Interview

杉江大志&櫻井圭登らがつくる、誰も観たことのない青春ミュージカル。ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- まもなく上演!

杉江大志&櫻井圭登らがつくる、誰も観たことのない青春ミュージカル。ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- まもなく上演!

2017年に初演を迎えたミュージカル「スタミュ」。その後、2ndシーズンやスピンオフ作品が次々に上演され、最新作にあたるミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン-が、8月12日(月・休)から日本青年館ホールにて上演される。
原作は2015年に放送されたアニメ「スタミュ」で、芸能の名門校・綾薙学園に入学したミュージカル俳優を目指す少年・星谷悠太(ほしたにゆうた)の物語だ。本作では、星谷が所属するミュージカル学科が修学旅行で訪れたフランスのパリを舞台に巻き起こす青春ドタバタミュージカルが描かれる。
その舞台で初演から、主人公の星谷悠太を演じる杉江大志と、ライバルである辰己琉唯(たつみるい)を演じる櫻井圭登にインタビューをした。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 岩田えり


ここまで大きく育った作品に携われて感慨深い

つい先だってのteam柊単独公演『Caribbean Groove』(19)や、『SHUFFLE REVUE』(18)などスピンオフ作品が続きましたが、2ndシーズン以来、約1年ぶりにファンが待ち望んだ“スタミュミュ”の3rdシーズンが上演されます。

杉江大志 初演のミュージカル「スタミュ」(17)からこのシリーズに出演していますが、これほどお客様に愛されて大きく育っている作品に携われて感慨深いです。

櫻井圭登 僕も大志くんと同じ気持ちで、シリーズを重ねるごとにプレッシャーも大きくなるし、中途半端に辞めることはできないので、回を重ねるごとに“スタミュミュ”をお客様に届ける責任感が大きくなってきました。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- 杉江大志 エンタメステーションインタビュー

杉江大志

初演から演じている杉江さんの星谷悠太(ほしたにゆうた)と櫻井さんの辰己琉唯(たつみるい)はおふたりにとってどのような存在になっていますか。

杉江 これまでいろいろな舞台に巡り合って、様々な役を演じてきましたが、その中でも星谷悠太は僕にとって大切な存在で、星谷と向き合えば向き合うほど僕を成長させてくれた役柄のひとつだと思います。

櫻井 ミュージカル俳優を目指している役を演じるわけですから、役者に対する考え方や表現方法は、“スタミュミュ”を通して教えてもらったと言ってもよくて。辰己には役者としてのプライドを教えてもらったと思っているので、これからも僕の役者人生に投影していきたいです。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- 櫻井圭登 エンタメステーションインタビュー

櫻井圭登

役づくりに関してお聞かせください。

杉江 僕と圭登は全然違うよね。

櫻井 そうだね、違うと思う。

杉江 僕は感覚的に役を受け入れて自分の身体に馴染ませて、稽古を通して必要な人格を役どころに盛り込んでいきます。圭登は最初から役を突き詰めていくタイプだよね?

櫻井 そうだと思う。僕はそれができないと何も始まらない気がしていて。このカンパニーの場合は、大志くん含め役者それぞれに役づくりに特徴があるので勉強になりますし、役に立つと思った方法を借りながら役をつくっています。

杉江 たとえば、僕が星谷とはどんな役か考えて、“こういう人だ”と思っている要素が5個あるとしますよね。圭登は10個ぐらい持っているタイプです。圭登は先手を打ちながら役をつくり込んでいくタイプだと思っていて。

櫻井 大志くん、ズバリ的中してる(笑)。ただ、最近はそういう役づくりはやめようとも思い始めていて。

杉江 えっ! なんで?(笑)

櫻井 (笑)。僕の役づくりはどうしても無駄な部分が出てくるんですね。お客様に伝えたいことは多すぎてもダメで、いらないところは削ぎ落としてシンプルになることも必要だと思うようになって。大志くんの場合は、役を読み解く嗅覚が素晴らしいですね。稽古でも周りがちゃんと見えていて、どのシーンでどういうものを提示したらいいのかを一番考えてくれる。何をお芝居として残したいのかを議題に挙げて、みんなで話し合いをしてくれる、まさに“ザ・座長”だと思います。

杉江 恥ずかしいよ(笑)。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションインタビュー

(笑)。ではこのカンパニーでは、杉江さんは座長として意識されることも多いんですか。

杉江 初演の“スタミュミュ”が初座長だったので、カンパニーのために何かをしなければいけないと気負ってしまって(苦笑)。空回って何もできずに、周りが支えてくれて座長としてなんとか立っていた状況でした。なのでそれ以降は、みんなを信用していますし、僕から何かを無理にしないようにしています。ただ、座長と言われると、胸に少しチクっと響くものもあるので(笑)。自分に負担をかけずに、それでも座長ということを忘れずに、できるだけ平常心でカンパニーをまとめようと心がけています。

櫻井 大志くんは座長気質があると思っています。そういう意味では、星谷と似ている部分があって、まっすぐなときはとてつもなくまっすぐで、真摯な姿に自然とついていきたくなります。

キャラクターから役者に刺激をもらえるのが本作の特徴

“スタミュミュ”は作品ごとにカラーが違うしバリエーションがありますが、今作のポイントはどこにありますか。

櫻井 今作はフランスが舞台になっているのが大きいと思います。オペラ座といった、綾薙学園のミュージカル学科の生徒には憧れの場所も登場します。それは演じる役者としても同じなんですね。日本の演劇とフランスの演劇が交わる設定でもあるので、キャラクターから役者である自分たちに刺激をもらえるのが本作の特徴でもあると思うし、演じがいがあって、役者冥利に尽きます。役者としてメラメラ燃えてくるものがあるので、今作ではそんな熱い役者魂を感じてもらいたいです。

杉江 圭登が言ったように舞台がパリということもありますが、学園の外に出て行くのが肝だと思います。これまでの“スタミュミュ”は、学園の中での生徒の成長のお話なので、今作の星谷であれば、彼が外に飛び出して周りにどのような影響を与えるのか注目してください。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- 杉江大志 エンタメステーションインタビュー

“スタミュミュ”は学園内にあるteam制も面白くて、それぞれの役者がteamごとに活躍するのも特徴ですね。杉江さんのteam鳳や櫻井さんのteam柊はこれまでの公演を経てどんなものになっていますか。

櫻井 今回、僕らのteamでは、メンバーの虎石和泉 役が高本 学くんに変わります。(高本)学くんは年齢も近く、思考が似ている部分もあるので話しやすいし、努力家です。彼を尊重しながら、僕はリーダーとしてより厳しく自分を律していきたいと思っています。team柊は“スター・オブ・スター”という肩書きを持つほど優秀なteamなので、カンパニーがグレードアップできる助けになれるように、team鳳と一緒に戦っていきたいと思います。

杉江 僕らのteamは月皇海斗 役が反橋宗一郎さん、天花寺翔 役が橘 龍丸さんに変わります。おふたりとも僕よりも年上なのですが全員年下の既存組に上手に馴染んでいただいて、自分を消すことなく、かといって輪を乱すことなく、バランスをとってくださる。大人なおふたりにすでに頼っている状況です(笑)。teamとしての伸び伸びさが出ているし、新しく入ったおふたりも含めてお互いの個性がもっと滲み出たら、これまでとは違ったteamになると思います。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションインタビュー

ここまでの稽古はいかがですか。

杉江 新キャストが入ったことで新しい風が吹いて新鮮です。シリーズを経ていくうちに、どこかみんなに甘えていく僕がいたのも事実でしたが、新加入する役者が僕の襟を正してくれるので、ワクワクしながら稽古をしています。ただ、稽古の進み方や本番に向けての取り組み方はいつもどおりですね。つまりどこまでレベルアップした作品を届けられるか、これからの踏ん張りが勝負だと思います。

櫻井 “スタミュミュ”に出演して、辰己と一緒に旅をした期間が長ければ長いほど、違う方向から役を追究していくようになりましたし、なにより、新しいキャストのおかげで、改めてみんなで稽古をすることを楽しく感じるし、素敵な稽古場になっていると思います。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- 櫻井圭登 エンタメステーションインタビュー

“スタミュミュ”ならではの稽古場の特徴はありますか。

杉江 どの現場でもそうではあるのですが、稽古場に行くたびに、“スタミュミュ”の世界に来たという新鮮な感覚になるし、自分の居住まいも自然と役になっていきますね。圭登はどう思う?

櫻井 稽古場に入れば、スタッフも含めた座組みにいるすべての人から“スタミュミュ”感が溢れている(笑)。

杉江 そうかもしれない(笑)。舞台監督の林(和宏)さんの“スタミュミュ愛”も大きいよね。

櫻井 そうですね。“スタミュミュ”はどんな状況においてもキャストだけでは成立しない座組みだと教えてくれます。

杉江 大人のスタッフチームがキャストに歩み寄ってくれるし、いつも僕らを気にかけてくれる。と言いながらも、「あなたたちは責任重大だよ」という圧力も少しありつつ(笑)、そこが“スタミュミュ”らしいですね。

吉谷光太郎には唯一無二の“吉谷ワールド”がある

演出の吉谷光太郎さんの存在も重要だと思いますが、初演からご一緒してどのような印象を持っていますか。

櫻井 たとえば、『Caribbean Groove』は、登場人物たちが演出して舞台をつくるという劇中劇の作品で、僕はteam柊のリーダーという立場でもあったので、「櫻井が率先してワンシーンをつくってもいいよ」と気軽に言われたことがあって(笑)、吉谷さんと話し合いながらつくったので貴重な経験をさせていただきました。吉谷さんは安心感がありますね。

杉江 たしかにそうだよね。吉谷さんには吉谷さんだけの“吉谷ワールド”があります(笑)。吉谷さんは、僕らに必要なことをいつも補足してくださる。それによって作品に厚みが出るし、役者がお客様に届けないといけない部分を助けてくれるから、それ以上のことに僕らはチャレンジできる。「こっちは任せてくれれば大丈夫」という感じで、僕らにはそれ以外の要素を作品に持ち込んで欲しいと望んでいらっしゃって、カンパニー全体でお芝居をつくろうとします。僕は“スタミュミュ”以外でも、まだ何もできない頃から吉谷さんとご一緒しているので、役者・杉江大志の4分の1は吉谷さんで出来上がっていますね(笑)。

櫻井 それを言うなら、僕も4分の1は吉谷さんですよ!(笑)

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションインタビュー

(笑)。本作はミュージカルなので、歌も大切になってくると思いますが、気をつけようとしていることはありますか。

杉江 歌があろうとなかろうとアプローチの仕方はどの舞台でも変わらないと思います。というのも、歌もお芝居のひとつで、ミュージカルであっても作品であることに変わりはない。どこで何を見せたいのか、誰を主軸に置いてお客様を引っ張るのかは同じなので、そこに歌が寄り添っているというイメージで臨んでいます。

櫻井 感情を届けられないと歌う意味がないと思っているので、勉強をしながら臨んでいますが、ミュージカルにはいろいろなタイプがあって、“スタミュミュ”であればポップスが多いので、その中で僕たちに何ができるのかを模索しながら稽古をしています。

杉江 “スタミュミュ”は、多くのミュージカルのように役の気持ちが歌詞になるナンバーばかりではないから、僕らがどんな佇まいで歌っていくのかが大切だよね。

1 2 >