Interview

『べっぴんさん』で主人公を支える栄輔役を好演中の松下優也(X4)とは?

『べっぴんさん』で主人公を支える栄輔役を好演中の松下優也(X4)とは?

2枚目に向いてないと自分では思ってます。2.5枚目、僕の存在意義はたぶんそこにある

これまでの共演者や監督などからいただいたアドバイスで大きかったものは?

今の僕の芝居があるのは、いろいろな演出家さんとの出会いのおかげだと思ってるんですけど、『黒執事』の第2弾のときに、演技は内から湧き出るものなんだと気づかされて。特にその再演のときに、演出家の福山桜子さんに「そこにもっとこだわろう」と言われたんです。

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アドバイスされた内容をもう少し具体的に教えてください。

これは別の演出家の方にも教わったことなんですけど、演じる人間がどこから来て、今何をしていて、どこに行くのかっていうことを考えることが大事だと。例えば、僕が演じるセバスチャンは、上手袖から登場したときはどこからそこにやってきたのか。下手袖にハケていくときも、それは下手にハケるんじゃなくて、どこに向かうのか。そうやって観客には見えていない、映っていない部分をいっぱい詰め込むと、ステージに出ている間の時間をメチャクチャ濃くできるんです。そもそもセバスチャンは悪魔だけど、前はどんな人に仕えていたのかとか、何千年前からいるんだろうとか、そういうところを想像してから芝居に入る。そうしたときに「芝居ってこういうことなんだ」「こういうふうに考え始めると面白いな」って思えてきたんですよね。

そうやって演じる役の人物像に厚みや深みを持たせていくと。

そうです。そうやって裏設定を考えていくことは、今の朝ドラでもやっています。僕がやらせてもらっている“岩佐栄輔”は、すごく大事に思っていた妹を戦争で亡くしているという設定だけど、監督からヒントをもらって、自分なりに裏設定を考えて役を広げていく。そうすると、たったひと言のなにげないセリフにしても、演じる人間の人柄が濃く現れてくるんですよね。

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これから挑戦してみたい役柄は?

コメディをやりたいですね。福田(雄一)さんが手がけた『モンティ・パイソンのSPAMALOT』に出させてもらったときにすごく楽しかったんで。

『花より男子』の道明寺司役や、映画『明烏』でのホスト役など、最近は2.5枚目みたいな役柄が多いようにも思います。

僕は2枚目に向いてないと自分では思ってます。まさに2.5枚目だなと思うし、僕の存在意義はたぶんそこにあるんじゃないかと。何より僕が根に持ってる部分がそうじゃないから。

むしろ3の線に近いと(笑)。

そう(笑)。もともとお笑いがめちゃめちゃ好きだし、笑かしたい気持ちもあったし。でも、あきらかに面白いことをする人の笑かし方と僕の笑かし方は違うんですよ。僕の場合は笑かしにいくんじゃなくて、笑われるのが面白いっていうほうなんですよね。ひと癖あって、ちょっと天然ボケが入ってる感じ。

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映画、テレビドラマ、舞台の中で、これからもっとやりたいのは?

そうですね……映画をやりたいです。映画だったらコメディもそうだし、あとはダークサイド寄りなものが好きなので、ちょっと闇を抱えてるような役。適役が好きなんですよね(笑)。だから『スーサイド・スクワッド』とか、ああいう悪役が活躍できるみたいな話はドンピシャなんです。ああいう作品はやってみたいです。

音楽活動と役者業の両立については、どう考えていますか?

僕は結構別物として捉えていて、音楽をやるときの自分と芝居をやるときの自分を意識的に切り替えるようにしてるんです。ただ、芝居をやってる時期は芝居をやればやるほど音楽をやりたいなと思い始めるし、音楽をやってたらやってたで芝居をやりたくなるから、今、すごく良いバランスでやれてますね。

音楽活動で言えば、昨年X4というグループを組んだことは大きな分岐点だったと思います。なぜグループを組もうと思ったんですか?

それこそ、お芝居からの影響ですね。舞台をやっていて、多くの人たちとひとつの作品を作り上げることを経験して、音楽でも自分のソロではできなかったことに繋がる可能性があるんじゃないかと思ったんです。こういうチームプレイを音楽でやったらどうなるんだろうと。たぶん舞台をやっていなかったら、グループというものは考えてなかったと思います。

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10代でデビューして8年経ちますが、仕事に対する取り組み方は変わってきましたか? 最後に、現在の仕事に向き合う姿勢を教えてください。

10代の頃は、音楽も芝居も何のことだかわからずにやってきただけでしたけど、今は人間には同じぶんだけチャンスが巡ってくるものだと思っているので、それを掴むか掴まないかが大事だと考えるようになりました。ただ、それって邪念だとも思うので、大事だということを理解しながらもあまり考えすぎないようにしてるんです。今は『べっぴんさん』なんだから、べっぴんさんの世界、そこでの役に集中するっていう。

無心で目の前の仕事に取り組むと。

「ひょっとしたらこれを誰かが観てるかもしれない。だから頑張ろう」っていうような欲が前に出てるようではダメだと思ってるんです。そうじゃなくて、目の前にある仕事に集中して楽しんでやる。そうすれば次に繋がると思っています。

松下優也

1990年生まれ、兵庫県出身。2008年11月にシングル「foolish foolish」でソロのシンガーとしてデビュー。
2015年に自身が中心となってボーカル&ダンス・グループ“X4”を結成。2016年10月5日にはミニ・アルバム『4 MY BABY』をリリース。2009年公開映画『悲しいボーイフレンド』(草野陽花 監督)で俳優デビュー。その後も数々の舞台、テレビドラマ、映画で活躍。
主な出演作に【舞台】『黒執事』(シリーズ/09・10・13・14)、『THE ALUCARD SHOW』(13)、『Paco〜パコと魔法の絵本〜from「ガマ王子vsザリガニ魔人」』(14)、『タンブリングFINAL』(14)、『モンティ・パイソンのSPAMALOT』(15)、『花より男子』(16)【テレビドラマ】『私のホストちゃんS〜新人ホストオーナー奇跡の密着6ヵ月〜』(14/EX)、『カルテット』(11/MBS)【映画】『ヒカリ、その先へ』(10/江原慎太郎 監督)、『時をかける少女』(10/谷口正晃 監督)、『明鳥』(15/福田雄一 監督)などがある。
現在放映中のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』に岩佐栄輔役で出演中。

オフィシャルサイトhttp://www.matsushitayuya.com

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