Interview

「まさか本当に自分が!?」…『ウルトラマンタイガ』CV:寺島拓篤、国民的ヒーローと主題歌へのW挑戦を語る。キーワードは「成長」「多様性」

「まさか本当に自分が!?」…『ウルトラマンタイガ』CV:寺島拓篤、国民的ヒーローと主題歌へのW挑戦を語る。キーワードは「成長」「多様性」

大人気シリーズ『うたの☆プリンスさまっ♪』の一十木音也役や、『創聖のアクエリオン』のアポロ役などで活躍するかたわら、アーティストとして、TVアニメ『SERVAMP-サーヴァンプ-』や『転生したらスライムだった件』などの作品でアニメ主題歌を担当してきた声優・寺島拓篤(てらしまたくま)。

彼が今回新たにコラボレーションするのが、世界に名を轟かせる円谷プロの特撮ヒーロー作品『ウルトラマンタイガ』だ。作中で、ウルトラマンタイガの声も担当することとなった寺島が、ウルトラマンという脈々と受け継がれている日本の伝統的なヒーローに向けて、どのような楽曲を作ったのか。本作のオープニングを飾る「Buddy, steady, go!」について話を聞いた。

取材・文 / えびさわなち 撮影 / 能美潤一郎


特撮モノの主題歌を歌えるなんて、しばらく嘘だと思ってました

これまでもアニメとのタイアップを担当されてきた寺島さんですが、今回はなんと『ウルトラマンタイガ』のオープニングを担当されました!

寺島拓篤 ウルトラマン! きましたねーっ!

寺島さんは特撮ヒーロー作品はご覧になっていたんですか?

寺島 ウルトラマンの取材で言うのもどうかと思ってしまいますが……、どちらかというと戦隊モノや仮面ライダーを観ながら育ってきているんです。でも戦隊モノを観る前の、もっと小さい頃はウルトラマンを見ていましたね。それ以降も、特に『ティガ』『ダイナ』『ガイア』といった、いわゆる「平成3部作」は観ていましたし、幼少期の記憶に強くあるのはウルトラマンシリーズです。それとマンガ版のウルトラマンも読んでいました。

そんなウルトラマンの新シリーズとコラボされることが決まったときはどのような想いでしたか?

寺島 まさか特撮モノの主題歌なんて嘘みたいな話だと思っていて。しばらくは信じていなかったです。

たしかに、アニメとのタイアップはある程度想像ができますが、特撮となると。

寺島 まさかあると思っていなかった。本当に自分が歌うことになってびっくりしました。

しかも完全に子供たちが歌う楽曲になりますよね。

寺島 そうなんですよ。そこは結構意識しましたね。子供たちが歌う可能性があるんだなって思ったときに、すごくうれしかったんです。このお話をいただいてから、自分自身の中で湧き上がる喜びや感動ってどこか現実感がなかったんですけど、先輩やいろんな人に報告したら、僕よりもむしろその方たちが喜んでくれたんです。それを目の当たりにして、「やっぱりそうですよね」と、段々と現実感が増していくような感じでした。

寺島拓篤 エンタメステーションインタビュー

今回歌われた『ウルトラマンタイガ』の主題歌「Buddy, steady, go!」。最初に聴かれたときにはどのような印象がありましたか?

寺島 イントロもそうですけど、お腹の底からぐっと湧いてくるようなエネルギーを感じて。複数の候補曲の中からコンペ形式で選んだんですが、この曲だけ他と少しテイストが違っていて、タイガらしさはここで出していけばいいんだ、と答えが見つかった感じでした。

今回は円谷さんからのご指定で「ウルトラマンタイガ」という名前と変身キーワードである「バディゴー」を歌詞に入れてください、と言われていたんですが、実は歌詞にある「ウルトラマンタイガ」の部分は、仮歌に作曲の渡部チェルさんが入れてくれたものを残しているんです。

英語の歌詞も入れて、親子のコミュニケーションのきっかけになればいいなって

今回、寺島さんは作詞も担当されていますが、先ほどもおっしゃっていたように、ウルトラマンといえば子供たちがうたう歌。そのあたりで意識された部分はありますか?

寺島 『ウルトラマンタイガ』は、ウルトラマンタロウとタイガの親子の物語がフックになっているので、そこで親子の関係性が膨らむといいなぁ、という想いがありました。だから歌詞に、単純な英単語や慣用句などを入れて、「これは何ていう意味?」「これはね…」という親子のコミュニケーションのきっかけにもなれたらいいなぁ、と思ったんです。

それから、子供たちが憧れるヒーロー像をもっと現実感があるものにしたいなという想いも僕としてはあったんですね。子供にとってヒーローといえば、足が速い子。ということで「走れ」や「dash」といった言葉を入れました。ウルトラマンというすごく憧れる存在も、歌詞の中では走り出して成長したいと思っている、というイメージで歌詞を書いていきました。そこが、同じく成長をしている最中の子供たちの現実と少しでも重なったらいいなと思って。

寺島拓篤 エンタメステーションインタビュー

ウルトラマンを制作する円谷プロダクションさんからは、ほかにもオーダーはあったんですか?

寺島 「成長」とか「多様性」をキーワードに描いてもらえたらうれしいです、とのことだったので、1番と2番とで切り換えをしながら書こうと思いました。それもあって、2番にはタロウを想像させるような言葉もありつつ、タイガの子供感が出せたらいいなぁと考えて言葉を選んでいきました。

『ウルトラマンタイガ』の視聴者世代である子供たちの等身大が出ている歌詞というのは、これまでの寺島さんの楽曲にはなかった要素なのかな、とも感じますが。

寺島 そうなんです。これまでは背伸びをしているときはあったんですけど、今回の楽曲については、自分がしゃがんだときに視線の合う子たちが憧れる存在のことを歌いたい、というのは強くあったんです。そんな想いもあって、2番では歌詞がちょっと子供っぽいんですよね。

どんどんテレビで流れて、楽曲も育っていってもらいたいです

『ウルトラマンタイガ』では、寺島さん自身がタイガの声を担当されていますが、実際のオンエアをご覧になってどんな感想ですか?

寺島 最初は姿を見せずに声だけだったんですが、その第一声に「急に声優っぽい演技するキャラクターが出て来たな」って思ってたら、自分でした(笑)。それくらい、ウルトラマンの存在は自分からかけ離れていて。実際にオンエアを観ても自分だと気づかないくらい離れていたのは面白い感覚でした。

オープニングで「Buddy, steady, go!」が流れたときはいかがでしたか?

寺島 めちゃくちゃ良かったです。自分の楽曲だけど、作ってくださったチェルさんの音楽の作り方が素晴らしくて。これぞ特撮ソングだなぁって。新しさと懐かしさの両方がある。暖かさと安心感、それに高揚感もあるこの曲は本当にすごいなってことを改めて感じました。

構成にもびっくりしましたね。サビのところで、爆発のあとにサブタイトルがドーン!と出てきて。こんなの観たことないぜ!って思いました。主要キャラクターやウルトラマンたちの見せ方もいいし、すごくワクワクする映像でしたね。

子供たちが歌っていく曲となりますが、今後どんなふうに育っていってもらいたいですか?

寺島 想像がつかないですね……。子供たちが僕の曲を楽しそうに歌うのをまだ見たことがないので。今まで通り、作品のものというイメージが強いので、今のところ、みんなにプレゼントしたような感覚というか。「Buddy, steady, go!」は作品のものであり、それを観る子供たちのものだと思っているので、これから子供さんたちの間でどんどん育っていってもらいたいです。

カップリングの2曲もウルトラマンを意識して、すべてウルトラマンをコンセプトにしたシングルに

そんな「Buddy, steady, go!」が収録されたシングルは、カップリングも豪華です。「サマータイマー」はR・O・Nさん、「MONSTER」はクラムボンのmitoさんによる楽曲ですね。

寺島 「サマータイマー」はウルトラマンのカラータイマーをイメージしていて。3分の曲になっています。今回の『タイガ』に出てくるウルトラマンは3体ですし、タイガたちは中学生くらいのイメージだそうなので、中学3年生の3人が夏休みに3日間だけ勉強を忘れて遊ぶ、という“3縛り”な青春パンクにしました。

一方の「MONSTER」については、シングルの3曲目ではスタッフの意向を取り入れる、というのがここ最近の流れでありまして。今回はK-POP的なものにしたい、という話になって、K-POPにハマっているmitoさんにプロデュースをお願いしました。これは「低音の寺島拓篤」「高音の寺島拓篤」「ラップの寺島拓篤」……という感じで、6人の寺島拓篤によるグループがK-POPを歌っているイメージで、というmitoさんからのディレクションがありました(笑)。歌詞はウルトラマンにちなんで、「怪獣」をモチーフにしたラブソングになっています。

シングル1枚を通して、『ウルトラマン』をコンセプトにしているんですね。

寺島 はい。なので曲を聴いてくれたときに、子供たちがどう感じてくれるのか楽しみですね。今回、通常盤のジャケットはタイガたちになっていて。それを見たときに「本当に俺のCDはウルトラマンの主題歌なんだ!」と感じて、グッと気持ちが引き締まりました。

ウルトラマンの主題歌は、運動会などで使用されることも多いですし、保育園や幼稚園、小学校の低学年の子たちが、この「Buddy, steady, go!」に合わせてお遊戯やかけっこをすることもありそうですね。

寺島 そうなるとうれしいですね! すごくそのシーンを見てみたいです。たまたま出くわしたりしたら感動しちゃいそうですね。子供たちにたくさん聴いてもらって、元気に楽しんでくれたらうれしいです。

フォトギャラリー

寺島拓篤 アーティストオフィシャルサイト(ランティス)

『ウルトラマンタイガ』オフィシャルサイト