Report

木津つばさの透明感のある歌声が心を震わす。ミュージカル『アルスラーン戦記』絶賛上演中!

木津つばさの透明感のある歌声が心を震わす。ミュージカル『アルスラーン戦記』絶賛上演中!

ミュージカル『アルスラーン戦記』が9月5日(木)より大阪で開幕し、9月11日(水)からは東京公演がスタート。大阪公演を経て結束力の増したカンパニーで、壮大な歴史ファンタジーをTHEATRE1010の観客に届けている。
本作は田中芳樹 作の歴史ファンタジー小説をもとに、『鋼の錬金術師』、『銀の匙 Silver Spoon』など代表作をもつ人気漫画家・荒川 弘が手がける漫画『アルスラーン戦記』(「別冊少年マガジン」(講談社連載中)を原作にした、架空の王国パルスの王太子アルスラーンをはじめとする英雄たちの戦いの軌跡を描くストーリー。
東京公演の初日に行われたゲネプロの様子を囲み取材のコメントを交えたレポートでお届けする。

取材・文 / 能一ナオ


心優しい若き王太子が強くまっすぐに成長していく様を目の前で感じることができる

舞台の幕が開き、楽士のギーヴ(山田ジェームス武)がストーリーテラーのように歌い、その歌声をバックに兵士たちが戦う。ここから壮大な物語が始まる。

「歌が苦手で歌稽古が地獄だった」と東京初日会見で明かしたギーヴ 役の山田ジェームス武だが、大阪公演を経て歌うことが楽しくなり、「一瞬で『アルスラーン戦記』の世界に惹き込まれる歌になっているので、一番好きなところ」と語ったのが、この冒頭の歌唱シーンだ。あくまで客観的に語るように状況を歌うギーヴに対し、兵士たちは殺陣を繰り広げなからそれぞれ自分たち民衆の想いを歌に乗せてぶつけていく。冒頭から激しい戦闘シーンに、一気に作品世界に誘われる。

原作世界の石造りの建築物を思わせる舞台セットには、城や街の風景、さらには星空なども投影され、場面ごとに王都エクバターナやペシャワール城などに早変わり。決して華美ではない石造建築のようなセットの質感が、混乱したパルス国の空気を絶妙に醸し出している。

国王の臣下であったカーラーン(内堀克利)が敵国に寝返り、パルスの国王であるアンドラゴラス三世が行方不明、王太子アルスラーン(木津つばさ)も追われる身に。物語の軸は、14歳の若き王太子が少ない仲間と王都エクバターナの奪還を目指さなければならないというシビアさではあるが、原作のようにユーモア溢れる掛け合いや、笑いが散りばめられているのは、ミュージカル版でも同様だ。

中でも、絵を描くことを趣味とする優秀な軍師・ナルサス(斉藤秀翼)は、芸術肌ということもあってか、今作では人一倍様々なタイプの楽曲を歌唱。アルスラーンと初対面する場面では、ダンサーとともに軽快に踊るシーンもあり、ナルサスというキャラクターに新たな可能性を見出している。ナルサスの描いた絵を初めて見たときのアルスラーンの反応や演出も面白い。

ほかにも、ギーヴと絶世の美女・ファランギース(立道梨緒奈)のやりとり、ナルサスの絵心のなさを指摘するダリューン(加藤 将)との対立など、クスリと笑える明るい場面に心が救われる。

そして大きな見どころのひとつは、全編にわたり繰り広げられる殺陣の多さ。ダリューンは長い槍を振り回し、大剣を扱うザンデ(滝川広大)は甲冑衣裳で高らかに飛び跳ねて斬りかかる。大きなアクションを見せたことに驚いた。

エラム 役の熊谷魁人も殺陣について「(アクション指導の)六本木康弘さんが付ける殺陣はとても物語性があって。稽古中は役者とコミュニケーションの時間をとってくださって、『このキャラだったらこういうアクションをするんじゃない?』と僕たちが話したことも盛り込んだ、キャラクターが立った殺陣に仕上がっている」と初日会見でコメントしていた。

また、メインキャラクターの多くがマントを羽織っている衣裳というのもポイント。長いマントをつけたままの殺陣はとても動きづらそうだが、剣裁きとマントが翻る様はとても迫力があり、華麗で思わず見とれてしまうほどだ。キャラクターごとの殺陣の違い、細かな仕草にも注目して欲しい。

しかし、やはりこの作品の最大の魅力で大きく心を揺さぶられるのは、アルスラーンの“人の心を掴む言動”だろう。王太子という生まれながらにして地位の高い人間でありながら、誰にでも分け隔てなく頭を下げ、人を信頼し、その相手を認めるという人柄で、人に従うことを嫌っていた人間をも、自らアルスラーンを慕い、助けたい、支えたい、と思わせてしまう。
若干14歳という若さで背負うには大きすぎる使命、自分が正しいと思ってやったことに反発を受ける場面など、まっすぐなアルスラーンの姿には胸を締めつけられる。

さらに、アルスラーンを演じる木津つばさの透明感のある歌声にも、心を震わされた。以前のインタビューで木津は、“自分の素直さが人の心を引き寄せるのかも”といったことを話していたが、その木津の内面から出る素直さがにじむ透き通った歌声に、アルスラーンのまっすぐさが感じられ、キャラクターとしての感情を倍増させているようだった。

そして、ラストに舞台上に立つアルスラーンは大きなオーラをまとっているような頼もしい姿に見え、約2時間半で駆け抜ける物語の中での成長を大きく感じて胸がいっぱいになった。

短く凝縮されているが、ひとりの心優しい若き王太子が強くまっすぐに成長していく様を目の前で感じることができる作品に仕上がっている、ミュージカル『アルスラーン戦記』。千秋楽にかけ、さらに力強く変化するだろう。

本公演は、9月16日(月・祝)までTHEATRE1010にて東京公演が上演される。
また、本作のBlu-ray&DVDが2020年2月28日に発売されることも決定している。

ミュージカル『アルスラーン戦記』

ミュージカル『アルスラーン戦記』

大阪公演:2019年9月5日(木)~9月8日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
東京公演:2019年9月11日(水)~9月16日(月・祝)THEATRE1010

<来場者特典!>
荒川弘先生の描き下ろし複製ミニ色紙をプレゼント

荒川弘先生描き下ろし複製ミニ色紙

漫画:荒川 弘(講談社「別冊少年マガジン」連載中)
原作:田中芳樹(光文社カッパ・ノベルス刊)
演出・脚本:伊勢直弘
作詞:うえのけいこ
音楽:石塚玲依
美術:乘峯雅寛
舞台監督:清水スミカ
照明:田中 徹
音響効果:天野高志(RESON)
衣裳:瓢子ちあき
ヘアメイク:新妻佑子
特殊造形:林屋陽二
アクション指導:六本木康弘
振付:當間里美
歌唱指導:うえのけいこ
宣伝美術:五島英一
演出補佐:菊地創
演出助手:三国由佳(SPM)
制作:Office ENDLESS
主催:エイベックス・ピクチャーズ株式会社

出演:
アルスラーン:木津つばさ
ダリューン:加藤 将
ナルサス:斉藤秀翼
エラム:熊谷魁人
ギーヴ:山田ジェームス武
ファランギース:立道梨緒奈
アルフリード:岩戸千晴
キシュワード:村田洋二郎
カーラーン:内堀克利
ザンデ:滝川広大
バフマン:佐久間祐人
ヒルメス:伊万里 有
アンサンブル:平山トオル 菅原健志 甲斐祐次 白崎誠也 杉浦勇一 松村凌太郎 SOH 佐織迅 門田 奈菜 山﨑 紫生

※出演者は変更になる可能性があります。

オフィシャルサイト
オフィシャルTwitter(@arslan_stage)

©荒川弘・田中芳樹・講談社/エイベックスピクチャーズ

ミュージカル『アルスラーン戦記』Blu-ray&DVD発売

発売日:2020年2月28日(金)
価格:Blu-ray ¥9,100(税別) DVD ¥8,100(税別)
Amazon店舗特典:原作コミックスを手がける「荒川弘先生描き下ろしイラストカード」付き
収録内容:
【DISC1】本編(東京公演)
【DISC2】特典映像(全景映像、バックステージ映像、日替わりアフタートーク映像、千秋楽カーテンコール映像、ヤシャスィーン!殿下の隣の昼ご飯)
【CD】劇中曲収録
※商品仕様・内容・デザインは予告なく変更になる場合がございます。