Interview

『かぐや様は告らせたい』で黒子に徹した佐野勇斗。身をもって感じた、平野紫耀がスターたる理由とは!?

『かぐや様は告らせたい』で黒子に徹した佐野勇斗。身をもって感じた、平野紫耀がスターたる理由とは!?

将来の日本を動かすエリートたちが集う秀知院学園。その生徒会長と副会長として君臨する白銀御行と四宮かぐやは、ともに頭脳明晰でお互いを意識しているにもかかわらず素直になれず、いつしか相手に告白させようとする駆け引きを始める。いわば、天才たちの頭脳戦。そんな学園生活を描いた赤坂アカの人気コミック『かぐや様は告らせたい〜天才たちの頭脳戦〜』が、満を持して実写化された。白銀に平野紫耀、かぐやに橋本環奈というキャスティングが話題だが、生徒会の会計として2人を支える人気キャラ・石上 優には、主演でもサイドでも存在感を発揮する佐野勇斗(M!LK)が配された。ずっと共演してみたかったという平野とのエピソードをはじめ、原作に対するリスペクトや役との向き合い方などを存分に語ってもらった。

また、インタビュー後半では『かぐや様〜』を手がけた河合勇人監督の別作品で主演を果たすM!LKメンバー・板垣瑞生の話題も。サービス精神旺盛な佐野の楽しげなトークを、ご堪能あれ!

取材・文 / 平田真人 撮影 / 増永彩子


スターなのにスターであることを感じさせない…そこが平野紫耀という人のスゴさ。

佐野勇斗 エンタメステーションインタビュー

原作がある映画はどの作品もそうですけど、『かぐや様~』はひときわ読者の原作愛が強いですし、アニメも評価が高かったので、実写化に際してはプレッシャーもあったかと思います。

そうですね。特に僕が演じた生徒会会計・石上 優はファンがすごく多かったので、「ファンの方に失礼になってはいけない」というプレッシャーは正直ありました。どうしてもビジュアルで比べられてしまいますし、そういう意味ではいつも原作がある作品は厳しい戦いなんですけど、とにかく後悔のないよう振り切ってやろうと。ただ、原作をベースに新しいものをつくるというより、限りなく原作に寄せていくというアプローチだったので、逆に僕にとっては新鮮だったんです。いつもはどこかに生身の自分が演じる意味のようなものを考えるんですけど、今回は原作を読み込んでアニメも見て、ボイスメモに自分の声を録ってみる、といった意識づけをしたのも、自分的には新しい試みでした。

台本には石上のバックボーンが書かれていなかったんですけど、石上がなぜ「青春ヘイト」キャラになったのかは、原作を読んでいくとわかるんですよ。根暗じゃなくて正義感が強かったことで、周囲の勘違いを招いていじめに遭った過去があって…そういうヒントがちゃんと書いてあるので、そういうディテールから寄せていけたのも、ありがたかったです。

佐野勇斗 エンタメステーションインタビュー

『かぐや様は告らせたい』への出演オファーそのものについては、率直にどう受け止めましたか?

まず、平野紫耀くんとご一緒できるというのが、すごくうれしくて。同世代でもありますし、テレビにもたくさん出ていらっしゃって、歌とダンス、俳優としての活動だったり、いろいろなことをマルチにされているので、僕の目標というか…勝手に憧れていたんです。紫耀くんの現場での取り組み方を間近で見られるというのはすごく勉強になるだろうなっていう期待が、とにかく大きかったですね。それから作品自体もめちゃくちゃ面白くて。石上 優というキャラクターもただのイヤなヤツじゃなくて、どことなく憎めない…ところが、読者のみなさまに愛されているんだなと感じられたので、撮影に入るのがすごく楽しみでした。

実際に平野紫耀さんと共演されてみて、どんなことを感じとったのでしょうか?

誤解を恐れずに言いますけど…テレビなどでの紫耀くんの“天然”な感じってキャラとして演じていたと思っていたんですよ(笑)。だから、現場で一緒になるまでは「キャラを貫いていて、すごいなぁ」と勝手に思い込んでいたんですけど、実際に会ってみたら、紫耀くんはガチの“天然”なんですよね。本気の天然だから、「この人、いい意味でヤベーぞ!」って、うれしくなりました(笑)。でも、それ以上にテレビを見ていても“いい人オーラ”を感じていましたけど、実物もめちゃくちゃイイ人なんですよ。たま〜に天然な発言で僕たちを「!?」とさせるんですけど、いつも周りのことをちゃんと見ていて、気配りをしているんです。スターなのに、スターであることを感じさせないというか、ちょっと器が違うなと思いました。本当の意味でのスターっていうのは、紫耀くんみたいな人なんだなって。持ち上げているわけじゃなく、「平野紫耀、すげえなぁ!」って素直に思わせてくれるんです。こんな僕にもフランクに接してくれますし。地元が同じ愛知県っていうのも親近感がわきましたし、同世代で一番尊敬できる人だな、目指すべき存在だなって、勝手に目標にしています。

お芝居されてみて、俳優同士としてはどんなことを思ったのでしょうか?

軽く聞こえちゃうかもしれないんですけど、白銀にピッタリだなって思いました。“王子様感”がありつつ、ところどころで遊び心をきかせてくるんですよ。カメラには映っていないんですけど、ふざけて僕を笑わそうとしてくるところとか、いかにも紫耀くんらしいなぁ、と感じます。
あと、これは紫耀くん本人もいろいろなところでお話していると思うんですけど、「石上」って僕の名前を呼ばなきゃいけないシーンで、急に音声スタッフさんの名前を呼んでNGになっちゃったことがあって。そのシーンの直前まで音声さんとずっとお話ししていたら、その人の名前がずっと頭に浮かんじゃったみたいで。僕たち一斉に「え、だ、誰!?」ってなりましたから(笑)。そういうエピソード一つにしても、人に愛される才能がある──天性の愛されキャラだと思いました。

一度、King & Princeのライブも観に行かせていただいたんですけど、カッコイイ曲でバチッとスイッチが入った時の紫耀くんがめちゃめちゃカッコイイんですよ! これはみなさんメロメロになるわ〜、と納得しました。

佐野勇斗 エンタメステーションインタビュー

実は撮影現場にもお邪魔したんですが、夕食休憩に入った時、平野さんと佐野さんが仲良くケータリングのところへ走っていったのが印象的でして(笑)。

えぇ、走っちゃってましたか、僕たち!?

はい、少年のように(笑)。

うわぁ(笑)。でも、確かに紫耀くんとは休憩時間によくはしゃいでいた覚えがあります。僕たちと同年代の俳優さんには、落ち着いている人が多い印象があるんですけど、紫耀くんは一緒になってはしゃいでくれて、それがうれしかったですね。

平野さんも別の取材で「勇斗とはすぐ仲良くなれたんです」と、おっしゃっていました。

そうなんです、僕わりと初対面から仲良くなるまで気をつかっちゃうことが多いんですけど、紫耀くんに対しては全然構えることなく素直に接することができたんですよね。やっぱり地元が一緒だったことが大きいのかなぁ。共通の話題も多かったんですよ。

差し支えなければ、どんなお話をされていたか教えてください。

なに話をしたかなぁ…。紫耀くんには失礼になっちゃうかもしれないですけど、本当に身にもならない、しょーもない話をしていました(笑)。あ、でも真面目な話だと、お互いのグループ(M!LKとKing & Prince)のことを聞いたりもしましたね。「ライブのセットリストって、どうやって決めてるの?」とか「どういうふうにリハーサルしてるの?」とか、そういった細かい部分で僕が知りたいなと思っていたことを紫耀くんに質問して、答えてもらった会話は、すごく印象に残っています。現場でそういう話ができる方とご一緒したのも、たぶん初めてだったんですよ。そういう感覚を共有できたっていうのも、僕にとってはすごくうれしかったんですよね。

では、『かぐや様〜』で演じられた石上会計に共感するところはありますか?

ちょっと人見知りなところがあるんですよ、僕。ほかの人にそれを言うと「全然見えない」って言われちゃうんですけど、どことなく見えない厚い壁が自分の周りにはあって。なので、すごく仲良くなる人が相当絞られてくるんです。自分のそういうところを考えると、白銀会長ぐらいにしか心を許していない石上と似ているのかな、と思いました。

「青春ヘイト」の面は特に重ならない、と…?

「青春ヘイト」というわけでもないんですけど、昔は、「彼女なんてありえねーし」とか思っていた時期も正直ありました(笑)。「デートいこ!」なんて言っているカップルを横目に「何言ってんだよ」って本気でヘイトをためていたりもしていたので、ちょっと石上に近いところがあったかもしれないですね。今はもう全然違いますよ! 人の幸せも心から喜べるようになりました(笑)。

佐野勇斗 エンタメステーションインタビュー

『3D彼女 リアルガール』(18)のつっつん役に近い部分もありましたが、どのような色分けを?

今までいろいろな役を演じさせていただいていますけど、僕自身、つっつんや石上のようなオタクっぽい役は演じやすいですし、お芝居していても楽しいんですよね。どっちかというと僕も自信があるタイプじゃないので、グループを引っ張っていくリーダー格よりも、自信がない役柄の方がスッと入れる印象があります。

実際に現場で目にして印象的だったのが、白銀・かぐや・石上・藤原の4人が任期を迎えて生徒会を後にするシーンです。佐野さんは説明ゼリフが多く、しかも長く話す必要があったので、本番前から入念にセリフを復唱していらっしゃって…。

あのシーンはすごく緊張しました。言い方はアレなんですけど、僕1人のシーンで長ゼリフだったら、NGを出したとしても自分が苦しめば済む話じゃないですか。でも、あの時は生徒会みんなそろっていましたし、それこそ紫耀くんもそういう状況で周りに迷惑をかけないよう、完璧に演じようとするのを一緒に芝居していて知っていたので、僕も絶対にノーミスで決めてやろうと思っていました。

今回の河合勇人監督はわりとカットを割って撮るパターンが多かったですけど、あのシーンは一連の長回しでした。それも緊張に拍車をかけたのでしょうか?

そうなんですよ、「ここ、長く回すなぁ」って思っていました(笑)。でも、河合(勇人監督)さんにはすごくかわいがっていただいて、お芝居のことも相談させていただいたり、すごく気さくにお話ししてくださいました。

河合監督、現場での服装もおしゃれでいらっしゃいますよね。

そう、監督おしゃれなんですよね! 高い服も庶民的な服もサラッと着こなしていらっしゃって、シルエットとかカッコイイんですよ。河合さんみたいなコーディネート、いいなぁと思っていました。

佐野勇斗 エンタメステーションインタビュー

話を作品に戻しまして…思わず本気で笑っちゃったシーンって、ありましたか?

これは映画を観る方には伝わらないというか、僕の顔が映るアングルはたぶん使われてないんですけど、石上がかぐやにコーヒーを顔に吹かれるシーンがあるんですよ。その後に白銀会長が「石上、どうした?」って言って顔を拭いてくれるんですけど、まずそのセリフの紫耀くんのイントネーションがちょっとおかしくて、それでキャスト陣がツボっちゃったんです。その上で、僕の顔をハンカチで拭くんですけど、拭き方が明らかにおかしいんですよ! 鼻の中に指を入れてきたりして(笑)。そこは個人的に面白かったですね。くすぐったくて笑っちゃいました。そのシーンは紫耀くんのイントネーションと僕の顔を拭く指にも注目してみてください。

コーヒーを吹かれるカットは一発OKだったのでしょうか?

何回か撮りました。でも、橋本環奈ちゃんにコーヒーを吹きかけられるっていうのも、なかなかできない経験なので、ちょっと楽しかったですね。ある種、ご褒美的な(笑)。

あははは(笑)。石上が思わず「青春ヘイト」を爆発させるシーンもありますが、あそこはどのように臨んだんでしょう?

公表するのも恥ずかしいんですけど(笑)、どういうふうに見えたら面白いかなと考えて、家で何パターンかシミュレーションをしました。セリフの意味もちゃんと考えたりしたんですけど、最終的には直感的に振る舞ったパターンが一番ハマった気がします。

そこから続くシーンで、白銀があるパフォーマンスをする時に、石上もさりげなく一緒に踊っているのが印象的でした。

本当は石上は踊る予定なかったんですよ。元々は「がんばれ!」って白銀会長を応援する芝居だったんですけど、一緒に踊った方が応援している感が出るかなって。しかも、僕は撮影最終日だったので、「最後だから踊っとくか」と思って、リハーサルで踊っていたら、河合さんから「いいじゃん!」って言ってもらって、本番でもやることになりました。でも、実は意外と長尺で、実際踊ってみると疲れるんですよね。後から「踊らなきゃよかったかな」と思ったりもしたんですけど、シーン的には盛り上がったので、やっぱり踊ってよかったなと思いました(笑)。

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