Interview

Aqours・斉藤朱夏、ファンを驚かせたソロデビューの意外な姿 「いちばん伝えたかったことを伝えたい」楽曲の秘密とは?

Aqours・斉藤朱夏、ファンを驚かせたソロデビューの意外な姿 「いちばん伝えたかったことを伝えたい」楽曲の秘密とは?

『ラブライブ!サンシャイン!!』のスクールアイドルグループ・Aqoursのキャストとして、「NHK紅白歌合戦」に出場し、東京ドーム公演も大成功に収めた経験のある斉藤朱夏が、1stミニアルバム『くつひも』で待望のソロデビューを果たした。

幼い頃から目立つことが好きで、歌って踊れるアーティストになりたいと強く願っていたという彼女は全6曲入りのミニアルバムにどんな思いを込めたのか。デビュー直前の心境からミニアルバムの制作にまつわる話、そして、初のワンマンライブに向けた意気込みなどを聞いた。

取材・文 / 永堀アツオ 撮影 / 山本マオ


夢だったソロデビュー

このインタビューが公開される頃にはすでにリリースされていますが、ソロデビューを間近に控えた心境から聞かせてください。

斉藤朱夏 すごーくドキドキしてますね。正直、まだ実感がわかないといいますか、どこか夢のような感じがするんですよね。めちゃめちゃ現実なんですけど(笑)、なんだか深い眠りについていて、長い夢をずっと見てるんじゃないかなっていう気持ちですね。

これが夢で、急に醒めてしまったらどうします?

斉藤 びっくりですよね。しんどいでしかないです(笑)。

斉藤朱夏 エンタメステーションインタビュー

(笑)。改めて、その“夢のような”ソロデビューに至るまでの道のりをお伺いしたいと思います。小さい頃から夢見ていましたか?

斉藤 そうですね。元々、人前に出ることがすごく好きだったんですよね。幼稚園の頃はモーニング娘。が流行っていた時期だったので、ミニモニ。に入りたいって思っていたし、小さい頃から絶対に表に出る人間になるって思ってたんですね。3歳からピアノを始めて、小学4年生のときにダンスと出会って。

学校では、小学4年生から6年生までは器楽クラブでトランペットを吹いていたんですけど、ダンスにいちばんの魅力を感じていたので、楽器は小学校でひと区切りして。中学生のときは音楽とは関係ないバトミントンをやりつつ、ずっと習っていたダンスに夢中になってました。中学生のときは本当に「私はダンスで生きる!」って思ってましたね。

楽器もダンスも言葉を使わない表現ですよね。

斉藤 アーティストになりたいって思ったのは高校生になってからなんですよ。体で表現できることが好きだったからダンスで生きようと思ってたけど、自分がいちばん目立つポジションはなんだろう?って考えたときに、バックダンサーでもないし、コレオグラファーでもないし、ダンスの先生になるのも違うなって思って。

自分が主役になれるものを考えたときに、自分で歌って踊るアーティストになるしかないなって強く思ったんですよね。そこから、歌の勉強を始めたり、自分はなんで歌いたいのかっていうことを深く考えるようになって。

斉藤朱夏 エンタメステーションインタビュー

当時はどんな音楽を聴いてました?

斉藤 ダンスのときはマドンナとかビヨンセとか洋楽ばかりだったんですけど、普段は母の影響で聴いていた浜崎あゆみさんとか安室奈美恵さん、back numberさんを聴いてました。そこで“私は歌詞に惹かれて聴いてる”ってことに気がついたんですよね。

“言葉”は、間違って伝えると刃物になることもあるから怖いけど、だからこそ、歌の“言葉”を通して、自分の気持ちを伝えられたらどれだけ気持ちいいだろうと思って。そこから、“言葉”の表現というものをすごく意識するようになりました。

高校時代はどんなアーティストを目指してました?

斉藤 ダンスっていう軸はブレたくなかったので、バッキバキに歌って踊るアーティストになるんだろうなって思ってました。フタを開けてみたら全然違うっていう(笑)。

踊れる曲でデビューするかと思っていたので、最初にミニアルバムを聴いたときはびっくりしました。イメージと違う!って。

斉藤 みんなに「意外!」って言われますね。私は「しめしめ」って思ってます(笑)。

“斉藤朱夏”を提示したい

(笑)。では、斉藤朱夏としての最初の作品はどんなものにしたいと思っていましたか。

斉藤 最初に、今の自分の中にあるものを何行かのポエムのように書いて、作詞作曲をやってくださったハヤシケイ(LIVE LAB.)さんやディレクターさん、スタッフ陣に「これです!」って見せたんですね。世の中には見せられない、めちゃめちゃ恥ずかしい内容なんですけど(笑)。

でも、それを出さないと意味がないので、「もう恥とか知らん!」と思って、“私はこういう人間です!”っていうのを提出しました。ハヤシケイさんが斉藤朱夏のプロフィールをまとめてくれたのが、今回の『くつひも』になってますね。だから、この作品の6曲を一つひとつ聴いていくと、すごく恥ずかしいんです。「斉藤朱夏ってこういう人間です!」っていうのをあらためて提示してる感じなので。

明るく元気で常に笑顔というパブリックイメージとは違う面も描かれてますね。

斉藤 そうですね。私、結構なポジティブだと思われてるんですけど(笑)、最初に提示したポエムにもネガティブなことしか書いてなくて。でも、きっと、みんなどこかにネガティブな要素を抱えているし、ポジティブになりたくて、明るく振る舞って、ずっとニコニコしてることもあると思うんですよ。

それに、私はステージで歌って踊っているときに、笑わずに闇で包まれていたらいけないんです。だから、みんなからすると違和感があると思うけど、今回は本当に自分のネガティブな部分を全面的に見せてますね。私にもネガティブな部分があるし、みんなと一緒なんだよっていうことが伝わるといいなと思ってます。

ステージに立っている人はキラキラしてて華やかだったり、そういう目で見られがちだけど、みんなと同じように悩むこともあるし、音楽を通して、そういう悩みをみんなで一緒に解決できればいいかなって思ってて。

全体を通して、こんなにも「届かない」「伝わらない」「言えない」という思いを抱えているのも意外でした。

斉藤 私、感情を表に出すのが苦手なんです。人前で泣かないし、怒ったりもしないし、基本的には笑ってる、愉快な人みたいに扱われるんですけど、私にもやっぱり叫びたいときもあるし、伝えた言葉が手前に落ちてしまうような悔しさを感じたときもある。

だからこそ、「ことばの魔法」のように、当たり前の言葉を大切にしたいなと思っていて。言葉って武器にもなるし、相手に勇気を与えられたり、支えたりすることもできる。「ありがとう」って言われたら幸せな気持ちになるし、「ごめんね」っていうひと言が言えないだけで、関係性が一気に壊れることもある。みんなにも日常的でちっぽけな言葉を大切にしてほしいなっていう気持ちが伝わるといいなと思いますね。

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