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響け、音に込める彼らの想い。財木琢磨、古田一紀らが舞台上で箏を生演奏。舞台『この音とまれ!』上演中!

響け、音に込める彼らの想い。財木琢磨、古田一紀らが舞台上で箏を生演奏。舞台『この音とまれ!』上演中!

『ジャンプSQ.』(集英社)において、2012 年から連載中の同名人気コミックスを原作とした舞台『この音とまれ!』が8月17日(土)より開幕した。和楽器“箏(こと)”を題材に、箏に情熱を注ぐ高校生たちの青春を描く本作。舞台化発表時から大きな注目を集めているのは、箏曲部(そうきょくぶ)キャストが半年におよぶ箏稽古を経て、クライマックスのステージ上で生演奏に臨むことだ。
そんな本作の初日前日に行われたゲネプロの様子を囲み取材のコメントを交えたレポートでお届けする。

取材・文・撮影 / 能一ナオ


彼らの想いの詰まった音を、彼らの生き様を聴きにきて

この音とまれ!  エンタメステーションレポート

主人公の不良少年と恐れられる高校1年生、久遠 愛(くどお ちか)を演じるのは、財木琢磨。そして、2年生で箏曲部部長の倉田武蔵(くらた たけぞう)を古田一紀が演じる。

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先輩たちが卒業し、箏曲部ただひとりの部員となってしまった武蔵が廃部寸前の部を守ろうと奔走するところから物語は始まる。そんな箏曲部に入部希望者として現れる愛だが、その血の気の多い態度に心がなかなか通じ合わず、激しくぶつかり合うふたり。生の演技の熱量がふたりの箏曲部に対しての想いの本気さを感じさせ、出だしから思わず引き込まれていく。

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ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン以来の共演となる財木と古田。テニミュで長く共演したふたりが、再び部活に情熱を注ぐ姿を客席に届ける。

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財木と古田の熱のこもった演技はもちろん、愛の力になろうと新入部員として参加する愛の友達、足立実康(塩田康平)、堺通孝(小島ことり)、水原光太(上仁 樹)らのやりとりも息があっており、仲の良さが自然と伝わってくるのは、やはり箏の稽古に約半年間一緒に取り組んできたからこそ生み出されている空気感なのかもしれない。

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また、箏曲部に入部はしないものの、愛の幼馴染みで理解者の高岡哲生(小沼将太)が、愛を影から支え、そばで見守り続ける姿は印象的だ。

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そして、本作の演奏面でも重要なキャラクター、箏の家元『鳳月会』の出身で天才的な箏奏者、鳳月さとわ(ほうづき さとわ)を演じるのは、田中日奈子。ゲネプロ前に行われた囲み取材で「この物語は、みんな人としてワンランク上に成長していく物語でもあると思う」と語っていたが、さとわの箏にかける想いが強いからこそ溢れ出るストレートすぎる感情や気の強さ、そして愛や武蔵たちと練習を重ねていくなかで生まれる迷いや戸惑いを絶妙に表現し、彼女の精神的な変化までをもきちんと体現していた。

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なんとか部員を揃えた箏曲部は新たに始動するも、愛たちを不良と決めつけ疎ましく思う教頭は箏曲部の存続を認めない。そこで彼らは廃部を免れるため、ほぼ素人である自分たちが1ヵ月後の全校集会で演奏を披露し、学生全員を納得させるという提案をする。箏曲部存続のために全員で立ち向かっていくことに。

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一番の見どころとなるクライマックスは、やはり、箏曲部が全校集会で箏の演奏をするシーンだ。原作に登場し、アニメでも演奏された「龍星群」をかぶせなしでキャストが生演奏する。ひとりで演奏するのとはまた違う、合奏ならではの難しさもあるだろう。演奏に入る前のキャストの準備する姿、生の緊張感は本当にリアルで、全校集会に集まった、いち生徒として固唾を飲んで見守りたくなる。

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本作に関わる前は箏にまったく触れたことがないキャストもいたなか、田中は最初の箏の稽古の印象を「私は彼らを支える音を出せるのか、とパニックになって、楽譜を見ても最初の頃はビジョンが浮かばなかった」と不安に思ったと振り返っていた。しかし、そんなプレッシャーも人一倍だったろう彼女は、毎回の稽古で血豆を潰し固くなった指先と全身を使って大きな十七弦箏を奏で、ソロパートでは凛々しいさとわの演奏姿を見せつけた。

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また以前のインタビューでは「楽譜も読めないレベルだったけれど箏の練習は純粋にすごく楽しい」と述べていた財木。「龍星群」の中でも「自分のソロパートの部分が大好きだ」と語った彼は、一音一音丁寧にソロ部分を奏で、愛が抱える箏への特別な想いが音に乗って届いてくるようだった。

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同じくインタビューで「演奏をきちんとやり遂げたい」と箏にかける想いを熱く語っていた古田は、合奏に入る瞬間、みんなと目を合わせ、部長として引っ張るような自信を持った姿を見せる。その様子に、箏曲部メンバーの気持ちが一気にひとつに集中するのが伝わってきた。熱い眼差しと激しく弦を弾く指先から奏でられる音には、ひとりでも箏曲部を守ろうとしていた武蔵の心根の強さが感じられ、先輩としてひと回り大きくなった武蔵がそこには存在していた。

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「もちろん生演奏も見どころなんですけど、やっぱりその前の物語があっての生演奏、それがあっての緊張感、その後の物語と、すごく繋がっている」と田中が語っていたように、彼らが変化=成長していくストーリーがあったうえに、それぞれの想いとリンクした生演奏の緊張感があるから、そのあとの愛の心情の変化に、より心が動かされる。財木が「とにかくソロパートは、じいちゃんに語りかけるような気持ちでやっていきたい」と述べた魂のこもった演奏後の愛のラストの熱演にも注目だ。

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脚本・演出の伊勢直弘が「ぶつかって、悩んで、いろいろ壁に当たって、それを乗り越えて成長していく作中のキャラクターが、ここにいる彼らそのまま。彼らも今日の時点ですごく成長してくれています。会場にお越しのみなさんが全校生徒集会にきた気分で見届けてやっていただければ、彼らの想いの詰まった音を会場で堪能していただけると思いますので、ぜひ彼らの生き様を聴きにきてください」と囲み取材でコメントしていたように、ストイックに稽古に取り組んできた古田や財木が、箏曲部のメンバーたちが、仕上げた「龍星群」、その奏でられる音から見える想いを、リアルな緊張感もあわせて、ぜひ目の前で体感して欲しい。

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舞台『この音とまれ!』は東京・全労済ホール/スペース・ゼロで8月25日(日)まで上演後、9月に福岡、大阪で上演される。

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舞台『この音とまれ!』

舞台『この音とまれ!』

東京公演:2019年8月17日(土)〜8月25日(日)全労済ホール/スペース・ゼロ
福岡公演:2019年9月7日(土)〜9月8日(日)ももちパレス
大阪公演:2019年9月14日(土)〜9月15日(日)森ノ宮ピロティホール

原作:アミュー「この音とまれ!」(集英社『ジャンプSQ.』連載)
脚本・演出:伊勢直弘

出演:
久遠 愛 役:財木琢磨
倉田武蔵 役:古田一紀
鳳月さとわ 役:田中日奈子
足立実康 役:塩田康平
堺 通孝 役:小島ことり
水原光太 役:上仁 樹

高岡哲生 役:小沼将太

加村 穣(教頭)役:山﨑雅志
久遠 源 役:加藤靖久

二科静音 役:藤田弓子

アンサンブル:石井寛人 天久真介 長谷川将斗

主催:舞台「この音とまれ!」製作委員会

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@konooto_butai)

©アミュー/集英社・舞台「この音とまれ!」製作委員会