LIVE SHUTTLE  vol. 69

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サムライギタリストMIYAVIが魅せた独自の超技巧テクニックとは?

サムライギタリストMIYAVIが魅せた独自の超技巧テクニックとは?

 ピックを使わず指でエレクトリックギターを弾く、独自のスラップ奏法で世界中から注目を集めているサムライギタリスト、MIYAVI。これまでに北米、南米 、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアなど約30カ国で300公演以上のライブ と共に、4度のワールドツアーを成功させている彼が、1年4ヶ月ぶりのアルバム『Fire Bird』を携えた全国ツアー、MIYAVI Japan Tour 2016 “NEW BEAT, NEW FUTURE”は10都市10会場で開催。今回、ファイナル公演の千葉・幕張メッセイベントホールのライブをレポートする。

取材・文 / 井桁 学 写真 / Yusuke Okada, Keiko Tanabe

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 MIYAVIと言えば、三味線やスラップベースの奏法からインスピレーションを得て、独自の超技巧な演奏スタイルを確立。自らの指で弦を強く叩いてパーカッシブなサウンドを出したかと思うと、自らの爪をピックのように扱ってエッジの立った速いパッセージを弾く。彼のアグレッシブなライブパフォーマンスは、ただただ圧倒されるばかりだ。

 激しいビートをSEにメンバーがステージへ登場。今回はいつものドラマーのBOBOとボーカル&ギターのMIYAVIの2人だけでなく、アルバムプロデューサーのレニー・スコルニックをDJに迎えた3人編成。そのSEだったビートはそのままアルバムのリードトラックである「Fire Bird」のビートへシフトして、ライブはスタート。タテノリのビートとヨコノリのグルーヴの交差が心地よく、ビジョンには手塚治虫原作のアニメ「火の鳥」の映像とコラボしたミュージックビデオが流れる。ギターソロではワーミーペダルを駆使したハイピッチかつ、ブーミーなファズギターサウンド、フェンダーカスタムショップ製のテレキャスターに特別にトレモロアームがついたMIYAVIモデルで変化自在にプレイする。続いて悲鳴にも似た雄叫びのギターサウンドが印象的な「Raise Me Up」へ。レーザービームを使った照明演出も加わり、MIYAVIはセンター位置のボーカルマイクだけなく、下手と上手の計3カ所設置のボーカルマイクでも歌う。そして、誰もが知るあまりにも有名なイントロの「Mission: Impossible Theme」が奏でられる。自らの右手親指の爪をピックにして荒々しく弾きまくるMIYAVI。アーミングによるプレイも圧巻で、華麗なアクションを交えながらアグレッシブなプレイと自らを切り刻むように弾くプレイスタイルに釘付けになった。

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 MCでは今回のアルバム『Fire Bird』に関して「長いキャリアの中で心が折れそうになったり、くじけそうになったりしたこともあったけど、信念さえ失わなければ挑戦することができるという思いを込めて。そしてみんなに響く新しいギターミュージックを作りたくて制作しました」と語った。

 ライブ前半での一番の盛り上がりは「She Don’t Know How To Dance」。パワフルな楽曲でまるで居合いや立合などの鬼気迫る抜刀術を見せられているような緊張感あるプレイ。まさに唯一無二のスタイルである。この楽曲はダンスコンテストで全国から参加した方の中から選ばれた13組がステージ上にあがり、個性的なダンスでMIYAVIと共演。ダンサーはグループからソロ、キッズまで様々なスタイルの一般ダンサーが参加しMIYAVIが奏でるサウンドと見事に融合していった。

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 ライブ中盤は聴かせる楽曲でMIYAVIの多角的な一面を魅せた。一緒に歌ってもらえたらと告げ始まったの「Cry Like This」では、切ない楽曲ながら、ブリブリとしたファズギターサウンドとの対比が印象的。「Guard You」はアダルトなR&Bテイストの楽曲で、トレモロアームでビブラートをかけたギターサウンドがエモーショナルだった。

 ライブ後半はシーケンスの中、ボーカルとボコーダーが重なり絶妙な世界感を作る「Another World」へ。「Survive」や「Horizon」で会場は最高潮へ。本編は壮大かつ雄大な世界感の「Steal The Sun」で終了した。

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 アンコールラストはMIYAVIのプレイスタイルを一躍有名にした楽曲「What’s My Name?」。ドラマーBOBOと作り出すグルーヴは、スピーディーなBPMの中研ぎ澄まされたセッション。MIYAVIのスラップギターは華麗で鮮やか。まさにアスリート同士の闘いのような真剣勝負のアンサンブルこそMIYAVIの創り出す音楽の本質である。音が生まれて起こる波動と音圧、そして踊りたくなるようなビートや心地よいグルーヴ全開のライブだった。

 15周年を迎え、様々なプロジェクトが始動する。2017年2月からアジアを皮切りにアメリカやヨーロッパを周るワールドツアーMIYAVI World Tour 2017 “Fire Bird”の開催。さらにベストアルバムの発売決定も発表。このベストは単なる過去を振り返るものでなく、MIYAVIの過去・現在・未来をつなぐ、次へ進める作品にしたいと語っていた。近日発表となる詳細を楽しみに待ちたい。

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MIYAVI Japan Tour 2016 “NEW BEAT, NEW FUTURE”
2016/10/10 (月)@幕張メッセ イベントホール セットリスト


01. Fire Bird
02. Raise Me Up
03. Mission Impossible Theme
04. Into The Red
05. Come Alive
06. Let Go
07. Dim It
08. She Don’t Know How To Dance
09. Afraid To Be Cool
10. Cry Like This
11. Guard You
12. The Others
13. Long Night
14. Another World
15. Universe
16. Survive
17. Horizon
18. Day 1
19. Steal The Sun

<アンコール>
20. Real?
21. What’s My Name?
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