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杉江大志&櫻井圭登らが演出家と役者の愛に満ちた関係をリアルに描くミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン-。大ヒット上演中!

杉江大志&櫻井圭登らが演出家と役者の愛に満ちた関係をリアルに描くミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン-。大ヒット上演中!

8月12日(月・休)から日本青年館ホールにて上演中のミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン-。原作は2015年に放送されたアニメ「スタミュ」で、10月から12月までTOKYO MXで第一期、2017年4月から6月まで第二期を放送、2019年7月より第3期が放送中だ。
舞台版の初演は2017年。その後、2ndシーズンやスピンオフ作品が次々に上演されているが、本作は原作にないオリジナルキャラクターが登場するほか、オリジナルストーリーが描かれるのがポイント。最新作では、綾薙学園でミュージカル俳優を目指す少年・星谷悠太(ほしたにゆうた)が、所属するミュージカル学科のメンバーと修学旅行で訪れたフランスのパリを舞台に巻き起こす騒動を描く、青春ドタバタミュージカル。
初日前に行われたゲネプロと囲み取材のレポート。

取材・文・撮影 / 竹下力


観に来てくれるすべての人たちへ感謝の気持ちに溢れた作品

「STAGEは永遠じゃない。いつかは自分で幕を引く。最高の演出で。それが──美学というものだ」 フランスの演出家のアレクサンドル=ベルナルド(法月康平)が掲げる言葉だ。そんな彼の舞台にかける強い信念がみなぎった劇場に綾薙学園のミュージカル学科の夢見る生徒=“役者の卵”たちのキラキラとした青春がほとばしる、熱くて、優しくて、底抜けにハッピーなヴァイヴスに満ちた、愛の溢れるミュージカル。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

大きな回り舞台を活かしながら、色とりどりのカラフルなライトが点滅し、始まりから終わりまでテンポの良いポップなナンバーが切れ目なく続く、息もつかせぬ迫力満点のミュージカルに仕上がっていた。どんな時もどんな場所でも歌い続けるミュージカル俳優を目指す彼らが証明したいのは、たったひとつの真実。そう、ミュージカルは世界一素敵な舞台だということ。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

そこから描かれるのは10代の高校生たちの成長物語ではないか、と最初は思っていた。ただ、物語が進むにつれて、この作品はアレクサンドル=ベルナルド(アレックス)という演出家とミュージカル俳優を目指す学生たちのバディものだと感じるようになった。国も違う、性格だってバラバラな彼らがタッグを組み、言葉を超え、人種を超え、挫折を超えて、最高の舞台を明日へ残そうとする。同時に役者と演出家の関係性を明らかにする、いわば役者や演出家を目指す若い人たちへのバイブルと言っていい仕上がりになっているのだ。つまり、この舞台はフィクションであるけれど、日本の演劇の状況を克明に描いた、限りなく“真実”に近いフィクションであると思う。

なにより、team鳳(星谷悠太、那 雪透、月皇海斗、天花寺翔、空閑 愁)、team柊(辰己琉唯、申渡栄吾、戌峰誠士郎、虎石和泉、卯川 晶)、team楪(揚羽 陸、蜂矢 聡)、team漣(北原 廉、南條 聖)の醸し出す“これぞ俳優を目指す高校生”といった青春感は、それぞれの役者の個性溢れる演技をぶつけあうことで完璧に再現されていた。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

フランスの演出家のアレックスが日本ミュージカル界のプリンス月皇遥斗(CV.子安武人)に電話をかけるところから舞台は始まる。パリに建立する新劇場の芸術監督に就任したアレックスは、どうやら旗揚げ公演に遥斗を主役にしたミュージカルを上演したいらしい。しかし、ブロードウェイの作品に出演中の遥斗は舞台には立てないと断る。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

夏の卒業記念公演と秋の綾薙祭公演を終えたミュージカル学科2年生の星谷悠太(杉江大志)たちは、冬のイベントである修学旅行でパリへやってきた。つかの間、観光旅行を楽しむ星谷たちだったが、蜂矢 聡(石田 隼)がスリに遭遇したことでムードが一変。スリを追ってパリの街に迷い込んだteam鳳だったが、とあるきっかけで謎の男たちに拉致されてしまう。

彼らを捜索するほかのteamのメンバーたちの前に突然現れたのは、里帰り中の楪=クリスチアン=リオン(釣本 南)と楪の付き添いでパリに遊びにきていた漣 朔也(TAKA)。卒業生も学園の生徒たちも入り乱れて一波乱の予感が満ちる。それと同時に、フランス演劇界に大きなうねりが起き始める……。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

やはり吉谷光太郎のアンサンブルを巧みに使ったマンパワー溢れる演出には感動せずにはいられない。彼の演出からは美しい所作や仕草は人間そのものに宿るという人間賛歌を感じる。吉谷の意図に堂々と応えていたアンサンブルも、感動的な照明や音響や小道具のスタッフも、カンパニーを成立させる立派な存在であることがわかる。吉谷の平等主義は本作においても貫徹されているし、舞台が世界で初めて平等主義を標語に掲げたフランスというのも運命の巡り合わせだろうか。

そんな演出家の想いを受け止める個性豊かな役者陣の芝居も情熱的だった。新キャストを含め造形が深く描かれているので、つねに面白い発見がある。どの楽曲も、しっかり稽古をしていて朗々と歌っていたし、振付のただこらによるダンスも統制が取れて思わず一緒に踊りだしたくなる。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

特に、どこか天然な性格なのに、なぜかみんなの胸を射抜く言葉を発し、バラバラの個性をひとつにまとめあげてしまう星谷悠太を演じる杉江大志のカリスマ性を帯びた演技には見応えがあった。このカンパニーが底抜けに明るいのは、どんなに激しい踊りや歌があっても、星谷のキャラクターと同じように笑顔を絶やさない座長・杉江の佇まいにある気がする。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

また、今作では星谷を手助けしながら、team柊をまとめ上げる辰己琉唯 役の櫻井圭登の凛とした表情がかっこいい。今作から新加入したteam楪の揚羽 陸 役の大見拓土、蜂矢 聡 役の石田 隼、team漣の北原 廉 役の澁木 稜、南條 聖 役の小波津亜廉はそれぞれ、原作のキャラクターをしっかりモノにしていたと思う。樋口裕太は、もうひとりの新キャラクターである謎多きフランシスを熱演していて目が離せなかったし、法月康平も、癖のある演出家らしく、厳しい顔をして怒鳴ったり、不躾な表情がリアルで怖かったけれど、時おり、優しさも伺わせる二面性のある芝居が見事だった。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

この舞台を観ていると、演出家は役者を見捨てないものだとつくづく感じる。あるいは演出家は役者のピンチを必ず救おうとしてくれる。そして役者はそんな心持ちの演出家を支えることで、心をひとつにカンパニーの結束力を深めることができるのだ。彼らは、この作品を一緒につくり上げた仲間だけではなく、観に来てくれるすべての人たちへの感謝の気持ちにも溢れ、思わず胸にグッと迫る作品をつくり上げた。どんなこともひとりで為すことはできない。人が人を支え合うことで生まれる信頼関係こそが大切なのだ。優しさを持って誰かに接する、夢を持って前に進む、それだけで世界は光り輝くという博愛精神も教えてくれる傑作ミュージカルだった。

臆することなく“スタミュミュ”に飛び込んでいただければ

このゲネプロの前には囲み取材が行われ、星谷悠太 役の杉江大志、那 雪透 役の山中翔太、月皇海斗 役の反橋宗一郎、天花寺翔 役の橘 龍丸、空閑 愁 役の新里宏太、フランシス 役の樋口裕太、アレクサンドル=ベルナルド 役の法月康平が登壇した。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン- エンタメステーションレポート

まず見どころを問われた杉江大志は「舞台は学園の外のパリで、しかもオリジナルキャラクターとオリジナルストーリーが見どころだと思います。今回はセットも音響も照明も見事なので、それらに負けないよう頑張りたいと思います」と意気込んだ。

それに続けて、法月康平は「今作はオリジナルキャラクターのフランシスと一緒に登場することが大きな見どころです。僕は星谷、フランシス、みんなで演じる3つのシーンに登場するのですが、自分の概念が崩れていく瞬間を観てもらえれば嬉しいです」と自身のキャラクターに触れ、山中翔太は「team楪とteam漣のメンバーが今回から新しく登場し、オリジナルキャラクターも加わったので、“スタミュミュ”のワチャワチャ感がより一層出ていると思います」とコメント。

反橋宗一郎は「前作から役を引き継いだので、プレッシャーはありますが、自分にしかできない月皇海斗にしようと、みんなに教えてもらいながら役をつくりました」と心境を述べ、橘 龍丸は「team鳳としてはアレックスと関わるシーンが多いので、彼との関係性やキャラクターの心情を観ていただきたいです」と語った。

樋口裕太は「2.5次元の舞台でオリジナルキャラクターを演じるのは初めてで、“スタミュミュ”の中でオリジナルキャラクターとして出演する意味を作品に加えられたらと思います」と思いを明かし、新里宏太は「オリジナル楽曲が多いので、キャラクターの心情から歌のインスピレーションを引き出しながら、歌ったり踊ったりしています。teamで集まる時間が多くなっていろいろな話し合いをするようになりました」とteamの絆を見せた。

最後に登壇者からメッセージが送られた。
法月康平「アレックスやフランシスが原作にも登場してくれれば嬉しいと思っていただけるように千秋楽まで頑張りたいと思います」
樋口裕太「オリジナルキャラクターとして舞台上で“スタミュミュ”に新しい色を取り入れたいと思います」
橘 龍丸「今回から初参加となりますが、仲間と一緒に支えながらここまでくることができました。みなさんに楽しんでいただけるように精一杯頑張りたいと思います」
新里宏太「令和時代の初めての夏の作品で気温に負けない熱い舞台にしたいと思います」
反橋宗一郎「僕も初参加ですが、これまでに比べ、レベルが上がったと言っていただけるようにしたいです」
山中翔太「オリジナルキャラクターに心動かされていく2年生の姿をステージ上で純粋に演じていきたいと思います」
杉江大志「本公演を初演から3rdまで続けることができたのは、なにより、たくさんのお客様に支えられたからだと思います。今作も予想のできない展開が続くのでワクワク感を味わってください。観劇すれば照明と音響など含めて“スタミュミュ”の世界に連れて行ってくれます。臆することなく“スタミュミュ”に飛び込んでいただければ嬉しいです」
杉江の熱い言葉で囲み取材は終了した。

東京公演は8月25日(日)まで日本青年館ホールにて上演。大阪公演は、8月29日(木)から9月1日(日)まで森ノ宮ピロティホールにて上演される。

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン-

ミュージカル「スタミュ」-3rdシーズン-

東京公演:2019年8月12日(月・休)〜8月25日(日)日本青年館ホール
大阪公演:2019年8月29日(木)〜9月1日(日)森ノ宮ピロティホール

原作:ひなた凛
脚本:ハラダサヤカ
演出:吉谷光太郎
振付:ただこ
制作:パルコ、ポリゴンマジック
主催:ミュージカル「スタミュ」製作委員会

出演:
星谷悠太 役:杉江大志
那 雪透 役:山中翔太
月皇海斗 役:反橋宗一郎
天花寺翔 役:橘 龍丸
空 閑愁 役:新里宏太
辰己琉唯 役:櫻井圭登
申渡栄吾 役:北川尚弥
戌峰誠士郎 役:丹澤誠二
虎石和泉 役:高本 学
卯川 晶 役:星元裕月
揚羽 陸 役:大見拓土
蜂矢 聡 役:石田 隼
北原 廉 役:澁木 稜
南條 聖 役:小波津亜廉
楪=クリスチアン=リオン 役:釣本 南
漣 朔也 役:TAKA(CUBERS)

フランシス 役:樋口裕太
アレクサンドル=ベルナルド 役:法月康平

仲田祥司
吉田邑樹
多田 滉
千 大佑
田邉 凜
村上拓哉
安久真修
伊藤春斗

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@star_mumu)

©ミュージカル「スタミュ」製作委員会