚目のリリースということと、歌を始めて4年目に入るっていうことと、それに、あえてラッキーナンバーじゃない「4」を選ばせてもらいました。このツアーも含め、ラッキーナンバーじゃない数字の殻を自分的に破れるように、いい数字にしたいなという思いでつけました。

歌手活動を始めてからの4年は振り返るとどんな期間でしたか。

お芝居と歌をやっていたので、歌の時期、お芝居の時期と分かれていたわけではなかったですし、キツかった時期もけっこうありましたね。この4年振り返ると……本当に、いろんな方のサポートのおかげでできたなって思います。

とくに憶えている風景や出来事はありますか。

一番最初のレコーディングは本当に憶えてますね。うまく歌えないことが多々あったし、すごく悔しい思いもして。

最初は緊張していました。でも、ATSUSHIさんが緊張をほどいてくれて

最初はATSUSHIさんが作詞作曲した「Maria」ですよね。

そうですね。その時はATSUSHIさんがディレクションしてくださっていたので、最初は緊張していました。でも、ATSUSHIさんが緊張をほどいてくれて。「オーダーをするより自由に歌ったほうが青柳はいいタイプだね」とか、いろんなことを教えてくださったので、苦しみながらも楽しくやらせていただきました。

4年後の未来を想像していましたか?

全然してないです。その時は未来は見てなかったです。あくまでも「HiGH&LOW」プロジェクトの一環としてリリースされるということだったので。もちろん嬉しさみたいなのはありましたけど、あくまでも九十九のテーマ曲だという感覚で「Maria」を歌い切ろうと思ってました。

2016年6月に開始された「HiGH&LOW THE LIVE」ではドームで初歌唱を果たしました。

むちゃくちゃ緊張しましたね。あの時は楽しさというよりは、“精神と時の部屋”にいるみたいな感じでした(笑)。イヤモニもしてるし、歓声も聴こえないし。何も聴こえない状態でドームのセンターにポツンといたので。

あははははは。同年10月にソロのアーティストとしてデビューし、ラゾーナ川崎で行われたミニライブには8千人の観客が殺到しました。

ラゾーナの時は“精神と時の部屋”に行かず、ちゃんと現実世界にいました(笑)。本当にたくさんの人が来てくれたことにたいしてすごく嬉しいなって思いましたし、『HiGH&LOW』という企画があって、皆さんがこうやって応援してくれるのはすごく嬉しいなって思ってましたね。

お芝居だけじゃなくて、歌でも自分なりの表現ができるように努力していけば、自分が40とか50になった時に違う形で成長できるんじゃないかなって

青柳翔 エンタメステーションインタビュー

歌と演技の両方やられてることに関してはどう感じていますか。

やっぱりすごく難しいことだなってつねに思いながらやってます。ファンの方からは『歌ってほしいです』とか『歌が聴きたいです』っていう言葉をいただけていて。それが単純に嬉しいので、その気持ちに応えたいなって思いますし、お芝居だけじゃなくて、歌でも自分なりの表現ができるように努力していけば、自分が40とか50になった時に違う形で成長できるんじゃないかなっていう思いも含めてやっていますね。

では、1stアルバムはどのような作品にしたいと考えていましたか。

やっぱりバラードが多いので、曲順は考えましたね。あまり続いちゃうとどんよりしちゃうので、試行錯誤しながらやらせてもらってました(笑)。

バラードが多いことにかんしてはご自身ではどう感じていますか。

うーん……でも、これまでに作ってきたものがバラードが多いので、まあしょうがないっちゃしょうがないなって。ライヴではカバーも含めて、もっとアップテンポの曲を増やして、アルバムとは違った形で全体を作っていけたらなと思ってます。

アルバムに収録されている新曲3曲について1曲ずつお伺いしたいんですが、「HOME」はどのような成り立ちでできた曲でしたか。

自分が好きな楽曲を作っている玉井さん(アゲハスプリングス)にお願いしたんですけど、5曲上がってきたデモの中から1曲選ばせていただきました。それにともなって、もともとは恋愛の歌詞だったんですけど、劇団活動……劇団EXILEと言われていますけど、本当の意味で劇団なのか? っていう疑問が浮かぶ劇団ではあるし、個人活動が多くてなかなか集まる機会もない中で、今後2020年に向けて始動できるようなことができたらいいねっていう話をしていた最中でもあったので、みんなで一緒にやっていこうっていう思いも伝えて変えてもらいました。

毎日一緒にいるわけじゃないんで仲はいいほうだと思います(笑)

青柳翔 エンタメステーションインタビュー

青柳さんにとっては劇団EXILEはどんな場所ですか。

本当にあまり集まれないので、一緒にいない分、けっこう仲いいですね(笑)。毎日一緒にいたら稽古中とかギスギスするかもしれないですけど、今は、たまに集まってはふざけて、稽古になるとみんな真剣になる。その時にぶつかり合うことはあるかもしれないですけど、毎日一緒にいるわけじゃないんで仲はいいほうだと思います(笑)。

(笑)青柳さんにとって「HOME」と言っていいですか?

楽な場所ではありますね。

劇団のメンバーはどんな存在ですか。

友達ではないですね。仲間っていうと聞こえがよいですが、一緒に盛り上げていくメンバーっていう感じです。

皆さんそれぞれ活躍されていますが、どう見られていますか。

町田や鈴木はすごい作品にたくさん出てますし、後輩の佐藤寛太もいろんな作品に出てる中で、集まって作品をやるってなった時に前やった時よりいいものを作れるようになりたいなって純粋に思ってます。

劇団EXILE公演というものをしっかりとした軸にしなきゃいけないなと思ってます

青柳翔 エンタメステーションインタビュー

〈ぼくらの夢や未来〉と歌っていますよね。劇団の未来というのは?

そんなにまとまりがあるわけではないですし、全員大活躍しているわけでもないので、個の力よりも集まった時の力ってすごいなって思ってるんですね。劇団でもそういうエネルギーが出せるように今後活動していきたいなと思っていますね。あと、全員が全員活躍するってほとんど不可能だと思うんですよ。人によって波もあるし、仕事がある時もあれば、ない時もある。そういう時に安定した劇団公演がしっかりできているのであればいいなって。自分たちは遊びじゃないので、メシ食ってかなきゃいけない立場の中で、劇団EXILE公演というものをしっかりとした軸にしなきゃいけないなと思ってます。

メンバー総出演したMVも話題になりました。

タイミングの良い時を狙って、みんなの邪魔にならないようにこっそりと撮影しました(笑)。もちろん事前に『出てくれませんか。お願いします』とは言いましたけど(笑)。

(笑)久しぶりにみんなが集まっているのを見て、嬉しいというコメントがいっぱい上がってました。

あ、本当ですか。やっぱりなかなか集まる機会がないので、その中でも劇団の独特な雰囲気というか。うちの会社で言ったら縦社会っていうイメージがあると思うんですけど、劇団EXILEってけっこうなくて。平気で俺に嘘つくし、平気で約束破るし(笑)。

あはははは。そうなんですね。

そういう独特な雰囲気があって(笑)。そこを狙いますよっていうところじゃなくて全体で一緒にいる雰囲気を撮ってもらって、楽しかったところを抜粋して使えたらいいなと思ってたので、ずっと長回ししてもらってました。あとは、メンバー確認もあるのでなるべく期日を遅らせて、イエスノーをごまかすようにしてました。もう時間ないよーって(笑)。

考える時間を与えないで返事するように。

はい(笑)。でも、やっぱりすごく思入れのある曲になったなと思います。

劇団のメンバーからは、青柳さんの音楽活動については何か言われたりしますか。

普通に応援してくれてますね。今回のツアーのロゴも、メンバーのSWAYが快く作ってくれたので嬉しいですね。

レコーディングにはどんなアプローチで臨みました?

順風満帆ではなかったですね。いろいろ試行錯誤させてもらいつつ、やらせてもらいました。明るい曲なので、もっとリズムを大切にしてってことを玉井さんに教えてもらって。まだこのツアー以降のことはわからないですけど、明るい曲というかアップテンポの曲は増やしていきたいなって思ってます。

今のところ「Snow!」と「欲望のゆくえ」がアップテンポですね。

それくらいですね。あとは全部はミドルかバラードですね。

アルバムのオープニングナンバー「Unknown」はJeff Miyaharaさんのプロデュース曲になってます。

Jeffさんが最初から曲調とか、自分の生い立ちとか、いろんなことをイメージしてくださってこういう曲になりましたね。

作詞で共作されてます。

最初はそんな感じではなかったんですけど、制作が進むにつれて、ジェフさんから『青柳くん書いてみたら?』ってことだったので、チャレンジさせてもらいました。いろんなアドバイスとかやり取りを繰り返してできた曲なので、この曲もすごく思い入れが深くなりました。

青柳さんがこの曲に込めた思いはどんなものですか。歌詞としては、すでに始まって終わっている、誰にも言えない恋がモチーフになってますよね。

どういう曲にしようかって話をして、恋愛の曲にしようって決まった時に、どういうふうに書いたらいいかっていうことを試行錯誤していて。「Unknown」っていうタイトルにすることによって、ふんわりさせるじゃないですけど。お客さんのあとはお任せしますっていう方向をとろうかなっていうふうにしました。

アップテンポの曲って難しいというか、リズム感がないといけないので、まだ俺に足りないところだなと思っていて

青柳翔 エンタメステーションインタビュー 青柳翔 エンタメステーションインタビュー

「さよなら」という歌詞がありますが、青柳さんの曲には多いですよね。

たしかに。よくサヨナラしてますね。

「泣いたロザリオ」や「ナツノニオイ」でもサヨナラしてるので。クリエイターが失恋ソングだったり別れっていうテーマを歌わせたくなるのかなと。

多いですよね、ほんとに(笑)。そういうイメージなんですかね。作ってくださる方たちは。最初にバラードの話もありましたけど、アップテンポの曲って難しいというか、リズム感がないといけないので、まだ俺に足りないところだなと思っていて。じゃあどういう曲をリリースしたらいいのかっていうことも考慮した上で考えてくださってるのかな、とも思ったりしてました。

青柳さんはずっとバンドのヴォーカルもやってらしたんですよね?

一番最初ですね。17とか18とかの頃。

だから最初は、バンド系の曲とか、ロックチューンで来るのかなって想像してたんですよね。でも、このアルバムではいわゆるバンドサウンドは「Snow!」くらいで。

そうですね。

どういう曲がお客さんが盛り上がるのかとか考えながら、色々と探ってますね

ご自身では得意なジャンルはありますか?

得意なジャンルはまだちょっとわからないですね。自分が好きな曲とか好きなテイストはありますけど。例えば、昨日は、斉藤和義さんの「ずっと好きだった」を呑み屋でかけましたね(笑)。あと、今はいろんな曲を聴いてます。ライブで何をカヴァーしたらいいかわからなくて。どういう曲がお客さんが盛り上がるのかとか考えながら、色々と探ってますね。スタッフさんと一緒に。

ああ、ラテンが入った情熱的な曲は合いそうです。それに、歌声から大人の色気も感じるので、「ずっと好きだった」は絶対に聴きたい。でも、「Unknown」もいろんな声の表情が出ていていいなと思いました。

ありがとうございます。R&Bチックなので難しかったですけど、ジェフさんの歌い方のニュアンスで、こういう感じ出せたらいいなってことをアドバイスをもらいながらやってました。

「君に伝えたいこと」はピアノバラードです。

デビューさせてもらってからずっと(成海)カズトさんが楽曲提供をしてくださっていたんですね。その中でも選考に落ちちゃった曲があったんですけど、ずっとこの曲だけ引っかかってて。「この曲どうしますか?」って言われていた中で、「いつかやりたいです」って、言ってた曲をやらせてもらいました。で、お会いしたことがないのでどういう思いで作ったのかわからないんですけど、もともとは子どもにたいしての曲だったんですね。今は歌詞が違いますけど。でも、それがすごく真実味があるというか。1コーラスしかなかったんですけど、それがすごく耳に残っていたので、これをやらせてもらいたいなってことで。でも、俺には子どもがいないので、子どもがテーマだと説得力がないということで、ニュアンスを変えていただいて。

ウエディングソングのようにさえ聴こえますね。

そうですよね。本当にやさしさにあふれた曲だと思っているので、ライヴでは自分の芸能生活というか、歌手活動にたいする思いも含めた上で歌いたいなと思ってます。

じゃあ、<君>っていうのはファンにたいしてという思いもありますか。

はい。そう聴いていただけたらいいなって思ってます。

9月には初のワンマンライブを控えてます。

ライブができることはもちろん嬉しいですけど、ずっと歌を突き詰めて、歌の職人さんがやるライヴというわけではないので、今まで歌や芝居で培ってきたものを踏まえながら、全体的に楽しいライヴにしたいと思っています。あとは、僕のことを応援してくださってる人は、うちの会社ごと好きになってくれてる人もいるし、その付き添いで来てくれてる彼氏みたいなまったく興味のない人もいると思うんです。そのどちらにも楽しんでもらえるようなライヴにしたいなって思ってます。内々で自己満みたいになるんじゃなく、ファンじゃない人も自分なりに楽しませたいし、みんなが知ってる先輩方の曲をちょっとロックっぽくしてみたり、そういう楽しさを増やしていけたらなって思ってます。

かなり環境的には恵まれているので、そこに甘んじることなく頑張っていきたいし、自分らしい歌を模索していければなって思ってます

青柳翔 エンタメステーションインタビュー

今後の音楽活動については現在のところどう考えてますか?

そのライヴを通じてわかればいいなって思ってます。4年間やらせてもらいましたけど、すべてうまく歌えたわけではないですし、ダメだったなっていうこともありましたし、そういうことを踏まえて、このライヴを楽しめるように、自分自身がまずやっていかなきゃいけないなって思ってます。

歌と演技、どちらの夢も叶ったことに関してはどんな思いを抱いてますか。

母体と言ったらアレですけど、うちの事務所の先輩後輩とかがアーティスト活動をしっかりやっている上で、じゃあ青柳もチャレンジしてみる? ってなってると思うんですね。そういう意味では、かなり環境的には恵まれているので、そこに甘んじることなく頑張っていきたいし、自分らしい歌を模索していければなって思ってます。

その他の青柳翔の作品はこちらへ。

ライブ情報

初のワンマンライブ開催決定! 青柳翔FIRST LIVE TOUR 〜Ⅳ〜

9月5日(木) 大阪 Zepp Namba
9月9日(月) 東京 Zepp Divercity

青柳翔

1985年4月12日生まれ、北海道出身。身長183cm、血液型A型。
2006年、「EXILE VOCAL BATTLE AUDITION」に参加。歌手としての夢は2次審査でついえたが、スタッフらから俳優としての才能を見いだされる。その後、2009年に舞台「あたっくNo.1」で俳優デビューし、劇団EXILEメンバーに。2012年に出演した映画「今日、恋をはじめます」では第22回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。映画や話題のドラマに次々と出演。2017年10月17日放送されるKTV/CXドラマ「明日の約束」でジャーナリスト小嶋修平役、11月放送スタートMBS/TBS深夜ドラマ「目玉焼きの黄身いつつぶす? 」では主人公・田宮丸二郎を演じる。 また、第67回ベルリン国際映画祭コンペティション部門出品作「MR.LONG」(12月16日に新宿武蔵野館ほか順次公開)に出演。2016年6月、「HiGH&LOWORIGINAL BEST ALBUM」に収録されたEXILE ATSUSHI作詞作曲「Maria」で音楽活動を開始。7月から開催された「HiGH&LOW THE LIVE」では初歌唱をドーム公演で歌い上げた。 同10月26日、1stシングル「泣いたロザリオ」を発売。同作はオリコンウィークリーチャートで初週7位にランクインし、話題となった。2017年6月7日に2ndシングル「そんなんじゃない」、11月29日に3rdシングル「Snow!」をリリース。
そして、2019年7月、1stアルバム『Ⅳ』をリリース。

オフィシャルサイト
https://aoyagi-official.com

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