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中川晃教、柿澤勇人、小西遼生、加藤和樹が、ミュージカル『フランケンシュタイン』の裏話をぶっちゃけた、ファン感謝イベントレポート

中川晃教、柿澤勇人、小西遼生、加藤和樹が、ミュージカル『フランケンシュタイン』の裏話をぶっちゃけた、ファン感謝イベントレポート

2020年1~2月に東京、愛知、大阪で上演されるミュージカル『フランケンシュタイン』のファン感謝イベントが7月29日(月)に行われた。約2,000通の応募から抽選で選ばれた150人のオーディエンスが見守るなか、ビクター・フランケンシュタイン/ジャックを演じる中川晃教と柿澤勇人、アンリ・デュプレ/怪物 役の加藤和樹と小西遼生、潤色・演出の板垣恭一と東宝・篠崎勇己プロデューサーが登壇。2017年の初演から、約3年ぶりに再演を迎える本作について、今だから話せる貴重なエピソードやディープな裏話の数々が語られた。

取材・文・撮影 / 近藤明子


ふたつの役でどう“生きる”のかという部分でチャレンジした作品

観客の拍手に迎えられ、笑顔でステージに登壇した中川晃教、柿澤勇人、加藤和樹、小西遼生と、潤色・演出の板垣恭一。

ミュージカル『フランケンシュタイン』 エンタメステーションレポート

MC役の篠崎勇己プロデューサーから開口一番「初演が終わってすぐに再演に向けオファーしたところ、全員が全員『3年先は何をやっているかわからない』と言っていたのですが(苦笑)、あっという間に3年が経って、このメンバーで再演ができることを嬉しく思います」という言葉があり、なごやかな雰囲気でイベントがスタートした。

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「再演が決まって、今再び、“甦った”感じがします。初演時の記者会見では『生命創造の~』って、いまだにタイトルをちゃんと覚えられていないんですけど、すごく難しい曲を歌いまして(苦笑)」と話す中川に、横から柿澤が「『偉大なる生命創造の歴史が始まる』ですね」と、絶妙なタイミングで救いの手を差し伸べるが、その直後に「アッキーさん(=中川)、歌の最後のロングトーンが『ここで切ろう』って事前に打ち合わせたものより長くなってて、僕はどうしようかと思いましたよ」と暴露話が始まった。

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そんな柿澤は「舞台本番中のアキレス腱断裂後、初の公の場での会見で、記者の方たちに『僕の脚はまだフランケン状態です』とコメントした記憶があります(苦笑)」と3年前の出来事を振り返った。

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一方、怪物 役について加藤小西は「舞台上で虐待を受けて」「つながれていた鎖が冷たくて」「冬なのにほぼ裸のような衣裳で寒くて」「素肌にアッキーの汗や涙をシャワーのようにポタポタと浴び……」と、いかに過酷な舞台だったかを切々と訴え、観客の笑いを誘っていた(笑)。

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本作は、メインキャスト全員が一人二役を演じるというトリッキーな演出も話題となったが、「俳優にとって、ふたつの役でどう“生きる”のかという部分でチャレンジした作品。お客様にはふたつの顔を楽しんでいただけるのが、この作品を多くの方たちに盛り上げていただけたことに結びつくのかなと思います」と中川が述べ、柿澤は「1幕では新しい命を創造していく天才科学者・ビクターという真面目な役、2幕では怪物を虐げる闘技場の主人・ジャックという、まったく違う役を演じるので、カロリー的には相当しんどいですが、ふたつの役を楽しみながら演じることができました」と語った。
ちなみに、あまりの役の違いに、観劇した大竹しのぶが「『カッキー(=柿澤)、2幕は出ないのね』」と二役演じていたことに気づいていなかったという驚きの裏話も飛び出した。

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ジャックの役づくりについて篠﨑プロデューサーは「柿澤さんは稽古場からいろんなことを試すタイプ。中川さんはシンプルにつくって最後の段階でガッといろいろなものを出していくタイプ。真逆なアプローチをするふたりを見て、『なるほど、いろいろな方法があるんだな』と思いました。それは怪物 役のふたりも一緒で、怪物となったあとにアンリの人格をどこまで引きずるかは、加藤さん、小西さん、それぞれのサジ加減が難しかったと思うのですが……」と怪物 役のふたりに話を振る。

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加藤は「やっぱり根底にアンリがあるので、ビクターとの関わり合いに執着する意味が怪物の中にあったのかなと……。精神的というよりは、さっきも言ったように肉体的につらかったし、そのつらい中から生まれてくる様々な感情もありましたけど(笑)」と当時の気持ちを振り返り、小西も「原作の『フランケンシュタイン』は人間が命を生み出す罪深さ、おぞましさみたいなものを抱えていないと成立しない。ただの友情物語になってしまわないように、原作のおぞましさをつくるためにも、アンリをどれだけ清くつくるかが重要だと感じました」と、それぞれの役づくりのアプローチについて語った。

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潤色・演出の板垣は「加藤さんと小西さんの話を聞いていて思い出したのですが、アンリの記憶の有無が韓国版の台本には書かれていなかったので、アンリがなぜビクターに『自分の身体を使え』と言ったのか僕は腑に落ちなかったので、その部分を日本版では足しています。アンリとしての記憶を引きずっているのか、ポケットの中にあった日記を読んで怪物自身が新たに人格をつくり直したのか……私とは“何”によってできているのかという深いことまで考えていたなというのを思い出しました」と話し始めると、会場内が一気にアカデミックな雰囲気に。

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また、難曲と言われている『フランケンシュタイン』の楽曲について、「韓国の1万人規模の野外フェスティバルに招かれて『偉大なる生命創造の歴史が始まる』を披露する機会があったんですけど、リハーサルではオーケストラの女性指揮者に呼ばれて、すぐ横で歌うように促されたんです。譜面どおりに演奏してもテンポのチェンジなどが激しくて『何これ?』みたいな雰囲気で。本国の人たちも苦戦するような難しい作品に僕らは挑んだんだなと改めて感じると同時に、韓国ミュージカルのクオリティの高さも実感しました」と中川。韓国には何度も渡航し観劇しているという加藤も「韓国はミュージカルがエンターテインメント文化に根づいている感じがある。観客への伝え方など勉強になることが多くありますね」とコメントした。

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また、怪物とビクターの関係性について聞かれると、加藤は「毎日、何が出てくるんだろうというドキドキ感がありましたね。アッキーさんは“共に進んでいく”っていう意志を強く感じ、カッキーに対しては“自分が支えてあげなきゃ”“放っておけない”という気持ちでした」と語ると、「俺も支えられたい!」と中川が熱望。

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小西は「どちらのビクターもそうですが、男の友情にグッときました。稽古を重ねるたびにふたりともどんどん変化していくんですけど、カッキーからはとにかく『俺のために死んでくれ』という想いを強く感じて、潔く死んでいけました(笑)」と語るのを聞いて苦笑いの柿澤だったが、その後「でも怪物になったあとの復讐心は、カッキーに対してのほうが強かったです。二幕になってからのいたぶってくる感じがハンパないんですよ!」と小西が続けると、椅子から転げ落ちんばかりの勢いで大爆笑! 小西いわく「お芝居で目で訴えるカッキーと、歌に込めるアッキー。Wキャストならではのアプローチの違いがありました。飛ばし方が違うんです」という分析に、観客も関心しきりだった。

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その後、怪物の「クマ、おいしい」の台詞から、急遽会場で「熊カレー」が販売されることになった経緯が説明され、「せっかくなので食べてみましょうか?」と、カレーが盛られた皿が運ばれてきて、会場内にスパイシーな香りが充満する。ちょうど昼時ということもあり、笑顔でカレーにパクつくキャスト陣。

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「うまぁ~い」「これが熊肉か!?」「結構固め。ビーフジャーキーっぽいですね」と思い思いに感想を述べるなか、小西の「僕のカレー、肉が入ってない。ただのカレーです」というせつないつぶやきに、会場は再び爆笑の渦に包まれた。

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そんなトークコーナーに続き、新キャストの露崎春女による劇中歌「その日に私が」の披露が行われ、あたたかく透明感溢れる歌声が会場内に響きわたると、来年の再演に向けて期待が一層高まったのだった。

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最後、再びステージに登壇したキャストから、意気込みが述べられた。

板垣 韓国チームがつくった熱い作品を、露崎さんも加えたこのメンバーと共に、新しい『フランケンシュタイン』をお届けしたい。

露崎 素晴らしい作品、素晴らしいキャストの皆さんとご一緒できることを本当に楽しみにしています。精一杯頑張らせていただきます。

小西 今日、久しぶりにこのメンバーに会って再演の実感が湧いてきました。僕ら演者も身を削って心を削ってやる作品なので、稽古が始まるまでに覚悟を固めて、前回以上に熱い舞台を届けられるように頑張ります。楽しみにしていてください。

加藤 再び大好きな作品に出演できる喜びを噛みしめています。また寒い時期に上演されますが(苦笑)、(小西)遼生さんがおっしゃったように肉体的にも精神的にも身を削るような想いで、1シーン1シーンに命を吹き込みたい。パワーアップした『フランケンシュタイン』をお見せできるように頑張りますので、どうぞ楽しみにしていてください。

柿澤 初演で一番印象に残っているのが、大千秋楽の愛知の大劇場で見たカーテンコールのスタンディングオベーションの盛り上がり。本当に精神的にもやられますし、体力的にも結構えぐいハイカロリーな舞台ですが、初演以上の熱狂を巻き起こすべく全力で頑張ります! 皆さま、応援よろしくお願いします!!

中川 僕とカッキーはWキャストなので一緒に舞台に立つことは普通はないのですが、この作品にかぎっては、僕とカッキーがビクターとジャックを演じ分けて同じステージに立つスペシャルな公演が数公演あります。(「あの日、すごくラクだった!」の柿澤の声に「俺たちもラクしたい」と小西)。そんな貴重な経験をさせていただいたり、様々な実験的なこともやらせていただいている作品。これからもふたりで『フランケンシュタイン』を牽引していけるように頑張っていきたい。古くからの知り合いであり共に舞台上で戦ってきた戦友とも言えるコニタン(=小西)とだから築けた関係性、そして今は別の作品でも共演中の和樹くんですが、実は『フランケンシュタイン』が初共演。でも初共演とは思えないくらい『この胸に飛び込みたい』という熱さを感じることができました(その言葉に両手を広げて「飛び込んでおいで」と微笑む加藤)。誰ひとり欠けても成立しない『フランケンシュタイン』を今回の再演でもお見せしたいです。ミュージカルの魅力、エンターテインメントの魅力、そして私たち役者の魅力が伝わる再演になるよう、チームワークで頑張っていきます!

と、中川の力強い言葉でイベントは締め括られた。

ミュージカル『フランケンシュタイン』 エンタメステーションレポート

ミュージカル『フランケンシュタイン』は、2020年1月8日(水)〜1月30日(木)東京・日生劇場で上演後、2月14日(金)〜2月16日(日)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、2月20日(木)〜2月24日(月)大阪・梅田芸術劇場 メインホールで上演される。チケットの一般販売は9月21日(土)にスタート。その他、公演に関する詳細は、オフィシャルサイトまで。

ミュージカル『フランケンシュタイン』

ミュージカル『フランケンシュタイン』

東京公演:2020年1月8日(水)〜1月30日(木)日生劇場
愛知公演:2020年2月14日(金)〜2月16日(日)愛知芸術劇場 大ホール
大阪公演:2020年2月20日(木)〜2月24日(月)梅田芸術劇場 メインホール 〈チケット一般発売〉2019年9月21日(土)〜

STORY
19世紀ヨーロッパ。科学者ビクター・フランケンシュタインが戦場でアンリ・デュプレの命を救ったことで、二人は固い友情で結ばれた。“生命創造”に挑むビクターに感銘を受けたアンリは研究を手伝うが、殺人事件に巻き込まれたビクターを救うため、無実の罪で命を落としてしまう。ビクターはアンリを生き返らせようと、アンリの亡き骸に自らの研究の成果を注ぎ込む。しかし誕生したのは、アンリの記憶を失った“怪物”だった。そして“怪物”は自らのおぞましい姿を恨み、ビクターに復讐を誓うのだった…。

音楽:イ・ソンジュン
脚本・歌詞:ワン・ヨンボム
潤色・演出:板垣恭一
訳詞:森 雪之丞

出演:
ビクター・フランケンシュタイン/ジャック 役(Wキャスト):中川晃教 柿澤勇人
アンリ・デュプレ/怪物(Wキャスト):加藤和樹 小西遼生
ジュリア/カトリーヌ 役:音月 桂
ルンゲ/イゴール 役:鈴木壮麻
ステファン/フェルナンド 役:相島一之
エレン/エヴァ 役:露崎春女
ほか

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@musical_franken)