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ゲーマーの宿題!? 夏休みにプレイしたいおすすめゲーム3選

ゲーマーの宿題!? 夏休みにプレイしたいおすすめゲーム3選

3.未プレイに異議あり! 『大逆転裁判』シリーズのすゝめ

カプコン / ニンテンドー3DS、iOS、Android / アドベンチャー・大法廷バトル

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『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』
『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』
『逆転裁判123 成歩堂セレクション』

【こんなとき&こんな方にオススメ】
・上質な物語をじっくりと読みたいとき
・夏休みは帰省などで移動時間が多いという方

『大逆転裁判』シリーズは、無実の罪を着せられた依頼人を救うため法廷で舌戦をくり広げるアドベンチャー『逆転裁判』シリーズの新プロジェクトとして制作されました。舞台はそれまでの現代から、19世紀末の日本と大英帝国の倫敦(ロンドン)に移り、キャラクターも一新。主人公は成歩堂龍ノ介(なるほどう りゅうのすけ)、つまり『逆転裁判』の成歩堂龍一(なるほどう りゅういち)のご先祖にあたる青年です。彼は弁護士として司法制度を学ぶため、当時最先端の倫敦へと留学しますが、難事件が待ち受けていて……?

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▲龍ノ介の初法廷は、明治の大日本帝国での極秘裁判。なんと、彼自身が被告人として起訴されてしまいます(画面は『大逆転裁判』。後半に登場する2枚以外はすべて上画面)

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▲弁護士の資格を持つ親友の亜双義一真がついているとはいえ、龍ノ介がセルフ弁護をすることになろうとは(画面は『大逆転裁判』)

さて、同シリーズは1作目『大逆転裁判 -成歩堂龍ノ介の冒險-』と、続編『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覚悟-』が発売されていますが、今回はこの2作品をまとめてプッシュさせていただきます。それというのも、2作品はつながりのある物語。1作目で残されていた謎が、2作目ですべて明らかにされていくのです。その謎についてはネタバレになるため、ここでは言えませんが、珠玉の物語であることは確かです。

『大逆転裁判』シリーズは従来の『逆転裁判』のシステムに加え、多くの新要素を取り入れています。そのひとつが、シャーロック・ホームズとの共同推理。そう、あのシャーロック・ホームズが倫敦に生きる名探偵として登場し、龍ノ介に力を貸してくれるのです。ただ、ホームズは観察力に優れるあまり、ちょっとズレたような推理を披露することも。龍ノ介はさまざまな角度からホームズの推理を検証し、協力して事件の調査(共同推理)を進めていきます。

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▲共同推理の場面は、まさにホームズ劇場。龍ノ介(プレイヤー)は視点をグリグリと動かして推理の焦点となっている対象を観察し、ホームズの言葉と照らし合わせムジュンを暴きます(画面はすべて『大逆転裁判』。3枚目のみ下画面)

探偵パートだけでなく、法廷パートにもドラマチックな仕掛けが組み込まれています。それが、陪審バトル。本シリーズでは倫敦市民から無作為に選ばれた6名の陪審員が、有罪・無罪の評決を出し、それが判決を左右します。裁判ごとにメンバーが変わりますが、皆さんなかなか個性的で……。

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▲英国紳士からおばあちゃんまでバラエティ豊か。彼らの背後にある大天秤は、陪審員6人のなかで有罪・無罪のどちらが多いかを反映したもので、有罪と意思表示した人が多ければ黒、無罪が多数なら白へと天秤が傾きます。裁判の途中でそれぞれの意見が変われば、天秤のバランスもまた変わります(画面はすべて『大逆転裁判』)

有罪の評決が濃厚となったら“最終弁論”が最後の砦。龍ノ介は「あなたはそう主張しているけれど、この人はこう言っている」というように陪審員どうしの意見をぶつけ、ムジュンや未解決の謎を浮かび上がらせることで、「有罪と決めつけるのはまだ早いかも?」と裁判の続行を認めさせなければなりません。もうあとがないという瀬戸際から息を吹き返すというような逆転劇は、法廷内の空気というか風向きが変わってきた様子が肌で感じ取れるかのよう。BGMがまたすばらしく、気持ちも盛り上がります。

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▲陪審員のなかには、思い違いをしている人がいるかも……?(画面はすべて『大逆転裁判』。2枚目のみ下画面)

陪審員に輪をかけて強烈なのが、主要キャラクターの面々。彼らの個性を際立たせているのは、3Dモデルの自然かつ、振り切ったモーションの賜物でしょう。例えばホームズなら妙なポーズやヘンな動きから奇人っぷりが見て取れますし、龍ノ介のライバルとなるバロック・バンジークス検事の優雅な指先からは高貴な生まれであることが漂います。

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▲ホームズの動きの奇人度は、見知らぬ間柄であったなら見ない振りをしてスッと避けるレベル(画面は『大逆転裁判2』)

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▲バンジークス検事はいつも品のある立ち振る舞いですが、ワイングラスを投げたり、かかと落としをしたりとデンジャラスなときも……(画面は『大逆転裁判2』)

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▲女子の仕草もかわいいんですよ! 龍ノ介を支える法務助士の御琴羽 寿沙都(みことば すさと)はまさに大和撫子だし、ホームズの同居人であるアイリス・ワトソンは愛くるしさのなかに天才少女たる知性が滲んでいます(画面はすべて『大逆転裁判』)

キャラクターの表情も言葉以上に雄弁。泳ぐ目や涙に潤む瞳など、とりわけ目の動きは心情を映し出しています。文豪・夏目漱石などは激しいポージングが注目されがちですが、定まらない視線と震えが止まらぬ手のインパクトは他の追随を許しません。夏目漱石と聞いて、実在の人物が話に登場することに驚かれるかもしれませんが、思いのほか『大逆転裁判』の世界に溶け込んでいる気がしました。本シリーズの漱石は、かなり大胆にキャラクターづけされているからかもしれませんが、ファンからは愛すべき存在として不動の地位を確立しているようにも思います。

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▲大英帝国留学中に殺人犯として疑われた漱石。龍ノ介は彼の弁護を担当することになります。漱石の目の下がたまにピクついているのを見ると、相当参っているのだなあと気の毒になります(画面は『大逆転裁判2』)

ここまで、『大逆転裁判』シリーズならではの要素やキャラクターについて述べてきましたが、『逆転裁判』シリーズで培われたシステムは健在です。裁判で証人の話を聞き、証拠品と食い違う部分(ムジュン)にツッコんで嘘や思い違いをあぶり出すのは、相変わらずスリル満点。ひとつ間違えばこちらのペナルティになるうえ、事件に使われたトリックには「まさか!?」と予想のナナメ上を行くものがあったりするからです。トリックといえば、本シリーズでは当時の倫敦の文化や、生活が関係する仕掛けが多かったように思います。そういった知識が自然と入ってくるので、ちょっと得した気分にも。

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▲尋問などでミスすると、画面右上にあるマークがひとつずつ減り、全部なくなると裁判は即刻終了。被告人は有罪となってしまいます(画面は『大逆転裁判2』)

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▲証拠品をつきつける際に叫ぶ「異議あり!」は、『逆転裁判』シリーズから受け継ぐ名ゼリフ。時系列で言えば、ご先祖である龍ノ介が発祥なのかな?(画面はすべて『大逆転裁判』)

『大逆転裁判』シリーズの最大の魅力はやはりシナリオだと思いますが、ネタバレはギルティですから、多くをお伝えできないことがもどかしくもあります。ただ、ひとつだけ言えることは、これからプレイされる方は1作目と2作目はまとめて用意しておくべし、ということ。そして、間髪入れずに1作目から2作目に移ってほしい! また、「1作目は遊んだけど『大逆転裁判2』はまだ」という方は、改めて1作目から遊ばれてみることをオススメします。いやいっそ、初期の3部作をリファインして1本に収録した『逆転裁判123 成歩堂セレクション』から入ってみるのもいいかもしれません。こちらはマルチプラットフォームで展開しているので、お持ちのハードで遊べるという利点も。両シリーズをプレイすることで、ゲームの進化の過程や先祖と子孫の共通点が見えてくるはずです。
両シリーズに言えることですが、プレイするなら一気に最後まで駆け抜けるのがベスト。途中で中断すると話の流れを思い出すのに時間がかかりますし、気持ちの盛り上がりもリセットされてしまいます。ですので、まとまった時間が取れる夏休みこそ『大逆転裁判』の遊びドキ。余裕があれば、2周目をプレイしてもいいと思います。私も今回、改めてプレイしてみて本作が細かなところまで徹底して作られていることを再確認できましたし、グッと来るニクイ演出にまた心を持っていかれました。それと同時に、キャラクター愛も再燃。本当に、すべてのキャラクターが愛おしくなります。ぜひ、あなたも原点にして最高峰の物語に飛び込んで、どっぷりとハマってください。

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以上、まとまった休みにプレイをしていただきたい3タイトルの提案でした。仕事を終えて自宅に戻り、反射的に遊ぶゲームが日々を支えているかと思いますが、数年まえに通り過ぎてしまった大作、あるいはいっしょに遊ぶ相手とタイミングを意識した作品ををじっくりとプレイし、これから迎えるゲームシーンに備える宿題としていただきたいと思いました。筆者の好みが表れている選出ですが、触れてみれば間違いのない3タイトルです。この夏にいかがですか?

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