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25年目の挑戦『ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン』伝説のアクションを堪能

25年目の挑戦『ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン』伝説のアクションを堪能

1987年、3つのブラウン管モニターとハーフミラー技術を活かした驚異のアーケード用横スクロールシューティングゲーム『ダライアス』は、当時のアーケードゲーム業界の隆盛ぶりを表すタイトルとなった。その専用筐体を流用し、新たにアクションゲームとして生み出された『ニンジャウォーリアーズ』も、タイトーのサウンドチーム・ZUNTATAにかつて所属していたOGR(小倉久佳)氏によるBGMとともにタイトーファンにとって思い入れの深い一作となっている。
そして1994年、『ニンジャウォーリアーズ』の世界設定をそのままに、キャラクターのアクション部分に大きなアレンジを施したオリジナルタイトル『ザ・ニンジャウォーリアーズ AGAIN』(以下、『~AGAIN』)が、スーパーファミコン用ソフトとして発売された。現在の中古市場ではソフトのみで1万円、外箱と取扱説明書が付属している完品で3万円ものプレミア価格で取引されているレアタイトルとなっている。コレクターたちは喉から手が出るほど欲しがり、遊んでみたくても手が届かないという高嶺の花となっていたタイトルだが、開発元であるナツメアタリのスペシャルチーム“TENGO PROJECT”がNintendo Switch™とPlayStation®4向けにセルフリメイクを施した『ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン』(以下、『~ワンスアゲイン』)を今夏リリースした。
本稿では、『~AGAIN』に加えられた変更点に重きを置きつつ、原作となった『ニンジャウォーリアーズ』から、アクションゲームとしての爽快感と気持ち良さがどのようにブラッシュアップされたのか紹介しよう。

文 / クドータクヤ


悪しき独裁者を成敗せよ!

強力な軍隊の力で国民を制圧、洗脳した独裁者バングラーに反旗を翻すべく、地下に潜んでいた革命軍はバングラーの軍隊と対等に渡り合えるアンドロイドを密かに生産。忍者型のマーダーマシンたちは、“政府軍を粉砕し、バングラーを暗殺”するという命令と任務を遂行すべく、その身を戦火へ投じていくという、シリアスかつ勧善懲悪のストーリーとなっている。
『ニンジャウォーリアーズ』のゲームシステムは、画面の左右から襲いかかってくる敵を近接攻撃のクナイと飛び道具の手裏剣で倒し、敵の攻撃を防ぐことができるガードとジャンプを使い分けながらステージを進む、アクションゲームにおけるスタンダードな操作方法となっていた。しかし、『~AGAIN』では、攻撃が多段ヒットするコンボ技、飛び蹴り(またはタックル)、敵そのものや背景にあるオブジェクトアイテムの投げつけ、画面全体に一斉攻撃ができるボンバーなど、1990年代初頭に流行したベルトスクロールアクションゲームのテイストをプラス。こうしたアクションパートの多様化により、キャラクターを意のままに動かすことができるようになった操作感覚が軽快で、視覚的にも派手で華やかに仕上げられているが、しかしあくまでもそれはテイストとしての加味である。一般的なベルトスクロールアクションのように、キャラクターの移動範囲にZ軸を採用しなかったのは、『ニンジャウォーリアーズ』が横スクロールアクションであったというオリジナリティを尊重した製作スタッフのリスペクトが込められているからではないだろうか。幸いなことに、『ニンジャウォーリアーズ』の稼働よりも後年に生まれた筆者は、当時スーパーファミコンで『~AGAIN』を先にプレイしていたため、純粋な一アクションゲームとして楽しんでいたことを思い出す。タイトーによる内製タイトルではないことや、BGMにZUNTATAの小倉氏を起用しなかったことなど、ファンから槍玉に挙げられるような点を一切知る由がなかった反面、ファンが求める“らしさ”はときにゲームそのものの面白さや評価を妨げるものではないかと気づいた。さらに、ある条件を満たしてクリアすると、『ニンジャウォーリアーズ』のBGMをかけながら本作を遊べるようになるオマケ要素は、旧来のファンに媚びすぎているように感じ、せっかくの持ち味を台無しにしているような気がしてならない。

ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン エンタメステーションゲームレビュー

▲16:9のワイド画面に対応して高解像度化。単なる復刻版としての懐かしさだけではなく、いま遊んでも見劣りしないグラフィックに昇華されている

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▲『ニンジャウォーリアーズ』にはなかったオブジェクトの持ち上げ。アイテムボックスを壊した場合はライフ回復アイテムが手に入るので、敵にダメージを与えて一石二鳥を狙う

プレイヤーが操るマーダーマシンは、『ニンジャウォーリアーズ』では1プレイヤー側がクノイチ、2プレイヤー側がニンジャとなっていたが、『~AGAIN』ならびに『~ワンスアゲイン』では、新たにカマイタチを加えた3体から選択できるようになった。キャラクターごとに性能差があり、クノイチは攻守のバランスに優れ、重量級のニンジャは攻撃力を重視し、カマイタチは足の速さと手数の多さが魅力となっている。また、本作では攻撃のバリエーションが増加しており、クノイチはクナイを手裏剣のように投げ放ち、ニンジャは自身の前後にヌンチャクを振り回し、カマイタチは自身が回転しながら横一直線に敵を切りつけていく。キャラクターによってステージ中の演出が変わるといった小細工は用意されていないあたりは、バングラーを倒すという目的を果たすために作られたアンドロイドたる所以だろう。
さらに今回の『~ワンスアゲイン』には、グラマラスボディの持ち主で伸縮自在な2本のアームを巧みに繰り出すヤシャと、画面の3分の1を覆うほど大型なアンドロイドのライデンという2体の新キャラクターが追加されている。決して蛇足ではないのだが、萌えやロボットアニメを意識したユニークなキャラクターデザインは、現代だからこそ受け入れられるのではないだろうか。クリアのしやすさを原作の3体と比べると、ヤシャはスタッフからの新たなる挑戦状であり、一方のライデンはファンサービスであると捉えたい。多段ヒットのコンボを華麗に決めるヤシャは、ベルトスクロールアクションのテイストを取り入れた本作の集大成といえるだろう。一方、巨大なボスと同じ図体を誇るライデンは、もはや忍びの体ですらないネタキャラのようでもあるが、『~ワンスアゲイン』を単なる復刻に留めないという製作陣の意欲とファンへの感謝を具現化した存在に思えてくる。ちなみにこの2体は、とある条件を満たすと解放され、選択可能になる。

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▲女性タイプゆえに身軽な動きのとれるクノイチ。リーチのある飛び蹴りや、1体の敵を投げつけることで複数の敵にダメージを与えられる攻撃が持ち味

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▲広範囲に攻撃ができるヌンチャクと、プロレスのような投げ技を持つ男性キャラのニンジャ。移動速度が遅いぶん、攻撃力が高いパワータイプとなっている

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▲投げ技は不得意なカマイタチだが、全キャラクターで最も足が速く、両腕の剣を振り回す手数の多さでヒット&アウェイを得意とする

画面の左右から止めどなく湧いてくるザコ敵をバッサリと倒しながら突き進む爽快感と、各ステージの終盤に待ち構える強力なボスと交わす攻守の駆け引きなど、アクションゲームならではのメリハリが効いているので間延びせず、ほどよいテンポ感と緊張感で終始楽しむことができる。もちろん、どのキャラクターでもクリアできるような作りになってはいるが、その性能には一長一短があるため、ときには敵配置やボスで苦戦を強いられる場面も少なくはない。たとえばクノイチで苦戦するステージやボスと対峙した場合、攻撃力の高いニンジャでゴリ押ししたり、足の速いカマイタチでボスの攻撃をサッと避けながら進んだりと、キャラクターごとの特性を活かした突破口が見えてくることも。また、コンティニューごとにキャラクターをリレー形式で変えながら遊ぶと、飽きを感じることなくモチベーションが持続するほか、先述したキャラクターの特性を掴みやすくなるため、まずは気楽にオールクリアを目指してほしい。なお、ゲームオーバー時のコンティニューに回数制限はないため、初めてプレイする場合やアクションゲームがあまり得意ではないという人にもおすすめしやすい。

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▲打撃を多段ヒットさせながら空中へ浮かすコンボ技を有するヤシャ。華奢な見た目とは裏腹に、アームで掴んだ敵を左右に叩きつけるという豪快な投げ技が魅力だ

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▲巨大なボスキャラと同等のサイズを誇るライデン。ガシャンガシャンと金属音を立てながら画面狭しと戦う様子は、まるでロボットアニメを見ているかのような興奮を覚える

殺戮を阻むもの、そしてその先に待つもの……

物音を立てずに屋根や地下などを移動するのが本来の“忍者”だが、マーダーマシンとして生み出されたアンドロイドたちは、ド派手なアクションと破壊を繰り返しながら全8ステージを突き進んでいく。プレイヤーの行く手を阻む敵キャラクターも種類が豊富で、ナイフを突き刺してこようとする一般兵や、マシンガンや手榴弾でダメージを与えようとする重装兵が次から次へと押し寄せてくる。また、口から火を吹く火炎忍者や身軽な動きで2本の長刀を振り回す“くのいち”など、こちらと同じ“忍者”が現れるほか、正面からの物理攻撃がいっさい通用しない屈強さを誇るロボット兵のゴーレムも随所に配置されており、どのステージも気が抜けないほどの猛攻ぶりとなっている。『~AGAIN』では画面上に登場するザコ敵が最大4体までとなっていたが、現行機のスペックと16:9のワイド画面にリファインされたことで、今作では止めどなくワラワラと出てくるようになったのも大きな違いだ。

ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン エンタメステーションゲームレビュー
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▲チェーンソーを振り回して襲いかかる2面ボスのチェンソーブルや、俊敏な飛び蹴りで翻弄してくる5面ボスの十兵衛など、『ニンジャウォーリアーズ』以上の敵キャラクターバリエーションが用意されている

襲いかかってくるのは敵だけではない。頭上から落ちてくるミサイル、ステージ道中に配置された通風孔、レーザーシャッターといったギミックも多彩で、コントローラーを持つ手に汗を握らせてくれる。ライフが少ない状態でこうした箇所を進んでいくのは非常にヒヤヒヤするところであり、敵からの攻撃をあと数回受けるだけでゲームオーバーになる寸前の場面で、うっかりミサイルやレーザーに倒されるという不甲斐なさと悔しさに、何度身悶えしたことか……。しかし、ボンバーをこまめに放って画面上の敵を一掃し、そしてときにはステージのギミックを利用することで、難度がガクッと下がる箇所も多々存在する。
早くクリアしたいあまり頭でっかちにワンパターンなプレイをするよりも、苦手な箇所を繰り返しプレイすることで「こう抜ければいいのか!」と、自ずと攻略法が見出だせるようになるあたりは、ゲーマー心を刺激してくれるバランスと言えるだろう。最初から最後まで通しでプレイした場合の所要時間は約1時間という家庭用ゲームならではのボリュームとなっているので、じっくりと腰を据えて集中して挑める。

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▲可動と停止を繰り返す通風孔のプロペラ。敵キャラクターが可動中のプロペラに突っ込んでくることもあるので、中央で待機するのもありだ

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▲最終決戦では、メインターゲットであるバングラーをいよいよ追い詰める。だが、厚いガラスに覆われた操縦室に立てこもってしまい為す術もない。あのガラスさえ割れてしまえばいいのだが……

『~ワンスアゲイン』がリリースされるという一報を知ったとき、よくあるリメイクのひとつに過ぎないのだろうとタカを括っていた。しかし25年ぶりにプレイしたところ、キャラクターの攻撃バリエーションや新キャラクターの追加、新たに描き下ろされたボスデザインなど、プレイ感覚をそのまま受け継ぎながら生まれ変わった新作という印象を強く受けた。現行機のスペックの高さと25年という歳月が円熟味を増し、TENGO PROJECTの面々が『~AGAIN』というゲームで本当に表現したかったものが溢れんばかりに詰め込まれた、期待の一作となっている。
冒頭でも記したように本作のストーリーは、政府軍に対し革命軍が国家転覆を図るというものになっている。バングラー暗殺を目論むマルクの思惑は、果たして国家に平和をもたらすものなのだろうか? マーダーマシーンとしての使命を終えたアンドロイドたちを待ち受ける終幕とは? この結末は『ニンジャウォーリアーズ』シリーズの語り草となっているので、ぜひその目で見届けてほしい。なお、シリーズの原点である『ニンジャウォーリアーズ』もPlayStation®4とNintendo Switch™で配信されているので、『~AGAIN』ならびに『~ワンスアゲイン』がどのような変貌を遂げたゲームとなっているのか、そのルーツを辿ってみてはいかがだろうか?

フォトギャラリー 
ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲインロゴ

■タイトル:ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン
■メーカー:タイトー(企画・開発 ナツメアタリ)
■対応ハード:Nintendo Switch™、PlayStation®4
■ジャンル:ニンジャ体術アクション
■対象年齢:12歳以上
■発売日:発売中(2019年7月25日)
■価格:ダウンロード版 2,800円+税

PlayStation®4版DL専用


『ザ・ニンジャウォーリアーズ ワンスアゲイン』オフィシャルサイト

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