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世界で共有してあそぶ『スーパーマリオメーカー 2』生み出す面白さは無限大

世界で共有してあそぶ『スーパーマリオメーカー 2』生み出す面白さは無限大

2015年9月にWii Uで発売された『スーパーマリオメーカー』。自分でコースを好きなようにつくり出し、それをインターネット上に投稿することで世界中のプレイヤーと共有できるという夢の遊びは、たちまち多くのプレイヤーを魅了しました。Wii U GamePadのタッチパネルを利用することにより、直接ステージに触れてブロック遊びのようにステージづくりができるという操作の直感性についても、当時は驚くべきことだったのです。そんなセンセーショナルな作品であった1作目から4年後の2019年6月、職人であるプレイヤーたちの大きな期待を受け、Nintendo Switchで『スーパーマリオメーカー 2』が発売されました。早速プレイしてみましたが、これぞ正当進化だと断言できる期待以上の完成度です。まずはどんなゲームかを知る&おさらいする意味で、公式の紹介映像をご覧ください。

文 / 内藤ハサミ


洗練された操作、奥深いコースづくりにハマる

さて、ゲームを起動したプレイヤーはまず“つくる”と“あそぶ”の2項目から選びます。「どちらを先にすべきか?」などと難しく考える必要は微塵もありません。今やってみたいことから選ぶべき。というわけで、筆者はとりあえずコースを作成してみることにしました。

スーパーマリオメーカー 2 エンタメステーションゲームレビュー

▲これ以上なくわかりやすいタイトル画面。つくる、そしてあそぶ……これが本作のすべて! ちなみにこのタイトル画面にはランダムでデモコースが表示されますが、これをタイトル画面のままプレイすることが可能です。気に入ったら、そのコースを基にカスタムすることもできます

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▲コース作成画面はこんな感じ

上部にズラッと並んだパーツのアイコンが実にわかりやすいですね。コース作成画面に表示されている以外にも、素材はたくさんあります。右上の虫眼鏡マークから選べるパーツ一覧で好みのブロック、敵、アイテム、しかけを選択し、コースマップ内に配置していきます。一度選んだパーツは、上部に並んだアイコンに追加され、古いものから削除されます。選択履歴になっているんですね。「さっき使ったアレを再び使いたい」というシーンは多いので、なくてはならない便利な機能です。

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▲マリオファンおなじみの素材集。今回、『スーパーマリオブラザーズ3』が初登場で、多くのプレイヤーを戦慄させたであろう“太陽”が追加されています。マリオをどこまでも追ってくる恐ろしい顔をした太陽の姿に、子供の頃に感じた怖さが呼び覚まされました……が、これでプレイヤーを恐怖のどん底に叩き落すこともできますね……フフフ

左側の縦に並んでいるアイコンは、上から各シリーズの絵柄が選べるゲームスキン(見た目)、シチュエーションを選べるシーンスキン、オートスクロールの有無や速度、タイマーの秒数、ゴールの条件を選ぶことができます。基本的な要素はこれだけです。スキンやパーツを選んで並べ、左下から即座に切り替えることができるプレイモードで試遊をし、細部を調整していく。コース作成の手順は、この繰り返しになります。これだけと書きましたが、これは凄いことなんです。余計なことを考えず、操作のわずらわしさを感じずに作成に没頭できるよう、注意深くインターフェースが調整されているということですから。そうそう、『スーパーマリオ 3Dワールド』のスキンだけは他との互換性はないので、途中までつくったコースのスキンだけを変えるということができません。このスキンで作成したい場合は、コースづくりのまえに選んでおきましょう。

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▲先ほどのスキンを砂漠シリーズに変え、通常は海中ステージにいるゲッソーを飛ばしてみました。こういうこともできてしまう自由度です

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▲さらにスキンを変化。森にテレサがうようよ……。基本的なブロックの構成をたいして変えなくても、ここまでイメージの違うコースになります

“つくる”モードでの操作はコントローラーだけで完結しますが、Nintendo Switchを携帯モードにし、タッチスクリーンで操作することをおすすめします。指で画面のアイコンをタッチしてパーツなどを選択し、任意の場所を再びタッチすることでパーツが置けます。絵を描くように直感的な操作ができて断然作成しやすいと思っているのですが、筆者の娘(7歳)はコントローラー操作派だそうで……。理由を聞いたところ、「慣れればコントローラーの手ごたえが気持ちいいし、テレビの大きい画面にプレイを映したいから」とのこと。なるほど~。しかし、操作ひとつとっても状況や好みに応じて選べるようにできているのは嬉しいですよね。つくるモードはふたりでコントローラーを分け合ってプレイすることも可能なのですが、筆者は個人的にわざわざふたりで同時につくる意味が見いだしにくいと感じました。ただ、子供や初心者がつくるステージの粗をフォローするなど、片方が補佐役になる前提であれば有用かと思います。

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▲オートスクロールの速度も細かく設定できるんです

ということで、15分くらいで簡単なコースをつくってみました。しんしんと降る雪が美しい雪原のコースを目指したつもりでした……当初は。初めてにしては悪くない気もしますが、なんとなく薄らぼんやりしていて特徴に欠ける、記憶に残りにくいコースになってしまいました。動画を撮ってみたので、よかったら見てください。のちほどいくつか試行錯誤を重ねたあとのコースも載せるので、そちらも併せて見てもらえると多少の成長を感じられるかな、と我ながら思います。

自分のコースを遊んでから公式のコースを改めて遊んでみると、やっぱり洗練されていると感じます。狙いがわかりやすいんですよね。どうすれば満足のいくコースになるだろう……と悩んだワタシとアナタに必要なのは、導いてくれる先生役。というわけで、過去作に登場し職人の心の師匠となっている、ヤマムラさんにご登場いただきましょう。ヤマムラさん、お願いします!

スーパーマリオメーカー 2 エンタメステーションゲームレビュー
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▲……ええと、どこからどう見てもハトです。人間の女性は案内役のニナ

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▲わかりやすく並んでいる項目。コース作成を始めるまえにひととおり見ておくといいかも

なぜかヤマムラさんの見た目はハトですが、とてもコースづくりと説明が上手で、たくさんのノウハウを持っています。そのヤマムラさんがコースづくりのコツを伝授してくれるコーナーが、メニューから選べる“ヤマムラ道場”。ここでパーツの使いかたから、面白さをつくり出すコツまで学ぶことができます。その内容は本作のコース作成のノウハウだけにとどまらず、あらゆるゲームにおける面白さの本質にも通じるような説明があったりして、非常に奥深いコーナーなのです。ヤマムラ道場を見ながらせっせとコースをつくるなかで、面白くて心に残るいいコース作成の大事な要素とは何なのか、自分なりの意見がまとまってきました。特に大事だと感じたのが下記の3点です。

1.コースのコンセプトをはっきりさせ、適度な説明を入れる
「さまざまな仕掛けをジャンプで乗り越えることを主軸に」、「カギを探す楽しさをフィーチャー」など、はっきりしたコンセプトを設定し、コースの状況で説明することができれば、プレイヤーをむやみに迷わせることはないでしょう。謎を解明することは楽しいですが、なんのヒントもなく路頭に迷わせるだけでは面白さを感じにくいです。先ほどの筆者のコースでも誘導のための矢印があったりなかったりと一貫性がないので、初見のプレイヤーに不親切ですね。細かい調整も完成度をアップさせるでしょう。

2.“難しいか”より“面白いか”を前提とし、プレイヤーに理不尽を強いない
「歯ごたえのあるコースをつくってみたい!」と思う職人は多いはず。筆者もそうです。しかし、面白さが感じられる難しさの演出ってとても大変。高難度のコースを目指すほど、安易にプレイヤーをいじめる方向へと突っ走りがちですが、難しさに手ごたえを感じさせるにはプレイヤー心理の研究と、的確なレベルデザインの感覚が必要というわけです。その感覚を養うためには、ヤマムラさん曰く「たくさんコースをつくること」だそうです。

3.遊ぶ対象の心の動きを予想する
上記ふたつの要素にも通じることですが、徹底的に“プレイヤー目線”に立って考えることが大事なのだと思います。「こういう仕掛けがあったとき、プレイヤーは何を考え、どうするだろう?」と徹底的に掘り下げていくところから面白さのヒントがひらめき、より発展したコースづくりにつながるのではないでしょうか。

これらのことを念頭に置いたのがこのコースです。目指したのは、“1UPキノコをたくさん取れて嬉しいコース”。しかし、ただ置いたのではつまらないので、隠れブロックをたくさん配置してプレイヤーに見つけてもらうことにしました。

自分だけで遊んでいるならばどんなコースでも自由なのですが、人に遊んでもらおうとするのであればやっぱり楽しんでもらいたいですよね。筆者もまだまだ修行中ですが、面白いコースを生み出してオンラインの他プレイヤーを楽しませ、たくさん「いいね!」を貰っちゃいましょう!

自分のコースを世界にお披露目しよう

「世界中のプレイヤーに自分のコースを遊んでもらいたい!」というときはどうするか。初代Wii Uの『スーパーマリオメーカー』同様、インターネット上に自作のコースをアップロードし、世界に公開してみましょう。セーブしておいた自作のコースを選択ののち“とうこうする”の項目からそのコースのクリアチェックを終えれば、アップロードできます。誰もクリアできない破綻したコースがラインアップに入ることを防ぐため、つくった本人がクリアできたコースでないと公開できないという条件があります。

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▲アップロードしたコースは、メインメニューの“世界のコース”から遊ばれた回数などを確認できます

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▲遊んだ人だけではなく、一番乗りでクリアした人、ベストタイムを持っている人……こんなに細かく情報を見ることもできます

公開したコースを誰かに遊んでもらえると、とっても嬉しいものですね。遊んでくれた人の一覧を眺め、「この人はドイツ、この人はイギリスから遊んでくれたのか。海を越えて私のコースが世界に……」と思わず感激。コメント機能もあるので、反応がダイレクトに伝わってくるのもエキサイティングです。次はもっと面白がってもらえるコースをつくっちゃおう! とやる気も湧いてきます。

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▲テキストや絵を自分で作成してコメントすることもできますが、最も簡単なのはいくつか用意された画像を利用すること。「ナイスアイデア!」や「おもしろーい!」など、使えるものがそろっています

プレイヤーである職人やアップロードされたコースには固有のIDが割り振られているので、IDを友だちと交換すればお互いのコースも遊べるようになります。職人のランキングもあり、上位の職人の作品を体験して面白さの理由を分析することも上達の近道ではないでしょうか。

あのマリオの世界を自分でつくり出せる、夢の具現化ツールである『スーパーマリオメーカー 2』は、過去作を丁寧にパワーアップさせ、Nintendo Switchにマッチさせた大傑作だと言えるでしょう。ミニゲームのハエたたき、マリオに代わりいろいろなキャラクターでプレイできるキャラマリオなど、前作から引き継がれなかった機能もいくつかありますが、現在まで「ああ、あれがあればよかったのに」と思う暇もなく、使える素材や機能が大幅に追加された今作はできることが多すぎてコースづくりのアイデアを実現するのが追いつかないという状態です。オンラインの要素が存在することで他プレイヤーから評価が貰えたり、アイデアのヒントが得られたりなどの嬉しさを味わえます。さらにゲームデザインの真髄をほんの少し理解できた気分になる楽しみもあり、無限の奥行きを感じられました。満喫したと思えるには、まだまだプレイをしなければ! そうそう、まだ“あそぶ”のメニューをぜんぜん紹介していませんよね。次回は、あそぶコーナーから選べる要素を中心に記事をお届けします。もっと難しいコースのクリエイトにも挑戦しますので、職人としてだんだん成長していく筆者の姿にどうぞご期待ください!
最後に。藤田ニコルさん、バカリズムさん、岡崎体育さんが出演したCMを見たことがありますか? 藤田ニコルさんバージョンでの「女の子がつくるコース……」、「藤田さんがクリアできるんだったら、俺ら余裕でクリアできる」というバカリズムさんの聞き捨てならないセリフに、筆者は「ムムッ!?」と思わず反応してしまいました。CMのオチは、藤田ニコルさんの激ムズコースに岡崎体育さんが撃沈する、というもの。年齢も性別も国籍も関係なく、同じ条件とフィールドで勝負ができるということがゲームのいいところ。世界の職人たちはどんな人なんだろう。きっといろいろなルーツを持ち、さまざまな生活を送っている人たちが私のコースを遊んでくれるんだろう。そんなことに想いを馳せながら世界に自分のつくったコースを送り出すとき、なんだかすごくエモーショナルな気持ちになるのです!

フォトギャラリー
スーパーマリオメーカー 2ロゴ

■タイトル:スーパーマリオメーカー 2
■メーカー:任天堂
■対応ハード:Nintendo Switch™
■ジャンル:アクション
■対象年齢:全年齢
■発売日:発売中(2019年6月28日)
■価格:パッケージ版・ダウンロード版 各5.980円+税


『スーパーマリオメーカー 2』オフィシャルサイト

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