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来夏を先取り!『東京2020オリンピック』でシミュレーションは万全だ

来夏を先取り!『東京2020オリンピック』でシミュレーションは万全だ

東京オリンピックまであと1年を切った。筆者はインドア派ゲーマーなので、最後にスポーツらしきものに取り組んだのはもう20年もまえのこと。最近は観戦のほうもからっきしで、好きなスポーツを聞かれるとすぐには思い浮かばない(今ならeスポーツです、と言っておけばそれっぽいのだろうか)。テレビをつけて、何か面白そうな試合があれば見てみるというのが数年続いている。
そんな筆者でもオリンピックには興味がある。自国でオリンピックが開催されるというのはやはり感慨深い。一生に一度のことになるかもしれないと思うと、もうちょっとスポーツやオリンピック競技のことを学んで開催の日を迎えたいと思っている。最近はメディアなどを通じて、ちょっとずつ知識を増やしている。実際にスポーツに取り組んでみようとならないところがずぼらなのだが、これがなかなかに楽しい。そして、この取り組みにうってつけと思われるゲームが発売された。今回紹介する『東京2020オリンピック The Official Video Game™』である。ゲームでオリンピック競技をいろいろと体験してしまおうという、ゲーマーにもってこいのタイトルだ。しかもタイトルにあるように“オフィシャル”。これはプレイするしかない。

文 / 浅葉たいが


本作はオリンピックを楽しむためのゲームである

本作では、16種目をゲームとして楽しむことができる。陸上の100m、110mハードル、走幅跳、ハンマー投、野球、サッカー、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボクシング、BMX、テニス(シングルス/ダブルス)、卓球(シングルス/ダブルス)、水泳の100m自由形、200m個人メドレー。ほとんどが一度説明を受ければすぐに馴染める簡単な操作で遊べる。ただ、簡単とはいっても各種目でさまざまな工夫がとられている。たとえば、一番わかりやすい種目である100mはスタートを現わすGOの文字とともにボタンを押して走り始め、そのあとはボタンを連打することで加速していく。この操作で選手がトップスピードに到達すると、連打しつつ方向キーの操作をすれば派手なエフェクトを散らしながら加速していくという仕様になっている。これらの操作をうまくこなせば、通常レベルのCOM戦には勝利することができる。しかし、その先を目指そうとすると、スタート時の応用テクニックである“スーパーベストスタート”も使用しなければならない。これはスタートまえにL2ボタンを押しておくことで、スタートの加速を高める“上級操作”としてゲーム内のマニュアルでは位置づけられている。この手のスポーツゲームでは単純な連打勝負になることも珍しくないが、本作ではもっともシンプルな100mですらいくつかの簡単な操作を組み合わせる仕様になっている。この組み合わせを実際にやってみると、意外と工夫のしがいがあることに気づく。コントローラーの持ちかたを変えてみたり、ふたつの操作を入力するタイミングを模索してみたりすると、得られる結果が劇的に変化することもある。だからこそ何度もプレイして、ちょっとずつ記録を縮めるために何をするべきかということを考え始めていく。

東京2020オリンピック The Official Video Game™ ゲームレビュー

▲110mハードルは走りながら、ハードルをタイミングよくジャンプで超えていく種目

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▲200m個人メドレーは、さまざまな泳法でコースを往復する種目。好タイムを出すためには、画面上にバーで表示されるスタミナ管理を意識する必要がある。スタミナが枯渇すると、しばらくの間泳ぎが失速してしまうのだ

ゲームを開始した直後は、オープニングムービーに驚かされたものだ。開会式の再現はないが、東京を感じさせる景色をバックに、CGで描かれたアスリートが熱のこもった動きを次々と見せてくれる。とてつもなくさわやかで、オリンピックへの期待と展望が画面から溢れてくる。実際のスポーツでは爽やかなシーンばかりではなく、ときには苦しみながら試合に挑んだり、ゴールを目指す選手もいる。そういった光景と比べると本作の表現は“現実ではない”と言えるかもしれない。しかし、ゲームを遊ぶとこのオープニングを持ってきた理由がすぐわかる。本作は“オリンピックを楽しむ”ために作られたゲームで、フィクションを織り交ぜつつゲームとしての楽しさを追求した作品なのだ。

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▲オープニングのワンシーン。東京タワーを背景にアスリートたちが映る。スポーツクライミングは今後の無料アップデートで追加予定だ

本作のキャラクタークリエイトはかなり自由度が高く、実際の人物をモチーフに似せて作ることもできれば、アニメのキャラクターのような存在も作成可能。衣装もバリエーション豊かで、オリンピックのイメージとリンクする各競技のユニフォームのようなものもあれば、メイド服や着ぐるみまである。この多彩なキャラクタークリエイトは、さまざまなプレイヤーを想定してのものだろう。現実に近づけたキャラクターや現実からかけ離れたキャラクター、どちらも同じように競技に参加できる。

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▲キャラクタークリエイトでは、実に多彩な項目をカスタムすることが可能だ。選手の外見によって能力が変わることはなく、このあと選択する“能力タイプ”によって得意競技などが変化する

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▲フェイスペイントなど、実際のオリンピックではNGとなるであろう風貌でも登録可能

各種目についてもリアルに再現しようと努めた部分もあるが、“見せ場”ではゲームとしての演出が猛スピードで顔を出してくる。冒頭で説明したが、陸上では走っている選手がラストスパートをかける際に足元から火花が散ることもある。ときには現実のようで、ときには非現実な表現のバランス感覚が遊んでいて不思議と癖になる。そんな派手な演出がありながらも、ゲーム内で出せる参考記録は現実の世界新記録などと照らし合わせると大幅に異なってはいなかったりする。現実と非現実が混ざり合い、それを“プレイ”することが楽しい。これこそゲームでしか表現できないオリンピックの姿ではないだろうか。

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▲白熱するシーンではコミカルな演出も。こちらは100mのラストスパートをかけているところ

ゲームとして驚かされたところをもうひとつ挙げておこう。それは、本作のスタイリッシュなユーザーインターフェースについてだ。メニュー画面や記録を表示する画面などは、直線が美しく鋭く配置されており、デザインとして非常に美しいと感じた。色使いについてもうるさすぎず静かすぎず、オリンピックの持つ“祭”としてのイメージと、格式高いスポーツイベントのイメージを両立していると言っていいだろう。
東京2020オリンピックで使用されるスポーツピクトグラムは、本作でも競技を示すマークとして採用されているが、それらがとても映える画面を作っていることにも驚かされる。公式だからといって安易に張り付けただけではなく、見ていて気持ちのいいデザインのなかにスポーツピクトグラムが落とし込まれている。オフィシャルのゲームとして申し分ないクオリティだが、筆者はかなり面くらったのも事実だ。セガが今までに出してきたゲームの雰囲気と違いすぎて、ちょっとびっくりしてしまったから(笑)

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▲こちらはマッチセレクトの画面。各競技の動作をイラストで描いたスポーツピクトグラムが映える。下部の黒くなっている部分では、今後無料配信される競技が予告されている

オンライン対戦で全国の猛者に挑む

ひととおり遊んで自信がついたら、オンライン対戦の出番だ。離れた場所にいるプレイヤーとさまざまな種目で腕前を競うことができる。このモードを遊んで、一人用プレイで培った自信がぐらぐらと揺らいだ。全国にはとてつもない猛者がいるのだ。正直、簡単な操作の組み合わせなのでそんなに記録は変わらないだろうと思っていた種目ですら、自分の何歩も先にプレイヤーがいる。格闘ゲームやシューターのようにeスポーツとして見られるゲームは、猛者のプレイスタイルやプレイヤー像を予測することができたりする。アカウント名を見れば“あの人”だとわかることも少なくない。しかし本作は、どういうプレイヤーが遊んでいるか全く未知のゲームである。一期一会のようなマッチングで、とてつもない猛者がいる。こんな体験は、なかなかできたものではない。

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▲ボクシングは3D格闘ゲームライクに楽しめるので、格闘ゲームファンにも是非遊んでもらいたい。攻める場合は左右のパンチを打ち分け、守る場合はガードや避けなどで相手の攻撃をいなす

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▲筆者のお気に入り種目のひとつ、ハンマー投。ボタンを押して鉄球を持ったあと、アナログスティックをぐるぐると回してハンマーを振り回す。その後、画面上にゲージが表示されたら、ボタンを離すことでハンマーを投げる動作へ移行する。ゲージ上のピンクの位置でボタンを離せば、飛距離が伸びる

どこかの誰かが自分と同じようにボタンを連打したり、タイミングをとりながらアナログスティックを上下させたり、画面に表示されるスタミナを気にして操作の塩梅を変えたりしながら必死にプレイしていると思うと、コントローラーを握る手の熱が増す。勝負事となるとやはり勝ちを意識してしまうし、それがゲームともなるとなおさら。ついつい必死になっている自分がいることに気づいたときには、もうすっかり本作に夢中だ。

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▲最近よくプレイしているのがビーチバレーボール。対人戦が熱い種目のひとつ

いろいろな人に開かれたゲームである本作を遊んでいると、オリンピックの到来がますます楽しみになった。筆者はスポーツについて幅広い知識があるわけではないので、本作の種目にはルールすらよく知らないものがいくつかあった。BMXはその最たるもので、“自転車を使って何かを競う”くらいの認識だったのが、ゲームをプレイすることでこの種目の醍醐味のようなものがなんとなく伝わってきた。スピード感たっぷりに自転車を操り、走り、飛ぶ。魅せながら爽快感たっぷりの動きが見られるのだ。そこから興味を持って実際の五輪で行われる種目について調べてみると、ゲーム内でも楽しめるレース形式の“レーシング”以外にも、トリックの出来栄えを競う“フリースタイル”というものがあることを知った。動画などを見たところ、どちらも衝撃的な光景ばかりで、今から好奇心を膨らませている。

東京2020オリンピック The Official Video Game™ ゲームレビュー

▲ゲーム内のBMXを遊び、実際の種目を見てみたくなった。この作品をきっかけにして新たなスポーツに興味が湧く人も多いはず

ゲーマーである筆者には、本作から伸びる実際のオリンピックへの導線がとても魅力的に感じられた。プレイすることで興味を持ち、自分で実際の情報にアクセスしていくという流れで本作を楽しんでいる。ちょっと気になったのは、各種競技のルールを全くわからない人がプレイした場合の反応である。たとえばサッカーや野球は、実際のルールを知っている人が遊ぶとすぐに楽しめるが、そうでない場合はちょっと感情移入しにくいかもしれない。“オフサイド”と言われてもピンとこない人がサッカーに放り込まれても戸惑うことは多いだろうし、野球のスリーアウト制を知らないと交代がいつ訪れるかもわからないだろう。野球やサッカーがわからないというのは極端な例かもしれないが、筆者のまわりには数名こういったプレイヤーがいた。
ゲーム内で操作の説明はあるものの、競技の詳しいルールについての説明はほとんど見られないのがやや残念だ。個人的には、オリンピックにおける競技の歴史や採用の経緯などにフォーカスしたTipsなどもあれば、万人のためのオリンピックゲームとなっていたのではないかと感じている。好奇心を持って取り組めばこれらは自分で調べていくことでカバーできるものだが、ここまでよくできたゲームだからこそ初めから備わっていてもよかったし、ちょっともったいないと思ってしまった。

東京2020オリンピック The Official Video Game™ ゲームレビュー

▲シンプルな競争とは異なるチームスポーツは、ルールを把握しておいたほうがより楽しめる。いろいろな人と本作を遊んだが、野球やサッカーのルールを知っていることは意外と当たり前ではないと気づいた

ただ、筆者の場合は、友だちを誘ってのオンライン対戦機能がこうした弱点をカバーしてくれた。「オリンピックのゲームで対戦しよう!」とゲーム友だちに声をかけてから、ここ数日は結構な頻度でインターネット上でささやかなオリンピックが開催されている。ボイスチャットをつなぎ、わいわい騒ぎながらさまざまな競技で遊んでいるのだ。そのなかで、卓球のルールがわからないという友人がいた。その友人にスポーツ好きのゲーム参加者が、チャットをしながらルールを説明し、日本の選手の現状についても熱っぽく語ってくれるということがあった。僕はあまりしゃべらなかったけれど、その夜はとても興奮していたのを覚えている。ゲームを通じて、何か新しいものが生まれたような気がしたのだ。
つい先日は、ふだんはゲームをプレイしないという友人の弟が参戦してきて、ゲーマーである僕たちよりも水泳で好成績を出すというおもしろい出来事もあった。興味を持てば、練習もほとんどなしに誰もがゲームのなかでアスリートになれる。これって結構、凄いことではないだろうか。実際のオリンピックが訪れたとき、僕たちはこのゲームの話もしながら観戦を楽しむだろう。

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東京2020オリンピック The Official Video Game™ パッケージ
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東京2020オリンピック The Official Video Game™ロゴ

■タイトル:東京2020オリンピック The Official Video Game™
■メーカー:セガゲームス
■対応ハード:PlayStation®4、Nintendo Switch™
■ジャンル:オリンピック公式スポーツゲーム
■対象年齢:12歳以上
■発売日:発売中(2019年7月24日)
■価格:通常版、ダウンロード版 各4,990円+税


『東京2020オリンピック The Official Video Game™』オフィシャルサイト

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