Interview

高杉真宙、R15+映画『見えない目撃者』は“果敢に攻めた2時間8分”。スリリングな作品でのチャレンジを大いに語る

高杉真宙、R15+映画『見えない目撃者』は“果敢に攻めた2時間8分”。スリリングな作品でのチャレンジを大いに語る

前途を有望視されていた女性警察官。だが、彼女は一瞬の運命の分け目で自動車事故を起こし、同乗していた弟を亡くした上に、自らも視力を失ってしまう──。その3年後、まだ失意の中に取り残されていた彼女は、盲導犬とともに外出していたある夜、車の接触事故現場に遭遇。そこで確かに耳にした「助けて」という女子高生の声から、誘拐事件だと判断するのだが…!?

ノンストップ・スリラー『見えない目撃者』は、まさしく吉岡里帆演じる主人公の浜中なつめとともに自分もスリルを体感できる、新たなエンターテインメント映画だ。その、なつめの“目”となってバディを組み、事件の真実に迫っていく高校生・国崎春馬には、俳優生活10周年を迎える若きベテラン・高杉真宙が配された。常にロジカルに台本を読み込み、役へとアプローチしていく彼に、今作におけるチャレンジや手応えなど、現場で感じたことを微に入り細に入り聞いていく。

取材・文 / 平田真人 撮影 / 増永彩子


ワンカットずつ時間をかけて撮影。見応えのある映画になっていたのを目にして、感動をおぼえました。

高杉真宙 エンタメステーションインタビュー

高杉さんは台本をまず素読みをして、次にご自身の役の目線で追いかけ、3回目に細かい部分まで掘り下げる…という読み方を常にされているとのことですが、今回も例に違わず…だったのでしょうか?

はい。完成した映画はすごく見やすくなっていたんですけど、脚本の段階では展開が複雑に描かれていて、自分の中で整理するのに時間がかかりました。ただ、僕の演じた国崎春馬はわかりやすく成長線を描いていくというキャラクターで、スタートとゴールがはっきりしていたので、しっかりとフラグを回収していこうと意識しました。あと…これは僕の気持ちでしかないですけど、春馬の顔つきが物語が進むにつれて変わっていけばいいな、と思っていたんです。

登場シーンでは世の中に夢や希望を失った目をしていた春馬が、ラストでは目に光が宿っているという。それを順撮りじゃない中で表現していくのは、そう簡単なことじゃないですよね。

そうですね、そこはもう春馬の気持ちや感情の部分に寄り添うしかないと考えていました。ただ、目つきが変わっていくのもそうですけど、春馬の成長は段階がはっきりとしているから、ひとつフラグを回収したらこうなる、次はこうなっていく…というイメージはできていて。そういった変化を徐々につけていければいいな、というふうには考えていました。まず、事件の発端となる現場に遭遇して、警察署で(吉岡里帆演じる主人公の浜中)なつめさんと再会して…というふうに、春馬が登場するシーンは一つひとつの情報が大きかったというのも、自分にとっては幸いでした。

その最たるものが、なつめとの出会いだったと。とりわけ、彼女の「けっして諦めない」というマインドに触れたことが大きく作用したと考えられそうですね。

なつめさんの性格や行動力に引っ張られたところは多分にあったと思います。それから、春馬の周りにいた大人たちとは違っていた刑事の木村さん(田口トモロヲ)や吉野さん(大倉孝二)と出会えたことも大きくて。その2つの正義感が、春馬を目覚めさせてくれたんだなって。トモロヲさんと大倉さんがまた、カッコイイんですよ!

木村と吉野は、それこそ昔気質の刑事ですよね。

僕自身も木村さんや吉野さんみたいな刑事になりたい、と思いましたから(笑)。トモロヲさんご自身は大人の渋味がにじみでていましたし、大倉さんの野性味は男からしても惚れ惚れするところがありました。自分もこの先、大人になった時に「こうなっていたい」と、お2人を見ていて感じました。あの渋さは20代前半では出せないなって。人生経験って、やっぱり大切なんだなって思いましたね。

高杉真宙 エンタメステーションインタビュー

主演を務められた吉岡さんとの共演は、いかがでしたか?

吉岡さんは、すごくまっすぐでストイックな女優さんだと思います。視力を失ったという設定が大きくのしかかっていたと思いますし、今回の作品では間違いなく大変な役どころだったと思うんですけど、それでもなお妥協せずにまっすぐ演技をして、共演者の方やスタッフさんに対して気づかいを忘れない姿は、すごく力強く映りました。そのぶん共演シーンではなかった、自分が原因で弟さんを亡くしてしまい、視力も失ってしまったことを引きずる弱々しいなつめさんの姿を試写で初めて見て、ちょっとショックだったんです。吉岡さんご自身も芯の通った方なので余計に衝撃を受けましたし、そういう振り幅の広い主人公を吉岡さんが演じてくださったからこそ、僕らも引っ張っていただいたんじゃないかなと感じました。

吉岡さんご本人は、いわゆる座長ということを意識せず、なつめという難役に没入していたとお話されていたようですが、高杉さんの印象は少し違っていたということですね?

はい、少なくとも僕は引っ張ってもらった感覚があります。今回は作品のトーンもあって、出演者同士が笑い話をしてチームワークを深めていくという雰囲気の現場だったんですけど、逆にそれがよかったと思ってもいて。スタッフさんも僕らキャスト陣も何となく職人さんの集まりのような感じがあって、変に馴れ合うということがなかったんですよね。

職人気質の人たちが集まった現場だった、というのは吉岡さんも話されていたそうです。

ワンカット撮るのにも、すごく丁寧に時間をかけていた現場でした。森(淳一)監督も細かく演出をしてくださる方で、少しでも芝居のニュアンスが違っていると「違う」、ピッタリなら「OK」とおっしゃってくださったんですけど、僕はそこがすごく好きで、「OK」をもらった時にすごく安心できるんです。OKじゃない時も、きちんと説明してくださるので、何が違っているのかがつかみやすくて。そんなふうに時間をかけてワンカットの画を現場でつくりあげていくのが、楽しかったです。映画の中では一瞬のカットなんですけど、一つひとつの画が印象的になったと思いますし、丁寧なワンカットの積み重ねが見応えのあるワンシーンになっていったんじゃないかなって。クッションの羽根が舞い散るシーンがあるんですけど、あの撮影もすごく時間が掛かったんですよ。でも、映画を見たらすごくカッコよくて! 僕はあのワンカットが大好きなんですけど、そりゃあ時間が掛かるよなぁって思いました。そういう大変さを積み重ねたからこその緻密さに、自分の出演した映画ながら感動を覚えたんですよね。

高杉真宙 エンタメステーションインタビュー

おっしゃるように、役者さんたちのお芝居そのものも力強いんですが、映像の一つひとつが印象的でした。色合いにしても、画質の手触りにしても、心に直接映写されるような感覚というか。

表現的にも攻めていますよね。それでR15+になったところもあるんですけど、いろいろな制限のある中でも果敢に攻めた2時間8分(の上映時間)だと僕は思っていて。こんなにもたくさんのチャレンジをしてつくりあげた映画なんだなと思って、試写を見てうれしくなりました。

僕が演じた春馬は、「生きづらい」と言われる現代の象徴的な存在だと思っているんです。

高杉真宙 エンタメステーションインタビュー

トピックは数々ありますが、やはり、なつめがシリアルキラーに追われる地下鉄構内のシークエンスのスリリングさは外せないですよね。高杉さんは春馬としてスマホ越しになつめをナビゲートするお芝居をしていますが、あそこは別撮りだったんですよね?

はい、先に吉岡さんが地下鉄構内を逃げていく一連のシーンを撮っていて、後から僕がケータイを通じて誘導するお芝居をしました。ただ、吉岡さんのお芝居用に、僕のナビゲートする声も仮録りしてあって。吉岡さんの方は何日も撮影がかかったそうなんですけど、僕の方は1日で撮り終わっちゃって。しかも、その撮影でクランクアップしたので、終わった時にいろいろな意味で寂しかったです(笑)。

あ、そうだったんですね(笑)。

撮る前から1人で演技することになるのはわかっていたので、めっちゃ緊張するだろうなと予想はしていたんです。案の定、監督からも「ここはもうちょっと焦って、そこはもう少し大きな声で」って、一番細かく指示を出されてしまって(笑)。想像を超えた緊迫感と臨場感を出さないといけないのに、なつめさんの状況を細かく把握していたわけでもなかったので、めちゃくちゃ緊張しながら現場に行ったことを覚えています。

そして、1人でクランクアップを迎えた、と(笑)。

現場ではたくさん労っていただいたんですけど、欲を言えば吉岡さんやトモロヲさんたちと一緒に分かち合いたかったですね(笑)。でも、現場はすごく居心地がよかったです。すごく集中させていただく環境をつくってくださったので、「やっぱり映画って楽しいな」と、あらためて実感させてもらえた作品でした。3ヶ月くらい舞台をやって、そのあとドラマを撮って、次に『見えない目撃者』だったので、わりと久しぶりの映画の現場だったこともあって、映画の楽しさを噛みしめられたのかもしれないです。

そうやって舞台、ドラマ、そして映画というふうにバランスよく現場を経験できているという意味では、いいローテーションが組めている感じですか?

そうですね、舞台が始まればやっぱり熱が入りますし、ドラマのテンポのよさも面白いですし、映画は常に楽しいので…いい感じでお仕事をさせてもらっているなと感じています。

高杉真宙 エンタメステーションインタビュー

そういえば、舞台と並行してスケートボードの練習をされていたそうですが、そういった大変さを感じたということは?

スケボーに関してだけは、もっと時間をかけたかったなという思いがあります。上手い人たちを見ていると、簡単そうにピョンピョン跳ねていますけど、やってみるとめちゃくちゃ難しいんですよ。僕は何でも理屈立てて考えてしまうタイプなので、「どのくらいの力加減をすると、これくらいのジャンプになる」「ここで足をトンと踏むことで、こうなる」みたいに、自分の中でも説明がつかないと体現できなかったりするんですけど、ふだんからスケボーをしている小学生の子たちがピョンピョン跳んでいて、若干凹みました(笑)。でも、思ったよりもコケなかったですし、ケガをすることもなく終えられたのは良かったかな、って自分に言い聞かせています。

今のお話にも象徴されていますけど、高杉さんはロジックを大切にされるんですよね。

スケボーの場合は特に「板に乗って跳ぶってどういうことなんだろう!?」って、なかなか腑に落ちなかったところがありましたし、とにかく「どうやって跳んでいるんだろう?」っていうクエスチョンマークが、なかなか頭から離れなくて。そうやって考え始めちゃうと、すごく時間が掛かってしまうんですよ、僕の場合。かえって、何も考えないでやった方ができちゃうこともあるんですけど、できないと「なんで、できないんだろう?」って、とことん突き詰めて理解しようとしてしまうので…何回も教えてくださる方に「ここはこうで、こうですか?」って聞いてしまいました。という感じで、面倒くさいヤツなんです(笑)。

高杉真宙 エンタメステーションインタビュー

高杉さんらしいな、と思います(笑)。一方、春馬というキャラクターに対してもロジカルにアプローチしていった感じですか?

春馬は、ある種「生きづらい」と言われる現代の象徴的存在だと僕は思っていて。他人に関心が持てなかったり、無気力だったりする一方、大人たちからは冷めた目で見られているっていう。担任の先生から将来をしっかり考えろと言われるシーンもありますけど、たぶん親からも本当のところを理解されていないと思うんですよ。そういう環境が、何事にも無関心な春馬をつくったんだろうなって。夢なんてないし、将来に期待もしていないから、見て見ぬふりをしても平気でいられる。でも、なつめさんと出会うことで、自分の目で見たものに対する責任の重さを感じるというか…物理的に目が見えている自分が力を貸さないと、なつめさんが“目撃”したことが無駄になってしまうと気付くっていうように、自分の中では筋道立てて人物像を理解していきました。

『見えない目撃者』という相反する言葉で構築されたタイトルが物語ってもいますけど、見えているものだけがすべてではないし、目が見えないからこそ心の目で見えるものもある、と感じたりもしました。

作品の後半、真っ暗闇になるシーンがあるじゃないですか。あの中に身を置いた時、「あ、これがなつめさんがいつも見ている景色なんだな」って思ったんですよね。ふだんは見えているから、見えなくなった途端にすごく不安になるんですけど、なつめさんは常に暗闇の中にいて、それでも真実や本質を見つめようとしているから強いんだなって、ある種の逆転現象をそこに見た気がしていて。あのシーンではそういうことを考えたりもしました。

クライマックスも凄まじいですね。アクション、バイオレンス、スリル、そして…と、見応えがハンパなくて。

僕も一番盛り上がるところで「あぁ、なるほどぉ!」って思いました。「見えないからこそ」なつめさんがどう戦っていくのかが絶妙な描かれ方をしていて、台本を読んでいる時点から映像になるのが楽しみだったんです。実際、完成した作品を見ていて、思わず息を止めていた自分に気が付いたんですよ。ここで声を出しちゃいけないというシチュエーションで、試写室が本当に物音一つ立てられないような緊迫感でシーンとなっているのを感じた時、すごく素敵な作品に関われたんだなあって、うれしくなりました。

高杉真宙 エンタメステーションインタビュー

ストーリーの着地点もふくめて、ノンストップ・スリラー・エンターテインメントの謳い文句に偽りなしだな、と思いました。

『見えない目撃者』のような作品って、海外の映画やドラマの印象があるんですけど、日本では珍しいかもしれないですよね。追いかけられたり追いつめられたりするスリリングな気分は、映画館という暗い空間の中だからこそ臨場感とともに体験できると僕は思っていますので、みなさんにもぜひ劇場へ足を運んでいただきたいです。

そこを踏まえまして、高杉さんから作品のPRをしていただいて、お話をまとめようと思います。

僕の個人的な考え方なんですけど、「そんなにすごい映画なのか?」と構えた上で見ていただいても、そのハードルを飛び越えることができるポテンシャルを持った作品だと思っていて。というのは、すごく細かいところまでスタッフさんや役者のみなさんがこだわっていらっしゃって、一緒につくらせていただいた自分にも、その熱意がひしひしと伝わってきたからなんです。なつめや春馬の行く末にも、思わず息を止めて見届けたくなるようなスリルがありますし、見てくださる方が自己投影できる映画でもあると思っているんですね。なつめと一緒に追いかけられている感覚を、こんなにも味わえる映画というのは、なかなかないと思うので、ハラハラドキドキしていただけたら、うれしいです。


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高杉真宙

1996年、福岡県生まれ。2009年に舞台『エブリ リトル シング’09』で俳優デビュー。近年の主な出演作品には、劇場アニメ『君の膵臓をたべたい』(主演声優)、映画『虹色デイズ』『君が君で君だ』『ギャングース』『十二人の死にたい子どもたち』『映画 賭ケグルイ』、ドラマ『サイン -法医学者 柚木貴志の事件-』などがある。現在はドラマ『サギデカ』(NHK)に出演中。出演映画『超・少年探偵団NEO -Beginning-』(10月25日)の公開を控えるほか、11月9日(土)より出演舞台『カリギュラ』が開幕する。

オフィシャルブログ
https://lineblog.me/takasugimahiro/

オフィシャルTwitter
@MahiroTakasugi_

オフィシャルInstagram
@mahirotakasugi

フォトギャラリー

映画『見えない目撃者』

9月20日(金)全国公開

出演:吉岡里帆 高杉真宙 大倉孝二 浅香航大 酒向 芳 松大航也 國村 隼 渡辺大知 栁 俊太郎 / 松田美由紀 田口トモロヲ
監督:森 淳一
脚本:藤井清美 森 淳一
Based on the movie ‘BLIND’ produced by MoonWatcher
企画・制作プロダクション:ROBOT・MoonWatsher
幹事・配給:東映
R-15

©2019「見えない目撃者」フィルムパートナーズ ©MoonWatcher and N.E.W.

オフィシャルサイト
http://www.mienaimokugekisha.jp